JPH09216058A - 溶接装置とそれを用いた溶接方法 - Google Patents

溶接装置とそれを用いた溶接方法

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JPH09216058A
JPH09216058A JP2102396A JP2102396A JPH09216058A JP H09216058 A JPH09216058 A JP H09216058A JP 2102396 A JP2102396 A JP 2102396A JP 2102396 A JP2102396 A JP 2102396A JP H09216058 A JPH09216058 A JP H09216058A
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JP
Japan
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welding
torch
arc
wire
reinforcing bar
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JP2102396A
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English (en)
Inventor
Shigehiro Takahashi
重博 高橋
Seijirou Noda
清次良 野田
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TAKANO GIKEN KK
Original Assignee
TAKANO GIKEN KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業現場に持ち込んで使用することが可能
で、しかも簡単なセットをするだけで、均一で良好な溶
接を行うことができる溶接装置及びそれを用いた溶接方
法を提供する。 【解決手段】 屋外での作業現場にて用いられる溶接装
置1は、溶接電源3と、この溶接電源3からの電流を溶
接ワイヤ12に供給すると共に該溶接ワイヤ12を保持
する溶接トーチ14と、溶接ワイヤ12の送給機構5と
を備え、対向配置した鉄筋R,Rの端面同士をアーク溶
接する溶接装置であって、溶接位置近傍の鉄筋Rを把持
する把持部4を有し、この把持部4に、同一水平面にお
ける2次元方向の前後及び左右スライドベース(移動機
構)6,8及びこの水平面と直角方向の位置調整機構1
0を介して溶接トーチ14を保持するトーチホルダー1
6を設置したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋外での作業現場
における鉄筋の溶接作業を自動化することができる溶接
装置とその溶接方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、アーク溶接を自動的に行う自動溶
接機や溶接ロボットなど(以下、これらを総称して溶接
機という。)があるが、屋外での作業現場において鉄筋
同士をアーク溶接するには、従来の溶接機では、屋外で
の設置に適した機構となっていない上、溶接する鉄筋の
場所によって一様に同じ条件下で溶接ができず、その運
棒方法も鉄筋継手の製作に適したものではなかったこと
から、熟練工の手作業によって溶接作業が行われてい
た。その作業手順は、まず、溶接しようとする鉄筋の端
面同士を対向させ、端面同士の対向間隔(ルート間隔)
を所定間隔となし、この所定のルート間隔を存した状態
で溶接用の継手部材(スリーブ)を用いて鉄筋とスリー
ブとを仮溶接し、その後、熟練工により溶接ワイヤをル
ート間隔に挿入し、溶接トーチを操作してアーク溶接が
行われる。以下、この手順により行われる溶接作業を、
上記の溶接機による溶接作業に対して、手作業という。
【0003】ところで、屋外の作業現場において、上記
のように熟練工による手作業の溶接でなければならない
理由は、当然に溶接機により自動的に溶接作業が行わ
れ、その仕上がりが均一なものとできればよいが、溶接
機そのものは、主に生産ライン上で固定的に使用された
り、造船所のような大規模な場所にて使用される大掛か
りなものばかりで、屋外の作業現場に持ち込んで使用で
きるものではなく、つまり、溶接機がセットできない非
常に狭い位置では、到底、溶接機をセットすることが困
難であり、また、頻繁に溶接箇所が替わるような屋外で
の作業現場では、溶接機そのものを移動させること事態
が手間となり又困難であることによる。そのため、作業
効率を考えると、熟練工の手作業に頼らざるを得ないの
であり、また、アーク溶接はその特性上、溶接に不均一
な部分があったり不適正な溶接箇所があったりするとそ
の部分が溶接不良となって鉄筋の溶接部分及びその鉄筋
を用いた構造物そのものが耐久性に劣ったものとなって
しまうことから、屋外の作業現場では設置や運棒方法に
制約のある従来の溶接機よりも熟練工の手作業を要する
のである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熟練工
であっても、その作業を一様に適正で均一に仕上げるに
は作業時間が長くなったり、困難な場所で作業する場合
はどうしても不適正な溶接になってしまうことがある。
従って、屋外の作業現場にて使用でき、溶接の仕上がり
が良好でしかも均一なものとでき、溶接箇所が頻繁に移
動する場合にあっても、簡便に移動できる程度に小型
な、かつ容易にセットが可能な溶接装置が望まれてい
た。
【0005】本発明は、上記の要請に応えるためのもの
であり、作業現場に持ち込んで使用することが可能で、
しかも簡単なセットをするだけで、均一で良好な溶接を
行うことができる溶接装置及びそれを用いた溶接方法を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の請求項1に係る溶接装置は、溶接電源
と、この溶接電源からの電流を溶接ワイヤに供給すると
共に該溶接ワイヤを保持する溶接トーチと、溶接ワイヤ
の送給機構とを備え、対向配置した鉄筋の端面同士をア
ーク溶接する溶接装置であって、溶接位置近傍の鉄筋を
把持する把持部を有し、この把持部に、同一水平面にお
ける2次元方向の移動機構及びこの水平面と直角方向の
位置調整機構を介して溶接トーチを保持するトーチホル
ダーを設置したものである。
【0007】また、請求項2に係る溶接方法は、対向配
置した鉄筋の端面同士をアーク溶接する溶接方法であっ
て、鉄筋の対向した端面同士を所定のルート間隔を存し
た状態で一体的に保持した後、端面突き合わせ位置に、
円筒形状又は湾曲凹状の継手部材を仮溶接し、次に、溶
接位置近傍の鉄筋を溶接装置の把持部で把持して該溶接
装置を取り付けた後に、溶接装置の位置調整機構によっ
てトーチホルダーに設置した溶接トーチの高さ位置を溶
接位置に一致させ、その後、溶接装置の移動機構によっ
て溶接トーチの位置を移動させつつアーク溶接するもの
である。
【0008】また、請求項3に係る溶接装置は、上記請
求項1の溶接装置において、溶接電源に、鉄筋の径情報
を入力する入力部と、この入力部に入力された径情報に
基づいて溶接トーチに保持された溶接ワイヤの先端の移
動を、該溶接ワイヤと対向して配置した鉄筋の端面間の
最奥端から蛇行状に移動しつつ後退するように制御する
移動制御部とを有したものである。
【0009】また、請求項4に係る溶接方法は、上記請
求項2の溶接方法において、アーク溶接の際に、予め入
力された鉄筋の径情報に基づいて移動制御部により溶接
装置の移動機構が溶接トーチに保持された溶接ワイヤの
先端を、該溶接ワイヤの先端と対向して配置した鉄筋の
端面間の最奥端から蛇行状に移動しつつ後退移動させる
ものである。
【0010】また、請求項5に係る溶接装置は、上記請
求項1又は3の溶接装置において、溶接電源に、アーク
溶接時のアーク電流を高電流と低電流とが繰り返し交互
に流れるように制御する電流制御部を有したものであ
る。
【0011】また、請求項6に係る溶接方法は、上記請
求項2又は4の溶接方法において、アーク溶接の際に、
電流制御部により高電流と低電流のアーク電流を繰り返
し交互に流すものである。
【0012】
【発明の実施の形態】請求項1及び2の溶接装置及び方
法は、作業現場において鉄筋の端面同士が対向して配置
された部分をアーク溶接する際に用いられ、溶接トーチ
には順次送給機構により送給される溶接ワイヤが保持さ
れ、この溶接ワイヤには溶接電源から電流が供給されて
おり、鉄筋の対向した端面同士を所定のルート間隔を存
した状態で一体的に保持した後、溶接トーチを用いて端
面突き合わせ位置に配した円筒形状又は湾曲凹状の継手
部材を仮溶接する。そして、端面同士が対向配置された
状態で仮溶接された鉄筋を把持部により把持すること
で、溶接すべき鉄筋への本装置の取り付けが完了したこ
ととなり、この後、移動機構及び位置調整機構によっ
て、溶接トーチの同一水平面における2次元方向及びこ
の水平面と直角方向の位置を調整した後、溶接動作が行
われ、移動機構は溶接ワイヤによって溶接される箇所が
良好な仕上がりとなるように溶接トーチの位置を移動さ
せる。
【0013】このように、本溶接装置及び本溶接方法
は、把持部を介して溶接すべき鉄筋そのものに取り付け
ることができるので、設置する場所や位置の制限が少な
く、従って、溶接位置や溶接場所が頻繁に移動する屋外
での作業現場においても使用することができ、また、移
動機構及び位置調整機構により、様々な作業現場におい
て、大体の位置に溶接装置を把持部でもって取り付けた
後に微調整を行うことができるので、溶接トーチを鉄筋
方向に固定的にセットすることができ、従って、ルート
間隔の中心を真っ直ぐに溶接することができ、溶接強度
が不均一となることがなく、また、アーク溶接時の溶接
ワイヤを保持した溶接トーチが移動機構により最適に移
動するので、アーク溶接は高精度でしかもその仕上がり
は均一なものとなる。
【0014】また、請求項2及び4の溶接装置及び溶接
方法は、溶接装置の入力部に入力された径情報に基づい
て移動機構による溶接ワイヤの先端の移動を、該溶接ワ
イヤと対向して配置した鉄筋の端面間の最奥端から蛇行
状に移動しつつ後退するように移動制御部が制御するの
で、鉄筋径によって最適な溶接を行うことができ、その
溶接が溶接ワイヤ及び鉄筋の溶融量の過不足なく均一な
ものとすることができ、また、その仕上がりを良好なも
のとすることができる。
【0015】また、請求項5及び6の溶接装置及び溶接
方法は、溶接装置の電流制御部が、溶接電源から供給さ
れるアーク溶接時の電流を高電流と低電流とが繰り返し
交互に流れるように制御するので、溶接ワイヤ及び鉄筋
の溶融量が最適な状態で均一なものとなり、さらに、鉄
筋の溶接部周辺の熱影響を少なくすることができ、強度
の高い溶接とすることができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の溶接装置とそれを用いた溶接
方法の実施例について図面を参照して説明する。図1は
溶接装置の概略構成を示す図である。図2(a)は溶接
装置の自動運棒機の概略構成を示し、図1のA矢視図、
同図(b)は図1のB矢視図、同図(c)は図1のC矢
視図である。まず、請求項1及び請求項2の溶接装置及
びそれを用いた溶接方法に対応する第1実施例を説明す
る。アーク溶接を行う溶接装置1は、鉄筋Rに取り付け
られ実際に鉄筋Rを溶接する自動運棒機2と、この自動
運棒機2に対して電力を供給する溶接電源3とからな
る。
【0017】自動運棒機2には、図示する鉄筋Rを把持
することで該自動運棒機2全体を鉄筋Rに取り付けるた
めの把持部4を有している。さらに、把持部4には、図
示する鉄筋Rと直交する水平面において、鉄筋Rに対し
て接離移動する前後スライドベース6(移動機構)が設
けられている。この前後スライドベース6には、該前後
スライドベース6と同一水平面において直交、つまり左
右方向に延びる左右スライドベース8(移動機構)が設
けられている。前後スライドベース6は、左右スライド
ベース8を鉄筋Rに対して接離する方向に移動させるよ
うに構成され、また、左右スライドベース8は、前後ス
ライドベース6に対して左右に移動する構成とされてい
る。また、把持部4と前後スライドベース6との連結部
分には、把持部4以外の自動運棒機2全体を鉄筋Rの長
手方向に移動させて溶接位置の位置調整を行う位置調整
機構10が設けられている。
【0018】また、自動運棒機2には、溶接ワイヤ12
が保持された溶接トーチ14が取り付けられる。この溶
接トーチ14は、左右スライドベース8の鉄筋Rと対向
する位置に設けられたトーチホルダー16により着脱可
能に保持されている。また、前後スライドベース6の側
面と左右スライドベース8の上面とに跨がった位置に
は、これら前後及び左右スライドベース6,8を駆動さ
せ、自動運棒機2自体の溶接作業時における位置の微調
整などを行う操作ボックス18が設けられている。さら
に、自動運棒機2には、端面同士が対向配置された一対
の鉄筋R,Rのいずれか一方に把持部4でもって取り付
けられる際、自動運棒機2の安定性を向上させ、かつ端
面同士が対向したルート間隔rを固定させるために、ジ
ャッキ20が付属している。このジャッキ20により鉄
筋R,Rを一体的に保持することで、自動運棒機2の溶
接位置への取り付けが確実に行われる。さらに、ジャッ
キ20は、アーク溶接時には鉄筋R,Rの端面突き合わ
せ方向に該鉄筋R,Rのそれぞれを接近させる方向に加
圧する機能を有している。一方、溶接電源3には、上述
した溶接トーチ14に保持された溶接ワイヤ12の送給
機構5が備えられており、この送給機構5の溶接ワイヤ
12の送給速度などは、操作ボックス18により制御さ
れるようになっている。
【0019】次に、上記のように構成された溶接装置1
による溶接方法について説明する。まず、鉄筋R,Rを
端面同士が対向するように突き合わせ、ジャッキ20を
用いてルート間隔rが所定の値となった位置で保持す
る。そしてこの状態で鉄筋R,Rと一体となるように継
手部材(以下、スリーブという)22を図3(a)に示
すように仮溶接を行う。この仮溶接において用いるスリ
ーブ22は、従来からある円筒形状における長手方向の
略中央部に孔が形成されたものを用いてもよいが、本発
明では湾曲凹状のもの、さらには、この湾曲凹状の外周
面に溶融した溶接ワイヤ12が漏れない程度の径を有す
る多数の孔が開設されたもの(実願平6−5157:本
出願人等による)を用いる。これにより、仮溶接時及び
アーク溶接時における溶接ワイヤ12の溶融時の熱が孔
から放熱され、スリーブ22及び鉄筋R,Rに蓄積され
ず、作業時間を短縮することができ、鉄筋R,Rの強度
低下を防止でき、さらには、溶接完了後の溶接ワイヤ1
2の溶融状態を目視にて検査でき、また、スリーブ22
と鉄筋R,Rとの隙間に水が進入した場合には孔から排
出されるので鉄筋R,Rの酸化腐食を防止することがで
きる。
【0020】さらに、上述のスリーブ22を用いて実際
に鉄筋R,R同士を仮溶接する際には、自動運棒機2の
トーチホルダー16より溶接トーチ14を取り外して作
業者にて行う。そして、仮溶接が完了したら、次に、図
3(b)に示すように自動運棒機2の把持部4により鉄
筋Rを把持することで、自動運棒機2は鉄筋Rに取り付
けられる。この後、仮溶接時に取り外された溶接トーチ
14はトーチホルダー16に取り付けられる。
【0021】次に、位置調整機構10の操作により溶接
トーチ14(溶接ワイヤ12)の溶接位置を調整する
が、この調整は図示する場合、ルート間隔rの図示上下
方向の中央部に溶接ワイヤ12が位置するように調整す
る。その理由は、もし仮に上下いずれかの鉄筋R,Rに
偏った位置に溶接ワイヤ12が位置すると、偏った側の
鉄筋Rに溶接時の熱影響が発生したり、溶融した溶接ワ
イヤ12が溶け込みすぎたりし、溶接割れの原因となる
可能性があるからである。従って、この位置調整機構1
0による位置調整は正確さを要するため、ゲージにより
ルート間隔rの中央を測って行う必要がある。
【0022】上記の位置調整が完了すると、次に、溶接
トーチ14(溶接ワイヤ12)の前後及び左右の、特に
左右の位置調整を行う。この位置調整は、つまり自動運
棒機2を鉄筋Rに取り付けた際における微妙な左右ずれ
を調整するために行われ、また、前回使用時の状態で移
動が停止した前後及び左右スライドベース6,8の溶接
スタート位置を決定するために行われる。この調整は、
操作ボックス18の操作スイッチを操作することで行わ
れ、この調整においても、溶接トーチ14(溶接ワイヤ
12)がルート間隔rの図示する左右方向の中央に位置
するように調整し、また、前後には、溶接ワイヤ12が
前進して鉄筋Rの直径の最奥端に達することができる位
置に調整する。
【0023】上記位置調整が完了すると、次に、アーク
溶接を行う。このとき、溶接電源3は、溶接ワイヤ12
の突き出し長さが長い場合などにおいて、確実な溶接ス
タートをさせるために、予めスタートスイッチをオンに
しておくことで、溶接ワイヤ12に電流を蓄積させて該
溶接ワイヤ12が鉄筋Rに触れた瞬間から安定した電流
を供給できるように待機している。ところで、熟練工に
必要とされる熟練の技術とは、溶接トーチ14の操作に
よる溶接ワイヤ12の運棒であり、実際の手作業におい
ては熟練工であっても微妙に手が震えることで、例えば
図示する鉄筋Rの上下に波打った状態で溶接され、ルー
ト間隔rの中心(図示上下中央位置)を真っ直ぐに溶接
できずに溶接不良が発生することがよくある。
【0024】そこで、本実施例では、最も注意を払わな
ければならないルート間隔rの図示する上下方向の中央
位置を、上述のように位置調整機構10により調整し固
定しており、ルート間隔rの中央位置を真っ直ぐに運棒
するようになっているので、波打った溶接となることで
溶接不良となることがない。また、この運棒時における
溶接トーチ14に保持された溶接ワイヤ12の運棒は、
操作ボックス18の操作スイッチを操作して移動機構で
ある前後及び左右スライドベース6,8を移動させて行
う。なお、このようにアーク溶接が開始されると、溶接
電源3の送給機構5から自動的に溶接ワイヤ12が送給
される。さらに、溶接ワイヤ12及び鉄筋Rの溶融接合
部において、ジャッキ20により鉄筋R,Rのそれぞれ
をルート間隔rの中央位置へ向けて加圧することで、鉄
筋R,Rの溶接時の縮み(溶融により短くなる)によっ
て溶接の強度不足となることを防ぐことができ、溶着状
態を強固なものとすることができる。
【0025】このように、第1実施例における溶接装置
1及びそれを用いた溶接方法によれば、把持部4により
鉄筋Rに自動運棒機2を取り付けることができるので、
図示するように溶接位置が例え地面から離れていてもそ
の設置位置を地面に取る必要がなく、使用可能範囲に制
限を受けることが少なく、つまり広範囲で簡単に使用す
ることができ、従って、溶接する位置が頻繁に変更する
ような屋外での作業現場にて使用するには好適である。
また、その溶接に際しては、最も熟練技術を要する運棒
においても、ルート間隔rにおける鉄筋Rの長手方向の
中央に溶接ワイヤ12を固定的に位置させた後、自動運
棒機2を作動させるという非常に容易な操作で、前後左
右の溶接ワイヤ12を自動的かつ確実に運棒することが
でき、その仕上がりは、好適なものとすることができ
る。
【0026】次に、請求項3及び請求項4の溶接装置及
びそれを用いた溶接方法に対応した第2実施例を図4参
照して説明する。図4は第2実施例における溶接装置4
1の概略構成を示す図である。第2実施例における溶接
装置41は、上記の第1実施例における溶接装置1の溶
接電源3に接続された操作ボックス18に、鉄筋Rの径
情報を入力する入力部32と、この入力部32に入力さ
れた径情報に基づいて溶接トーチ14に保持された溶接
ワイヤ12の先端の移動を、該溶接ワイヤ12と対向し
て配置した鉄筋Rの端面間の最奥端から蛇行状に移動し
つつ後退するように制御する移動制御部34とを有した
ものであり、その他の構成は第1実施例と同じである。
【0027】すなわち、第2実施例では、第1実施例で
アーク溶接時に行っていた前後及び左右スライドベース
6,8の移動制御を鉄筋Rの径に基づいて自動的に行う
ようにしたものである。これにより、さらに、簡便にア
ーク溶接が行われることとなる。入力部32に入力され
る鉄筋径としては、例えば、少なくとも19mm、22m
m、25mm、29mm、32mmの規格鉄筋径が入力可能で
あり、また、そのソフトプログラムによりミリ単位など
の入力も可能である。その入力に際しては、操作ボック
ス18の他の操作スイッチにより行われる。また、移動
制御部34は、鉄筋Rの径情報により、アーク溶接時に
前後スライドベース6の前進後退幅と、左右スライドベ
ース8の最大左移動幅及び最大右移動幅並びに後退しつ
つある前後スライドベース6の移動に同期させた左移動
幅及び右移動幅の増減とが決定される。
【0028】上記の溶接装置41を用いた溶接方法を説
明すると、まず、予め溶接しようとする鉄筋径を操作ボ
ックス18の操作スイッチにより入力し、そして第1実
施例と同様に、各種の準備を整える。このとき、左右ス
ライドベース8により、鉄筋径の左右半径の中央位置に
溶接トーチ14(溶接ワイヤ12)が位置するように微
調整し、さらに前後スライドベース6により、溶接トー
チ14が鉄筋に近接するほどの位置に微調整しておく。
この後、動作させると、前後及び左右スライドベース
6,8が自動的に動作し、溶接ワイヤ12を蛇行状に鉄
筋Rの最奥端から左右に移動しながら後退する。鉄筋R
の最奥端及び左右の端部については既に予め鉄筋径情報
として入力されているので、これらの動作は正確で無駄
がない。
【0029】このように、第2実施例による溶接装置4
1及びそれを用いた溶接方法は、入力部32に入力され
た径情報に基づいて移動制御部34が溶接トーチ14に
保持れれた溶接ワイヤ12の移動を制御するようにした
ので、アーク溶接時に、移動制御部34により溶接トー
チ14に保持された溶接ワイヤ12の先端が、鉄筋Rの
端面間の最奥端から蛇行状に移動しつつ後退するように
制御され、従って、鉄筋径を変更しても最適な溶接を行
うことができ、また、その仕上がりは鉄筋径が替わって
も無駄な溶接部分や溶接不足な部分が発生することな
く、良好なものとすることができる。
【0030】次に、請求項5及び請求項6の溶接装置及
びそれを用いた溶接方法に対応した第3実施例を説明す
る。図5は第3実施例の溶接装置51の概略構成を示す
図である。第3実施例における溶接装置51は、上記の
第1実施例における溶接装置1の溶接電源3に、アーク
溶接時のアーク電流を高電流と低電流とが繰り返し交互
に流れるように制御する電流制御部35を有したもので
あり、その他の構成は第1実施例と同じである。
【0031】ところで、アーク溶接時において、溶接強
度上ルート間隔rは狭くして行うことが望ましく、また
狭いルート間隔rにおいて溶接ワイヤ12からのアーク
を安定させることにより溶接不良のない完全な溶接を行
うことが望まれるが、ルート間隔rが狭いゆえに、鉄筋
Rの溶け幅が大きくなったり、また、溶接ワイヤ12が
溶けすぎて溶接不良を起こす可能性がある。そこで、第
3実施例では、電流制御部35により、アーク溶接時の
アーク電流を高電流と低電流とが繰り返し交互に流れる
ように制御するようにした。すなわち、高電流が流れ続
けると溶接ワイヤ12が溶けすぎたり溶け幅が大きくな
るといった不都合は生じ、また、低電流が流れ続けると
溶接ワイヤ12の溶け込み幅不足になるといった不都合
が生じるが、本実施例による溶接装置51であればその
ような不都合が解消される。また、溶融量が経時的に増
減することにより、一定電流での溶接より確実な溶融状
態が得られる。従って、溶接位置にある鉄筋R,Rが受
ける熱影響を少なくすることができ、強度の高い溶接を
行うことができる。
【0032】また、第3実施例では、アーク溶接の終了
時に、低電流により仕上げを行うようにしており、これ
により、鉄筋R,Rから溶融した溶接ワイヤ12が垂れ
落ちることがない。さらに、上述した第2実施例の溶接
装置41に電流制御部35を搭載することにより、鉄筋
径を入力するだけで、完全自動運棒が行えると共にその
アーク溶接時の電流制御をも行えるものとすることがで
き、簡単なセットをするだけで、従来熟練工が行ってい
た溶接作業を誰にでも行うことができ、屋外の作業現場
においてその作業性の著しい向上、その溶接品質の向上
及び均一化、さらにはその構造物の強度の向上が図れ
る。
【0033】また、本発明の溶接装置は上記第1、第
2、第3実施例に限定されず、種々の変形が可能であ
り、溶接品質、作業性の向上を目的として、例えば、左
右から風などが吹いても溶接に影響がないように、溶接
トーチ14の左右に鉄筋径を覆う風防を設けるようにし
てもよい。この風防については特願平5−251703
号(本出願人等による)に示すようなものを、本装置
1,41,51に適用すべく改良したものであればよ
い。これにより、屋外の作業現場にありがちな天候の不
良により溶接作業の品質が低下することを防止すること
ができる。また、溶接装置1,41,51の使用に際し
ては図示するように鉄筋R,Rを上下に立てて溶接する
場合に限定されず、横に(左右に)溶接する場合にも用
いてもよいし、また、溶接箇所の自由度の増大のため
に、把持部4と前後スライドベース6との接合部分に回
転軸部を設けて把持部4以外の自動運棒機2の鉄筋Rに
対する取り付け角度を自由に変化させれるようにしても
よい。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1及び2
に係る溶接装置及びそれを用いた溶接方法は、把持部に
より溶接すべき鉄筋を把持することで、作業位置や作業
部位が変更した際にも、簡便にセットし直すことがで
き、従って屋外の作業現場に非常に都合がよく、また、
好適であり、さらに、移動機構及び位置調整機構により
溶接トーチの同一水平面における2次元方向及びこの水
平面と直角方向の位置を調整することができるので、溶
接可能箇所の自由度が増し、溶接条件の変更に対して容
易に対応させることができる。また、アーク溶接時に
は、移動機構により、溶接トーチの位置を移動させつつ
高度な技術を正確に行わせることができ、その仕上がり
は、ルート間隔の中心を真っ直ぐに運棒させた状態とな
り、作業内容や作業内容によらず良好、かつ均一なもの
となる。
【0035】また、請求項3及び4に係る溶接装置及び
それを用いた溶接方法は、入力部に入力された径情報に
基づいて移動制御部が溶接トーチに保持された溶接ワイ
ヤの移動を制御し、アーク溶接時に、溶接トーチに保持
された溶接ワイヤの先端が、該溶接ワイヤと対向して配
置された鉄筋の端面間の最奥端から蛇行状に移動しつつ
後退するように制御されて移動するので、鉄筋径を変更
しても均一で最適な溶接を行うことができ、また、その
仕上がりは良好なものとすることができる。
【0036】また、請求項5及び6に係る溶接装置及び
それを用いた溶接方法は、電流制御部により溶接電源か
ら供給されるアーク溶接時のアーク電流を高電流と低電
流とが繰り返し交互に流れるように制御することで、溶
接位置にある鉄筋の熱影響を少なくすることができ、強
度の高い溶接を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による溶接装置の概略構成
を示す図である。
【図2】本発明の第1実施例による溶接装置を示し、
(a)は図1のA矢視図、(b)は図1のB矢視図、
(c)は図1のC矢視図である
【図3】(a)(b)は、本発明の第1実施例による溶
接装置を用いた溶接方法を示す図である。
【図4】本発明の第2実施例による溶接装置の概略構成
を示す図である。
【図5】本発明の第3実施例による溶接装置の概略構成
を示す図である。
【符号の説明】
1 溶接装置 2 自動運棒機 3 溶接電源 4 把持部 5 送給機構 6 前後スライドベース(移動機構) 8 左右スライドベース(移動機構) 10 位置調整機構 12 溶接ワイヤ 14 溶接トーチ 16 トーチホルダー 18 操作ボックス 22 スリーブ(継手部材) 41 溶接装置 32 入力部 34 移動制御部 35 電流制御部 51 溶接装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B23K 9/127 509 8509−4E B23K 9/127 509Z 9/28 8509−4E 9/28 C 37/053 37/053 G

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接電源と、この溶接電源からの電流を
    溶接ワイヤに供給すると共に該溶接ワイヤを保持する溶
    接トーチと、溶接ワイヤの送給機構とを備え、対向配置
    した鉄筋の端面同士をアーク溶接する溶接装置であっ
    て、 溶接位置近傍の鉄筋を把持する把持部を有し、この把持
    部に、同一水平面における2次元方向の移動機構及びこ
    の水平面と直角方向の位置調整機構を介して前記溶接ト
    ーチを保持するトーチホルダーを設置したことを特徴と
    する溶接装置。
  2. 【請求項2】 対向配置した鉄筋の端面同士をアーク溶
    接する溶接方法において、 鉄筋の対向した端面同士を所定のルート間隔を存した状
    態で一体的に保持した後、端面突き合わせ位置に、円筒
    形状又は湾曲凹状の継手部材を仮溶接し、次に、溶接位
    置近傍の鉄筋を溶接装置の把持部で把持して該溶接装置
    を取り付けた後に、溶接装置の位置調整機構によってト
    ーチホルダーに設置した溶接トーチの高さ位置を溶接位
    置に一致させ、その後、溶接装置の移動機構によって溶
    接トーチの位置を移動させつつアーク溶接することを特
    徴とする溶接方法。
  3. 【請求項3】 前記溶接電源に、鉄筋の径情報を入力す
    る入力部と、この入力部に入力された径情報に基づいて
    溶接トーチに保持された溶接ワイヤの先端の移動を、該
    溶接ワイヤと対向して配置した鉄筋の端面間の最奥端か
    ら蛇行状に移動しつつ後退するように制御する移動制御
    部とを有したことを特徴とする請求項1に記載の溶接装
    置。
  4. 【請求項4】 前記アーク溶接の際に、予め入力された
    鉄筋の径情報に基づいて移動制御部により溶接装置の移
    動機構が溶接トーチに保持された溶接ワイヤの先端を、
    該溶接ワイヤの先端と対向して配置した鉄筋の端面間の
    最奥端から蛇行状に移動しつつ後退移動させることを特
    徴とする請求項2に記載の溶接方法。
  5. 【請求項5】 前記溶接電源に、アーク溶接時のアーク
    電流を高電流と低電流とが繰り返し交互に流れるように
    制御する電流制御部を有したことを特徴とする請求項1
    又は3に記載の溶接装置。
  6. 【請求項6】 前記アーク溶接の際に、電流制御部によ
    り高電流と低電流のアーク電流を繰り返し交互に流すこ
    とを特徴とする請求項2又は4に記載の溶接方法。
JP2102396A 1996-02-07 1996-02-07 溶接装置とそれを用いた溶接方法 Pending JPH09216058A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009195920A (ja) * 2008-02-19 2009-09-03 Takano Giken:Kk 自動溶接装置
CN106624299A (zh) * 2017-02-28 2017-05-10 胡和萍 一种便于夹持的车工电铆焊用焊条夹具

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