JPH0459996B2

JPH0459996B2 -

Info

Publication number: JPH0459996B2
Application number: JP61188481A
Authority: JP
Inventors: Takeshi Yamade; Masayuki Watabiki; Yasuji Sakuma; Masayoshi Yamaguchi; Shinichi Kurita
Original assignee: Hitachi Ltd
Current assignee: Hitachi Ltd
Priority date: 1986-08-13
Filing date: 1986-08-13
Publication date: 1992-09-24
Also published as: US4788409A; EP0256525B1; EP0256525A1; JPS6349367A; US4918283A; DE3777284D1

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は配管用プラズマ自動溶接方法、及びそ
の装置に係り、特に、キーホール溶接法による均
一な裏波ビード形状が要求される配管の周継手等
を全姿勢溶接で接合するに好適な配管用プラズマ
自動溶接方法、及びその装置に関する。

〔従来の技術〕

近年、TIG溶接等に比べアークのエネルギ密度
が高く、アーク長が大きいので高入熱で能率的な
アーク溶接を行うことができるという特徴を有し
ているプラズマ溶接が実用化されている。このプ
ラズマ溶接は、高温のプラズマジエツトで接合す
べき母材を貫通させ、キーホールを形成しながら
アーク溶接する方法である。

従来、この方式を利用したプラズマ溶接装置
は、主に下向きにアークを発生させる形で使用さ
れている。

ところが、最近、全姿勢溶接についても、この
プラズマキーホール溶接を使用する傾向が高まり
つつある。特に、配管同志を、その外周から接合
する作業において、配管を固定したまま全周をキ
ーホール溶接することが望まれてきた。しかし、
従来のプラズマ溶接装置はキーホール溶接、又は
なめ付溶接等を単一に施工する際に使用する装置
であるため、ある程度熟練した高度な溶接伎倆を
必要とした。

また、実際の溶接は、溶接資格者が仮付作業、
予熱作業、キーホール溶接作業、及び化粧盛り溶
接作業等の各作業ステツプごとに、それぞれの作
業に合つた溶接装置、機器を使用しながら行うの
が一般的であつた。即ち、仮付作業は、溶接前に
対象ワーク相互を固定すると共に、溶接中の熱変
形防止を目的としているため、従来はTIG溶接装
置を用いて実施している。一方、予熱作業は、溶
接冶金により溶融金属が凝固する際に収縮で割れ
ること、及び対象ワーク母材が熱影響を受けるこ
とにより組織的不具合の発生することを防止する
目的で、従来は誘導加熱、又はガス燃焼加熱を利
用して実施している。

尚、プラズマ溶接法に関しては、特開昭59−
191568号公報、及び特開60−27473号公報等に開
示がある。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記従来技術では、プラズマ溶接装置を使用す
るに際し、溶接作業として配管相互を固定する仮
付作業、及び配管の溶接接合される部分を予熱す
る予熱作業などの高度な溶接が要求される配管の
全姿勢溶接の如き、管理が重要な作業について配
慮がされておらず、溶接資格者が単一作業ごとに
それぞれ別の溶接装置、例えばTIG溶接装置や誘
導加熱、又はガス燃焼加熱などの予熱装置を使用
して人為的に作業するか、又は単一作業ごとにロ
ボツトに繰返し作業を遂行させていた。

即ち、従来のTIG溶接は、エネルギー的に緩や
かなものであり、溶接極部を見ると被溶接材を平
均的に溶かす方法であるため、仮付けを行うに
は、アークを被溶接部材の相互に揺動させ溶接金
属を合せるか、又は別の溶接ワイヤを入れ、溶融
金属量を増加させる必要があつたが、いずれも人
間が目視で観察しながら必要に応じて対応してい
る。

従つて、全姿勢溶接となる配管の溶接において
は、能率の向上、及び省力化を大きく阻害する要
因となつていた。

本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その
目的とするところは、配管相互を全姿勢で溶接接
合するものであつても各溶接作業の作業手順を溶
接資格者に代つて一般作業者でも簡単に行え、能
率の向上、作業の省力化が図れる配管用プラズマ
自動溶接方法、及びその装置を提供するにある。

〔課題を解決すめための手段〕

上記目的を達成するために本発明では、プラズ
マにより溶接接合する前に配管相互を固定する仮
付作業、及びこの仮付作業後に配管の接合部全周
を溶接するキーホール溶接作業を、前記配管の条
件に応じてプラズマで自動的に行う配管用プラズ
マ自動溶接方法、配管をプラズマにより溶接接合
する前に、配管の溶接接合される部分をプラズマ
で自動的に予熱する予熱作業、この予熱作業後に
前記配管相互を固定する仮付作業を行い、該仮付
作業の後に前記配管の接合部全周を溶接するキー
ホール溶接作業、及び該キーホール溶接作業の後
に当該溶接部分を補正する化粧盛り溶接作業を行
い、これら各作業を前記配管の条件に応じてプラ
ズマで自動的に行うと共に、前記予熱作業は、前
記配管の大きさに応じて溶接電流とプラズマガス
量、及びシールドガス量を絞り、かつ、配管の大
きさに合せて溶接速度を制御して行い、かつ、前
記仮付作業は、前記配管の大きさに応じて溶接電
流とプラズマガス量、及びシールドガス量を他の
作業より小さく制御して行う配管用プラズマ自動
溶接方法、プラズマにより溶接接合する前に配管
相互を固定する仮付作業、該仮付作業後に前記配
管の接合部全周を溶接するキーホール溶接作業、
該キーホール溶接作業後に行う化粧盛り溶接作業
の各作業個々の溶接条件を、前記配管の条件に応
じて最適な条件に組合せて出力し、これに基づい
て前記各作業を自動的にプラズマにより行う配管
用プラズマ自動溶接方法、予め配管の最適な溶接
条件のタイムシーケンスを定めて制御装置に入力
しておき、この入力値と予め記憶させておく各種
作業条件に応じて該制御装置の最適指令に基づき
溶接トーチが旋回しながらプラズマにより溶接接
合する前に配管相互を固定する仮付作業、該仮付
作業後に前記配管の接合部全周を溶接するキーホ
ール溶接作業、及び該キーホール溶接作業後に行
う化粧盛り作業の順にプラズマによる溶接を行う
配管用プラズマ自動溶接方法、配管相互をプラズ
マにより溶接接合する前に、該配管の溶接接合さ
れる部分を溶接電流、プラズマガス、及びシール
ドガス流量、溶接トーチの走行速度を制御して予
熱する予熱作業をプラズマで自動的に行い、その
後、前記配管相互を固定する仮付作業を行い、該
仮付作業の後に行うキーホール溶接、及び該キー
ホール溶接の後に行う化粧盛り溶接作業を、前記
配管の条件に応じてプラズマで自動的に行うと共
に、前記予熱作業は、前記配管の大きさに応じて
溶接電流とプラズマガス、及びシールドガス流量
を絞り、かつ、配管の大きさに合せて溶接速度を
制御して行い、前記仮付作業は、前記配管の大き
さに応じて溶接電流とプラズマガス、及びシール
ドガス流量を他の作業より小さく制御して行う配
管用プラズマ自動溶接方法、配管をクランプし、
溶接トーチが配管の接合面の周囲を移動可能に構
成し、前記溶接トーチを前記配管の接合面の周囲
に沿つて移動させて、前記配管相互を固定する仮
付作業、該仮付作業後に前記配管の接合部全周を
溶接するキーホール溶接作業、該キーホール溶接
作業の後に行う化粧盛り溶接作業を順次プラズマ
を用いて行い、かつ、前記仮付作業の溶接電流
値、及びプラズマガス量を前記キーホール溶接作
業時のそれより小さくなるように制御して配管を
接合する配管用プラズマ自動溶接方法、溶接トー
チと、該溶接トーチが旋回可能に取付けられると
共に、配管を支持固定する溶接ヘツドと、前記配
管と各種溶接作業の条件による最適な溶接条件の
タイムシーケンスを予め定めて入力しておく制御
装置と、該制御装置の指令に基づく溶接電流、溶
接速度を前記溶接ヘツドに伝える電源系統と、前
記制御装置の指令に基づくプラズマガス量を供給
するガス供給系統とから成る配管用プラズマ自動
溶接装置、溶接トーチと、この溶接トーチが固定
配管の外周面上を任意の速度で回転するように構
成されたトーチ回転部を介して固定配管に装着さ
れる溶接ヘツドと、該溶接ヘツドに備えられ前記
トーチ回転部を駆動する駆動装置と、前記配管の
大きさ、材質、温度などの条件と仮付、キーホー
ルの各溶接作業条件による溶接電流、溶接速度の
タイムシーケンスを予め定めて入力しておくと共
に、前記仮付、キーホール溶接の各作業ごとの条
件を記憶している制御装置と、該制御装置の指令
に基づく溶接電流、溶接速度指令を前記溶接ヘツ
ドの駆動装置に伝える電源系統と、前記制御装置
の指令に基づくプラズマガス、及びシールドガス
を前記溶接トーチへ供給するためのガス供給系統
とから成る配管用プラズマ自動溶接装置とするこ
とを特徴とする。

〔作用〕

本発明のプラズマ溶接作業は、溶接電流、プラ
ズマガス量等を制御することでプラズマによる配
管相互を固定する仮付作業を可能とし、これと配
管用プラズマ自動溶接装置が単一の作業として実
行可能であるキーホール溶接作業、化粧盛り溶接
作業とを組合せた作業手順とし、しかも、これを
配管の大きさ、材質、温度等の条件に適合する手
順として確立し、その手順を制御シーケンスとし
て記憶させておき、この出力によつて自動的にプ
ラズマ溶接ができるものである。

〔実施例〕

以下、図面の実施例に基づいて本発明を詳細に
説明する。

第１図に本発明の配管用プラズマ自動溶接装置
の一実施例を示す。

該図の如く、本実施例の配管用プラズマ自動溶
接装置は、溶接トーチ７と、この溶接トーチ７が
トーチ取付具８で配管の外周に沿つて旋回可能に
取付けられると共に、配管１５，１６に取付クラ
ンプ１０で懸垂した形で取付けられる溶接ヘツド
６と、前記配管１５，１６の条件（例えば大き
さ、材質、温度等）による最適な溶接条件（例え
ば溶接電流、溶接速度等）のタイムシーケンスを
予め定めて入力しておくと共に、予熱、仮付、キ
ーホール溶接、化粧盛り溶接の各作業ごとの最適
溶接条件を記憶している制御装置５と、この制御
装置５が前記した各作業ごとに発する指令に基づ
いて溶接電流、溶接速度を前記溶接ヘツド６に伝
える電源装置１と、前記制御装置５の指令に基づ
くプラズマガス量、シールドガス量を電源装置１
を介して溶接トーチ７へ供給するためのガスを溜
めておくプラズマガスボンベ１１、及びシールド
ガスボンベ１２とから概略構成される。そして、
電源装置１に商用電力２が入力ケーブル１３によ
り供給され、プラズマガスボンベ１１、シールド
ガスボンベ１２からのそれぞれのガスは、ホース
１４ａ，１４ｂで電源装置１に供給される。制御
装置５は通信ケーブル１９で電源装置１に接続さ
れ、この制御装置５の指令による出力として、溶
接電流、溶接速度が電源装置１を経由してパワー
ケーブルホース１８を介して溶接ヘツド６に伝え
られると共に、上述した電源装置１に供給された
プラズマガス、及びシールドガスもパワーケーブ
ルホース１８を介して溶接ヘツド６に送られる。

第２図に上記した電源装置１内部のガス制御部
を示す。該図において、プラズマガスボンベ１
１、シールドガスボンベ１２と電源装置１を接続
するガスホース１４ａ，１４ｂは、プラズマガス
入口２９、シールドガス入口３０にそれぞれカツ
プリングされる。それぞれの入口部のカツプリン
グは、接続時のみガスの流れ口が開くようになつ
ている。そして、プラズマガス入口２９からのプ
ラズマガス系統、シールドガス入口３０からのシ
ールドガス系統のそれぞれには、圧力スイツチ３
４、フローメータ３６、電磁弁３８が設置され
て、それぞれプラズマガス出口３１、シールドガ
ス出口３３に至つている。プラズマガス系統の途
中からは分岐された系統があり、この系統にもフ
ローメータ３６、電磁弁３８が設置され、バツク
シールドガス出口３２に至つている。これらの各
出口はパワーケーブルホース１８に接続されてい
る。尚、プラズマガス系統の途中には、フローコ
ントローラ３７が設置されている。また、プラズ
マガス系統とシールドガス系統とは、分岐バルブ
３５を介して接続され、シールドガスもプラズマ
ガスも同一組成のガスを使用する場合には、ガス
ボンベはいずれか１個でもシステムが動作可能と
なつている。更に、制御装置５から発せられる各
作業ごとの指令は、フローコントローラ３７、及
び電磁弁３８で受け、適正なガス量の制御を行
い、各出口からパワーケーブルホース１８を経由
して、溶接ヘツド６に供給するものである。

第３図に上記した溶接トーチ７の詳細を示す。
該図において２０は電極棒で、この電極棒２０を
覆うようトーチボデイ２１が所定間隙をもつて配
置され、電極棒２０はトーチボデイ２１と絶縁支
持され、配管１５，１６に対して、スタンドオフ
寸法Ｇだけ離して設置される。更に、トーチボデ
イ２１を覆うように所定間隙をもつてシールドカ
バー２２が設置されている。そして、電極棒２０
とトーチボデイ２１の間隙にはプラズマガス３が
流れ、トーチボデイ２１とシールドカバー２２の
間隙にはシールドガス４が流れる。

通常、電極棒２０は陰極、トーチボデイ２１は
陽極となり、この間の電圧はパイロツトアーク電
圧である。配管１５，１６も陽極であり、この間
の電圧はプラズマアーク電圧である。溶接に直接
関係する溶接電流は、プラズマアーク電圧で決ま
り、この溶接電流がアーク柱２３となり、トーチ
ボデイ２１からプラズマガス３と共に噴出し、配
管１５，１６を溶接する。尚、シールドガス４は
シールドガスカバー２２の内側からプラズマアー
ク２３を包む様に流れる。

このように構成される溶接トーチ７は、溶接ヘ
ツド６にトーチ取付具８により溶接作業ごとに最
良の方向に取付けられ、取付クランプ１０によつ
て配管１５，１６のいずれかにクランプされるよ
うになつている。尚、溶接ヘツド６には、化粧盛
り溶接作業の際のワイヤ２６がワイヤ送給ユニツ
トに組込まれ装着されている。

第４図は、本発明の配管用プラズマ自動溶接装
置の動作を予熱作業Ａ、仮付作業Ｂ、キーホール
溶接作業Ｃ、及び化粧盛り作業Ｄの手順で、時間
経過を横軸にして描いた本発明による配管用プラ
ズマ自動溶接装置のタイムチヤートである。

該図の如く、始動操作Ｓ１により、プラズマガ
ス３とシールドガス４を流し、ガス安定時間Ｅの
後溶接電流９を流す。溶接トーチ７は、溶接ヘツ
ド６に内蔵されたアクチユエータ（図示せず）に
より予め定められた溶接速度１７により配管の外
周を旋回する。溶接速度１７のプラス側は正回
転・マイナス側は逆回転として図示した。つま
り、パワーケーブルホース１８が配管１５，１６
に巻付くのを防ぐため、溶接トーチ７が１回転毎
に正転−逆転を交互に動作させている。従つて、
正転−逆転の双方共直接作業を遂行させることが
可能な予熱作業Ａ以外逆転の図示がある。尚、化
粧盛り作業Ｄの最後にある逆転は、溶接ヘツド６
が配管１５，１６に懸垂クランプする前の状態に
戻るために必要である。

第５図に配管１５，１６を溶接する各種溶接作
業の詳細を示す。

第５図ａは、予熱作業Ａの段階を示すもので、
溶接電流９は配管１５，１６の表面を加熱するに
十分な値に設定される。通常、プラズマガス３は
電流流通用、シールドガス４は１５，１６の表面
酸化防止用として作用する。

第５図ｂは仮付作業Ｂの段階を示すもので、配
管１５，１６の大きさに相応した仮付ビード２７
を得るように溶接電流９、溶接長さ（時間Ｔ×溶
接速度１７）、プラズマガス３、及びシールドガ
ス４を制御する。また、仮付箇所数は溶接電流９
のピークの山数で決定する。

第５図ｃはキーホール溶接作業Ｃ、及び化粧盛
り溶接作業Ｄの段階を示すもので、プラズマ溶接
の特徴的ビード断面を現している。即ち、溶接電
流９により配管１５，１６の接合部が溶融される
と共に、プラズマガス３によりキーホール溶接さ
れ、キーホールビード２４として配管１５，１６
が融合して溶接完了となる。尚、化粧盛り溶接作
業Ｄは、表面ビード２５を凸にする目的で、第３
図に示す如くワイヤ２６を送給しながら溶接され
る。ここで、仮付作業Ｂにおいて形成された仮付
ビード２７は、キーホール溶接のとき溶融されキ
ーホールビード２４の中に包含される。

本実施例の配管用プラズマ自動溶接装置は次の
ように使用される。

まず、予め配管１５，１６の寸法、材質、及び
溶接方向などの情報によつて、最適な溶接条件の
タイムシーケンスを第４図の如く実験的に求めて
定めておき、制御装置５に入力しておく。そし
て、商用電力２、ガスボンベ１１，１２を電源装
置１に接続したのち、溶接ヘツド６を配管１５，
１６に取付クランプ１０で懸垂した形で取付け、
溶接スタートの指令を与える。そして、プラズマ
溶接装置が前述の制御装置５に入力されたタイム
シーケンスに従い、第５図に示す如き形で予熱作
業Ａ、仮付作業Ｂ、キーホール溶接作業Ｃ及び化
粧盛り溶接作業Ｄを実行する。その際、予熱作業
Ａは配管１５，１６の大きさに応じて溶接電流と
プラズマガス量、及びシールドガス量を絞り、か
つ、配管１５，１６の大きさに合せて溶接速度を
制御して行い、一方、仮付作業Ｂは、配管１５，
１６の大きさに応じて溶接電流とプラズマガス
量、及びシールドガス量をキーホール溶接作業よ
り小さく制御して行うものである。本実施例の配
管用プラズマ自動溶接装置を使用すれば、上記各
作業工程の間、作業者は配管１５，１６を準備す
ること、スタート指示をすること、及び仮付作業
中の配管の支持だけで良いことになる。

このような本実施例によれば、従来、溶接資格
者がそれぞれ別の装置をその都度使用して行なつ
ていた仮付作業、予熱作業、キーホール溶接作
業、及び化粧盛り溶接作業を、一般の作業者が１
つの配管用プラズマ自動溶接装置で行うことが可
能となるので、作業効率の向上、省力化、経費節
約が図れる等種々の効果がある。

次に、本実施例の配管用プラズマ自動溶接を
50A（2B）SCh40の炭素鋼々管を突合せ、水平状
態で行う場合の具体的なタイムチヤートを第６図
に示して説明する。

該図に示す例では、仮付作業Ｂ、キーホール溶
接作業Ｃ、及び化粧盛り溶接作業Ｄの順に行な
い、予熱作業Ａは配管１５，１６の材質が炭素鋼
であること、及び溶接施工温度が常温であり省略
した。

この仮付作業Ｂは、プラズマガス３として約
1.5／分、溶接電流９として約70A、溶接速度
１７として約80mm／分で、全周３ケ所（２時半、
６時半、及び10時半）を上記溶接電流９を用いパ
ルス時間Ｔとして15秒実施した。また、キーホー
ル溶接作業Ｃは、プラズマガス３として約2.5
／分、溶接電流９として約120A、溶接速度１
７として約100mm／分で実施した。尚、溶接電流
９はピーク値の値であり、ベース値は約20Aと
し、その時間比率は平均４：６であり周期は１Hz
程度で実施した。更に化粧盛り溶接作業Ｄは、プ
ラズマガス３として約２／分、溶接電流９とし
て約100A、溶接速度１７として約100mm／分で実
施した。尚、溶接電流９はピーク値で、ベース値
は約15A、時間比率４：７であり周期１Hz程度で
美麗なビードとなる。

このような条件に基づいて炭素鋼々管を突合
せ、水平状態で行つたが、上述した本実施例の配
管用プラズマ自動溶接装置を使つて仮付作業、キ
ーホール溶接作業、及び化粧盛り溶接作業を、一
般の作業者が自動的に行うことができた。

〔発明の効果〕

以上説明した本発明の配管用プラズマ溶接方
法、及びその装置によれば、プラズマ溶接作業は
溶接電流、プラズマガス量等を制御することでプ
ラズマによる仮付作業が可能となり、これとプラ
ズマ溶接装置が単一の作業として実行可能である
キーホール溶接作業、化粧盛り溶接作業とを組合
せた作業手順とし、しかも、これを配管の寸法、
材質等の条件に適合する手順として確立し、その
手順を制御シーケンスとして記憶させておき、こ
の出力によつて自動的にプラズマ溶接が施工でき
るものであるから、配管の溶接作業のすべてを高
速で遂行し、溶接資格を有しない一般作業者で均
一な溶接が得られると共に、省力化の推進、効率
の向上、及び経済性などの点で計り知れない効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の配管用プラズマ自動溶接装置
の一実施例を示す全体構成図、第２図は電源装置
におけるガス制御部を示す系統図、第３図は本発
明の配管用プラズマ自動溶接装置に採用される溶
接トーチの断面図、第４図は本発明の配管用プラ
ズマ自動溶接装置における各溶接作業ごとのタイ
ムチヤート、第５図は本発明の配管用プラズマ自
動溶接装置における各溶接作業を示し、第５図ａ
は予熱作業、第５図ｂは仮付作業、第５図ｃはキ
ーホール溶接作業、及び化粧盛り溶接作業をそれ
ぞれ示す図、第６図は本発明の配管用プラズマ自
動溶接装置による炭素鋼々管を接合する場合の溶
接条件例を各作業ごとに示したタイムチヤートで
ある。１……電源装置、３……プラズマガス、４……
シールドガス、５……制御装置、６……溶接ヘツ
ド、７……溶接トーチ、８……トーチ取付具、９
……溶接電流、１０……取付クランプ、１１……
プラズマガスボンベ、１２……シールドガスボン
ベ、１５，１６……配管、１７……溶接速度、１
８……パワーケーブルホース、２０……電極棒、
２１……トーチボデイ、２２……シールドガスカ
バー、２３……アーク柱、Ａ……予熱作業、Ｂ…
…仮付作業、Ｃ……キーホール溶接作業、Ｄ……
化粧盛り溶接作業。

Claims

【特許請求の範囲】１配管を突合せこの突合せ部分をプラズマによ
り溶接接合する配管用プラズマ溶接方法におい
て、前記プラズマにより溶接接合する前に前記配
管相互を固定する仮付作業、及び該仮付作業後に
前記配管の接合部全周を溶接するキーホール溶接
作業を、前記配管の条件に応じてプラズマで自動
的に行うことを特徴とする配管用プラズマ自動溶
接方法。２前記仮付作業の前に、前記配管の溶接接合さ
れる部分を自動的にプラズマで予熱する予熱作業
工程を付加したことを特徴とする特許請求の範囲
第１項記載の配管用プラズマ自動溶接方法。３前記キーホール溶接作業の後に、当該溶接部
分を補正する化粧盛り溶接作業工程を付加したこ
とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の配管
用プラズマ自動溶接方法。４配管を突合せ、この突合せ部分をプラズマに
より溶接接合する配管用プラズマ溶接方法におい
て、前記配管をプラズマにより溶接接合する前
に、該配管の溶接接合される部分をプラズマで自
動的に予熱する予熱作業、該予熱作業後に前記配
管相互を固定する仮付作業を行い、該仮付作業の
後に前記配管の接合部全周を溶接するキーホール
溶接作業、及び該キーホール溶接作業の後に当該
溶接部分を補正する化粧盛り溶接作業を行い、こ
れら各作業を前記配管の条件に応じてプラズマで
自動的に行うと共に、前記予熱作業は、前記配管
の大きさに応じて溶接電流とプラズマガス量、及
びシールドガス量を絞り、かつ、配管の大きさに
合せて溶接速度を制御して行い、かつ、前記仮付
作業は、前記配管の大きさに応じて溶接電流とプ
ラズマガス量、及びシールドガス量を他の作業よ
り小さく制御して行うことを特徴とする配管用プ
ラズマ自動溶接方法。５配管を突合せ、この突合せ部分をプラズマに
より溶接接合する配管用プラズマ溶接方法におい
て、前記プラズマにより溶接接合する前に前記配
管相互を固定する仮付作業、該仮付作業後に前記
配管の接合部全周を溶接するキーホール溶接作
業、及び該キーホール溶接作業後に行う化粧盛り
溶接作業の各作業個々の溶接条件を、前記配管の
条件に応じて最適な条件に組合せて出力し、これ
に基づいて前記各作業を自動的にプラズマにより
行うことを特徴とする配管用プラズマ自動溶接方
法。６前記仮付作業の前に、前記配管の条件に応じ
て作業条件が記憶され、それを必要に応じて最適
な条件に出力して、これに基づいて前記配管の溶
接部分を予熱する予熱作業工程を付加したことを
特徴とする特許請求の範囲第５項記載のプラズマ
溶接方法。７前記仮付作業は、前記配管の大きさに応じて
溶接電流とプラズマガス量、及びシールドガス量
を他の作業より小さく制御して行うことを特徴と
する特許請求の範囲第５項記載のプラズマ溶接方
法。８前記予熱作業は、前記配管の大きさに応じて
溶接電流とプラズマガス量、及びシールドガス量
を絞り、かつ、配管の大きさに合せて溶接速度を
制御して行うことを特徴とする特許請求の範囲第
６項記載のプラズマ溶接方法。９配管を突合せ、この突合せ部分をプラズマに
より溶接接合する配管用プラズマ溶接方法におい
て、予め前記配管の最適な溶接条件のタイムシー
ケンスを定めて制御装置に入力しておき、この入
力値と予め記憶させておく各種作業条件に応じて
該制御装置の最適指令に基づき溶接トーチが旋回
しながら前記プラズマにより溶接接合する前に前
記配管相互を固定する仮付作業、該仮付作業後に
前記配管の接合部全周を溶接するキーホール溶接
作業、及び該キーホール溶接作業後に行う化粧盛
り作業の順にプラズマによる溶接を行うことを特
徴とする配管用プラズマ自動溶接方法。１０配管を突合せ、この突合せ部分をプラズマ
により溶接接合する配管用プラズマ溶接方法にお
いて、前記配管相互をプラズマにより溶接接合す
る前に、該配管の溶接接合される部分を溶接電
流、プラズマガス、及びシールドガス流量、溶接
トーチの走行速度を制御して予熱する予熱作業を
プラズマで自動的に行い、その後、前記配管相互
を固定する仮付作業を行い、該仮付作業の後に行
うキーホール溶接、及び該キーホール溶接の後に
行う化粧盛り溶接作業を、前記配管の条件に応じ
てプラズマで自動的に行うと共に、前記予熱作業
は、前記配管の大きさに応じて溶接電流とプラズ
マガス、及びシールドガス流量を絞り、かつ、配
管の大きさに合せて溶接速度を制御して行い、前
記仮付作業は、前記配管の大きさに応じて溶接電
流とプラズマガス、及びシールドガス流量を他の
作業より小さく制御して行うことを特徴とする配
管用プラズマ自動溶接方法。１１配管をクランプし、溶接トーチが配管の接
合面の周囲を移動可能に構成し、前記溶接トーチ
を前記配管の接合面の周囲に沿つて移動させて、
前記配管相互を固定する仮付作業、該仮付作業後
に前記配管の接合部全周を溶接するキーホール溶
接作業、該キーホール溶接作業の後に行う化粧盛
り溶接作業を順次プラズマを用いて行い、かつ、
前記仮付作業の溶接電流値、及びプラズマガス量
を前記キーホール溶接作業時のそれより小さくな
るように制御して配管を接合することを特徴とす
る配管用プラズマ自動溶接方法。１２溶接トーチと、該溶接トーチが旋回可能に
取付けられると共に、配管を支持固定する溶接ヘ
ツドと、前記配管と各種溶接作業の条件による最
適な溶接条件のタイムシーケンスを予め定めて入
力しておく制御装置と、該制御装置の指令に基づ
く溶接電流、溶接速度を前記溶接ヘツドに伝える
電源系統と、前記制御装置の指令に基づくプラズ
マガス量を供給するガス供給系統とから成ること
を特徴とする配管用プラズマ自動溶接装置。１３前記溶接トーチは、溶接電流が流れて配管
との間にアーク柱を発生する電極棒と、該電極棒
の周囲を所定間隙をもつて覆うと共に、その間隙
部分をプラズマガスが流れるトーチボデイと、更
に該トーチボデイの周囲を所定間隙をもつて覆う
と共に、その間隙部分をシールドガスが流れるシ
ールドカバーとから成ることを特徴とする特許請
求の範囲第１２項記載の配管用プラズマ自動溶接
装置。１４溶接トーチと、この溶接トーチが固定配管
の外周面上を任意の速度で回転するように構成さ
れたトーチ回転部を介して固定配管に装着される
溶接ヘツドと、該溶接ヘツドに備えられ前記トー
チ回転部を駆動する駆動装置と、前記配管の大き
さ、材質、温度などの条件と仮付、キーホールの
各溶接作業条件による溶接電流、溶接速度のタイ
ムシーケンスを予め定めて入力しておくと共に、
前記仮付、キーホール溶接の各作業ごとの条件を
記憶している制御装置と、該制御装置の指令に基
づく溶接電流、溶接速度指令を前記溶接ヘツドの
駆動装置に伝える電源系統と、前記制御装置の指
令に基づくプラズマガス、及びシールドガスを前
記溶接トーチへ供給するためのガス供給系統とか
ら成ることを特徴とする配管用プラズマ自動溶接
装置。