JPH068099Y2 - 転がり搬送物の入庫設備 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、例えば、新聞紙の巻取紙のように、転がして
搬送させることができる転がり搬送物（以下、単に「搬
送物」と称す。）の入庫設備に関する。

従来技術及びその課題 従来、立体式の搬送物収納庫の棚に搬送物を入庫するに
は、第７図に示すように、搬送物Ｗを前の工程から搬送
して来る第１搬送装置１０と、第１搬送装置１０によっ
て搬入された搬送物Ｗを受取り、棚１１，１１の間を移
動して棚１１に入庫する第２搬送装置１２とからなる入
庫設備１３が使用されている。

ところが、このような入庫設備１３によると、搬送物Ｗ
の受渡が第１、第２搬送装置１１，１２の間で直接行わ
れるため、次のような問題点を有している。

先に受渡所１４に到着した搬送装置は、他方の搬送装
置が到着するまで待機していなければならず、搬送効率
が低下する。

搬送効率の低下を補おうとすると、第１搬送装置の台
数を増やす必要がある。

第１搬送装置を増やすと搬送装置の待機場所を設けな
ければならず、余分な空間を必要とする。

第１搬送装置１０が床に貼りつけられた反射テープ１
５によって誘導される無人フォークリフト形式の台車で
あり、第２搬送装置１２がスタッカークレーンである場
合は、スタッカークレーンの断面Ｖ字形状のフォーク１
６は走行レールＲに対して直角の方向に出入りするた
め、台車のフォーク１７，１７がスタッカークレーンの
フォーク１６と向き合うように台車全体を方向転換しな
ければならず、方向転換用の空間Ｓが必要である。

課題を解決するための手段 本考案は、第１搬送装置によって搬送されて来る搬送物
を搬入する搬送物搬入所と、搬送物を搬送物収納庫へ搬
送する第２搬送装置が前記搬入された搬送物を載荷する
搬送物載荷所と、前記搬入所と載荷所の間に設けられ前
記載荷所側が低くなっている床と、前記搬送物載荷所に
設けられ前記床から出没して前記第２搬送装置に前記搬
送物を受渡す受渡装置を有してなる転がり搬送物の入庫
設備により、前記の課題を解決したものである。

作用 第１搬送装置によって搬送されて来た搬送物は、搬送物
搬入所に降ろされ、傾斜した床を転がり下りて行き、搬
送物載荷所で停止する。そして、搬送物は、床下から突
出してくる受渡装置によって床から持ち上げられ、搬送
物載荷所に入って来る第２搬送装置に受取られて、搬送
物収納庫に入庫される。

従って、第１、第２搬送装置の動きに合わせて、搬送物
を受取装置上に一時待機させておくことができる。

実施例 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

立体式の搬送物収納庫２０（第１図）に入庫する転がり
搬送物Ｗ（以下。単に「搬送物」と称す。）を搬送する
搬送台車（第１搬送装置）２１は、床に貼り付けられた
反射テープ２２によって誘導されるフォークリフト形式
の台車である。搬送台車２１（第３図、第４図）は、一
対の支柱２３，２３間を昇降する昇降ブラケット２４
と、昇降ブラケット２４上の一対の水平のレール２５，
２５上を移動して互いに接離することのできる一対のフ
ォーク２６，２６とを有している。

搬送台車２１が出入りして搬送物Ｗが搬入され搬送物搬
入所３０には、搬送物の転がりを防止する受台４６が具
えられている。搬送物搬入所３０と後述する搬送物載荷
所３１との間の床３２（第２図）は、搬送物搬入所３０
から搬送物載荷所３１側に向けて下り勾配になってい
る。搬送物搬入所３０にはプッシャ装置３３が、床３２
の途中には転がり下りてくる搬送物Ｗを一旦受け止めて
転がる勢いを弱める第１ストッパ装置３４が、又、搬送
物載荷所３１には搬送物Ｗを停止させる第２ストッパ装
置３５が夫々設置されている。第１ストッパ装置３４は
シリンダ３６によって回動する回動アーム３７を有して
いる。プッシャ装置３３、第２ストッパ装置３５もシリ
ンダ（図示省略）によって作動する回動アーム３８，３
９を夫々有している。第２ストッパ装置３５に近くの床
４７は、前記床３２に対して逆傾斜の床になっている。
従って、床３２，４７によって形成される断面Ｖ字形状
の谷部４８を中心とした周囲が搬送物載荷所３１にな
る。

スタッカークレーン（第２搬送装置）４０が出力して搬
送物を載荷する搬送物載荷所３１には、床３２，４７か
ら出没してスタッカークレーン４０に搬送物Ｗを受渡す
る受渡装置４１が設置されている。受渡装置４１は、第
５図に示すように、油圧機構（図示省略）によって昇降
する油圧リフター４２と、リフター４２上に立設された
一対２組の受渡アーム４３，４３とを有している。受渡
アーム４３の上端は、互いにＶ字形を形成するように、
内側に傾斜している受面４４，４４が形成されている。
又、受渡アーム４３の間隔はスタッカークレーン４０の
フォーク４５の出入りと昇降を許容する広さになってい
る。

スタッカークレーン４０は、第６図に示すように、一対
の支柱５１，５１が立設された走行フレーム５２と、支
柱５１を昇降する昇降台５３と、昇降台５３上で後述す
るレールＲと直交して昇降台５３の両側に出入りする断
面Ｖ字形状をしたフォーク４５とを有している。

搬送物収納庫２０（第１図、第２図）には、搬送物Ｗを
収納する複数の棚６１，６１が設置されている。棚６１
の各段６２，６２には断面Ｖ字形状の搬送物受台６３，
６３が設けられている。棚６１の間にはスタッカークレ
ーン（第１搬送装置）４０用のレールＲが敷設されてい
る。

次に動作を説明する。

搬送台車２１は、前の工程から搬送物Ｗをフォーク２
６，２６上に積載して搬送物搬入所３０に走行して来
る。搬送物搬入所３０で停止した搬送台車２１は、フォ
ーク２６を下降させて搬送物Ｗを受台４６上に降ろす。
フォーク２６，２６は互いに離れる（広がる）ように移
動して搬送物を脱荷する。脱荷した後の搬送台車は前の
工程に次の搬送物Ｗを取りに走行して行く。

搬送物搬入所３０に降ろされた搬送物は、プッシャ装置
３３の回動アーム３８の回動によって押されて、傾斜し
た床３２上を搬送物載荷所３１へ転がり下りて行き、一
旦、床の途中で第１ストッパ装置３４の回動アーム３７
の出没によって受け止められて転がり速度が弱められた
後、第２ストッパ装置３５の傾動アーム３９によって受
け止められて停止し、最後に谷部４８の上に落着く。即
ち、搬送物載荷所３１の所で停止する。

搬送物載荷所３１に搬送物が停止すると、受渡装置４１
は油圧リフター４２の上昇によって受渡アーム４３を床
３２，４７から突出させる。搬送物Ｗは受渡アーム４３
の突出に伴ってを押し上げられて谷部４８から持ち上げ
られる。

搬送物Ｗが持ち上げられると、搬送物載荷所３１に停止
しているスタッカークレーン４０は、フォーク４５を搬
送物Ｗの真下に移動させてから、昇降台５３を上昇させ
る。このように、搬送物Ｗは、受渡装置４１から掬い上
げられるようにフォーク４５上に載せられる。

搬送物Ｗを受取ったスタッカークレーン４０は、フォー
ク４５を昇降台５３上に引き戻し、所望の入庫位置まで
レールＲ上を走行して行く。その後、スタッカークレー
ン４０は、昇降台５３を昇降させて所望の段６２の搬送
物受台６３よりやや高いところで停止させる。すると、
フォーク４５が棚６１内に移動し、昇降第５３の下降に
伴って下降し、搬送物を搬送物受台６３上に降ろす。こ
れにより、搬送物Ｗの入庫が完了する。

搬送物を降ろした後、スタッカークレーン４０は、フォ
ーク４５を昇降台５３上に引き戻してから、搬送物載荷
所３１へ走行して行き、次の搬送物の入庫動作に移る。

従って、以上の入庫設備７０は次の利点を有している。

搬送台車とスタッカークレーンの動きに合わせて、搬
送物を受取装置上に一時待機させておくことができるの
で、搬送効率を向上させることができる。

搬送台車が搬送して来た搬送物は床上に降ろすように
なっているので、搬送台車のフォークを従来のようにス
タッカークレーンのフォークに向かい合わせにしなくて
もすみ、従来必要としていた搬送装置の旋回用の空間が
不要になる。又、これにともなって、搬送効率も向上す
る。

なお、以上の実施例における、各フォーク２６，４５、
スタッカークレーンの昇降台５３は、公知の油圧機構、
或いは、チェーン機構によって作動するものであり、図
面には示していない。

考案の効果 本考案の入庫設備は、搬送物搬入所と搬送物載荷所との
間の床を傾斜床にするとともに、受取装置を搬送物載荷
所に設置したので、次のような効果を奏する。

第１、第２搬送装置の動きに合わせて、搬送物を受渡
装置上に一時待機させておくことができるので、搬送効
率を向上させることができる。

搬送物は傾斜した床を自重で転がっていくので、搬送
用のコンベヤを設けなくてもすむとともに、第１搬送装
置の走行距離を短くすることができる。

傾斜した床を使用しているので、搬送物搬入所と搬送
物載荷所の位置を自由に設定でき、入庫設備のレイアウ
トの自由度を高めることが出来る。

傾斜した床を使用しているので、第１搬送装置が第２
搬送装置や搬送物収納庫の棚等と干渉することがなくな
り、搬送物の搬送が安全に行われるようになるととも
に、第１搬送装置の設計の自由度を高めることが出来
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の入庫設備の概略平面図、第２図は第１
図の正面図、第３図は第４図の搬送台車の左側面図、第
４図は搬送装置の正面図、第５図は受渡装置の正面図、
第６図はスタッカークレーンの斜視図である。 そして、第７図は従来の入庫設備の概略平面図である。 Ｗ…搬送物、２０…搬送物収納庫 ２１…搬送台車（第１搬送装置） ３０…搬送物搬入所、３１…搬送物載荷所 ３２…床 ４０…スタッカークレーン（第２搬送装置） ４１…受渡装置、７０…入庫設備

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】第１搬送装置によって搬送されて来る搬送
   物を搬入する搬送物搬入所と、搬送物を搬送物収納庫へ
   搬送する第２搬送装置が前記搬入された搬送物を載荷す
   る搬送物載荷所と、前記搬入所と載荷所の間に設けられ
   前記載荷所側が低くなっている床と、前記搬送物載荷所
   に設けられ前記床から出没して前記第２搬送装置に前記
   搬送物を受渡す受渡装置を有してなる、転がり搬送物の
   入庫設備。