JPH0681776B2 - 変性フェノール系樹脂の製造方法、該樹脂を含む硬化性樹脂組成物及びそれを含む成形材料 - Google Patents
変性フェノール系樹脂の製造方法、該樹脂を含む硬化性樹脂組成物及びそれを含む成形材料Info
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- JPH0681776B2 JPH0681776B2 JP63186933A JP18693388A JPH0681776B2 JP H0681776 B2 JPH0681776 B2 JP H0681776B2 JP 63186933 A JP63186933 A JP 63186933A JP 18693388 A JP18693388 A JP 18693388A JP H0681776 B2 JPH0681776 B2 JP H0681776B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はフエノール系ノボラツク樹脂とN-メチロールア
クリルアミド類および又はそのアルキルエーテル化物を
反応させてなる変性フエノール系樹脂の製造方法、該樹
脂を含む硬化性樹脂組成物及びそれを含む成形材料に関
するものである。
クリルアミド類および又はそのアルキルエーテル化物を
反応させてなる変性フエノール系樹脂の製造方法、該樹
脂を含む硬化性樹脂組成物及びそれを含む成形材料に関
するものである。
従来より成形材料、積層板、鋳造用樹脂、接着剤、塗料
など多くの分野で使用されているフエノール樹脂は、メ
チロール基及び/又はジメチレンエーテル基等の架橋基
によつて自己硬化するレゾール型フエノール樹脂と、ヘ
キサミンで代表される架橋剤を用いて硬化せしめるノボ
ラツク型フエノール樹脂とに類別され、これらはそれぞ
れの具備する性質、特徴に応じてバインダーないしコー
テイング剤として利用されている。
など多くの分野で使用されているフエノール樹脂は、メ
チロール基及び/又はジメチレンエーテル基等の架橋基
によつて自己硬化するレゾール型フエノール樹脂と、ヘ
キサミンで代表される架橋剤を用いて硬化せしめるノボ
ラツク型フエノール樹脂とに類別され、これらはそれぞ
れの具備する性質、特徴に応じてバインダーないしコー
テイング剤として利用されている。
しかしながら、これらのフエノール樹脂は硬化時に発生
する水、ホルムアルデヒド又はアンモニアのような低級
アミン化合物などの揮発性物質による作業環境の汚染の
みならず、硬化物中に残留して形成される多数の微小ガ
ス孔の存在、特にヘキサミンの使用においては硬化に寄
与せずにそのまま硬化物中に存在する親水性未反応ヘキ
サミンの存在、そのほか縮合反応という固有の硬化機構
に基づく制約された硬化速度、及びメチレン結合という
ハードセグメントによる分子間架橋など幾多の本質的な
欠点を有するため、次に述べるような種々の問題を誘起
し易く久しくその解決が望まれてきた。
する水、ホルムアルデヒド又はアンモニアのような低級
アミン化合物などの揮発性物質による作業環境の汚染の
みならず、硬化物中に残留して形成される多数の微小ガ
ス孔の存在、特にヘキサミンの使用においては硬化に寄
与せずにそのまま硬化物中に存在する親水性未反応ヘキ
サミンの存在、そのほか縮合反応という固有の硬化機構
に基づく制約された硬化速度、及びメチレン結合という
ハードセグメントによる分子間架橋など幾多の本質的な
欠点を有するため、次に述べるような種々の問題を誘起
し易く久しくその解決が望まれてきた。
1.耐湿・耐水性の劣化による電気的特性の低下、未反応
ヘキサミン、低級アミン化合物の親水性含窒素化合物
(不純物)によるインサート金属の腐食など電気・電子
部品には極めて不都合な問題を招き易いこと。
ヘキサミン、低級アミン化合物の親水性含窒素化合物
(不純物)によるインサート金属の腐食など電気・電子
部品には極めて不都合な問題を招き易いこと。
2.硬化物は、高温に晒されると酸化されて次第に暗色に
変色し、特にヘキサミンの使用においては黄色に強く着
色し易いなど色相、外観管理上極めて不利であり応用面
で大きな制約と成つていること。
変色し、特にヘキサミンの使用においては黄色に強く着
色し易いなど色相、外観管理上極めて不利であり応用面
で大きな制約と成つていること。
3.樹脂分子間の架橋は、ヘキサミンやメチロール基及び
/又はジメチレンエーテル基等の如き架橋基のメチレン
結合への転換により形成されるため、硬化物は硬くて脆
い性質を有するという問題がある。
/又はジメチレンエーテル基等の如き架橋基のメチレン
結合への転換により形成されるため、硬化物は硬くて脆
い性質を有するという問題がある。
4.樹脂の硬化は、主としてヘキサミンやメチロール基及
び/又はジメチレンエーテル基等の如き架橋基の活性化
温度に依存するため硬化温度、硬化速度等の硬化条件の
選択には自ずから限界があり、硬化物の形成に際し硬化
条件を制約されるという問題がある。また、架橋効率の
面からも十分ではなく物性向上のため更に硬化物に熱処
理を施すなど煩雑な後処理を要するという問題がある。
び/又はジメチレンエーテル基等の如き架橋基の活性化
温度に依存するため硬化温度、硬化速度等の硬化条件の
選択には自ずから限界があり、硬化物の形成に際し硬化
条件を制約されるという問題がある。また、架橋効率の
面からも十分ではなく物性向上のため更に硬化物に熱処
理を施すなど煩雑な後処理を要するという問題がある。
従来、このような問題を解決するために、本発明に最も
近い重合性不飽和基をフエノール樹脂に導入する方法と
して、例えばフエノール性水酸基の水素をアルカリ金属
で置換したのち、アクリル酸クロライド等のハロゲン化
合物と反応させてエーテル化合物を製造する方法等が知
られている。
近い重合性不飽和基をフエノール樹脂に導入する方法と
して、例えばフエノール性水酸基の水素をアルカリ金属
で置換したのち、アクリル酸クロライド等のハロゲン化
合物と反応させてエーテル化合物を製造する方法等が知
られている。
しかしながら、前記樹脂は、高価な化合物を用いるため
にコスト高となり、工業的には利用度が低いものであ
り、又、前記樹脂の製造方法においては、反応過程で生
じる例えばNaCl等の副産物を除去する必要があり、品質
上、あるいは製造上において問題がある。
にコスト高となり、工業的には利用度が低いものであ
り、又、前記樹脂の製造方法においては、反応過程で生
じる例えばNaCl等の副産物を除去する必要があり、品質
上、あるいは製造上において問題がある。
本発明は、以上のような従来技術の問題点に鑑みなされ
たもので、その目的は、改善された有効な性質を具備す
る変性フエノール系樹脂の製造方法、該樹脂を含む硬化
性樹脂組成物及びそれを含む成形材料を提供することで
ある。
たもので、その目的は、改善された有効な性質を具備す
る変性フエノール系樹脂の製造方法、該樹脂を含む硬化
性樹脂組成物及びそれを含む成形材料を提供することで
ある。
本発明は、前記問題点に鑑み、N-メチロールアクリルア
ミド類および又はそのアルキルエーテル化物に着目し、
鋭意検討を重ねた結果フエノール類とホルムアルデヒド
類を酸の存在下に先に反応させて樹脂化した後、N-メチ
ロールアクリルアミド類および又はそのアルキルエーテ
ル化物を反応させて変性フエノール系樹脂を製造する方
法及び得られた該樹脂が前記問題点を解決に極めて有効
であることを見いだし本発明をなすに至つた。
ミド類および又はそのアルキルエーテル化物に着目し、
鋭意検討を重ねた結果フエノール類とホルムアルデヒド
類を酸の存在下に先に反応させて樹脂化した後、N-メチ
ロールアクリルアミド類および又はそのアルキルエーテ
ル化物を反応させて変性フエノール系樹脂を製造する方
法及び得られた該樹脂が前記問題点を解決に極めて有効
であることを見いだし本発明をなすに至つた。
1.フエノール系ノボラツク樹脂とN−メチロールアクリ
ルアミド類及び/又はそのアルキルエーテル化物とを酸
性触媒の存在下に反応させることを特徴とする変性フエ
ノール系樹脂の製造方法。
ルアミド類及び/又はそのアルキルエーテル化物とを酸
性触媒の存在下に反応させることを特徴とする変性フエ
ノール系樹脂の製造方法。
2.上記1に記載の方法で製造された変性フエノール系樹
脂及び重合触媒を含む硬化性樹脂組成物。
脂及び重合触媒を含む硬化性樹脂組成物。
3.上記2に記載の硬化性樹脂組成物を含む成形材料。
に関するものである。
本発明におけるフエノール系ノボラツク樹脂(以下、単
にノボラツクと略称する)には、フエノール性水酸基を
有しかつ加熱によつて不溶性、不融性の生成物に熱硬化
しないものであれば特に制限なく使用することができ
る。具体的には、フエノール類とアルデヒド類とを触媒
の存在下に反応させて得られる含水ノボラツク、これを
脱水した固形のノボラツク、及び溶剤に溶解したワニス
状ノボラツク、又は各種変性剤と共縮合もしくは混合し
て得られる変性ノボラツク樹脂などが例示される。
にノボラツクと略称する)には、フエノール性水酸基を
有しかつ加熱によつて不溶性、不融性の生成物に熱硬化
しないものであれば特に制限なく使用することができ
る。具体的には、フエノール類とアルデヒド類とを触媒
の存在下に反応させて得られる含水ノボラツク、これを
脱水した固形のノボラツク、及び溶剤に溶解したワニス
状ノボラツク、又は各種変性剤と共縮合もしくは混合し
て得られる変性ノボラツク樹脂などが例示される。
ここでいう、フエノール類としてはフエノール性水酸基
を分子内に1個以上有するものをすべて含むことができ
る。具体的に例示するならばフエノール、クレゾール、
キシレノール、tert−ブチルフエノール、フエニルフエ
ノール、ノニルフエノール、クミルフエノール、イソプ
ロペニルフエノール、ブロモフエノール、フルオロフエ
ノール、アミノフエノール、レゾルシノール、カテコー
ル、イソプロピルカテコール、ピロガロール、グリシノ
ール、ビスフエノールA、ビスフエノールF等を挙げる
ことができ、これらは単独又は2種以上の混合物として
使用できる。
を分子内に1個以上有するものをすべて含むことができ
る。具体的に例示するならばフエノール、クレゾール、
キシレノール、tert−ブチルフエノール、フエニルフエ
ノール、ノニルフエノール、クミルフエノール、イソプ
ロペニルフエノール、ブロモフエノール、フルオロフエ
ノール、アミノフエノール、レゾルシノール、カテコー
ル、イソプロピルカテコール、ピロガロール、グリシノ
ール、ビスフエノールA、ビスフエノールF等を挙げる
ことができ、これらは単独又は2種以上の混合物として
使用できる。
アルデヒド類としては、例えばホルマリン、パラホルム
アルデヒド、トリオキサン、テトラオキサン、アセター
ル、ヘキサメチレンテトラミン、グリオキサール、アセ
トアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、
アクロレイン、フルフラール等を挙げることができるが
これらに限定されるものではない。
アルデヒド、トリオキサン、テトラオキサン、アセター
ル、ヘキサメチレンテトラミン、グリオキサール、アセ
トアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、
アクロレイン、フルフラール等を挙げることができるが
これらに限定されるものではない。
反応触媒としては、特に制限はなく、例えば塩酸、硫
酸、リン酸、ホウ酸等の無機酸、フエノールスルホン
酸、キシレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン
酸、パラトルエンスルホン酸、シユウ酸、サリチル酸、
クロル酢酸等の有機酸、ホウ酸、亜鉛、酢酸亜鉛、塩化
亜鉛、塩化アルミニウム等の酸性金属塩、その他アルカ
リ金属又はアルカリ土類金属等の酸化物、水酸化物、炭
酸塩、炭酸水素塩又はリン酸塩などがあげられる。
酸、リン酸、ホウ酸等の無機酸、フエノールスルホン
酸、キシレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン
酸、パラトルエンスルホン酸、シユウ酸、サリチル酸、
クロル酢酸等の有機酸、ホウ酸、亜鉛、酢酸亜鉛、塩化
亜鉛、塩化アルミニウム等の酸性金属塩、その他アルカ
リ金属又はアルカリ土類金属等の酸化物、水酸化物、炭
酸塩、炭酸水素塩又はリン酸塩などがあげられる。
変性剤としては、フエノール類と反応し得るものであれ
ば特に制限なく使用することができ、具体的にはフエノ
ール類とアラルキルエーテルとの反応によつて得られる
フエノール・アラルキルエーテル樹脂、メラミン系化合
物、およびエポキシ系化合物などが例示される。
ば特に制限なく使用することができ、具体的にはフエノ
ール類とアラルキルエーテルとの反応によつて得られる
フエノール・アラルキルエーテル樹脂、メラミン系化合
物、およびエポキシ系化合物などが例示される。
本発明におけるN−メチロールアクリルアミド類及びそ
のアルキルエーテル化物としては、アクリルアミド又は
/及びその誘導体とアルデヒド類とを反応させて得られ
るメチロール化物及びそのアルキルエーテル化物であ
り、これらを主成分とする粗製物、その精製物又はこれ
らの水溶液などいずれも使用できる。具体的にはN-メチ
ロールアクリルアミド、N-メチロールメタクリルアミ
ド、N-メチロール‐α‐エチルアクリルアミド、N-メチ
ロール‐α‐プロピルアクリルアミド、N-メチロール‐
α‐ブチルアクリルアミド、及びこれらのメチルエーテ
ル、エチルエーテル、プロピルエーテル、ブチルエーテ
ルなどが例示されるが特に商業的に入手容易という点か
らN-メチロールアクリルアミド、N-メチロールメタクリ
ルアミドが好適である。これらN-メチロールアクリルア
ミド類及びそのアルキルエーテル化物は単独又は2種以
上の混合物として使用できる。
のアルキルエーテル化物としては、アクリルアミド又は
/及びその誘導体とアルデヒド類とを反応させて得られ
るメチロール化物及びそのアルキルエーテル化物であ
り、これらを主成分とする粗製物、その精製物又はこれ
らの水溶液などいずれも使用できる。具体的にはN-メチ
ロールアクリルアミド、N-メチロールメタクリルアミ
ド、N-メチロール‐α‐エチルアクリルアミド、N-メチ
ロール‐α‐プロピルアクリルアミド、N-メチロール‐
α‐ブチルアクリルアミド、及びこれらのメチルエーテ
ル、エチルエーテル、プロピルエーテル、ブチルエーテ
ルなどが例示されるが特に商業的に入手容易という点か
らN-メチロールアクリルアミド、N-メチロールメタクリ
ルアミドが好適である。これらN-メチロールアクリルア
ミド類及びそのアルキルエーテル化物は単独又は2種以
上の混合物として使用できる。
前記ノボラツクとN-メチロールアクリルアミド類および
又はそのアルキルエーテル化物(以下N-MAN類と略称す
る)との配合比率は限定されるものではないが、ノボラ
ツク(固形分)100重量部に対しN-MAM類10〜300重量部
好ましくは50〜200重量部の範囲となる割合に設定する
と良好な結果が得られる。10重量部未満では目的とする
効果が得られず、一方、300重量部より多く使用しても
物性向上は見られず、又、経済性の面からもメリツトが
得られない。
又はそのアルキルエーテル化物(以下N-MAN類と略称す
る)との配合比率は限定されるものではないが、ノボラ
ツク(固形分)100重量部に対しN-MAM類10〜300重量部
好ましくは50〜200重量部の範囲となる割合に設定する
と良好な結果が得られる。10重量部未満では目的とする
効果が得られず、一方、300重量部より多く使用しても
物性向上は見られず、又、経済性の面からもメリツトが
得られない。
本発明において、N-MAN類とノボラツクとの反応を実施
するにあたり使用される酸性触媒は、塩酸、硫酸、リン
酸、ホウ酸等の無機酸、フエノールスルホン酸、キシレ
ンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、パラトル
エンスルホン酸、シユウ酸、サルチル酸、クロル酢酸等
の有機酸、ホウ酸亜鉛、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、塩化第二
錫、塩化第二鉄、塩化アルミニウム等の酸性金属塩など
が例示され、これらは単独又は2種以上の混合物として
使用できる。中でも特にシユウ酸、パラトルエンスルホ
ン酸、塩酸などが好適である。これら触媒の使用量は原
料の種類及び配合比、反応温度、触媒の種類等により異
なるため一概に限定されないが一般的にはノボラツク
(固形分)100重量部に対して、0.1〜5重量部の範囲が
適当である。
するにあたり使用される酸性触媒は、塩酸、硫酸、リン
酸、ホウ酸等の無機酸、フエノールスルホン酸、キシレ
ンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、パラトル
エンスルホン酸、シユウ酸、サルチル酸、クロル酢酸等
の有機酸、ホウ酸亜鉛、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、塩化第二
錫、塩化第二鉄、塩化アルミニウム等の酸性金属塩など
が例示され、これらは単独又は2種以上の混合物として
使用できる。中でも特にシユウ酸、パラトルエンスルホ
ン酸、塩酸などが好適である。これら触媒の使用量は原
料の種類及び配合比、反応温度、触媒の種類等により異
なるため一概に限定されないが一般的にはノボラツク
(固形分)100重量部に対して、0.1〜5重量部の範囲が
適当である。
ノボラツクとN-MAM類との反応は、20〜200℃の温度範囲
で実施されるが好ましくは70〜150℃である。20℃未満
では反応に長時間を要し、又、200℃越えると反応が進
み過ぎてゲル化を生じる危険性がある。また反応時間は
反応物の種類及び反応性、触媒の種類及び量、反応温度
により左右され選定された条件に応じて適宜選択すれば
よいが通常0.5〜10時間程度である。
で実施されるが好ましくは70〜150℃である。20℃未満
では反応に長時間を要し、又、200℃越えると反応が進
み過ぎてゲル化を生じる危険性がある。また反応時間は
反応物の種類及び反応性、触媒の種類及び量、反応温度
により左右され選定された条件に応じて適宜選択すれば
よいが通常0.5〜10時間程度である。
本発明におけるノボラツクとN-MAM類との反応は、無溶
媒下に、又は、水、アセトン、メチルエチルケトン、メ
タノール、エタノール、ジメチルホルムアルデヒド、ジ
オキサン等の溶液ないし分散媒、アラビアゴム、ガツチ
ゴム、ポリビニルアルコール、カルボキシルメチルセル
ロース、ポリアクリルアマイドなどの保護コロイド剤、
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の界面活性剤
などの存在下に反応を行うことができる。
媒下に、又は、水、アセトン、メチルエチルケトン、メ
タノール、エタノール、ジメチルホルムアルデヒド、ジ
オキサン等の溶液ないし分散媒、アラビアゴム、ガツチ
ゴム、ポリビニルアルコール、カルボキシルメチルセル
ロース、ポリアクリルアマイドなどの保護コロイド剤、
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の界面活性剤
などの存在下に反応を行うことができる。
また、本発明製法の実施においては、特にノボラツクに
対するN-MAM類の配合比率が高い場合や高温の反応温度
を採用する場合においては、N-MAM類自体の重合を防止
するため重合防止剤を併用することが望ましい。かかる
重合防止剤としては、例えばハイドロキノン、t-ブチル
ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、
ベンゾキノン、ジフエニルベンゾキノン、2,6-ジ‐t-ブ
チルフエノール、p-t-ブチルカテコール、N-フエニル‐
β‐ナフチルアミン、N-ニトロソジフエニルアミン、フ
エノチアジン、銅塩などがある。
対するN-MAM類の配合比率が高い場合や高温の反応温度
を採用する場合においては、N-MAM類自体の重合を防止
するため重合防止剤を併用することが望ましい。かかる
重合防止剤としては、例えばハイドロキノン、t-ブチル
ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、
ベンゾキノン、ジフエニルベンゾキノン、2,6-ジ‐t-ブ
チルフエノール、p-t-ブチルカテコール、N-フエニル‐
β‐ナフチルアミン、N-ニトロソジフエニルアミン、フ
エノチアジン、銅塩などがある。
かくして得られる本発明の変性フエノール系樹脂は、赤
外吸収スペクトルの測定において、N-MAM類の‐CH2OHに
基づく1010cm-1の特性吸収はほぼ消失しており、一方、
‐NHCO-に基づく1680cm-1の特性吸収及びCH2=CH-に基
づく980cm-1の特性吸収を有すること、及びH-NMR分析に
おいては約4.3ppmにフエノール核に置換した‐CH2NHCOC
H=CH2基の‐CH2-に基づくシグナルが認められることか
らノボラツクに対するN-MAM類の反応位置はフエノール
核(O-位置及び/又はP-位置)であると推察される。
外吸収スペクトルの測定において、N-MAM類の‐CH2OHに
基づく1010cm-1の特性吸収はほぼ消失しており、一方、
‐NHCO-に基づく1680cm-1の特性吸収及びCH2=CH-に基
づく980cm-1の特性吸収を有すること、及びH-NMR分析に
おいては約4.3ppmにフエノール核に置換した‐CH2NHCOC
H=CH2基の‐CH2-に基づくシグナルが認められることか
らノボラツクに対するN-MAM類の反応位置はフエノール
核(O-位置及び/又はP-位置)であると推察される。
本発明による変性フエノール系樹脂は、単に加熱するこ
とによつて熱重合し架橋、硬化し得る性質を有するもの
であるが、架橋速度の観点から特に重合触媒、また必要
に応じて光増感剤、架橋剤を併用して硬化性樹脂組成物
とし、これを例えば加熱、マイクロウエーブ、赤外線、
超音波、紫外線照射、高エネルギー電離放射線照射等の
加熱手段を用いて架橋、硬化させることができる。
とによつて熱重合し架橋、硬化し得る性質を有するもの
であるが、架橋速度の観点から特に重合触媒、また必要
に応じて光増感剤、架橋剤を併用して硬化性樹脂組成物
とし、これを例えば加熱、マイクロウエーブ、赤外線、
超音波、紫外線照射、高エネルギー電離放射線照射等の
加熱手段を用いて架橋、硬化させることができる。
本発明に係る成形材料は、上記知見にもとずきなされた
もので、前記説明の変性フエノール系樹脂と重合触媒を
必須成分とし、充填材、離型剤等を配合してなるもので
ある。
もので、前記説明の変性フエノール系樹脂と重合触媒を
必須成分とし、充填材、離型剤等を配合してなるもので
ある。
本発明に使用される重合触媒としては、例えばラジカル
重合開示剤、イオン重合開始剤等を任意に選び得るが特
にラジカル重合開始剤もしくはレドツクス系触媒との併
用系が好ましい。代表的な重合触媒としては、アゾビス
ブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル等のアゾ
化合物、ベンゾイルパーオキシド、メチルエチルケトン
パーオキシド、アセチルパーオキシド、t-ブチルハイド
ロパーオキシド、ジ‐t-ブチルパーオキシド、クメンハ
イドロパーオキシド、ジクミルパーオキシド、t-ブチル
パーベンゾエート、パラクロルベンゾイルパーオキシ
ド、シクロペキサノンパーオキシド等の有機系過酸化
物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素
等の無機系過酸化物などがありこれらは必要に応じて混
用することもできる。レドツクス系触媒としては、亜硫
酸水素ナトリウム等の亜硫酸塩、ナトリウムホルムアル
デヒドスルホキシレート等のスルホキシレート類、ナフ
テン酸バルト等のナフテン酸金属塩、メルカプタンなど
が例示される。イオン重合開始剤としては、ナトリウム
メトキシド、カリウムメトキシド、トリエチルアミン等
が例示される。
重合開示剤、イオン重合開始剤等を任意に選び得るが特
にラジカル重合開始剤もしくはレドツクス系触媒との併
用系が好ましい。代表的な重合触媒としては、アゾビス
ブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル等のアゾ
化合物、ベンゾイルパーオキシド、メチルエチルケトン
パーオキシド、アセチルパーオキシド、t-ブチルハイド
ロパーオキシド、ジ‐t-ブチルパーオキシド、クメンハ
イドロパーオキシド、ジクミルパーオキシド、t-ブチル
パーベンゾエート、パラクロルベンゾイルパーオキシ
ド、シクロペキサノンパーオキシド等の有機系過酸化
物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素
等の無機系過酸化物などがありこれらは必要に応じて混
用することもできる。レドツクス系触媒としては、亜硫
酸水素ナトリウム等の亜硫酸塩、ナトリウムホルムアル
デヒドスルホキシレート等のスルホキシレート類、ナフ
テン酸バルト等のナフテン酸金属塩、メルカプタンなど
が例示される。イオン重合開始剤としては、ナトリウム
メトキシド、カリウムメトキシド、トリエチルアミン等
が例示される。
これら重合触媒及び必要に応じて併用されるレドツクス
系触媒の使用量は変性フエノール系樹脂100重量部に対
して0.01〜20重量部の範囲が適当である。重合触媒の使
用量が0.01重量部未満では変性フエノール系樹脂の硬化
が不十分となり材料としての強度や物性の点で目的とす
るものが得られない。一方、20重量部より多くなると量
的な効果が得られず、また、材料コストが高くなり望ま
しいものでなくなる。
系触媒の使用量は変性フエノール系樹脂100重量部に対
して0.01〜20重量部の範囲が適当である。重合触媒の使
用量が0.01重量部未満では変性フエノール系樹脂の硬化
が不十分となり材料としての強度や物性の点で目的とす
るものが得られない。一方、20重量部より多くなると量
的な効果が得られず、また、材料コストが高くなり望ま
しいものでなくなる。
なお、ノボラツク樹脂の硬化剤であるヘキサメチレンテ
トラミンも目的に応じて、変性フエノール系樹脂100重
量部に対し1〜2.5重量部上記重合触媒と併用すること
は別に問題ない。
トラミンも目的に応じて、変性フエノール系樹脂100重
量部に対し1〜2.5重量部上記重合触媒と併用すること
は別に問題ない。
つぎに、充填材として使用されるものは、ポリビニルア
ルコール繊維、ポリアミド繊維、木粉、パルプ等のセル
ロース繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、カーボ
ン繊維、ガラス繊維、金属繊維、鉱物繊維等の繊維質充
填材や、炭酸カルシウム、クレー、シリカ、酸化マグシ
ウム、酸化アルミニウム、マイカ、ウオラストナイト、
チタン等の粉末状あるいは板状の無機充填材等があげら
れる。これら充填材は変性フエノール系樹脂100重量部
に対して50〜300重量部配合して使用される。
ルコール繊維、ポリアミド繊維、木粉、パルプ等のセル
ロース繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、カーボ
ン繊維、ガラス繊維、金属繊維、鉱物繊維等の繊維質充
填材や、炭酸カルシウム、クレー、シリカ、酸化マグシ
ウム、酸化アルミニウム、マイカ、ウオラストナイト、
チタン等の粉末状あるいは板状の無機充填材等があげら
れる。これら充填材は変性フエノール系樹脂100重量部
に対して50〜300重量部配合して使用される。
また、離型剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸カ
ルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウ
ム、カルナバワツクス、モンタン酸エステル、パラフイ
ンワツクス、ポリエチレン等が好適に使用できる。
ルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウ
ム、カルナバワツクス、モンタン酸エステル、パラフイ
ンワツクス、ポリエチレン等が好適に使用できる。
また、必要に応じ、水酸化カルシウム、水酸化バリウ
ム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウ
ム、酸化マグネシウム等の硬化促進剤や染料、顔料等の
着色材も使用することができる。
ム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウ
ム、酸化マグネシウム等の硬化促進剤や染料、顔料等の
着色材も使用することができる。
本発明に係る成形材料は、原料配合物をミキサー等で混
合し、該混合物をロールやニーダー等で加熱混練後、造
粒や粉砕等により粒状または粉状にすることにより得ら
れる。得られた該材料は圧縮成形、トランスフアー成形
あるいは射出成形用材料として好適に使用できるもので
ある。
合し、該混合物をロールやニーダー等で加熱混練後、造
粒や粉砕等により粒状または粉状にすることにより得ら
れる。得られた該材料は圧縮成形、トランスフアー成形
あるいは射出成形用材料として好適に使用できるもので
ある。
本発明により得られる変性フエノール系樹脂は、ノボラ
ツク中に不飽和二重結合が導入されているためラジカル
重合開始剤等により容易に架橋、硬化させることができ
る。したがつて、硬化に際してもフエノール系樹脂にみ
られるような水、ホルムアルデヒド、アンモニア等の揮
発性物質の発生がないため作業環境の汚染を伴わない。
また、架橋に際しても脆さの基因とされるメチレン架橋
に代わるビニル基の架橋により高分子化されるため脆さ
が改善される。また、本発明により得られる変性フエノ
ール系樹脂の重合触媒による硬化物は水や親水性含窒素
化合物を含まないため、両者を必須成分とした本発明に
係る成形材料は、耐湿・耐水性と共に電気的特性が大幅
に向上し、さらには金属腐蝕性が改善され、しかも水酸
基の酸化が抑制されかつ含窒素化合物も含まれないため
変色し難いものと推察される。
ツク中に不飽和二重結合が導入されているためラジカル
重合開始剤等により容易に架橋、硬化させることができ
る。したがつて、硬化に際してもフエノール系樹脂にみ
られるような水、ホルムアルデヒド、アンモニア等の揮
発性物質の発生がないため作業環境の汚染を伴わない。
また、架橋に際しても脆さの基因とされるメチレン架橋
に代わるビニル基の架橋により高分子化されるため脆さ
が改善される。また、本発明により得られる変性フエノ
ール系樹脂の重合触媒による硬化物は水や親水性含窒素
化合物を含まないため、両者を必須成分とした本発明に
係る成形材料は、耐湿・耐水性と共に電気的特性が大幅
に向上し、さらには金属腐蝕性が改善され、しかも水酸
基の酸化が抑制されかつ含窒素化合物も含まれないため
変色し難いものと推察される。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが実施例
は本発明の技術思想の限定を意図したものではない。な
お、各実施例中の「部及び%」は特に断わりのない限り
すべて重量基準である。
は本発明の技術思想の限定を意図したものではない。な
お、各実施例中の「部及び%」は特に断わりのない限り
すべて重量基準である。
〔実施例1〕 温度計、撹拌器呼び水分分離器を備えた反応器内に、フ
エノールノボラツク樹脂粉末100部(平均分子量500)と
N-メチロールアクリルアミド100部及びシユウ酸0.5部仕
込んだ後、撹拌しながら加熱昇温した。100℃前後(所
要時間は約1時間)から水の溜出が始まり、150℃に達
した時点(所要時間は約30分間)では水の溜出が殆どみ
られなくなつたので反応生成物をバツト内に取出し、室
温まで冷却して淡黄色の固形樹脂180部を得た。
エノールノボラツク樹脂粉末100部(平均分子量500)と
N-メチロールアクリルアミド100部及びシユウ酸0.5部仕
込んだ後、撹拌しながら加熱昇温した。100℃前後(所
要時間は約1時間)から水の溜出が始まり、150℃に達
した時点(所要時間は約30分間)では水の溜出が殆どみ
られなくなつたので反応生成物をバツト内に取出し、室
温まで冷却して淡黄色の固形樹脂180部を得た。
得られた樹脂の赤外吸収スペクトル及びH-NMRスペクト
ルによる各分析結果はつぎのとおりであつた。
ルによる各分析結果はつぎのとおりであつた。
第1図はフエノールノボラツクの赤外吸収スペクトル、
第2図は得られた樹脂の赤外吸収スペクトルを示すもの
である。第2図からわかるとおり反応に用いられたN-メ
チロールアクリルアミドの‐CH2OHに基づく1010cm-1の
特性吸収は認められず、一方、CH2=CH-に基づく980cm
-1の強い吸収が認められていることから、N-メチロール
アクリルアミドがフエノールノボラツクと反応している
ことが推察される。
第2図は得られた樹脂の赤外吸収スペクトルを示すもの
である。第2図からわかるとおり反応に用いられたN-メ
チロールアクリルアミドの‐CH2OHに基づく1010cm-1の
特性吸収は認められず、一方、CH2=CH-に基づく980cm
-1の強い吸収が認められていることから、N-メチロール
アクリルアミドがフエノールノボラツクと反応している
ことが推察される。
つぎに、第3図はフエノールノボラツクのH-NMRスペク
トル、第4図は得られた樹脂のH-NMRスペクトルを示す
ものである。
トル、第4図は得られた樹脂のH-NMRスペクトルを示す
ものである。
第4図からわかるとおり、N-メチロールアクリルアミド
のメチロール基に基づく‐CH2-は4.8ppmにシグナルが観
測されるのに対し、得られた樹脂ではそれと判断される
シグナルが4.3ppm付近に観測される。このケミカルシフ
トから判断すると、N-メチロールアクリルアミドはフエ
ノール核に結合しており、また該スペクトルからCH2=C
HCONHCH2-基の置換度は、フエノール核1モル当たり0.5
モル程度であることが確認された。
のメチロール基に基づく‐CH2-は4.8ppmにシグナルが観
測されるのに対し、得られた樹脂ではそれと判断される
シグナルが4.3ppm付近に観測される。このケミカルシフ
トから判断すると、N-メチロールアクリルアミドはフエ
ノール核に結合しており、また該スペクトルからCH2=C
HCONHCH2-基の置換度は、フエノール核1モル当たり0.5
モル程度であることが確認された。
また、150℃におけるゲルタイムは14分であり、更に同
温度で30分間放置してもゲル化物は柔軟性を有してい
た。
温度で30分間放置してもゲル化物は柔軟性を有してい
た。
次に、この樹脂100部に対してジクミルパーオキサイド
2部を混合して得た硬化性樹脂について硬化試験及び硬
化物のアセトン抽出試験、赤外吸収スペクトル分析を行
なつた結果、ゲルタイムは38秒を示し、ゲル化後急速に
硬くて強靱な硬化物となつた。また、硬化物(150℃×
5分間処理)のソツクスレー抽出によるアセトン可溶分
は2.5%であり、更に赤外吸収スペクトル測定において
もCH2=CH-に基づく980cm-1の特性吸収は完全に消失し
ていることが確認された。
2部を混合して得た硬化性樹脂について硬化試験及び硬
化物のアセトン抽出試験、赤外吸収スペクトル分析を行
なつた結果、ゲルタイムは38秒を示し、ゲル化後急速に
硬くて強靱な硬化物となつた。また、硬化物(150℃×
5分間処理)のソツクスレー抽出によるアセトン可溶分
は2.5%であり、更に赤外吸収スペクトル測定において
もCH2=CH-に基づく980cm-1の特性吸収は完全に消失し
ていることが確認された。
〔実施例2〕 実施例1と同様の反応器内に、フエノールノボラツク樹
脂粉末100部(平均分子量500)とN-メチロールアクリル
アミド60部及びシユウ酸1部仕込んだ後、撹拌しながら
加熱昇温すると100℃前後から水の溜出が始まり、引続
き120℃まで昇温しその温度で20分間維持した。更に140
℃まで昇温すると水の溜出が殆どみられなくなつたので
反応生成物をバツト内に取出し、室温まで冷却して淡黄
色の固形樹脂147部を得た。なお、水の溜出が始まつた
時点から反応生成物を排出する直前までの間は100〜200
mmHgの減圧下で生成する反応水を系外へ除去した。
脂粉末100部(平均分子量500)とN-メチロールアクリル
アミド60部及びシユウ酸1部仕込んだ後、撹拌しながら
加熱昇温すると100℃前後から水の溜出が始まり、引続
き120℃まで昇温しその温度で20分間維持した。更に140
℃まで昇温すると水の溜出が殆どみられなくなつたので
反応生成物をバツト内に取出し、室温まで冷却して淡黄
色の固形樹脂147部を得た。なお、水の溜出が始まつた
時点から反応生成物を排出する直前までの間は100〜200
mmHgの減圧下で生成する反応水を系外へ除去した。
得られた樹脂は実施例1と同様に赤外吸収スペクトル分
析を行なつたところ変性フエノール樹脂であることが確
認された。また、150℃におけるゲルタイムは6分10秒
であり同温度に30分間放置してもゲル可物は柔軟性を有
していた。
析を行なつたところ変性フエノール樹脂であることが確
認された。また、150℃におけるゲルタイムは6分10秒
であり同温度に30分間放置してもゲル可物は柔軟性を有
していた。
更に実施例1と同様に調製して得た硬化性樹脂の硬化試
験及び硬化物のアセトン抽出試験、赤外吸収スペクトル
分析を行なつた結果、ゲルタイムは38秒を示しゲル化後
急速に硬くて強靱な硬化物となつた。又、硬化物のアセ
トン可溶分は2.5%であり、CH2=CH-に基づく980cm-1特
性吸収は完全に消失していることが確認された。
験及び硬化物のアセトン抽出試験、赤外吸収スペクトル
分析を行なつた結果、ゲルタイムは38秒を示しゲル化後
急速に硬くて強靱な硬化物となつた。又、硬化物のアセ
トン可溶分は2.5%であり、CH2=CH-に基づく980cm-1特
性吸収は完全に消失していることが確認された。
〔実施例3〕 実施例1と同様の反応器内に、フエノールノボラツク樹
脂粉末100部(平均分子量500)とN-メチロールアクリル
アミド150部、シユウ酸1.5部及びメタノール50部を仕込
んだ後、撹拌しながら約30分を要して還流温度まで昇温
しその温度で5時間反応させた。しかる後、100〜200mm
Hgの減圧下でメタノール及び生成水を溜去し、温水で洗
浄して未反応N-メチロールアクリルアミドやメチレンビ
スアクリルアミド等の不純物を除去し、ベンゾキノン0.
01部を加え、更に減圧下に120℃まで昇温した後、反応
生成物をバツト内に取出し、室温まで冷却して淡黄色の
固形樹脂210部を得た。得られた樹脂は実施例1と同様
にして赤外吸収スペクトル分析を行なつたところ変性フ
エノール樹脂であることが確認された。また、150℃に
おけるゲルタイムは3分であり同温度に30分間放置して
もゲル化物は柔軟性を有していた。
脂粉末100部(平均分子量500)とN-メチロールアクリル
アミド150部、シユウ酸1.5部及びメタノール50部を仕込
んだ後、撹拌しながら約30分を要して還流温度まで昇温
しその温度で5時間反応させた。しかる後、100〜200mm
Hgの減圧下でメタノール及び生成水を溜去し、温水で洗
浄して未反応N-メチロールアクリルアミドやメチレンビ
スアクリルアミド等の不純物を除去し、ベンゾキノン0.
01部を加え、更に減圧下に120℃まで昇温した後、反応
生成物をバツト内に取出し、室温まで冷却して淡黄色の
固形樹脂210部を得た。得られた樹脂は実施例1と同様
にして赤外吸収スペクトル分析を行なつたところ変性フ
エノール樹脂であることが確認された。また、150℃に
おけるゲルタイムは3分であり同温度に30分間放置して
もゲル化物は柔軟性を有していた。
更に、実施例1と同様に調製して得た硬化性樹脂の硬化
試験及び硬化物のアセトン抽出試験、赤外吸収スペクト
ル分析を行なつた結果、硬化性樹脂はゲルタイム18秒を
示しゲル化後急速に硬くて強靱な硬化物となつた。又、
硬化物のアセトン可溶分は1.8%であり、CH2=CH-に基
づく980cm-1特性吸収は完全に消失していることが確認
された。
試験及び硬化物のアセトン抽出試験、赤外吸収スペクト
ル分析を行なつた結果、硬化性樹脂はゲルタイム18秒を
示しゲル化後急速に硬くて強靱な硬化物となつた。又、
硬化物のアセトン可溶分は1.8%であり、CH2=CH-に基
づく980cm-1特性吸収は完全に消失していることが確認
された。
〔実施例4〕 実施例1において、N-メチロールアクリルアミドに代え
てN-メチロールメタクリルアミド115部を用いる以外は
同様に反応操作して淡黄色の固形樹脂180部を得た。
てN-メチロールメタクリルアミド115部を用いる以外は
同様に反応操作して淡黄色の固形樹脂180部を得た。
得られた樹脂は実施例1と同様にして赤外吸収スペクト
ル分析を行なつたところ変性フエノール樹脂であること
が確認された。また、150℃におけるゲルタイムは3分1
0秒であり同温度に30分間放置してもゲル化物は柔軟性
を有していた。
ル分析を行なつたところ変性フエノール樹脂であること
が確認された。また、150℃におけるゲルタイムは3分1
0秒であり同温度に30分間放置してもゲル化物は柔軟性
を有していた。
更に、実施例1と同様に調製して得た硬化性樹脂の硬化
試験及び硬化物のアセトン抽出試験、赤外吸収スペクト
ル分析を行なつた結果、硬化性樹脂はゲルタイム21秒を
示しゲル化後急速に硬くて強靱な硬化物となつた。又、
硬化物のアセトン可溶分は1.8%であり、CH2=CH-に基
づく980cm-1の特性吸収は完全に消失していることが確
認された。
試験及び硬化物のアセトン抽出試験、赤外吸収スペクト
ル分析を行なつた結果、硬化性樹脂はゲルタイム21秒を
示しゲル化後急速に硬くて強靱な硬化物となつた。又、
硬化物のアセトン可溶分は1.8%であり、CH2=CH-に基
づく980cm-1の特性吸収は完全に消失していることが確
認された。
〔実施例5〕 実施例2において、フエノールノボラツク樹脂に代えて
含水O-クレゾールノボラツク樹脂を固形分換算で100部
(平均分子量550)を用い、N-メチロールアクリルアミ
ドを80部とする以外は同様に反応操作して淡黄色の固形
樹脂160部を得た。
含水O-クレゾールノボラツク樹脂を固形分換算で100部
(平均分子量550)を用い、N-メチロールアクリルアミ
ドを80部とする以外は同様に反応操作して淡黄色の固形
樹脂160部を得た。
得られた樹脂は実施例1と同様にして赤外吸収スペクト
ル分析を行なつたところ変性フエノール樹脂であること
が確認された。また、150℃におけるゲルタイムは4分5
0秒であり同温度に30分間放置してもゲル化物は柔軟性
を有していた。
ル分析を行なつたところ変性フエノール樹脂であること
が確認された。また、150℃におけるゲルタイムは4分5
0秒であり同温度に30分間放置してもゲル化物は柔軟性
を有していた。
更に、実施例1と同様に調製して得た硬化性樹脂の硬化
試験及び硬化物のアセトン抽出試験、赤外吸収スペクト
ル分析を行なつた結果、硬化性樹脂はゲルタイム31秒を
示しゲル化後急速に硬くて強靱な硬化物となつた。又、
硬化物のアセトン可溶分は1.7%であり、CH2=CH-に基
づく980cm-1の特性吸収は完全に消失していることが確
認された。
試験及び硬化物のアセトン抽出試験、赤外吸収スペクト
ル分析を行なつた結果、硬化性樹脂はゲルタイム31秒を
示しゲル化後急速に硬くて強靱な硬化物となつた。又、
硬化物のアセトン可溶分は1.7%であり、CH2=CH-に基
づく980cm-1の特性吸収は完全に消失していることが確
認された。
〔実施例6〕 表1の配合条件に従つて実施例1で得られた変性フエノ
ール樹脂を用いた配合物をミキサーにて混合した後、90
〜100℃の温度でロール混練し、得られたシート状混練
物を粉砕して成形材料を調製した。得られた成形材料の
スパイラルフローは600mmであつた。
ール樹脂を用いた配合物をミキサーにて混合した後、90
〜100℃の温度でロール混練し、得られたシート状混練
物を粉砕して成形材料を調製した。得られた成形材料の
スパイラルフローは600mmであつた。
〔実施例7〕 実施例2で得られた変性フエノール樹脂を使用して、実
施例6と同条件で成形材料を得た。得られた成形材料の
スパイラルフローは700mmであつた。
施例6と同条件で成形材料を得た。得られた成形材料の
スパイラルフローは700mmであつた。
〔比較例1〕 未変性ノボラツク樹脂(フロー70mm/10%ヘキサ)を使
用して、表1の配合条件で実施例6,7と同様にして成形
材料を得た。得られた成形材料のスパイラルフローは65
0mmであつた。
用して、表1の配合条件で実施例6,7と同様にして成形
材料を得た。得られた成形材料のスパイラルフローは65
0mmであつた。
次に、実施例6,7及び比較例1で得られた成形材料の諸
物性を評価するためトランスフアー成形により各試験片
を成形し、JIS K6911に基づいてその物性を測定した。
物性を評価するためトランスフアー成形により各試験片
を成形し、JIS K6911に基づいてその物性を測定した。
その結果を表2に示す。
表2より明かな如く、本発明に係る成形材料は従来の成
形材料との比較において絶縁抵抗及び耐アーク性がきわ
めて優れていることがわかる。特に絶縁抵抗において
は、数オーダーも優れており、卓越した改善効果を示す
ことが確認された。
形材料との比較において絶縁抵抗及び耐アーク性がきわ
めて優れていることがわかる。特に絶縁抵抗において
は、数オーダーも優れており、卓越した改善効果を示す
ことが確認された。
以上詳述した通り、本発明で得れる変性フエノール系樹
脂を含む硬化性樹脂組成物及びそれを含む成形材料は次
のような効果を奏する。
脂を含む硬化性樹脂組成物及びそれを含む成形材料は次
のような効果を奏する。
1.絶縁抵抗及び耐アーク性等の電気特性が改善される。
2.硬化に際し有害な揮発性物質の発生がなく作業環境を
改善することができる。
改善することができる。
3.ノボラツク分子間の架橋はビニル基の重合架橋による
ため脆さが改善される。
ため脆さが改善される。
4.重合触媒を選択することにより硬化温度を低温度から
高温度まで任意に設定できる。
高温度まで任意に設定できる。
また、本発明の変性フエノール系樹脂の製造方法は従来
公知の不飽和基導入方法と比較して、例えば反応過程で
生成するNaClのような副産物の除去操作などを要せず、
簡単且つ短時間に製造することができるため該樹脂の生
産性が極めて高く、また有害物質の発生もなく作業環境
を汚染することもない。
公知の不飽和基導入方法と比較して、例えば反応過程で
生成するNaClのような副産物の除去操作などを要せず、
簡単且つ短時間に製造することができるため該樹脂の生
産性が極めて高く、また有害物質の発生もなく作業環境
を汚染することもない。
本発明で得られる変性フエノール樹脂は、本発明の成形
材料以外に、積層板、接着剤、鋳造用樹脂、塗料などの
分野におけるバインダー又はコーテイング剤としての利
用が期待されるものであつて工業的利用価値の極めて高
いものである。
材料以外に、積層板、接着剤、鋳造用樹脂、塗料などの
分野におけるバインダー又はコーテイング剤としての利
用が期待されるものであつて工業的利用価値の極めて高
いものである。
第1図および第2図は実施例1におけるフエノールノボ
ラツク樹脂と得られた変性フエノール樹脂の赤外吸収ス
ペクトル図、第3図および第4図は該フエノールノボラ
ツク樹脂と変性フエノール樹脂のH-NMRスペクトル図を
各々示したものである。
ラツク樹脂と得られた変性フエノール樹脂の赤外吸収ス
ペクトル図、第3図および第4図は該フエノールノボラ
ツク樹脂と変性フエノール樹脂のH-NMRスペクトル図を
各々示したものである。
Claims (3)
- 【請求項1】フエノール系ノボラツク樹脂とN−メチロ
ールアクリルアミド類及び/又はそのアルキルエーテル
化物とを酸性触媒の存在下に反応させることを特徴とす
る変性フエノール系樹脂の製造方法。 - 【請求項2】請求項1に記載の方法で製造された変性フ
エノール系樹脂及び重合触媒を含む硬化性樹脂組成物。 - 【請求項3】請求項2に記載の硬化性樹脂組成物を含む
成形材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63186933A JPH0681776B2 (ja) | 1988-07-28 | 1988-07-28 | 変性フェノール系樹脂の製造方法、該樹脂を含む硬化性樹脂組成物及びそれを含む成形材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63186933A JPH0681776B2 (ja) | 1988-07-28 | 1988-07-28 | 変性フェノール系樹脂の製造方法、該樹脂を含む硬化性樹脂組成物及びそれを含む成形材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0238411A JPH0238411A (ja) | 1990-02-07 |
JPH0681776B2 true JPH0681776B2 (ja) | 1994-10-19 |
Family
ID=16197258
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63186933A Expired - Fee Related JPH0681776B2 (ja) | 1988-07-28 | 1988-07-28 | 変性フェノール系樹脂の製造方法、該樹脂を含む硬化性樹脂組成物及びそれを含む成形材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0681776B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006117890A (ja) * | 2004-10-25 | 2006-05-11 | Showa Highpolymer Co Ltd | 硬化性樹脂組成物及びそれを用いた燃料電池用セパレーター |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102465156B1 (ko) * | 2017-09-08 | 2022-11-10 | 디아이씨 가부시끼가이샤 | 산기 함유 (메타)아크릴아미드 수지, 경화성 수지 조성물, 솔더레지스트용 수지 재료 및 레지스트 부재 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5034126A (ja) * | 1973-07-28 | 1975-04-02 | ||
JPS56109242A (en) * | 1980-02-04 | 1981-08-29 | Toshiba Chem Corp | Flame-retardant resin composition |
-
1988
- 1988-07-28 JP JP63186933A patent/JPH0681776B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5034126A (ja) * | 1973-07-28 | 1975-04-02 | ||
JPS56109242A (en) * | 1980-02-04 | 1981-08-29 | Toshiba Chem Corp | Flame-retardant resin composition |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006117890A (ja) * | 2004-10-25 | 2006-05-11 | Showa Highpolymer Co Ltd | 硬化性樹脂組成物及びそれを用いた燃料電池用セパレーター |
JP4507182B2 (ja) * | 2004-10-25 | 2010-07-21 | 昭和高分子株式会社 | 燃料電池用セパレーター |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH0238411A (ja) | 1990-02-07 |
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