JPH0681398U - ロール紙用ホルダー - Google Patents

ロール紙用ホルダー

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JPH0681398U
JPH0681398U JP029292U JP2929293U JPH0681398U JP H0681398 U JPH0681398 U JP H0681398U JP 029292 U JP029292 U JP 029292U JP 2929293 U JP2929293 U JP 2929293U JP H0681398 U JPH0681398 U JP H0681398U
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coil spring
paper
holder
roll
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昭男 梁木
清 橋爪
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ロール紙用ホルダーに於ける紙切り時、ロー
ル紙始端部が紙切り部の下に隠れるのでロール紙を少し
逆回転させて始端部を自重により垂下させる。 【構成】 ロール紙保持用軸体の同芯上にコイルバネを
備え、該コイルバネの一端に該ロール紙保持用軸体の回
動によって発生させるコイルバネのひねり応力を逃がさ
ない様にするコイルバネ係止構造を備えると共に、該コ
イルバネの他端にコイルバネにひねりを加えることによ
りバネ径が変化することを利用した一定のひねり回転数
未満ではコイルバネの端部を保持し、一定のひねり回転
数以上ではコイルバネの端部を回転摺動させる一定逆回
転力保持機構を備えることにより、ロール紙を引き出す
ことで引き出し回転方向に対して逆回転方向に一定の回
動力を蓄積させ、ロール紙を切り取って蓄積した回動力
を解放状態にすることでほぼ1/4から3/4回転逆方
向に戻る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、トイレットペーパー及びキッチンペーパー等のロール紙を保持す るロール紙用ホルダーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のロール紙用ホルダーは、ロール紙を保持するための軸体を、取り外し自 在に水平に設けると共に、保持されたロール紙の上部を覆い、かつ先端に紙切り 部を設けたペーパーカバーを取り付けたものが一般的であり、その使用方法につ いては、始めに必要分を巻出した後、片手でペーパーカバーを軽く押え、もう一 方の手で先端に設けられた紙切り部によりロール紙を切断するものである。 しかし、ロール紙を切断した際、紙切り部の下にロール紙の始端部が隠れてし まうので次に使用する時は、ペーパーカバーを少し持ち上げ、ロール紙の始端部 を引き出すという動作を強いられ、面倒であるという問題点を有していた。
【0003】 そこで、このような問題を解決する方法として以下のようなロール紙用ホルダ ーが考案されている。 第1の従来例としては、実公昭60−31595号公報のように、トイレット ペーパーホルダー本体の側板にぜんまいばねの一端が取着され、該ぜんまいばね の他端が軸杆の端部付近に取着され、該軸杆の回動により該ぜんまいばねが巻か れるようになされているものであり、ぜんまいばねに蓄えられたエネルギーによ り軸杆を逆回転させ、トイレットペーパーの先端を垂下させることを目的とした ものである。
【0004】 また、ぜんまいばねを軸杆端部へ取り付ける方法として、軸杆端部に嵌着され た弾性体に取着されたものが取り上げられている。 この従来例の技術的構成としては、ぜんまいばねの一端を本体側板に固定する と共に、ぜんまいばねの他端を軸杆に固定するものであり、ぜんまいばねを巻く 方法としては、トイレットペーパーを引き出す際の回転速度から生まれる摩擦力 を利用して軸杆を回動させるものである。
【0005】 また、第2の従来例としては、実公平1−32952号公報のように、ロール 紙を保持するホルダー本体に保持されたロール紙の始端部を紙受け部の外側から 平行に接近離間可能に設けられたローラー部材の内側に巻き込み、さらに下方に 垂れ下げることを特徴とするものである。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
第1の従来例においては、現実的にトイレットペーパーを引き出す際の回転速 度から生まれる摩擦力を利用して軸杆を回動させる為には、軸杆をかなりの速度 で引き出さなければならず、トイレットペーパーがすぐに切れてしまうという問 題点を有していた。 また、トイレットペーパーを切断する際に回転が止まるので、その時点で巻か れたぜんまいばねが元に戻ってしまうという問題点を有していた。
【0007】 第2の従来例においては、ロール紙を切る方法として、ロール紙を紙切り部に 押し当てて切る方式を採用していることから、必然的に紙切り部は鋭利なものが 必要になるが、その紙切り部がホルダー本体の前部に設けられており、危険であ るという問題点を有していた。 また、構成が複雑である為、高価なものになることや、ロール紙のセッティン グに少々手間が掛かるので面倒である。 更には、勢い良くロール紙を引き出した場合、ロール紙に回転力が付き、必要 以上にロール紙が引き出されてしまうので、次に引き出した時ローラー等に紙が 絡むという問題が発生する等の問題点を有していた。 尚、勢い良くロール紙を引き出した場合、ロール紙に回転力が付き、必要以上 にロール紙が引き出されるという問題点は、従来技術で述べている一般的なもの にも言えることである。
【0008】 尚、上記問題点を解決するため、平成4年4月3日にロール紙用ホルダーなる 考案を本願出願人により出願(実願平4−28969)しているが、本考案は前 出願を更に改良したものであり、コイルバネの保持及び摺動機構をより簡単、且 つ完全なものにしたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための第1の手段は、ロール紙用ホルダーに於けるロール 紙保持用軸体の同芯上にコイルバネを備え、該コイルバネの一端に、該ロール紙 保持用軸体の回動によって発生させるコイルバネのひねり応力を逃がさないよう にするコイルバネ係止構造を備えると共に、該コイルバネの他端に、コイルバネ にひねりを加えることによりバネ径が変化することを利用した、一定のひねり回 転数未満ではコイルバネの端部を保持し、一定のひねり回転数以上ではコイルバ ネの端部を回転摺動させる一定逆回転力保持機構を備えることにより、ロール紙 を引き出すことで引き出し回転方向に対して逆回転方向に一定の回動力を蓄積さ せ、ロール紙を切り取って蓄積した回動力を解放状態にすることで、ほぼ1/4 から3/4回転、逆方向に戻るようにするものである。
【0010】 上記のほぼ1/4から3/4回転というのは、先端を垂下させる目的から適当 な範囲を数字で示したものであるが、本考案の一定逆回転力保持機構は、特別な アジャスト機構等を設けないかぎり、設計時点に於いて設定した逆回転数の逆回 転動作をほぼ正確に行うものであり、従って、その任意に設定する逆回転数の設 定は、特にこれに限定されるものではなく、要するにロール紙を逆回転させるこ とでロール紙の始端部を前方に出せれば良い。 上記手段について敢えて補足しておくと、一定逆回転力保持機構をコイルバネ の両側に設けても、結果的にはコイルバネのどちらか片側が係止された状態にな るので上記手段で述べる構成となんら変わりはない。
【0011】 第2の手段は、ロール紙を引き出す方向にロール紙保持用軸体を回動させた時 、巻き方向が巻き絞められる方向となるコイルバネを備え、一定逆回転力保持機 構が、該コイルバネの他端を凹状のバネ受け部に圧入させるものである。
【0012】 第3の手段は、ロール紙を引き出す方向にロール紙保持用軸体を回動させた時 、巻き方向が巻き広げられる方向となるコイルバネを備え、一定逆回転力保持機 構が、該コイルバネの他端を凸状のバネ受け部に圧入させるものである。
【0013】 第4の手段は、コイルバネ端部の係止部又は一定逆回転力保持部を独立した部 材で構成し、該部材をロール紙を巻き戻す方向に回転させる回転機構と、同部材 をロール紙を引き出す方向に回転させないストッパー機構を設けるものである。
【0014】 第5の手段は、逆回転方向に蓄積させた回動力をロール紙とペーパーカバーの 摩擦抵抗によって減少させないため、該ペーパーカバーの裏側に車輪体を設けて ロール紙の外周上部に当接させることにより、上記ロール紙とペーパーカバーと の間に適宜隙間を持たせ、該車輪体によって摩擦抵抗を減少させるものである。
【0015】
【作用】
第1の手段による作用としては、ロール紙用ホルダーに於けるロール紙保持用 軸体をロール紙の引き出し方向に回転させることにより、該ロール紙保持用軸体 と連動してコイルバネにひねり応力即ち逆回転方向の回動力が発生し、そして一 定逆回転力保持機構により一定のひねり回転数以上の回動力は回転摺動によって 逃がされるので、ロール紙の引き出し量に関係なく逆回転方向に一定の回動力を 蓄積させることが可能となる。 そして、ロール紙を切り取った後、上記蓄積された回動力によって、ロール紙 がほぼ1/4から3/4回転逆方向に戻ることにより、ロール紙先端が自重で垂 下し、次に使用する際にロール紙先端をすぐにつまむことができる。 更に、ロール紙を引き出す方向に対してわずかな反力が生じる為、上記課題欄 で述べているように勢い良くロール紙を引き出した場合において、ロール紙に回 転力が付き必要以上にロール紙が引き出されるという問題も解消される。
【0016】 第2の手段による作用としては、凹状のバネ受け部に圧入したコイルバネが、 ロール紙を引き出す方向にロール紙保持用軸体を回動させた時、巻き絞められて 外径が小さくなり、凹部の内径よりコイルバネの外径が小さくなった時点で回転 摺動を始める。 従って、任意に設定するひねり回転数未満においては、コイルバネ端部の外周 が前記凹部の内周壁に圧接することでコイルバネ端部の保持が可能となり、任意 に設定するひねり回転数以上では前記の如くコイルバネの端部を回転摺動させる ことが可能になる。
【0017】 第3の手段による作用としては、凸状のバネ受け部に圧入したコイルバネが、 ロール紙を引き出す方向にロール紙保持用軸体を回動させた時、巻き広げられて 内径が大きくなり、凸部の外径よりコイルバネの内径が大きくなった時点で回転 摺動を始める。 従って、任意に設定するひねり回転数未満においては、コイルバネ端部の内周 が前記凸部の外周壁に圧接することでコイルバネ端部の保持が可能となり、前記 任意に設定するひねり回転数以上では前記の如くコイルバネの端部を回転摺動さ せることが可能になる。
【0018】 第4の手段による作用としては、ロール紙保持用軸体をロール紙を巻戻す方向 に回動させた時のコイルバネのひねり応力の発生をなくするものであり、使用時 に於いてロール紙の巻き戻しを可能にする。 また、ロール紙を引き出す方向で発生する必要以上のコイルバネのひねり応力 は回転摺動によって逃がされるが、ロール紙を巻も度す方向で発生するコイルバ ネのひねり応力は逃がされないので、無理にロール紙を巻き戻すと部品が破損し たりコイルバネが伸びたりする恐れがあるので、それを防止する作用がある。
【0019】 第5の手段による作用としては、ペーパーカバーの裏側に設けた車輪体を、ロ ール紙の外周上部に当接させることにより、ロール紙とペーパーカバーとの間に 適宜隙間をもたせ、また前記車輪によって摩擦抵抗を大幅に減少させることがで きるので比較的ひねり応力の小さなコイルバネを使用することが可能になる。 少しでもひねり応力の小さなコイルバネを使用することは、ロール紙を引き出 す際の引っ張り力を小さくする事にもつながり、更に使用性が良くなる。
【0020】
【実施例】
以下、この考案の実施例を図面を参照しながら説明する。 尚、本考案の要部説明をする前に、本考案の実施に際して最も適すると考えら れるロール紙用ホルダーの構成例について簡単に説明をする。 図中には、ロール紙用ホルダーの代表としてトイレットに使用するロール紙用 ホルダーを示している。
【0021】 図1〜図4に示すようにロール紙用ホルダーは、取付基板1の前面下方両側端 からロール紙保持用アームをほぼコの字形に突出させて、その先端内側にロール 紙を支持及び回動させるためのロール紙保持用軸体2、3を備え、また前面上方 両側端より軸受け部1a、1aを設けてペーパーカバー4を回動自在に取り付け ている。 また、一方のロール紙保持用アーム1bは取付基盤1と一体に形成され、他方 のロール紙保持用アーム5は蝶番部1c、5aと止めピン6によって、コの字形 所定位置より外側方向に開閉自在となるように取り付けられており、図5に示す ようにロール紙Pの着脱はその開閉機構によって行う。 ロール紙保持用アーム5を、コの字形所定位置即ち使用位置である程度の強度 をもって固定保持する方法として、図6〜7に示すようなクリップキャッチ機構 を設けており、取付基板1と一体に形成される雄側咬合突起1dと、ロール紙保 持用アーム5に取り付けた雌側咬合部材7とによって緊合保持される。
【0022】 ロール紙保持用軸体2、3は、ロール紙芯筒P1に挿入しやすいように、頭部 2a、3aを略円錐形状に形成すると共に、ロール紙芯筒との回転滑り防止のた めリブ突起2b、3bを設け、ロール紙芯筒に軽く圧挿するようにしている。 また、前記リブ突起2b、3bは、ロール紙芯筒P1に挿入しやすいように頭 部付近に滑らかなカーブを形成している。 そして、リブ突起2b、3bの位置に合わせて、装着したロール紙が左右にず れないよう、前記リブ突起2b、3bより少し高くした鍔部2c、3cを形成し ている。 図8に示すように、ロール紙保持用軸体2とロール紙保持用軸体3は、外観的 には同じであるが、一定逆回転力保持機構の取付側に於いて若干内部構成が異な る。 以上、簡単にロール紙用ホルダーの構成例について説明した。
【0023】 続いて、本考案の要部について説明する。 図8〜図10に示すものは、本考案の第1実施例であり、第1及び第2の手段 を具現化させる方法の一例を示すものである。 また、図11はロール紙保持用軸体2の内側を示す部品図である。 ロール紙保持用軸体2の同芯上にある中空軸2eの外周に、巻き方向がロール 紙を引き出す方向にロール紙保持用軸体2を回動させた時、巻き絞められる方向 であるコイルバネ8を外嵌挿入し、同時に該コイルバネ8の一端を図に示すよう に起曲させた起曲部8aを、該ロール紙保持用軸体2の内側に設けたコイルバネ 挾持用リブ2d、2dの隙間に挿入係止する。
【0024】 そして、コイルバネ8の他端をバネ受け部材9に設けた凹状のバネ受け部9a に圧入した後、図に示すように該バネ受け部材9を機構取付部1eに設けた軸受 け1fに外嵌挿入し、ネジ10により軸止している。 尚、バネ受け部材9は回転しないようにするためにキー溝9bとキー突起1g を嵌合させている。 前記コイルバネ8の他端を凹状のバネ受け部9aに圧入する方法に関して少し 説明をすると、凹状のバネ受け部9aの内径より少し外径の大きいコイルバネ8 を圧入するので、単に押し入れるのではなく、巻き絞める方向にひねりながら押 し入れると簡単に圧入できる。
【0025】 以上、簡単に第1実施例について説明した。 尚、上記実施例に於いて、凹状のバネ受け部材9を取付基板1と一体に形成す ることもできるが、実施例で示すように別パーツにして、ジュラコン等の耐摩耗 性に優れた材質のものを使用するのが好ましい。 また、実施例に於いて本考案に関する構成をロール紙保持用軸体の片側に設け た例を示しているが、両側に設けることも可能である。 その他、コイルバネ8の起曲部8aを機構取付部1e側に係止し、ロール紙保 持用軸体2内側に凹状のバネ受け部9aを有するバネ受け部材9を設けても良い が、組み立てやすさから考えると実施例で示した方法が良い。
【0026】 図12に示すものは、本考案の第2実施例であり、第1及び第3の手段を具現 化させる方法の一例を示すものである。 ロール紙保持用軸体2の同芯上にある中空軸2eの外周に、巻き方向がロール 紙を引き出す方向にロール紙保持用軸体2を回動させた時、巻き広げられる方向 であるコイルバネ11を外嵌挿入し、同時に該コイルバネ11の一端を図に示す ように起曲させた起曲部11aを、該ロール紙保持用軸体2の内側に設けたコイ ルバネ挾持用リブ2d、2dの隙間に挿入係止する。
【0027】 そして、コイルバネ11の他端をバネ受け部材12に設けた凸状のバネ受け部 12aに圧入した後、図に示すように該バネ受け部材12を機構取付部1eに設 けた軸受け1fに外嵌挿入し、ネジ10により軸止している。 尚、バネ受け部材12は回転しないようにするためにキー溝12bとキー突起 1gを嵌合させている。 前記コイルバネ11の他端を凹状のバネ受け部12aに圧入する方法に関して は、第1実施例とは反対に巻き広げる方向にひねりながら押し入れると簡単に圧 入できる。
【0028】 以上、簡単に第2実施例について説明した。 尚、上記実施例に於いて、凸状のバネ受け部材12を取付基板1と一体に形成 することもできるが、実施例で示すように別パーツにして、ジュラコン等の耐摩 耗性に優れた材質のものを使用するのが好ましい。 また、実施例に於いて本考案に関する構成をロール紙保持用軸体の片側に設け た例を示しているが、両側に設けることも可能である。 その他、コイルバネ11の起曲部11aを機構取付部1e側に係止し、ロール 紙保持用軸体2内側に凸状のバネ受け部12aを有するバネ受け部材12を設け ても良いが、組み立てやすさから考えると実施例で示した方法が良い。
【0029】 図13に示すものは、本考案の第3実施例であり、第4の手段を具現化させる 方法の一例を示すものである。 バネ受け部材13の外周壁に、ロール紙を引き出す回転方向に傾斜させた突出 片13bを形成すると共に、機構取付部1eに環状リブ1h設け、その内周壁に 適当な間隔をもって波形に連続する段溝1jを形成している。 そして、軸受け1fにバネ受け部材13を外嵌挿入させることにより、突出片 13bと段溝1jが噛み合うように構成されている。
【0030】 前記構成により、バネ受け部材13のロール紙を巻き戻す方向の回転は、突出 片13bが段溝1jを乗り越えて回転するが、同バネ受け部材13のロール紙を 引き出す方向の回転は、突出片13bがストッパーの役割を果しているので回転 しない。
【0031】 以上、簡単に第3実施例について説明した。 尚、上記実施例は、コイルバネ端部の一定逆回転力保持部側を独立した部材で 構成したものを示しているが、係止部側を独立した部材で構成したものに同様の 機構を付加することができる。
【0032】 図14〜図15に示すものは、本考案の第4実施例であり、第5の手段を具現 化させる方法の一例を示すものである。 ペーパーカバーの裏側4aに、図のように屈曲部14aを持つ支持板14を接 着し、該支持板14の板バネ部14bに車輪体15を設けてロール紙Pの外周上 部に当接させることにより、前記ロール紙とペーパーカバーとの間に適宜隙間を 持たせている。 尚、実施例に於いては、支持板14と一体に形成された軸受け部14cに、車 輪体15と一体に形成された車軸15aを、開口部14dから押し入れて軸着し ている。 ロール紙を切り取る際は、ペーパーカバー4を手で押えることにより、上記支 持板14の板バネ部14bが湾曲して上方に持ち上がり、車輪体15の高さが減 少するので、ペーパーカバー4の紙切り部4bがロール紙Pに当接する。
【0033】 以上、簡単に第4実施例について説明したが、次に同実施例を発展させた構成 について説明する。 特に、本考案はロール紙の始端部を前方に垂下させることから、ロール紙の切 り取り跡が、従来以上によく目に付く様になるので、次の人が気持ち良く使用す るためにもロール紙を奇麗に切り取れる様にすることが好ましいのであるが、紙 切り部を良く切れるものにすると安全性の問題が生じる。 そこで、図16〜図17に示すように、ペーパーカバー4の紙切り部4bより も、適宜先端を突出させた安全カバー部14eを支持板14に追加して形成する ことにより、前記紙切り部4bを鋭利なものにしても安全性が確保できる。 安全カバー部14eの先端は2〜3ミリ程度突出させれば良い。 尚、図に示すように、紙切り部4bを目の細かいノコギリ状にすると最も紙を 切り取りやすい。
【0034】 上記構成により、安全カバー部14eは、板バネ部14bが湾曲して上方に持 ち上がるに連れてペーパーカバー4の内側に引き込まれ、紙切り部4bがロール 紙Pに当接する時には、完全にペーパーカバー4の内側に位置する。 また、更に安全性を確保しようと思えば、紙切り部4bの形状を図18に示す ように、紙を切るのに必要な長さだけの切刃4cを出して段部4dを設けたもの にすれば万が一手を押し付けて切ったとしても、前記段部4dによりそれ以上深 くは切れないものになる。
【0035】 以上、簡単に本考案の第1〜第4の実施例について説明したが、実際の実施に 使用される部品と、その部品に係る構造や材質は所望に応じて任意とすることが できる。 最後に、本考案によるロール紙の逆回転動作を図4に示しているので簡単に説 明しておくと、ロール紙Pを適宜引き出した後、ペーパーカバーの紙切り部4b で切り取ることによって矢印方向即ち逆回転方向にロール紙が回転し、ロール紙 の先端P2がホルダー前方に垂下する。
【0036】 以上で本考案に関する実施例についての説明を終えるが、上記実施例の冒頭で 詳述した本考案の実施に際して最も適すると考えられるロール紙用ホルダーに於 いて、特にロール紙保持用アームを蝶番部を設けてコの字形所定位置より外側方 向に開閉自在になるように取り付ける構成と、ロール紙保持用アームをコの字形 所定位置即ち使用位置である程度の強度をもって固定保持する方法として示した クリップキャッチ機構については新規性を有するものであり、本考案の逆回転機 構を設けない一般的なロール紙用ホルダーとしても有用である。
【0037】 そこで、図19〜図20に前記本考案の逆回転機構を設けない場合の実施例を 示したので簡単に説明しておくと、図中に示すものは、上記実施例で示すロール 紙保持用軸体2、3の代わりに、単にロール紙を保持する目的のためのロール紙 保持用軸体1k、5bを設けたものである。 上記ロール紙保持用軸体1kとロール紙保持用軸体5bは同形状である。 尚、クリップキャッチ機構については、図20に示すようにマグネットキャッ チ方式にすることも可能であり、図示するものはマグネット16を接着した鉄製 ヨーク支持体17をロール紙保持用アーム5に取り付け又、取付基板1に鉄製磁 性板18を取り付けたものである。 以上、上記実施例で示したロール紙用ホルダーの作用効果についてはロール紙 の着脱が極めて簡単に且つ確実に出来るものであり実用価値の高いものである。
【0038】 また、第4実施例で詳述した構成についても新規性を有すると共に、本考案の 逆回転機構を設けない一般的なロール紙用ホルダーとしても有用である。 特に、ロール紙を奇麗に切り取れる様にすることが好ましいことは、どの様な ロール紙用ホルダーにも言えることであり、従来品に於いては未達成である紙切 り部を安全に且つ良く切れるものにするという課題を解決できるものである。
【0039】 上記第4実施例で示した構成を従来品に使用する場合については、車輪体15 を設けることは必ずしも必要ではなく、図21に示すように車輪体15の代わり に支持板14に湾曲部14fを設けてロール紙Pの外周上部に当接させる方法を 採っても良い。 また、図22に示すように安全カバー部14eの先端がロール紙Pに当接して いるだけのものでも差し支えない。 しかし、切れ味を良くするため、紙切り部4bがロール紙Pに当接する時には 、前記安全カバー部14eの先端を完全にペーパーカバー4の内側に入れておく 方が良いと考えられるので図21で示す例が好ましい。
【0040】 以上、従来品に上記第4実施例の構成を設けた場合の作用効果については、安 全カバー部により手を切る心配が無いので比較的鋭利な切刃が使用出来ると共に 、従来ロール紙を引き出す時に引っ掛かって紙が破れる等の問題で使用出来なか ったノコギリ状の切刃が使用出来るので、ロール紙を軽い力で奇麗に切り取れる ものであり実用価値の高いものである。
【0041】
【考案の効果】
本考案の効果について、簡単にまとめると下記の如くである。 第1の手段による効果としては、ロール紙を切り取った後、蓄積された一定の 回動力によって、ロール紙をほぼ1/4から3/4回転逆方向に戻すことにより 、ロール紙の先端を自重により垂下させ、次に使用する際にロール紙先端をすぐ につまめるようにすることができる。 更に、ロール紙を引き出す方向に対してわずかな反力が生じる為、上記課題欄 で述べているように勢い良くロール紙を引き出した場合において、ロール紙に回 転力が付き必要以上にロール紙が引き出されるという問題が解消される。
【0042】 第2、第3の手段による効果としては、任意に設定するひねり回転数未満にお いてはコイルバネ端部の保持を可能とし、前記任意に設定するひねり回転数以上 ではコイルバネ端部の回転摺動を可能にする。 尚、前出願(実願平4−28969)のものは、圧縮コイルバネを圧縮させた 反力を圧接利用して一定のコイルバネのひねり応力を生み、本考案のものは凹状 又は凸状のバネ受け部にコイルバネを圧入することにより生まれるコイルバネの 回転トルクを圧接利用して一定のコイルバネのひねり応力を生んでいる。 前出願の圧縮コイルバネを利用する場合、軸方向に対してかなり大きな圧縮反 力のあるものを使用する必要があると共に圧接端面の面積を得るためにある程度 の外径が必要であったが、本考案ではコイルバネの軸方向に対するバネ性が不要 になり、バネ径も比較的小さなものを使用することが出来るので、逆回転機構を コンパクトにすることが出来ると共に、任意に設定する逆回転数の設定も更に正 確に行えるものになっている。
【0043】 第4の手段による効果としては、ロール紙保持用軸体を逆方向に回動させたと きのコイルバネのひねり応力の発生をなくし、使用時に於いてロール紙を引き出 し過ぎたりしたときの巻き戻しを可能にする。 また、ロール紙を巻き戻す方向での部品及びコイルバネの破損を防止する。
【0044】 第5の手段による効果としては、ロール紙とペーパーカバーとの摩擦抵抗を大 幅に減少させることができるので、比較的ひねり応力の小さなコイルバネを使用 することが可能になる。 また、ひねり応力の小さなコイルバネを使用するこにより、ロール紙を引き出 す際の引っ張り力を小さくすることができ、更に使用性が良くなる。
【0045】 本考案によるロール紙用ホルダーは、トイレット用だけでなく、色々な様式の ロール紙用ホルダーに適用出来るものであり、構造が簡単で低コストで製作可能 であると共に、機能的にも優れ、実用価値の高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロール紙用ホルダーの構成例を示す正面図であ
る。
【図2】ロール紙用ホルダーの構成例を示す底面図であ
る。
【図3】ロール紙用ホルダーの構成例を示す右側面図で
ある。
【図4】ロール紙用ホルダーの構成例を示す左側面図で
ある。
【図5】ロール紙保持用アーム5の開閉動作を示す底面
図である。
【図6】ロール紙用ホルダーの構成例を示すA−A断面
図である。
【図7】図6に示す、クリップキャッチ機構の拡大図で
ある。
【図8】第1実施例を示すB−B断面図である。
【図9】第1実施例を示す、要部拡大断面図である。
【図10】第1実施例に係る要部拡大図である。
【図11】本考案に係るロール紙保持用軸体2の裏面図
である。
【図12】第2実施例を示す、要部拡大断面図である。
【図13】第3実施例を示す、要部拡大図である。
【図14】第4実施例を示す、底面図である。
【図15】第4実施例を示す、C−C断面図である。
【図16】第4実施例を発展させた構成例を示す、底面
図である。
【図17】第4実施例を発展させた構成例を示す、D−
D断面図である。
【図18】第4実施例を発展させた構成例を示す、要部
拡大断面図である。
【図19】本考案の実施例で示したロール紙用ホルダー
の構成を、従来品に使用した場合の実施例を示す一部断
面正面図である。
【図20】本考案の実施例で示したロール紙用ホルダー
の構成を、従来品に使用した場合の実施例を示すE−E
断面図である。
【図21】本考案の第4実施例で示した構成を、従来品
に使用した場合の実施例を示す要部断面図である。
【図22】本考案の第4実施例で示した構成を、従来品
に使用した場合の実施例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
P ロール紙 P1 ロール紙芯筒 P2 ロール紙始端部 1 取付基板 1e 機構取付部 1f 軸受け 1g キー突起 1h 環状リブ 1j 段溝 2 ロール紙保持用軸体 2d コイルバネ挾持用リブ 2e 中空軸 4a ペーパーカバーの裏側 8、11 コイルバネ 8a、11a 起曲部 9、12、13 バネ受け部材 9a、13a 凹状のバネ受け部 9b、12b キー溝 10 ネジ 12a 凸状のバネ受け部 13b 突出片 14 支持板 14a 屈曲部 14b 板バネ部 14c 軸受け部 14d 開口部 15 車輪体 15a 車軸

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロール紙用ホルダーに於けるロール紙保
    持用軸体の同芯上にコイルバネを備え、該コイルバネの
    一端に、該ロール紙保持用軸体の回動によって発生させ
    るコイルバネのひねり応力を逃がさないようにするコイ
    ルバネ係止構造を備えると共に、該コイルバネの他端
    に、コイルバネにひねりを加えることによりバネ径が変
    化することを利用した、一定のひねり回転数未満ではコ
    イルバネの端部を保持し、一定のひねり回転数以上では
    コイルバネの端部を回転摺動させる一定逆回転力保持機
    構を備えることにより、ロール紙を引き出すことで引き
    出し回転方向に対して逆回転方向に一定の回動力を蓄積
    させ、ロール紙を切り取って蓄積した回動力を解放状態
    にすることで、ほぼ1/4から3/4回転、逆方向に戻
    ることを特徴とするロール紙用ホルダー。
  2. 【請求項2】 ロール紙を引き出す方向にロール紙保持
    用軸体を回動させた時、巻き方向が巻き絞められる方向
    となるコイルバネを備え、一定逆回転力保持機構が、該
    コイルバネの他端を凹状のバネ受け部に圧入させたもの
    である請求項1記載のロール紙用ホルダー。
  3. 【請求項3】 ロール紙を引き出す方向にロール紙保持
    用軸体を回動させた時、巻き方向が巻き広げられる方向
    となるコイルバネを備え、一定逆回転力保持機構が、該
    コイルバネの他端を凸状のバネ受け部に圧入させたもの
    である請求項1記載のロール紙用ホルダー。
  4. 【請求項4】 コイルバネ端部の係止部又は一定逆回転
    力保持部を独立した部材で構成し、該部材をロール紙を
    巻き戻す方向に回転させる回転機構と、同部材をロール
    紙を引き出す方向に回転させないストッパー機構を設け
    たものである請求項1、請求項2又は請求項3記載のロ
    ール紙用ホルダー。
  5. 【請求項5】 逆回転方向に蓄積させた回動力をロール
    紙とペーパーカバーの摩擦抵抗によって減少させないた
    め、該ペーパーカバーの裏側に車輪体を設けてロール紙
    の外周上部に当接させることにより、上記ロール紙とペ
    ーパーカバーとの間に適宜隙間を持たせ、該車輪体によ
    って摩擦抵抗を減少させたものである請求項1記載のロ
    ール紙用ホルダー。
JP029292U 1993-05-07 1993-05-07 ロール紙用ホルダー Withdrawn JPH0681398U (ja)

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