JP2009195920A - 自動溶接装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】杭頭定着筋(ひげ筋)方式の溶接においては、例え熟練した溶接作業者であっても劣悪な作業環境下において極めて複雑な作業を長時間に亘って溶接の質を落とすことなく行うことは困難であることを解消する。
【解決手段】本発明の自動溶接装置1は、鉄筋Iを把持して鋼管杭Pに装着するための固定部2(固定手段)と、溶接トーチTを溶接すべき箇所に対して位置調整可能に支持する支持部4(支持手段)と、溶接トーチTを振幅させる振幅部5(振幅手段)と、昇降させる昇降部3(昇降手段)と、この昇降部3と振幅部5を連動制御する制御部6(制御手段)と、を備えた。
【効果】溶接トーチを溶接すべき箇所に対して適切な位置とした状態で昇降手段及び振幅手段が連動するから溶接は確実なものとなる。また、溶接作業が、経験から全て定量化されるから、溶接後の仕上げ形状やビードの内部性状について予測が可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、杭頭定着筋方式(以下、ひげ筋方式という)における鋼管杭の杭頭に鉄筋を縦向きに均質かつ高効率で溶接することができる自動溶接装置に関する。
基礎フーチングと、この基礎フーチングのさらに土中に埋設される鋼管杭における杭頭部との接合方法としては、土中から突出した杭頭部の鋼管外周に鉄筋を直接溶接するいわゆるひげ筋方式が主として採用されている。
上記ひげ筋方式は、大別すると、土中に埋設する前に予め工場で鋼管杭に鉄筋を溶接しておく手法と、土中に埋設された後の鋼管杭における杭頭部に鉄筋を現場で溶接する手法と、の2種類があり、ひげ筋溶接施工後の配筋が容易であることから後者の現場にて溶接する手法が主流となっている。
上記後者の現場にてひげ筋方式を実施する場合、前者の工場における実施環境に較べて、劣悪な状況下での作業であること、及び溶接者の技量の差もあって、溶接品質にかなりのばらつきがあり、高い溶接品質を均一的に維持することは困難であった。
そこで、従来、特許文献1,2に開示されるような自動溶接装置が提案されている。
特開平5−269578号公報 特開平6−170535号公報
特許文献1,2は、鋼管杭の杭頭外周に鉄筋を縦に溶接する作業が特殊かつ困難で、非能率的であり、また、不均一な仕上がりになりがちである点を解消すべく、溶接箇所に対する、溶接トーチの、水平角度及び垂直角度並びに距離を調整可能で、かつ鉄筋の軸方向へ昇降可能に、該溶接トーチを鋼管杭に対して支持する構成とされている。
しかしながら、上記特許文献1,2は、溶接トーチの水平及び垂直角度や溶接箇所からの距離を調整して固定した後、その状態で鉄筋の軸方向に昇降するだけの構成であったため、接合強度が指定され、そのために鉄筋径に対してビード幅や盛肉厚が厳密に要求されるひげ筋方式には適用することができなかった。
特許文献1,2をひげ筋方式に適用できない理由は次のとおりである。特許文献1,2の構成では、溶接トーチが水平振幅動をしないから、所定ビード幅で(維持しつつ)溶接するには、結局、作業者が該溶接トーチを操作する必要があり、そうすると作業者の熟練度により溶接仕上がりのばらつきが生じる。
また、仮に特許文献1,2において自動で溶接トーチが水平振幅動を行うような機構を設けたとしても、上昇又は下降しながら振幅するということは、昇降しないときの1回の振幅(ビード幅)にはならない可能性があり、また、1回の振幅後に昇降する場合は該昇降の量によって盛肉厚が設定した状態とはならない可能性がある。
つまり、特許文献1,2に溶接トーチを水平振幅動を行う機構を付加しただけでは、結局のところ、昇降動作と水平振幅動とが何の関連も持たずに独立して動作する構成であるため、ひげ筋方式における溶接手法、すなわち鉄筋の軸方向へ移動させながら水平振幅移動をさせるという特殊な溶接トーチの軌道を必要とする装置としては何の意味も持たないのである。
こうした理由から、従来、ひげ筋方式においては、特許文献1,2を含めた従来、有効な自動に溶接を行う装置が現れておらず、未だ、専ら溶接作業者の手により行われているのが現状であった。したがって、溶接作業者の経験の差がそのまま溶接の質に反映され、ばらつきが生じていた。さらに、例え熟練した溶接作業者であっても、劣悪な作業環境下において極めて複雑な作業を長時間に亘って溶接の質を落とすことなく行うことは困難であった。
本発明が解決しようとする問題点は、従来では、例え熟練した溶接作業者であっても劣悪な作業環境下において極めて複雑な作業を長時間に亘って溶接の質を落とすことなく行うことは困難であること、また、ひげ筋方式において熟練した溶接作業者による溶接を再現できる自動溶接装置が存在しなかったこと、である。
上記課題を解決するために、本発明は、鉄筋を把持して鋼管杭に装着するための固定手段と、前記固定手段により装着した状態で溶接トーチを溶接すべき箇所に対して位置調整可能に支持する支持手段と、この支持手段において位置調整した状態で該溶接トーチを振幅させる振幅手段と、支持手段を振幅手段ごと昇降させる昇降手段と、この昇降手段と前記振幅手段を連動制御する制御手段と、を備えることとした。
本発明に係る自動溶接装置は、少なくとも鉄筋径及び鋼管杭の板厚に基づき、求められる溶接形状(ビード幅、脚長)となる入力を制御手段に与えることで、熟練した溶接作業者が行う溶接を再現することができる。すなわち、溶接の質とは、溶接後のビードの仕上げ形状、鋼管杭と鉄筋とビードの内部性状、とが均一的であることを意味するが、ビードの仕上げ形状はある程度外観検査にて目視できるが、内部性状は目視では簡単に判断することができない。
熟練した溶接作業者は、経験から、鉄筋径と求められる接合強度とからどのような溶接を行えばよいかが推測できるという。また、熟練した溶接作業者は、そうした適切な溶接をある程度の時間、継続して行うことができるという。こうした熟練した溶接作業者の溶接を再現することができれば、均質な溶接を高効率で行うことができるようになる。
ここで、熟練溶接作業者による溶接の再現するには、特に溶接トーチの動きが重要となる。本発明に係る自動溶接装置では、固定手段により鋼管杭の外周面に仮止めされた鉄筋を把持し、これにより自動溶接装置全体が鋼管杭と鉄筋に固定されるから、鋼管杭に対する鉄筋が溶接中に不要に移動することが防止される。
そして、支持手段によって溶接すべき箇所に対する溶接トーチの位置を調整し、この調整した状態のまま、昇降手段及び振幅手段により該溶接トーチが連動して溶接トーチを昇降及び振幅させるから、溶接は確実なものとなる。つまり、手作業で行った場合の、手のぶれや溶接トーチの移動ミスといった誤差のような要素が含まれない溶接を行うことができるのである。
さらに、制御手段により、今まで経験に基づいて行われていた(手作業の)溶接が、鉄筋径を含む各条件に基づく、定量化された目に見える数値等として決定でき、その定量化した数値等の設定に基づいて、溶接トーチの昇降手段による昇降及び振幅手段による振幅を連動させるよう制御できるから、未熟な溶接作業者や溶接未経験者であっても、溶接後のビードの仕上げ性状、鋼管杭と鉄筋とビードの内部性状についての溶接結果の予測が可能で、かつ一定かつ均質な溶接を、長時間に亘り行うことができる。
本発明の自動溶接装置は、以下の形態により実施可能である。図1〜図10には第1形態を示す。図11〜図13は第2形態を示す。なお、図11〜図13の第2形態においては、第1形態と異なる構成についてのみ説明する(参照符合が同一な部材については同一構成)
まず、本発明の自動溶接装置を用いる状況について説明する。鋼管杭の杭頭に鉄筋を溶接するには、施工前準備工程、本溶接施工工程の順に進められる。施工前準備工程では、鋼管杭表面(外周)と鉄筋の清掃を行って双方の不純物を除去しておき、次いで、溶接すべき鉄筋の本数、鋼管杭における溶接箇所、鉄筋の溶接すべき長さ、の確認を行い、鋼管杭における溶接箇所と、鉄筋の溶接すべき長さについては、各々にマーキングしておく。
その後、上記鉄筋をマーキングした長さ分だけ、鋼管杭の外周における溶接箇所に溶接されるよう、鋼管杭の軸に対して平行に該鉄筋を仮溶接する。この仮溶接は鋼管杭外周に鉄筋が単純に接合されればよいので溶接の質はそれほど厳密には要求されない。以上が、施工前準備工程である。
そして、本溶接施工工程では、上記仮溶接された鉄筋と鋼管杭の溶接部(フレア溶接部分)が求められた強度となるよう、厳密に溶接の質が要求された溶接が行われる。ここで、本発明の自動溶接装置1が用いられる。自動溶接装置1は、以下の構成とされている。
(第1形態)
図1〜図10に示す第1形態における自動溶接装置1は、全体が、後述する固定部2(固定手段)と、昇降部3(昇降手段)と、支持部4(支持手段)及び振幅部5(振幅手段)並びに溶接トーチTと、制御部6(制御手段)と、供給設備7とから構成されており、以下、各部の詳細について説明する。
なお、以降の第1形態においては、支持部4及び振幅部5並びに溶接トーチTを総称するときは「溶接ユニット」と称することとし、第1形態においては、固定部2に対して、昇降部3と溶接ユニットが分割されており、各々、別個に移動可能とされている。特に昇降部3に取り付けた溶接ユニットを、固定部2と別体に移動可能とする理由とその作用効果については、後述する。
固定部2(固定手段)は、図2及び図3に示すように、鋼管杭Pと鉄筋Iに自動溶接装置1を取り付けるためのものであると共に、第1形態においては、溶接ユニットを設けた昇降部3を取り付けるためのものである。
固定部2は、基板2Aの例えば上部と下部にクランプ2B,2Cを有している。また、基板2Aには、上端部に昇降部3を載置するための谷状の係止部2Aaが形成されており、下端に向かう途中に該昇降部3を水平方向から把持する把持レバー2Ab,2Abが設けられている。
基板2Aのクランプ2B,2Cは、基板2Aに固定され、該基板2Aと固定される側と反対の面に鉄筋Iを位置決めする凹部2aが形成された壁面2bと、この壁面2bの両端に連続した一方の固定壁面2c及び他方の支持壁面2dと、該固定壁面2cに支点を有して他端が水平方向へ回動可能に設けられた包囲部2eと、該支持壁面2dに支点を有して他端が垂直方向へ回動可能に設けられた固定部2fと、により構成されている。
また、前記包囲部2eには、その支持壁面2d方向へ向かう長さの途中部位に固定レバー2gが設けられている。この固定レバー2gは、包囲部2eにおける凹部2aに面する内外を貫通する押部2hが形成されており、この押部2hの先端で該凹部2aに位置する鉄筋Iを押圧する。また、固定レバー2gの指示壁面2d側の端部には、固定部2fが係合する係合溝2iが形成されている。固定部2fは、前記係合溝2iと係合する部位よりさらに先端部に取手2jが設けられている。
さらに、下部のクランプ2Cには、鋼管杭Pの周端面に当接して高さ方向の固定を行う脚部2kが固定壁面2cと支持壁面2dの下部において対向して設けられている。脚部2k,2kは、互いの長さが等しくされ、よって、鉄筋Iが上記のとおり鋼管杭Pの軸と平行に仮付けされ、クランプ2B,2Cにより正しく把持している場合は、鋼管杭Pの周端面に該脚部2k,2kの両者が当接する。
上記脚部2k,2kのうち、一方が不適正な状態であると、他方が鋼管杭Pの周端面に当接しないので、該脚部2k,2kの鋼管杭Pに対する当接具合により、本溶接に入る前に鉄筋Iが正しく仮溶接されているかのチェックを行うことができる。
鉄筋Iをこのクランプ2B,2Cにより把持するには、上記のように脚部2k,2kを鋼管杭Pの周端面に当接するように配置する際に、固定部2fを包囲部2eの係合溝2iから外すよう垂直方向に回転させ、この隙間から鉄筋Iが挿入可能であればここから、そうでなければ、包囲部2eを水平方向に回転させ、壁面2bの凹部2aを露出させて、鉄筋Iが挿入されるよう、固定部2を移動させる。
そして、鉄筋Iを凹部2aに位置させた後、包囲部2eと固定部2fを前記と逆に回転させて元の状態に戻し、固定レバー2gを回転させる。この固定レバー2gを回転させると、凹部2aに面した包囲部2eにおける内面に突出した押部2hが鉄筋Iを凹部2aに押しつけ、該鉄筋Iを固定する。
基板2Aのクランプ2B,2Cを設けた側とは反対面には、図4及び図5に示す上記昇降部3が設けられている。この昇降部3は、モータ3Aの回転駆動をベルトにより不図示のスクリュー軸に伝達し、該スクリュー軸の螺進退動作に伴って定められた垂直方向の上限と下限との間においてミリ単位で支持部4を昇降させる構成とされている。
また、昇降部3は、昇降の上下限を検知する例えばリミットスイッチ3B,3Cを有しており、これらリミットスイッチ3B,3Cのオンの信号は後述する制御部6に入力される。リミットスイッチ3Bは鋼管杭Pの天部位置で固定され、リミットスイッチ3Cは本溶接で必要となる溶接長となるべく位置を調整する。
さらに、昇降部3においては、モータ3Aなどを取り付けて支持する支持板3Dの上記スクリュー軸配置側と反対側の面に、固定部2の基板2Aの上端に設けられた係合溝2Aaに係合する係合部3Daが設けられている。また、支持板3Dにおける側壁部には、垂直(昇降)方向に延びた溝が形成されたレール3Dbが後述垂直ブラケット3Eと共に設けられている。このレール3Dbの該溝には、支持板3Dにおけるスクリュー軸配置側の面に設けられた垂直ブラケット3Eの一部が嵌入されている。
前記垂直ブラケット3Eは、側壁部位において、昇降の上限又は下限のいずれか一方位置に、リミットスイッチ3B又はリミットスイッチ3Cと当接する接点が設けられている。また、垂直ブラケット3Eは、その一部に上記スクリュー軸が螺入されており、このスクリュー軸の回転に伴って該垂直ブラケット3Eが昇降移動する。
さらに、垂直ブラケット3Eの下端部には、平面視コ字状とされた水平ブラケット3Fが設けられている。この水平ブラケット3Fの水平方向両端部の各々には、後述する支持部4を固定支持するための孔3Faが形成されている
昇降部3は、モータ3Aを駆動させてスクリュー軸が回転すると、軸回転しない垂直ブラケット3Eが、レール3Dbにその一部が案内されて該スクリュー軸と相対して螺進退(昇降移動)する。水平ブラケット3Fと(後述する「溶接ユニット」)は、垂直ブラケット3Eと共に昇降移動する。そして、垂直ブラケット3Eの接点がリミットスイッチ3Bに当接すれば上昇が停止し、リミットスイッチ3Cに当接すれば下降が停止する。
図6及び図7には、支持部4及び振幅部5並びに溶接トーチT4で構成される「溶接ユニット」を示す。支持部4は、本第1形態では、昇降部3における水平ブラケット3Fの水平方向両端の孔3Faを介して左右対称に2基取り付けられている。
以下、一方の支持部4で代表して説明すると、本第1形態における支持部4は、溶接トーチT(及び振幅部5)の溶接箇所からの、水平位置を調整する左右調整機構4Aと、前後距離を調整する前後調整機構4Bとを備える。また、支持部4は、前記各機構水平ブラケット3Fの孔3Faに挿入されて、該孔3Faから突出した部分にボルトが取り付けられる取付ねじ4aが形成された基台4bを有している。
基台4bの下部には、溶接箇所からの水平方向(左右)位置を変更する左右調整機構4Aが設けられている。左右調整機構4Aは、基台4bの下面に設けられたベース4Aaの下面に露出してこの内部に設けられたスクリュー軸(不図示)と、このスクリュー軸が螺入された固定作動片4Abからなる。前記スクリュー軸の先端は、ベース4Aaから突出し、この突出部位にノブ4Acが設けられている。
上記固定作動片4Abは、左右調整機構4Aのベース4Aaの下面に設けられた前後調整機構4Bのベース4Baに取り付けられている。前後調整機構4Bは、前記ベース4Baと、このベース4Baの下面に露出してこの内部に設けられたスクリュー軸(不図示)と、このスクリュー軸が螺入された固定作動片4Bbからなる。前記スクリュー軸の先端は、ベース4Baから突出し、この突出位置にノブ4Bcが設けられている。
これら左右調整機構4A及び前後調整機構4Bは、ノブ4Ac、ノブ4Bcを回動させると、各々のスクリュー軸が回動する。これら各々のスクリュー軸が回動することで、固定作動片4Ab、固定作動片4Bbが、スクリュー軸の軸方向長さの範囲で送り又は戻り移動し、これにより、左右、前後の位置の微調整を行う。
上記前後調整機構4Bの固定作動片4Abは、振幅部5(及び溶接トーチT)を一時的に退避させる退避機構4Cにおけるベース4Caに取り付けられている。退避機構4Cは、前後調整機構4Bのように前後位置を調整するものではなく、昇降部3を固定部2から取り外したり取り付ける際に鉄筋Iに溶接トーチTが干渉しないように、また、溶接トーチTの汚れを清掃するときなどに、一定のストロークだけ振幅部5(及び溶接トーチT)を進退させるものである。
退避機構4Cは、ベース4Caが上下に分割されており、これら上下に分割されたベース4Caの対向面に、互いに嵌合して把持しすると共に上記前後方向に延びるレールが形成されている。これらレールの移動ストロークの先後端部には、孔が形成されている。また、退避機構4Cは、例えば上部ベース4Caの側面からピン4Cbが設けられている。
退避機構4Cは、上記ピン4Cbを抜き、下部ベース4Caが上部ベース4Caに対して前後移動し、レールの前端部の孔にピン4Cbを挿入すれば使用位置で固定され、レールの後端部の孔にピン4Cbを挿入すれば退避位置で固定され、前後移動を禁止する。
退避機構4Cの下部ベース4Caの下面には、振幅部5(振幅手段)が設けられている。この振幅部5は、第1形態では、溶接トーチTを垂直角度調整機構5Aにより調整可能に支持して、該支持した部位を中心に先端を水平方向に所定ビード幅で振幅させるものである。また、振幅部5においては、前記振幅動作させる構成を用いて溶接トーチTの水平角度の微調整を行うようになっている。振幅部5による溶接トーチTの振幅制御については後述する。
振幅部5は、該振幅部5の筐体下面に、回動する出力軸5aが露出し、この出力軸5aに、該出力軸5aの回動運動を振幅運動に変換する可動杆5bが水平に設けられ、この可動杆5bに垂直角度調整機構5Aが設けられている。可動杆5bは、出力軸5aの周縁部に、その支持途中が連結されている。また、筐体における溶接トーチT先端が位置する側と反対面(筐体背面)には、後述する制御部6のパネル6Aで各種設定を行う際に、この振幅部5による溶接トーチTの振幅量(幅)を設定するための振幅ダイヤル5cが設けられている。
さらに、振幅部5の筐体背面における側部には、後述の制御部6と電気的接続を行うための接続部5dが設けられている。なお、制御線は図示していない。
垂直角度調整機構5Aは、上記可動杆5bの先端部において、把持部5Aaによって取り付けられている。把持部5Aaには、溶接トーチTを挿通させる部位が形成されたヒンジ部5Abを設けたアーム5Adが軸により枢着されており、この軸を中心にアーム5Adを動かすことで、垂直角度を微調整するように構成されている。
また、ヒンジ部5Abでは、溶接トーチTの把持部分を挟んだ可動部分の一方に対して、他方からノブ付のボルト5Acを螺入するようになっている。ヒンジ部5Abは、溶接トーチTを挿通させてボルト5Ac螺入させることでかしめられて固定され、螺出させることでかしめられた状態が緩んで溶接トーチTを抜き出し可能となる。
以上が、固定部2、昇降部3、溶接ユニットについての説明であり、続いて、制御部6(制御手段)と、供給設備7について説明する。制御部6は、昇降部3と溶接トーチTを含む振幅部5及び供給設備7を制御し、第1形態においては、2基の昇降部3及び溶接ユニットを同時に制御する。また、第1形態では、制御部6は、固定部2、昇降部3、溶接ユニットとは別体、つまり溶接作業現場から離れた位置に電力線、信号線で接続された状態で設けられている。
制御部6は、図8に示すパネル6Aに、スイッチや可動/非可動を示す点灯器、並びに調節ダイヤル等が集中的に配置されており、このパネル6Aにおいて後述の制御となるよう各種設定を行う。パネル6Aには、電源表示灯6a、ヒューズ6b、電源スイッチ6c、クレータースイッチ6d、トーチスイッチ6e、昇降スイッチ6f、昇降速度ダイヤル6g、振幅部電源スイッチ6h、運転スイッチ6i、振幅速度ダイヤル6j、停止スイッチ6k、停止ダイヤル6m,6n,6oが配置されている。
電源表示灯6aは、自動溶接装置1全体の電源供給状態を表示するためのものであり、電源が供給されているときに点灯する。ヒューズ6bは、過負荷が生じたときに短絡して回路を保護するためのものである。電源スイッチ6cは、自動溶接装置1全体の電源のオン・オフを切り替えるためのものである。
クレータースイッチ6dは、溶接終了時にくぼみ(クレーター)を形成するか否かを選択するスイッチである。トーチスイッチ6eは、実際の溶接を行わないで溶接トーチTの運行をテストする場合に「切」を、実際に溶接を行う場合に「入」を、切り替えるためのスイッチである。昇降スイッチ6fは、昇降部3のモータ3Aの正転(上昇)と逆転(下降)を切り替えるスイッチである。昇降速度ダイヤル6gは、昇降部3によるモータ3Aの回転速度(つまり昇降速度)を設定するダイヤルである。
振幅部電源スイッチ6hは、振幅部5の電源のオン・オフを切り替えるためのものである。運転スイッチ6iは、振幅部5の可動・非可動を切り替えるためのものである。振幅速度ダイヤル6jは、振幅部5の出力軸5aの1ストロークの振幅速度を設定するダイヤルである。停止スイッチ6kは、溶接トーチTの左・中央・右の位置における停止のオン・オフを切り替えるためのものであり、「切」でどの位置においても停止せず、「入」で停止ダイヤル6m,6n,6oの設定時間だけ停止する。停止ダイヤル6m,6n,6oは、振幅ストローク中の左、中央、右における停止時間を設定するためのものである。
供給設備7(図1参照)は、自動溶接装置1へ、電源、本例では炭酸ガス、溶接ワイヤを供給するためのものであり、図示において、7Aは電源装置、7Bは電流供給装置、7Cは溶接ワイヤ送給装置、7Dは炭酸ガス供給用のガスボンベである。第1形態においては、ワイヤ送給装置7Cが2基の溶接ユニット分だけ用意されている。
以上の構成とされた本第1形態における自動溶接装置1は、施工前準備工程後、仮溶接された鉄筋Iと鋼管杭Pの杭頭外周との接合強度が適正かつ均質となるような溶接が行われる。
第1形態では、次のように本溶接が行われる。すなわち、第1形態では、固定部2、昇降部3、溶接ユニットが分割されているから、少なくとも固定部2を複数用意する。そして、仮溶接された鉄筋Iに対して用意した数だけの固定部2だけを全て取り付ける。
溶接ユニットを設けた昇降部3は、順次本溶接すべき鉄筋Iにおける固定部2に対して取り付けるが、第1形態では、本溶接が終わった鉄筋Iからはまず溶接ユニットを設けた昇降部3を取り外し、次の本溶接すべき鉄筋Iの固定部2に取り付け、当該鉄筋Iの本溶接中に、先の本溶接済みの鉄筋Iから固定部2を外し、さらに後の仮溶接した鉄筋Iに固定部2を取り付けるのである。
このようにすれば、本溶接すべき鉄筋Iに対する自動溶接装置1の取り付け作業性が、固定部2と溶接ユニットを設けた昇降部3とで別々で、かつ制御部6も固定部2や溶接ユニット及び昇降部3とは別体なので、軽量となり、よって容易かつ迅速となり、また、固定部2を複数用意すれば、鉄筋Iから取り外したり鉄筋Iに取り付けたりする作業に時間を要したとしても、先の鉄筋Iの本溶接中に取り付け取り外しの作業を行うことで、効率が大幅に改善される。
本溶接すべき鉄筋Iにおいては、把持部5Aaに溶接トーチTを把持させた後、今、初期位置として例えば昇降部3が下端に下降しているとして説明すると、この下端位置において、溶接トーチTの初期位置設定を行う。溶接箇所からの左右位置は、左右調整機構4Aのノブ4Acを回動操作して行う。溶接箇所からの前後位置は、前後調整機構4Bのノブ4Bcを回動操作して行う。さらに、溶接箇所に対する垂直角度は、垂直角度調整機構5Aのアーム5Adを操作して行う。
その後、昇降部3におけるリミットスイッチ3Cを溶接長(昇降高さ)となるように位置設定を行い、この溶接長に応じて、鉄筋Iの径、鋼管杭Pの板厚、に基づいて制御部6のパネル6Aにおいて、所定の接合強度を発揮できる溶接となる設定を行う。
制御部6における設定は、予め与えられる条件としては、鋼管杭Pの肉厚、使用ワイヤ径、炭酸ガス流量、溶接ワイヤ突出長、溶接長、鉄筋Iの径において、鋼管杭Pの肉厚と鉄筋Iの径、及び溶接長さ、に応じて必要となる強度を発揮する溶接が決定する。
例えば使用ワイヤ径がSF1V1.2mm、炭酸ガス流量が20L/分、溶接ワイヤ突出長が溶接トーチTから20mmとされた自動溶接装置1を用いて、例えば板厚が12mmの鋼管杭Pに対して径が29mmの鉄筋Iを、溶接長が180mm、ビード幅12mmで脚長が8.5mmで本溶接する場合、パネル6A及び振幅部5における振幅ダイヤル5gにおいて以下のように各操作を行う。
まず、振幅部5による溶接トーチTの振り幅(ビード幅)を、鋼管杭Pの径と肉厚、及び鉄筋Iの径により決定し、振幅ダイヤル5cの目盛りを設定する。例えばビード幅を12mmとする場合は振幅ダイヤル5cの目盛りを「3」に設定する。
また、パネル6Aにおいては、停止スイッチ6kのオン・オフを選択する。今、ここでは、後述するように溶接トーチTを振幅左と右で停止させるので、「入」を選択する。その後、停止ダイヤル6m,6n,6oにより溶接トーチTの振幅における左、中央、右における停止時間を設定する。例えば上記条件でビード幅12mmの溶接を行う場合、停止ダイヤル6mを「3」、停止ダイヤル6nを「0」、停止ダイヤル6oを「3」、の各目盛りに合わせる。
停止ダイヤル6m,6n,6oにおける目盛りの「3」とは、その位置で3秒停止することを意味し、「0」とは停止しないことを意味する。つまり、上記条件での溶接の場合、ビード幅の左右両端では3秒停止し、中央では停止しないことになる。
さらに、溶接トーチTの振幅部5による振幅速度を入力すべく、振幅速度ダイヤル6jを設定する。例えば上記条件で本溶接を行う場合は、振幅速度ダイヤル6jを「4」の目盛りに合わせる。以上の設定により溶接トーチTの振幅に関する設定が完了したこととなり、この後、振幅部電源スイッチ6h及び運転スイッチ6iをオンにしておく。
次に、昇降部3による支持部4の昇降設定を行うべく、パネル6Aにおける昇降スイッチ6fを操作する。いま、例えば本例では、最下端に下降した状態を初期位置として説明しているので、昇降スイッチ6fを「上昇」がオンとなるようにしておく。なお、昇降部3のリミットスイッチ3B,3Cの位置調整は、自動溶接装置1を鉄筋Iに取り付けた後に既に設定している。
続いて、昇降(上昇)の速度を設定すべく、昇降速度ダイヤル6gを操作する。例えば本例では、上記条件でビード幅12mm、脚長8.5mmの本溶接を行う場合、「90」の目盛りに合わせる。そして、求められる溶接の質に応じてクレータースイッチ6dのオン・オフを選択する。例えば本例の場合、クレータースイッチ6dは「無」(オフ)としておく。
そして、シミュレーションで、溶接しないで(アークを発生させずに)溶接トーチTの振幅運行及び支持部4昇降運行の確認を行う場合には、トーチスイッチ6eを「切」(オフ)にした状態で電源スイッチ6cを「入」(オン)にする。もちろん、本溶接を実際に行う場合には、トーチスイッチ6eを「入」(オン)にして、電源スイッチ6cを「入」(オン)にする。
電源スイッチ6cを「入」(オン)にすると、供給設備7の、電源装置7Aから電力が、電流供給装置7Bから定格電流が、溶接ワイヤ送給装置7Cから溶接ワイヤが、ガスボンベ7Dから炭酸ガスが、それぞれ制御されて供給され、本溶接が開始される。
なお、現状、制御部6が、上記構成のため、昇降速度ダイヤル6gや、振幅速度スイッチ6j、停止ダイヤル6m,6n,6oを操作するが、これら一切を、図9の関係に基づいて演算させて、昇降速度ダイヤル6gや、振幅速度スイッチ6j、停止ダイヤル6m,6n,6oの操作をしないで、行うことも将来的には可能である。
すなわち、図9(a)には、ビードの脚長と溶接トーチTの振幅時の左、中央、右の総停止時間との関係を示す。この関係からは、ビード脚長を大きくするならば各停止時間の停止時間は比例して長くする設定とすれば良いことが判る。
一方、図9(b)には、ビード幅と昇降速度の関係を示す。この関係からは、ビード幅が小さい場合は昇降速度を早い設定に、ビード幅を大きくする場合は昇降速度を遅い設定にすれば良いことが判る。本自動溶接装置1は、図10に示すように振幅しながら昇降するため、溶接トーチTの軌道は、左右直線軌道とも上下直線軌道ともならない斜行状となり、よって例えば、昇降速度を早くすれば斜行角度は大きくなりその分左右幅が小さくなる、つまりビード幅が小さくなるのである。
例えば図10(a)では、溶接トーチTの、中央の停止ダイヤル6nを「0」、つまり停止しない設定とすると共に、左、右の停止ダイヤル6m,6oも「0」としたときの溶接軌道を示す。図10(b)では、中央の停止ダイヤル6nを「0」より大きく、つまり停止する設定とされると共に、左、右の停止ダイヤル6m,6oが「0」としたときの溶接軌道を示す。
例えば図10(c)では、中央の停止ダイヤル6nを「0」に設定すると共に、左、右の停止ダイヤル6m,6oを「0」より大きく設定したときの溶接軌道を示す。例えば図10(d)では、中央の停止ダイヤル6n、左、右の停止ダイヤル6m,6oを共に「0」より大きく設定したときの溶接軌道を示す。
図10に示す軌道となる本自動溶接装置1において、図9(a)(b)の関係に基づいて演算させるようにすれば、入力条件さえ誤りがなく、溶接トーチTの位置や角度の狂いがなければ、特段の設定を行うことなく、瞬時に最適な昇降速度及び振幅の設定を行うことが可能となる。
そして、本溶接が開始されると、溶接トーチTは、リミットスイッチ3Bに支持部4が接触するまで、設定された溶接の質を一定に保ちながら、上記したように先の溶接ビードとオーバーラップしながら斜行状に上昇する。
リミットスイッチ3Bに支持部4が当接して、鉄筋Iと鋼管杭Pとの当接点を中心とした片側一方の溶接が完了すると、支持部4は昇降部3により下降し、初期位置に戻る。本第1形態の場合、支持部4が左右2基設けられているので、1回の上昇動作で、1本の鉄筋Iを左右同時に鋼管杭Pに本溶接できる。
そして、当該鉄筋Iの本溶接の後、溶接ユニットを設けた昇降部3を固定部2から外して、次の鉄筋Iの固定部2に対して溶接ユニットを設けた昇降部3を取り付ける。そして、次の鉄筋Iの本溶接中に、先の鉄筋Iの固定部2を外して、さらに後の鉄筋Iに固定部2を取り付ける。
このように、本発明の自動溶接装置1は、溶接トーチTの昇降と振幅とを連動させた動作を設定通りに確実かつ連続的に行えるので、本溶接を均一的に行うことができる。また、第1形態においては、固定部2と溶接ユニット及び昇降部3とを別体とし、さらに制御部6を別体としているので、鉄筋Iへの取り付け、取り外し作業性も容易となる。
(第2形態)
図11〜図13に示す自動溶接装置11は、第1形態における、固定部2に昇降部3、支持部4、振幅部5、及び制御部6が一体的に設けられていると共に、支持部4及び振幅部5並びに溶接トーチTで構成される溶接ユニットが1基とされている点が、構成上大きく異なる点である。以下、細部の相違について説明する。
鉄筋Iを把持して鋼管杭Pに装着するための固定部12(固定手段)は、基板12Aの例えば上部と下部にクランプ12B,12Cを有している。これらクランプ12B,12Cは、凹状部材12aの谷部12bに鉄筋Iを挿入して、該凹状部材12aの対向面のうち一方面に螺貫通した締付螺子12cを締め付けるよう螺入させて把持する構成とされている。
また、下部のクランプ12Cには、鋼管杭Pの周端面に当接して高さ方向の固定を行う脚部12dが凹状部材12aの対向面に対応して設けられている。脚部12d,12dは、互いの長さが等しくされ、よって、鉄筋Iが上記のとおり鋼管杭Pの軸と平行に仮付けされ、クランプ12B,12Cにより正しく把持している場合は、鋼管杭Pの周端面に該脚部12d,12dの両者が当接する。この脚部12dの作用効果は、上記第1形態と同様であるため、説明を省略する。
昇降部13は、基板12Aのクランプ12B,12Cを設けた側とは反対面に設けられ、後述する支持部(支持手段)14を昇降させる。この昇降部13は、少なくともクランプ12Bの上端、クランプ12Cの下端の間をミリ単位で昇降させることが可能とすべく、モータ13Aの回転駆動をベルトにより不図示のスクリュー軸に伝達し、該スクリュー軸の螺進退動作に伴って、支持部14が昇降する構成とされている。
また、昇降部13には、上下限の昇降動作を検知する例えばリミットスイッチ13B,13Cを有しており、これらリミットスイッチ13B,13Cのオンの信号は制御部6に入力される。
支持部14は、昇降部13にa特に溶接トーチTの水平・垂直方向の角度及び溶接箇所からの距離を調整可能に支持する。この支持部14は、昇降部13における例えば本例では上記スクリュー軸に螺合した移動部に設けられている。なお、前記移動部は該スクリュー軸の回転に対しては固定されている。
そして、支持部14は、本第2形態では、前記移動部に、平面視コ字状とされた支持フレーム14aが昇降方向に対して直交するように固定的に設けられている。この支持フレーム14は、平面視コ字状の対向部と谷部のそれぞれの幅中央においてレール14bが形成されている。
レール14bには、該レール14bに沿って移動可能な支持軸14cが嵌められている。この支持軸14cにおいてレール14bから突出した端部には、該レール14bに支持軸4cを係合するための係合部14dが形成されている。支持軸14cは、係合部14dによりレール14bに係合した状態で該レール14bに沿って移動可能とされると共に回動自在とされている。
レール14bの端部、すなわち平面視コ字状の対向部の谷部と連続しない端部における縁部には、上記支持軸14cの係合部14dを固定する固定ねじ14eが設けられている。これら係合部14dと、固定ねじ14eによって、溶接箇所に対する支持部14全体の水平角度を調整するための水平角度調整機構14Aが構成される。
すなわち、水平角度調整機構14Aは、固定ねじ14eを緩めておき、レール14bにおいて支持軸14cを軸回動させて溶接箇所に対する支持部14全体の水平角度を調整し、固定ねじ14eを締めることで、該係合部14dの係合面を、レール14bの縁部と該固定ねじ14eの操作つまみの裏面とでかしめて該支持軸14cのレール14bに沿った移動と該支持軸14c(支持部14全体)の回動を固定する。
支持軸14cにおける係合部14dが形成された側の反対側には、溶接箇所に対して支持部4を前後に移動調整するための前後調整機構14Bが設けられている。この前後調整機構14Bは、例えば支持軸14cに固定された基台14fと、基台14fの下面の移動台14gとが、調整ねじ14hの回動により該移動台14g側が螺進退移動する構成とされている。
前後調整機構14Bは、調整ねじ14hを回動させることで、該調整ねじ14hが移動台14gに対して回動するのみで該移動台14gと該調整ねじ14hの相対的な螺進退移動はしない一方、該調整ねじ14hが基台14fの半筒螺子溝に対しては相対的に螺進退移動を行う。したがって、基台14fが固定側であるため、調整ねじ14hを回動させると、基台14fに対して移動台14gが前後移動することになる。
振幅部5は、及び垂直角度調整機構5Aは、第1形態と同様であるため説明を省略する。また、制御部6は、本第2形態の場合、昇降部13のモータ13Aを設けた部位における基板12Aに固定配置されている他は第1形態と同様であるため説明を省略する。なお、振幅部5と制御部6とは不図示の配線により制御信号の送受が可能とされている。また、供給設備7は、第2形態では、溶接ユニットが1基とされている関係で、電源装置7A、電流供給装置7B、溶接ワイヤ送給装置7C、ガスボンベ7Dがそれぞれ1基とされている以外は同じ構成であるため説明を省略する。
以上の構成とされた第2形態における自動溶接装置11は、第1形態と同様、施工前準備工程後、仮溶接された鉄筋Iと鋼管杭Pの杭頭外周との接合強度が適正かつ均質となるような溶接を行う際に使用する。まず、固定部12のクランプ12B,12Cにより鋼管杭Pに仮溶接された鉄筋Iに自動溶接装置11全体を取り付ける。
この取り付けは、調整螺子12cを緩めたクランプ12B,12Cの凹状部材2aの谷部12bに鉄筋Iを挿入し、この後調整螺子12cを締めることで行う。このとき、下部のクランプ12Cの両脚部12dが鋼管杭Pの周端面に当接していることを確認する。続いて、把持部5Aaに溶接トーチTを把持させる。
その後、今、初期位置として例えば昇降部3が下端に下降しているとして説明すると、この下端位置において、溶接トーチTの初期位置設定を行う。溶接箇所からの前後間隔は、前後調整機構14Bの調整ねじ14hを回動操作して行う。
溶接箇所に対する水平角度は、水平角度調整機構14Aの固定ねじ14eを緩めたうえレール14bにおける支持軸14cの角度を調整して該固定ねじ14eを締めて行う。この水平角度は、ビード幅の中央に位置させるよう調整する。さらに、溶接トーチTの垂直角度は、垂直角度調整機構5Aのアーム5Aaを操作して行う。
さらに、昇降部13におけるリミットスイッチ13Cを溶接長(昇降高さ)となるように位置設定を行う。その後、制御部6のパネル6Aにおいて、上記第1形態と同様の設定を行って、本溶接を行う。
リミットスイッチ13Bに支持部14が当接して、鉄筋Iと鋼管杭Pとの当接点を中心とした片側一方の溶接が完了すると、支持部14は昇降部13により下降し、初期位置に戻る。この後、第2形態の場合、支持部14における移動台14gをレール14bに沿って片側他方に移動させ、移動位置において上記のとおり水平角度調整機構14Aにより水平角度を固定し、必要に応じて前後調整機構14Bや垂直角度調整機構15Aによって溶接トーチTの位置を調整し、片側他方の溶接も行う。
第2形態では、鉄筋Iの1本づつの順次の取り付け、溶接、取り外しとなるが、現場のスペースが限られている場合においては、このようにコンパクトでかつ分割した部材が少ない構成の方が有利である。また、分割されていない点と、鉄筋Iの片側ずつの溶接である以外は、上記第1形態と同様の作用効果を得られるから、したがって、第2形態においても従来に較べて均質かつ安定した高品位のひげ筋溶接を行うことができる。
本発明の自動溶接装置における第1形態の概略構成と、設備構成を示す図である。 第1形態における固定部(固定手段)を示す斜視図である。 第1形態における固定部(固定手段)を示す別角度からの斜視図である。 第1形態における昇降部(昇降手段)を示す斜視図である。 第1形態における昇降部(昇降手段)を示す別角度からの斜視図である。 第1形態における支持部(支持手段)、振幅部(振幅手段)を示す斜視図である。 第1形態における支持部(支持手段)、振幅部(振幅手段)を示す別角度からの斜視図である。 本発明の自動溶接装置における制御部(制御手段)の操作パネルを示す図である。 (a)は溶接トーチの振幅停止時間と脚長との関係を、(b)は昇降速度とビード幅との関係を、各々示す図である。 (a)〜(d)は、本発明の自動溶接装置による溶接軌道を各々示す図である。 (a)(b)は、本発明の自動溶接装置における第2形態の全体概略構成を示す図である。 (a)〜(c)は、第2形態における固定部(固定手段)、昇降部(昇降手段)、支持部(支持手段)、振幅部(振幅手段)を示す図である。 (a)〜(c)は、第2形態における支持部(支持手段)、振幅部(振幅手段)を示す図である。
符号の説明
1 自動溶接装置
2 固定部(固定手段)
3 昇降部(昇降手段)
4 支持部(支持手段)
5 振幅部(振幅手段)
6 制御部(制御手段)
7 供給設備
11 自動溶接装置
12 固定部(固定手段)
13 昇降部(昇降手段)
14 支持部(支持手段)
I 鉄筋
P 鋼管杭
T 溶接トーチ

Claims (3)

  1. 杭頭定着筋方式の溶接を行うために、鉄筋を把持して鋼管杭に装着するための固定手段と、前記固定手段により装着した状態で溶接トーチを溶接すべき箇所に対して位置調整可能に支持する支持手段と、この支持手段において位置調整した状態で該溶接トーチを振幅させる振幅手段と、支持手段を振幅手段ごと昇降させる昇降手段と、この昇降手段と前記振幅手段を連動制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする自動溶接装置。
  2. 支持手段、振幅手段、溶接トーチからなる溶接ユニットと、昇降手段とが、固定手段に対してそれぞれ分割され、それぞれ別個に移動可能とされたことを特徴とする請求項1記載の自動溶接装置。
  3. 制御手段が、振幅手段の、溶接トーチの振幅の左端、中央、右端における停止時間を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の自動溶接装置。
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