JPH0681776U - 収録用製本及びその収録用シート状物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 外装シートの両面とも図面等を見開き状態で
収納・検索可能な収録用製本及びその収録用シート状物
を提供する。 【構成】 透明で肉厚が１００〜２００ミクロンの樹脂
材からなる外装シート９の上端縁９ａ及び内端縁９ｂの
２辺を開放し、外装シート９に中仕切りシート１０を介
在して、中仕切りシート１０の内端縁１０ａを外装シー
ト９の内端より突出させて綴じ代部４とし、綴じ代部４
を表紙５の背部６に接着する。 【効果】 外装シート９の２辺を開放しているので、図
面等を見開き状態で容易に収納でき、中仕切りシート１
０の綴じ代部４により外装シート９の表シート部分のみ
ならず裏シート部分にも図面等を見開き状態で収納でき
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、地図、図面の収録や複数枚の書類の収録に適した収録用シート状 物及びこれらを多数枚重合してなる収録用製本に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、書類等の整理に使用される収録用製本は、その収録用シート状物が、袋 状に形成され、その上端開口から書類を１枚１枚収録できるように構成されたも のや、収録袋に仕切り用の中台紙が介在され、１枚の収録用シート状物に２枚の 書類等を収録できるものがあった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上端のみ開放する袋状の収録用シート状物を有する収録用製本 では、図面等の比較的サイズの大きな書類を整理保管する場合、図面等を折り畳 んだ状態で保管しなければならず、その後に図面等を検索するときに不便であっ た。この問題を解決して図面等を見開き状態で検索できるようにするため、上端 縁および内端縁の２辺が開放できる収録用シート状物を複数枚重合した収録用製 本も考えられる。

【０００４】 図８は図面等を見開き状態で整理保管するために提案された収録用製本の斜視 図である。この図において、収録用シート状物３０，３１は、複数枚重合して表 紙３２の背部３３に接合されるが、表シート３４及び裏シート３５のうちの一方 の端縁は綴じ部３６となり、開放することができない。

【０００５】 従って、１枚の図面等３７を見開き状態で収納するのに２枚を１組とする収録 用シート状物３０，３１を使用しなければならず、しかも、各収録用シート状物 の裏側のシート部分はその内端縁が綴じ部となっているため、裏シート部分で図 面を見開き状態で収録することはできず、僅かに関係書類を収納できるにすぎな いといった欠点がある。このことは、リング形式等の綴じ具を備えた収録用品を 使用する場合でも同様な問題がある。

【０００６】 また、上記のように、２辺開放形の収録用シート状物を使用しても、通常、そ のシートの肉厚が５０〜６０ミクロンと薄いものが使用されていることが多いた め、いわゆるこしが弱く、この収録用シート状物に複数枚の書類を収納する場合 等では、上端縁のみが開放する収録用シート状物と異なり、書類の一部が収録用 シート状物から脱落することがあり、その保管に不適当であった。

【０００７】 そこで、この考案の目的とするところは、外装シートの両面とも図面等を見開 き状態で検索できるように収録できる収録用シート状物及びその収録用製本を提 供することにある。また、書類等の収録においても複数枚の収録に耐え得る収録 用シート状物及び収録用製本を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的達成のため、請求項１の考案に係る収録用シート状物は、表シート及 び裏シートからなる外装シートが設けられ、この外装シートの表シート及び裏シ ートの下端縁及び外端縁が互いに閉塞され、また内端縁および上端縁が互いに開 放され、前記外装シートに中仕切りシートが介在され、この中仕切りシートの外 端側が前記外装シートの閉塞部に止着されるととともに、中仕切りシートの内端 縁が外装シートの内端よりも突出形成され、この突出部が綴じ代部とされたこと を特徴としている。

【０００９】 また、この収録用シート状物の最適な実施態様としては、外装シートを透明な いし半透明で肉厚が１００〜２００ミクロンの樹脂材で構成することも可能であ る。更に、別の最適な実施態様として、綴じ代部にパンチ穴を形成することも可 能である。

【００１０】 そして、これらを使用した収録用製本は、収録用シート物を多数枚重合するこ とにより被綴じ体を構成し、この被綴じ体の綴じ代部の端縁を、表紙の熱可塑性 樹脂材からなる背部内面に接着してなるものである。

【００１１】

【作用】

上記のように、綴じ代部のみが外装シートから突出しており、この綴じ代部の 端縁が製本の表紙の背部内面に接着されることになる。しかも、外装シートはそ の表シート及び裏シートの内端縁及び上端縁の２辺を開放しているので、地図、 図面等を見開き状態で収録保管することができ、その検索を行う場合にも便利で ある。

【００１２】 しかも、表シート部分のみならず、裏シート部分にも図面等を見開き状態で収 納することができるから、製本時に収録用シート状物が少なくても多くの図面等 の書類が収納できることになる。

【００１３】 また、収録用シート状物の最適な実施態様の如く、外装シートを透明ないし半 透明な樹脂材で構成すれば、整理保管した書類等の検索時に保管された書類を収 録用シート状物から取り出さなくとも検索することができる。また、収録用シー ト状物の肉厚が１００〜２００ミクロンと比較的厚いため強度的にも優れ、２辺 開放式の収録用シート状物であっても、１枚の収録用シート状物に複数の書類を 一度に収録できる。

【００１４】 更に、別の最適な実施態様の如く、綴じ代部にパンチ穴を形成すれば、リング 形式の綴じ具等を有する収録用品にもこの考案に係る収録用シート状物を挟んで 、図面等の比較的大きな書類等を見開き状態で収録できる。

【００１５】

【実施例】

以下、添附図面に示した実施例について説明する。図１ないし図６は、この考 案に係る収録用製本の一実施例を示すもので、図１は収録用シート状物の斜視図 、図２はその平面図、図３は収録用製本の平面図、図４はこの収録用製本の製本 装置の正面図、図５はその側面断面図、図６は収録用製本の使用状態を示す斜視 図である。

【００１６】 この考案に係る収録用製本１は、図３の如く、収録用シート状物２を多数枚重 合することにより被綴じ体３が構成され、この被綴じ体３の綴じ代部４の端縁が 、表紙５の背部６の内面に接着されている。この被綴じ体３を構成する各収録用 シート状物２は、図１，２の如く、透明ないし半透明なポリプロピレン等の熱可 塑性樹脂材である１枚のシート材の中央部を折り曲げて表シート７及び裏シート ８からなる略矩形状の外装シート９が構成され、この外装シート９に不透明で外 装シート９と同質材料からなる中仕切りシート１０が介在されている。これらの 外装シート９及び中仕切りシート１０は、その肉厚が１００〜２００ミクロンで あり、比較的肉厚に形成されている。

【００１７】 そして、外装シート９及び中仕切りシート１０の下端縁９ｃは同時に熱溶着さ れて閉塞されている。また、外装シート９の表シート７及び裏シート８は、その 上端縁９ａ及び内端縁９ｂ同士が互に開放されている。従って、外装シート９は 、その上端縁及び内端縁が開放する２辺開放形とされる。また、中仕切りシート １０は、その内端縁１０ａが外装シート９の内端縁９ｂから突出形成され、図２ の如く、この突出部の幅Ｄは約２５ｍｍとされて、この部分が綴じ代部４とされ ている。

【００１８】 そして、この被綴じ体３を接着する表紙５は、被綴じ体３を振動による熱溶着 で接合するため、その背部６の内面がポリプロピレンや塩化ビニル等の熱可塑性 樹脂からなることを必要とするが、安価に得られて耐久性も優れているという点 で、全体が熱可塑性樹脂からなるものが望ましい。また、この被綴じ体３の綴じ 代部４の端面と表紙５の背部内面との間には、図３の如く、熱可塑性樹脂フィル ム１２が介在され、図４，５に示す製本装置１３によって、被綴じ体３の綴じ代 部４と表紙５の背部６の内面とが接着される。

【００１９】 この製本装置１３は、図４，５の如く、テ−ブル１４に固定された固定側衝立 て１５、及びテ−ブル１４上をピストン等の駆動手段により移動可能な可動側衝 立て１６からなる被綴じ体用クランプ１７と、表紙５を担持しかつ左右方向に振 動する押圧振動体１８と、この押圧振動体１８を昇降するピストン等の昇降手段 １９とを備えている。そして、クランプ１７の上部１５ａ，１６ａは、押圧振動 体１８と共に下降し得るように、スライドピン２０とバネ２１とでクランプ本体 側に支持されている。

【００２０】 上記の如く構成された製本装置１３を使用して、被綴じ体３の綴じ代部４と表 紙５の背部６の内面とを接着するには、まず、被綴じ体３の各収録用シート状物 ２の外端縁９ｄを下側にした状態で、テ−ブル１４上で揃えることにより、上側 に位置する綴じ代部４の内端縁１０ａを揃え、その内端縁１０ａに熱可塑性樹脂 フィルム１２を接するように重ねて、その全体の重なりをクランプ１７間に介在 し、可動側衝立て１６を移動して、この可動側衝立１６と固定側衝立て１５とで 被綴じ体３を挟圧する。

【００２１】 そして、表紙５が背部内面を下向きにして取付けられている押圧振動体１８を 昇降手段１９によって下降させ、表紙５の背部内面で、熱可塑性樹脂フィルム１ ２及び被綴じ体３の綴じ代部４を押し、その押した状態で、往復駆動手段等の振 動手段により押圧振動体１８を図５の左右方向に０．５〜２．０ｍｍ程度の振幅 で、１５０〜３００サイクル程度の周波数で振動させることによって背部６の内 面と介在熱可塑性樹脂フィルム１２の間に摩擦熱を発生させ、これにより、背部 内面と介在熱可塑性樹脂フィルム１２を溶融させる。

【００２２】 そして、背部６の内面と介在熱可塑性樹脂フィルム１２を十分に溶融させた段 階で、押圧振動体１８の振動を止め、溶融段階で被綴じ体３を表紙５の背部内面 に接着する。なお、押圧振動体１８の振動方向は、上述の方向が好ましいが、そ れに限らず、接触面と平行等の方向でもよい。そして、表紙５と被綴じ体３が接 着した後に、押圧振動体１８から表紙５を外し、クランプ１７を開放すれば、図 ３に示す収録用製本１が得られる。

【００２３】 次に、この出来上がった収録用製本１の使用方法を説明すると、地図や図面等 の比較的サイズの大きなものを見開き状態で検索できるように収録する場合、図 ６の如く、所望の収録用シート状物を開き、左側の裏シート８と右側の表シート ７とを開きながら上方より地図等２３を挿入する。この場合、表シート７及び裏 シート８の上端縁９ａ及び内端縁９ｂの２辺が開放しているので、地図等２３等 の挿入も容易に行うことができ、しかも外装シート９は透明ないし半透明である から、所望の地図等２３を検索する場合にも便利である。

【００２４】 しかも、各収録用シート状物２は、表紙５への綴じ部が中仕切りシート１０の 内端縁であり、外装シート９の表シート７も裏シート８も２辺が開放する形式で あるため、表シート部分のみならず、裏シート部分にも地図等２３を見開き状態 で収納することができる。この場合、中仕切りシート１０を不透明なシートから 構成すれば、図面、地図等の整理保管の場合の体裁もよく、また、その検索も容 易に行うことができ、更に、製本１の収録用シート状物２が少なくても多くの図 面等の書類が収納できることになる。

【００２５】 また、図示しないが、複数の書類をまとめて一時的に収納しておきたい場合で も、外装シート９の肉厚が１００〜２００ミクロンと比較的厚いため、強度性・ 耐久性に優れ、一部の書類が脱落する等といったことはなくなる。

【００２６】 図７は、この考案の別の実施例を示す収録用シート状物の斜視図で、この例で は、綴じ代部４にパンチ穴２５が形成されている。従って、この収録用シート状 物２を、リング形式の綴じ具等を有する収録用品に挟んで使用した場合でも、上 記と同様に、図面等の比較的大きな書類等を見開き状態で収録できる。

【００２７】 なお、この考案は、上記実施例に限定されるものではなく、この考案の範囲内 で多くの修正・変更を加えることができるのは勿論である。例えば、上記実施例 では、外装シート９を折り曲げ形成して、表シート７と裏シート８とを形成した が、夫々単独のシート材から形成してもよく、この場合、表シートと裏シートの 外端縁同士を接合すればよい。また、この接合方法および外装シートの下端縁の 接合方法も熱溶着に限らず、熱圧着等の他の方法で行ってもよい。更に、中仕切 りシートは、その下端縁および外端縁の少なくとも一方が外装シートの閉塞部に 止着されていればよい。

【００２８】

【考案の効果】

以上詳述したところから明らかな通り、請求項１及び請求項４の考案に係る収 録用シート状物及び収録用製本によれば、２辺開放形の外装シートから中仕切り シートの綴じ代部が突出し、この綴じ代部の端縁が表紙の背部内面に接着される ので、図面等の比較的大きな書類を見開き状態で収録保管することができ、その 検索も容易に行える。しかも、中仕切りシートの突出した綴じ代部が表紙に接着 されるので、表シート部分のみならず、裏シート部分にも図面等を見開き状態で 収納することができ、製本時に収録用シート状物が少なくても多くの図面等の書 類が収納できるといった優れた効果がある。

【００２９】 また、請求項２に係る収録用シート状物によれば、その肉厚が１００〜２００ ミクロンで比較的厚いため強度的にも優れ、２辺開放形の収録用シート状物であ っても、１枚の収録用シート状物に複数の書類を一度に収録できる。

【００３０】 更に、請求項３に係る収録用シート状物によれば、綴じ代部にパンチ穴を形成 しているので、綴じ具等を有する収録用品にも使用して、図面等の比較的大きな 書類等を見開き状態で収録できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る収録用シート状物の斜視図

【図２】その平面図

【図３】収録用製本の平面図

【図４】この収録用製本の製本装置の正面図

【図５】その側面断面図

【図６】収録用製本の使用状態を示す斜視図

【図７】収録用シート状物の別の実施例を示す斜視図

【図８】図面等を見開き状態で整理保管するために提案
された収録用製本の斜視図

【符号の説明】

１……収録用製本 ２……収録用シート状物 ３……被綴じ体 ４……綴じ代部 ５……表紙 ６……背部 ７……表シート ８……裏シート ９……外装シート ９ａ……上端縁 ９ｂ……内端縁 ９ｃ……下端縁 １０……中仕切りシート １０ａ……内端縁 ２５……パンチ穴

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 表シート及び裏シートからなる略矩形状
   の外装シートが設けられ、この外装シートの表シート及
   び裏シートの下端縁及び外端縁が互いに閉塞され、また
   内端縁および上端縁が互いに開放され、前記外装シート
   に中仕切りシートが介在され、この中仕切りシートの外
   端側が前記外装シートの閉塞部に止着され、中仕切りシ
   ートの内端縁が外装シートの内端よりも突出形成され、
   この突出部が綴じ代部とされたことを特徴とする収録用
   シート状物。
2. 【請求項２】 前記外装シートは透明ないし半透明で肉
   厚が１００〜２００ミクロンの樹脂材で構成されたこと
   を特徴とする請求項１記載の収録用シート状物。
3. 【請求項３】 前記綴じ代部にパンチ穴が形成されたこ
   とを特徴とする請求項１または請求項２記載の収録用シ
   ート状物。
4. 【請求項４】 請求項１または請求項２記載の収録用シ
   ート状物が多数枚重合されることにより被綴じ体が構成
   され、この被綴じ体の綴じ代部の端縁が、表紙の熱可塑
   性樹脂材からなる背部内面に接着されてなることを特徴
   とする収録用製本。