JPH0681666B2 - 高炉の周方向継手溶接装置 - Google Patents

高炉の周方向継手溶接装置

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JPH0681666B2
JPH0681666B2 JP63077356A JP7735688A JPH0681666B2 JP H0681666 B2 JPH0681666 B2 JP H0681666B2 JP 63077356 A JP63077356 A JP 63077356A JP 7735688 A JP7735688 A JP 7735688A JP H0681666 B2 JPH0681666 B2 JP H0681666B2
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Sumitomo Metal Industries Ltd
Sumikin Kokan Koji KK
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、例えば高炉鉄皮等における周方向の継手溶接
(以下「周継手溶接」という)に使用する装置に関する
ものである。
(従来の技術) 近年世界的な鉄鋼需要の停滞を反映して、高炉は減産の
あおりで一部休炉、あるいは生産能力の劣る旧式高炉に
ついては廃炉に追い込まれ、現下の状勢では、高炉稼動
基数の集約化により高炉が2/2基稼動体制の如く予備
(スタンバイ)高炉がない状態である為、1つの高炉の
寿命が来た場合、短時間に改修を行って工事期間中の製
鉄所の生産アンバランスを最小限に抑える必要がある。
この様な低成長時代にあっては高炉の炉命延長は重要な
課題となってきる。周知の様に高炉は鉄皮で構成され、
その炉体強度は鉄皮強度で保持されている。従って、高
炉鉄皮の性状の良否は高炉の炉命を左右する大きな要因
となる。
高炉改修の際、炉体損傷部解体の後、炉体鉄皮は炉体下
段より順次上段へと溶接にて組み立てられていくが、高
炉鉄皮の如く極厚鉄皮の熟練溶接工の確保は年々困難と
なってきている。
近年、鉄皮構造及び適用鋼種などについての詳細な検討
が行われているが、鉄皮を組み立てる溶接継手の品質向
上も炉命延長のため欠かせない大きな要素である。
一般に溶接継手の品質は溶接材料と溶接方法によってほ
ぼ決定されるが、品質の均一性、安定性をより向上させ
るには、熟練溶接工の確保もさることながら、溶接の自
動化の推進が肝要である。
これまでも、高炉鉄皮の如く極厚材の溶接について自動
化が検討され、縦継手はエレクトロスラグ溶接法により
施工されているが、周継手溶接はいまだに手溶接法に依
存しており、改善すべき余地を残している。しかも周継
手の鉄皮溶接継手全長に占める割合は縦継手とほぼ同長
さの50%であることを考えると、周継手溶接の自動化は
鉄皮の溶接継手の品質を高め、炉命延長のために重要な
課題である。
また自動化は、能率の向上、省力などの経済面での利益
も期待でき、その意義は大きなものがある。
(発明が解決しようとする課題) 溶接施工法及び装置の開発に際しては、適用すべき溶接
法は所定の要求性能を満たし、それを装置化した時に被
溶接物の性状と溶接作業の環境と良く適合することが必
要不可欠である。
これまで土木・建築・造船・石油貯槽類などの分野で
は、ある程度の横向溶接の自動化が図られているが、高
炉鉄皮の如く、極厚材の周継手の横向溶接の自動化は遅
れていた。その理由は、高炉鉄皮周継手には以下に示す
特有の問題があり、それ故に実態に即した溶接法の選定
と装置の開発には、他分野以上に困難を伴っているから
である。
第12図は高炉鉄皮のプロフィールを板厚、溶接継手位置
と共に示すが、特有な問題として次の点が挙げられる。
極厚材の横向溶接であり、5mm程度のルートギャッ
プや目違いのバラツキがある。従って開先内の状況変化
に即応し得る溶接法の選定が必要となる。
炉底1、羽口2、朝顔3、炉腹4、炉胸5等の各部
ごとの形状が異なり、それらのブロック形状は円筒形、
円錐形、逆円錐形を成す。周継手溶接はこれらのブロッ
ク同志の突合わせ溶接であるため、溶接面は直立部だけ
でなく、縦方向に傾斜した部分が多い。また傾斜した面
では内外面の何れか一方の面がやや上向き気味の横向き
溶接となる。従って装置の構成と溶接法の選定に際して
は、何れの溶接面に対しても直立面と同じ条件で溶接し
得ること、及びビードのタレ落ちの生じ難いことが必要
となる。
更に溶接は、これらの異形の曲面に沿って行うの
で、装置の走行には一考を要する。
各継手の周長は短部でも30m以上、最長部では60m位
になるので、装置としては長時間の連続使用に耐えるこ
とが要求される。特に溶接法の選定に当たっては、この
点の適否の検討を慎重に行わなければならない。
溶接は工場内作業、現地作業を問わず高所作業で、
しかも作業足場は狭い。また現地作業では、資材置場や
通行路となる作業デッキと被溶接箇所は離れている。こ
のため、被溶接箇所に設置する装置本体は、作業の安全
面への配慮と、その溶接に必要な全ての機能が装備され
ていることが必要である。しかも、現地作業での取扱い
面からは取付、取外時の簡便性と可搬性も必要不可欠で
ある。
なお、第12図中6はガス捕集、炉口部、7はベースプレ
ート、8はトップリングを示し、 この様に高炉鉄皮等の周継手の如く、横向多層溶接を行
うには、開先の加工、仮組誤差等の追従できるような溶
接の自動化が研究開発されているものの、熟練した溶接
工がアークや溶融池を常に監視しながら、トーチの狙い
位置、ワイヤー供給位置を調整し、同時に溶接条件(電
流・電圧・速度など)を状況に応じて適切に修正しない
と高い品質の溶接を確保することができなかった。
このため、多層盛溶接の場合には現実的にオペレーター
がアーク監視により溶接線の全線、全層にわたり、能率
を犠牲にして慎重に「倣い」を実施し、品質を維持する
必要があった。慎重な作業の長時間にわたる作業中に
は、オペレーターのミスによる「倣い失敗」も皆無と言
えず、この失敗箇所は結果として溶接欠陥となった。溶
接欠陥を発生させないためには、全層全溶接線にわたっ
て極度に緊張した長時間作業が必要であり、オペレータ
ーの負担も大きい作業であった。
また近年、マイコン等を使って、アークセンサー、VTイ
メージセンサー等を搭載して、開先倣い機構を備えた自
動溶接装置が研究開発されている。
倣い機構の例として、レーザ光を利用したものがあ
る。これは第13図に示すように、半導体レーザ(波長:7
00〜900nm)を投光し、三角測量法により光源から反射
点までの距離を計測しつつ、センサー9全体を揺動して
溶接部10の表面形状を検出する方式である。また、特
開昭59−147777号公報に開示されるものもある。これは
大径固定管の自動溶接に開発されたもので、タングステ
ン電極自身をセンサーとして開先倣い法で、溶接開始前
に開先内で電極を左右に走査し、開先壁に接触した時の
電極位置を検知して開先中心位置を求めて記憶し、溶接
時に出力して倣い動作を行う方式である。更にこの他
に、開先倣い検知として、ガイドローラやマイクロス
イッチを開先面に接触させて倣ったり、光センサーや磁
気センサーによる非接触式の倣いを行っているものがあ
る。
この様に、何れの方法も溶接トーチ周囲の構造が複雑
で、また高価なものとなり、屋外現場の溶接作業環境に
適用するには繊細すぎて実用化を難しくしているのが現
状である。
本発明は、前述の欠点を解消するために成されたもので
あり、屋外現場の溶接作業環境に適用できる様に機構
的、操作的に簡単にし、初層溶接時のトーチ軌跡を記憶
し、次層からは記憶データを基に自動溶接が可能なティ
ーチングプレイバック方式を採用したものである。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するために本発明は、少なくとも初層の
溶接を手動倣いにより行った後の手動倣いによる最終溶
接時のトーチ軌跡をRAMに記憶し、以降の溶接を前記記
憶したトーチ軌跡に基づいて全自動溶接するための装置
であり、多層盛溶接を行う円筒状鋼構造物の周方向の継
手溶接線と略平行に取付けられたガイドレールと、該ガ
イドレールに懸垂設置されてガイドレールに沿う移動可
能で、かつ少なくとも初層の溶接を手動倣いにより行っ
た後の最終溶接時の溶接トーチ軌跡に対して、それ以降
の溶接トーチを前記トーチ軌跡に対して接離・昇降及び
所要の角度調整可能に構成した溶接ヘッド機械部と、該
溶接ヘッド機械部と一体的にガイドレールに案内されて
移動し、かつ前記溶接トーチに溶接ワイヤーを供給する
ワイヤー供給装置と、これら溶接ヘッド機械部及びワイ
ヤー供給装置と制御ケーブルで接続された制御ユニット
及び溶接電源装置並びにリモコンボックスと、前記手動
倣いの最終溶接時の溶接トーチ軌跡を記憶するRAMを具
備せしめている。
すなわち、本発明装置を使用した溶接法は、実際の屋外
現場溶接作業環境に即した、屋外及び風のあるところで
も可視アークで溶接可能な例えは「ノンガスアーク半自
動溶接法」を採用しており、例えば初層溶接をオペレー
ターがアーク監視により溶接すると、この位置条件は、 板厚(前後)方向 上下方向(溶接線に対して直角方向) トーチ上下角(傾き角) の3条件を溶接線の進行(走行)方向と対応させて記憶
させるのである。
そして、次層以降はこの前層データを用いて全自動溶接
施工を行うのである。
尚、全自動溶接施工中においても本発明は適宜、オペレ
ーターの割り込み(介入)を可能とできるものである。
(実施例) 以下本発明を第1図〜第11図に示す一実施例に基づいて
説明する。
先ず、高炉鉄皮の横向水平溶接に本発明装置を使用した
の溶接法を適用した場合の溶接施工手順を第1図(イ)
〜(ハ)及び第2図に示す。
初層(もしくは、任意の中間層)で「手動倣い(以
下「マニュアル倣い」という)」による溶接を実施す
る。この時の溶接トーチ14の軌跡をRAMに記憶する(第
1図(イ))。
次の層の施工前に適当な位置にトーチ14をRAMの記
憶とは無関係にシフトする(第1図(ロ))。
次の層の溶接は、既に記憶している前層のトーチ14
軌跡により、溶接施工を自動的に実施する(第1図
(ハ))。
その後「シフト→溶接」を繰返して、溶接を完了す
る。
つまり、本発明の溶接については、位置条件を自動化す
る事によって、電流・電圧・溶接スピード等について
は、高炉鉄皮についても、単一条件施工が可能なことか
ら全自動溶接の施工が可能となる。
シフトについては、トーチ14の「上下」、「前後」、
「傾角」があり、各々必要量をオペレーターが各層ごと
に調節することが可能である。
このシフトについては、RAMメモリーとは無関係に行う
ことが出来る機構となっている。
第3図は、K開先片側10パスの積層例を示す。
本発明装置を使用した溶接法は、上述の如く、初層溶接
時のトーチ軌跡を記憶し、次層からは、記憶データを基
に自動溶接が可能なティーチングプレイバック方式を基
本としたものである。
第4図に本発明に係る全自動溶接装置の構成を示す。本
装置は、高炉鉄皮等の構造物11の周継手溶接線とほぼ平
行に溶接取付けられたガイドレール13に懸垂設置された
溶接ヘッド機械部16、ワイヤー供給装置56及びリモコン
ボックス49と、例えば固定された足場61上もしくはデッ
キ上に設置される制御ユニット40及び溶接電源装置60か
ら構成され、これらの間は制御ケーブル59で接続され
る。
本装置の操作面については、スタート、停止、溶接モー
ド選択や溶接トーチ14の位置調整等簡単なボタンやジョ
イステック操作で、溶接中の開先12へのトーチ14の倣い
は自動的に行われ、また、溶接中に開先12の状況変化に
応じて操作する必要のあるボタン類も全てリモコンボッ
クス49に収容している。
本装置の詳細を第4図及び第5図に基づいて以下に述べ
る。
ガイドレール13は、高炉鉄皮等の構造物11の周継手
溶接線とほぼ平行とし、構造物11の面に300〜500mmピッ
チの断続溶接で取付ける。ガイドレール13としては例え
ば山型鋼(L50×50×5)を用いる。これは、軽量で溶
接ヘッド機械部16等をガイドローラ17で懸垂しながら周
方向走行するのに案内機能が適しているからである。
溶接ヘッド機械部16は、溶接ヘッド走行部55に搭載
され、2箇のガイローラ17によりガイドレール13に懸垂
される。この溶接ヘッド機械部16及び溶接ヘッド走行部
55は、構造物11の傾斜によって装置の保持姿勢が変わっ
ても水平走行姿勢に保持するため、下端近傍に、水平方
向に伸縮調整可能な水平保持ローラ23に設置する。
ワイヤー供給装置56は、例えば市販されている「半
自動ノンガスアーク溶接機用」のもので、懸垂ローラ57
によりガイドレール13に懸垂される。一方、溶接トーチ
14は、溶接ヘッド機械部16に導かれ、トーチホルダー1
4′に固定される。ワイヤー供給装置56は、溶接ヘッド
走行部55とリンクで連結し、同時走行する様にしたもの
である。
リモコンボックス49は、オペレータが保持したり、
又は溶接ヘッド走行部55に引掛けることにより保持す
る。第6図は、リモコンボックス49のスイッチレイアウ
トを示したものであり、その操作機能は後述する。
制御ユニット40及び溶接電源装置60は、溶接ヘッド
機械部16等の走行に障害とならないよう固定された足場
上、もしくはデッキ上に設置される。また、制御ケーブ
ル59は、これらと溶接ヘッド機械部16及びワイヤー供給
装置56間を接続するもので、構造物11近傍では複数個の
ケーブルハンガー58によりガイドレール13に懸垂され
る。
溶接ヘッド機械部16を第5図の「倣み機構装置構成図」
に基づいて更に詳細に述べる。
溶接トーチ14の倣い機能は、非接触式の3軸方向(上
下、前後、傾角)同時制御が可能なものとし、溶接線開
先12の倣いは、1度オペレータによる操作を行うか、も
しくは、初層溶接からこの倣いを行うことにより次層か
らはこの倣いデータにより、多層溶接が可能である。
溶接トーチ14の倣い機構は、第7図に示す様に、構造物
11の開先12に対して、上下、前後、傾角の3軸制御可能
とするものである。
“上下動作制御“は、溶接ヘッド機械部16を構成する上
下駆動フレーム35に取付けられた上下モータ36により、
前記上下駆動フレーム35に垂下状に設置された上下駆動
スクリュー34の回転で、前後駆動フレーム31の上下作動
を行い、上下モータ36と連結した上下位置検出ポテンシ
ョメータ37により、検出位置は制御ユニット40内の比較
器46にフィードバックされる。
同様に、“前後動作制御”は前後駆動フレーム31に取付
けられた前後モータ32により前記前後駆動フレーム31に
横設された前後駆動スクリュー30の回転で同じく前後駆
動フレーム31内装された傾角フレーム24′の前後作動を
行い、前後モータ32と連結した前後位置検出ポテンショ
メータ33により、検出位置は制御ユニット40内の比較器
47にフィードバックされる。
“傾角動作制御“は、傾角フレーム24′に取付けられた
傾角モータ28のピニオン26により、円弧型形状をした傾
角レール24に刻設されたラック25を駆動させることによ
り行う。傾角レール24は、傾角フレーム24′に取付けら
れた保持ローラ27により保持される。また、傾角レール
24には、トーチホルダー14′が取付けられており、この
トーチホルダー14′で溶接トーチ14を保持する。傾角
は、傾角モータ28と連結した傾角位置検出ポテンショメ
ータ29により、検出位置は制御ユニート40内の比較器48
にフィードバックされる。
溶接ヘッド機械部16の走行は、第5図に示す如く、ガイ
ドレール13をガイドローラ17と走行駆動ローラ18ではさ
んだ状態で溶接ヘッド走行部55部に収納された走行モー
タ19により駆動される。走行位置検出は、構造物11面と
接触させた走行位置検出ローラ21とチェーン等で連結し
たエンコーダー22で検出し、制御ユニット40内にフィー
ドバックされる。
制御ユニット40には、倣い軌跡を内蔵したマイコン即ち
制御プログラムCPU41及びRAMに記憶した修正データ42、
倣いデータ43が収納されている。
第6図にリモコンボックス49のスイッチレイアウトを示
すが、上段はモード選択スイッチ50を示す。即ち、 「リセット」は、倣いデータのクリアー(解除) 「倣い」は、溶接線の上下、前後、傾角ティーチング、 「溶接」は、上記データのプレイバック、 「修正」は、溶接中のわり込み(介入)量により倣いデ
ータを更新する際に用いるスイッチ、である。
オペレータが溶接トーチ14のアーク監視により、マニュ
アルで溶接開先を倣っていく場合、3軸方向位置制御
は、このリモコンボックス49のスイッチ類で全て行うこ
とができる。
第8図は、これらの操作手順を示すフロー図である。
先ず、溶接トーチ14の開先12に対する傾角調整は、第6
図に示す傾角スイッチ51の上・下ボタン操作で行うこと
ができ、更に上・下及び前・後調整は、同じく第6図に
示す上下・前後ジョイステック52の操作で任意制御が可
能である。また周継手溶接方向への正・逆、走行調整
は、第6図に示す走行スイッチ53での正・逆、走行ボタ
ン操作で可能であり、走行速度調整ダイヤル54の組、微
ダイヤルの操作で制御可能である。
自動溶接を行う際は必ず「倣い」操作が事前に必要であ
り、この「倣い」操作は、リモコンボックス49のモード
選択スイッチ50のうち「倣い」スイッチをONとし、走行
スイッチ53の「正」スイッチをONとして走行指令を出
し、あとは、溶接線開先12に沿って溶接トーチ14をリモ
コンボックス49の上下・前後ジョイステック52及び傾角
スイッチ51の3軸操作をしながら走行させる。この時の
プログラムは例えば10mmピッチの走行距離に応じた溶接
トーチ14の倣いデータ43を、下記第1表の如く「上
下」、「前後」及び「傾角」の各位置を記憶していく。
もし、走行を中途で「逆」にした場合は、第9図の
(イ)に示す如く、一度「倣い」しながら走行したハッ
チング印の軌跡範囲では、先の「倣いデータ」が有効と
なる。即ち、同図(ロ)に示す白抜き印範囲の倣いは無
効となる。
また、同図(ハ)で示す様に、倣い終了後、倣いが行わ
れなかった走行範囲には、原点を中心に、倣い始めと倣
い終わりのデータが各々、例えば20mまで埋まる様にし
たものである。
この様にして「倣い」操作終了後も自動溶接が行える。
自動溶接の際は、走行距離に応じ、「走行」は、エンコ
ーダ22により走行位置信号を、また「上下」、「前後」
及び「傾角」は各々の上下位置検出ポテンショメータ3
7、前後位置検出ポテンショメータ33、及び傾角位置ポ
テンショメータ29により、3軸方向の位置信号が制御ユ
ニット40の比較器46〜48に入力されて既に記憶されてい
る。倣いデータ43の指令で、3軸方向駆動信号は、DCモ
ータドライバー38より溶接トーチ14を「上下」、「前
後」及び「傾角」に自動制御し移動する。溶接終了後、
リモコンボックス49のモード選択スイッチ50により倣い
データから修正データとするか、倣いデータの削除を選
択することができる。
また、リモコンボックス49からのみ溶接中に溶接トーチ
14を手動操作に切換えることも可能である。なお、この
時は、データの入・出力はない。手動操作の際、倣いデ
ータと手動操作で作動させた溶接トーチ14の位置との差
を倣い時のデータとは別に、走行距離例えば10mmピッチ
に「上下」、「前後」及び「傾角」について記憶でき
る。
溶接中に手動操作を介入して、記憶済みの倣い軌跡(第
10図中の実線)を第10図に示す如く修正した場合、溶接
終了後は倣いデータにオフセットされるべき最終値が破
線で示す軌跡で溶接完了位置以降にも記憶されることと
なる。
また、新たに「倣い」を行う場合は、リモコンボックス
49のモード選択スイッチ50のうち「リセット」スイッチ
操作から行う必要がある。この時「リセット」はどの状
態からでも行えるが、誤操作防止のため、「リセット」
スイッチを例えば3秒以上押さないと「リセット」され
ない工夫をすればよい。また「リセット」後は、第9図
の(ハ)で述べた走行原点より行う必要がある。
本発明の溶接装置を実施工に適用した際の稼動範囲にお
ける溶接トーチ14及び走行の再現性制御精度を下記第2
表に示す。
第2表中の分解能は、10mm毎の制御ステップであり、再
現性は下記第2表に示す通り実施工上、十分な性能を持
っていることが判った。
本発明は前述の如く、溶接線開先倣いを一度オペレータ
による「倣い」操作を行うと、次層からはこの「倣い」
データにより施工可能であることから、自動倣い層の溶
接は高能率化が図られると同時に安定した品質が保たれ
ることとなる。
すなわち、本発明溶接装置を使用すれば多層盛溶接の1
層あるいは任意層を除く他層の溶接が高品質、高能率施
工が可能となると同時に、オペレータの負担が大幅に軽
減でき、省力化も可能となり、RAMデータにより開先追
跡による全自動溶接中はオペレータが他作業にも従事す
ることが可能となった。つまり、従来は1人1台のオペ
レータが必要であったが、本発明溶接装置を用いた溶接
法を実施工に適用した例として、直径約16m、板厚50mm
の円筒形の1周継手において歪防止と施工能率工場の観
点から4台の本発明溶接装置をほぼ等間隔に配列した
際、1人のオペレータが1台目の溶接装置を自動運転を
開始した後、2台目の「倣い」溶接を開始することによ
り、結局、溶接装置2台に対し1人のオペレータで溶接
作業が可能なることが証明できた。
下記第3表に示す例は板厚70mm、直径10mの円筒(溶接
線長さ:31.4m/継手)に40゜等K開先形状において、従
来法(ノンガスアーク半自動溶接法)と本発明装置を使
用した全自動溶接法におけるオペレータ1人当たりの溶
接施工能率の比較を示したものである。
本発明に係る溶接装置は、第4図に示す如く、溶接ヘッ
ド機械部16、溶接ヘッド走行部55及びワイヤー供給装置
56の2ユニットから構成され、ガイドレール13上に懸垂
されて各ユニットごと分割可能として屋外等溶接作業環
境の悪い所でも本装置の移動・設置時の装置の可搬性、
リセット容易性を高めている。溶接ヘッド機械部16、溶
接ヘッド走行部55は約100kgあり、人力可搬は無理なの
で、カウンターウェイト、レバーの天秤機構を使ってク
レーンによる着脱をする様にすればよい。
一方、制御ユニット40及び溶接電源装置60は、溶接装置
と同時に走行移動する必要がないので、走行範囲の支障
のない離れた場所の足場上、もしくはデッキ上に設置す
ることとして、大きく2ブロック分割することができる
ので、1周継手溶接ごとに各々を移動・設置して、溶接
前段取作業の分散を図ることができる。
また本装置は溶接機として汎用性があり、屋外で風の影
響を受けてもアークシールドがとばない溶接トーチ14、
ワイヤー供給装置56及び溶接電源装置60から構成される
「ノンガスアーク半自動溶接機」を使用するので、本発
明溶接装置は比較的安価に提供することができる。
更に本装置の「倣い」機構の利用拡大の可能性として第
11図に一例を示す如く、V開先加工する方法として鉄皮
等の構造物11の周方向(水平)所定ルートフェイス部よ
りオフセットした所に切断ケガキ線63をマーキングして
おいてから、溶接トーチ14の代わりに溶断トーチ62を置
き換え、走行しながら溶断トーチ62を前記切断ケガキ線
63をマニュアル倣いしてから、第11図中のイからロに示
す順に溶断すれば、所期のV開先加工が可能となる。
なお、第5図中15は溶接ワイヤー、20は走行モータ用ド
ライバー、39はリレー切換部、44は走行距離位置表示
部、45はエンコーダパルス整形部を示す。
以上の様に、本発明の装置機構の適用により 周方向横向溶接継手の品質の安定と均一化が達成さ
れ、更に 作業能率の向上、作業環境の改善及び省力化に大き
な役割を果たすことができ、 第11図に一例を示した様に、溶接開先加工等の他分
野への利用拡大の可能性を持つことができる。
(発明の効果) 以上説明したように本発明によれば、 溶接の高能率化と品質の安定化が図れる。
オペレータの負担が大幅に軽減でき、省力化も可能
となる。
屋外等の溶接作業環境の悪い所でも、移動、設置時
の装置の可搬性が良好で、またリセットも容易である。
等の大なる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第11図は本発明の実施例の説明図であり、第1
図(イ)〜(ハ)は本発明装置を用いた溶接法の施工手
順を示す図面、第2図はそのフロー図、第3図は本発明
装置を用いた溶接法の適用の一例を示す図面、第4図は
本発明装置の構成を示す斜視図、第5図は本発明装置の
倣い機構の構成図、第6図はリモコンボックスのスイッ
チレイアウトの一例を示す図面、第7図は倣いの3軸制
御の説明図、第8図は倣いの操作手順を示すフロー図、
第9図(イ)〜(ハ)は倣いデータの有効、無効の説明
図、第10図は倣い軌跡の修正時の説明図、第11図は本発
明装置の倣い機構の他の利用可能性の一例を示す図面、
第12図は高炉鉄皮のプロフィール、板厚、溶接継手位置
の説明図、第13図は従来方法の説明図である。 11は構造物、13はガイドレール、14は溶接トーチ、15は
溶接ワイヤー、16は溶接ヘッド機械部、40は制御ユニッ
ト、49はリモコンボックス、56はワイヤー供給装置、59
は制御ケーブル、60は溶接電源装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笠谷 龍也 大阪府堺市出島西町2番地 住金鋼管工事 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭48−31155(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多層盛溶接を行う高炉の周方向の継手溶接
    線と略平行に取付けられたガイドレールと、該ガイドレ
    ールに懸垂設置されてガイドレールに沿い移動可能で、
    かつ少なくとも初層の溶接を手動倣いによって行った後
    の最終溶接時の溶接トーチ軌跡に対して、それ以降の溶
    接トーチを前記トーチ軌跡に対して接離・昇降及び所要
    の角度調整可能に構成した溶接ヘッド機械部と、該溶接
    ヘッド機械部と一体的にガイドレールに案内されて移動
    し、かつ前記溶接トーチに溶接ワイヤーを供給するワイ
    ヤー供給装置と、これら溶接ヘッド機械部及びワイヤー
    供給装置と制御ケーブルで接続された制御ユニット及び
    溶接電源装置並びにリモコンボックスと、前記手動倣い
    の最終溶接時の溶接トーチ軌跡を記憶するRAMを具備し
    て成ることを特徴とする高炉の周方向継手溶接装置。
JP63077356A 1988-03-29 1988-03-29 高炉の周方向継手溶接装置 Expired - Lifetime JPH0681666B2 (ja)

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