JPH0680936A - 接着材組成物 - Google Patents

接着材組成物

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JPH0680936A
JPH0680936A JP4231075A JP23107592A JPH0680936A JP H0680936 A JPH0680936 A JP H0680936A JP 4231075 A JP4231075 A JP 4231075A JP 23107592 A JP23107592 A JP 23107592A JP H0680936 A JPH0680936 A JP H0680936A
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JP
Japan
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group
weight
vinyl monomer
parts
meth
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Application number
JP4231075A
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English (en)
Inventor
Toshio Kawaguchi
俊夫 川口
Mieko Tsukahara
美枝子 塚原
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (a)平均粒子径が0.05〜5.0μmの
シリカ等の球状無機酸化物20〜250重量部、(b)
11−メタクリロキシ−1,1−ウンデカンジカルボン
酸等の酸性基を有するビニルモノマー1〜50重量部と
残部としてビスフェノールAジグリシジルメタクリレー
ト、トリエチレングリコールジメタクリレート等のメタ
アクリレート系モノマーを含有する重合性単量体100
重量部、及び(c)光重合開始剤0.05〜10重量部
を含有してなる接着材組成物。 【効果】 本発明の接着材組成物は、接着耐久性が極め
て優れており、口腔内の様に湿度が高く複雑な方向から
荷重がかかる環境でも長期間にわたって修復物を維持す
ることが可能である。また、本発明の接着材組成物は、
上記歯科用修復材以外の用途においても特に制限なく使
用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な接着材組成物に
関するものである。詳しくは、金属材料、有機高分子材
料、セラミックス材料、及び人体硬組織等の接着に好適
に使用できる接着材組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】接着材は近年、自動車、電子産業、ある
いは建築、医療などの様々な分野に広く用いられ、それ
ぞれ特有の性状が要求されている。中でも医療用として
歯牙の修復に用いられる歯科用接着材は、口腔内での特
殊な環境に耐える強固な接着性と耐久性が要求される。
【0003】歯牙は主にエナメル質と象牙質とで構成さ
れているが、その大部分が無機質から成るエナメル質に
対しては、被着面を予め酸処理した上、アクリル系のモ
ノマー液から成る接着材を塗布する方法が一般に採用さ
れ、臨床的にも十分な効果が認められている。しかしな
がら、有機質を多く含み、無数の細管から滲出する体液
に絶えずさらされている象牙質に対しては、この様な被
着面の酸処理だけでは効果が少なかった。
【0004】そこで、この様な象牙質に対し接着性を向
上させるための試みとして、象牙質との強固な親和性を
期待し、カルボン酸、リン酸、スルホン酸等の酸性の官
能基を有するビニルモノマーを接着材の成分として添加
する方法が行なわれてきた。又、最近では接着材の象牙
質への浸透性を高める目的で、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレートなどの親水性モノマーを含有するプライマ
ーの研究も行われている。
【0005】これらの方法によって接着力はかなり向上
して来たが、長期の耐久性を考慮すると未だ満足できる
ものではないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述の様に、酸性の官
能基を含有するビニルモノマーを接着材成分として添加
するだけでは、象牙質に対する接着強度および耐久性が
不充分である事が問題となっている。
【0007】プライマーを用いる事によって接着強度は
向上してきたものの、接着材自身の耐久性が不充分なた
め、満足の行く結果が得られていない。
【0008】一方、接着材中に粘度を調節するためにエ
ロジル(乾式シリカ)の如き超微粒子を約10%程度し
たものが認められるが、接着耐久性の向上を目的とする
ものではない。
【0009】本発明の目的は、接着耐久性に優れた接着
材組成物を見い出す事である。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、(a)
平均粒子径が0.05〜5.0μmの球状無機酸化物2
0〜250重量部、(b)一般式
【0011】
【化3】
【0012】〔式中、R1 はアルキル基又は水素原子、
2 は炭素数2〜30の有機残基、Xはカルボキシル基
(l=2の場合、Xは酸無水基の形で存在してもよ
い)、−OPOCl2 基、又は−OPO(CH)R3
(R3 は水酸基、アルコキシル基又はアリーロキシル
基)、lは1又は2の整数、mは0又は1の整数、nは
1〜3の整数〕で表わされる酸性基を有するビニルモノ
マー(但し、下記一般式〔1〕で示されるビニルモノマ
ーを除く)1〜50重量部を含む重合性単量体100重
量部、
【0013】
【化4】
【0014】(式中、R4 は同一または異なってもよい
水素原子又はメチル基を、R5 はエーテル結合およびま
たはエステル結合を有してもよい炭素数1〜30で3価
〜6価の有機残基を、hは2〜4の整数、jは1または
2を各々示す。)、及び(c)光重合開始剤0.05〜
10重量部を含有してなることを特徴とする接着材組成
物である。
【0015】本発明において使用される平均粒子径が
0.05〜5.0μm、好ましくは0.05〜1.0μ
mの範囲にある球状無機酸化物としては、水に対して不
溶な無機物が特に制限なく使用される。
【0016】球状無機粒子の平均粒子径が0.05μm
範囲より小さい場合には、充填量を目的とする範囲まで
上げることが困難となり接着耐久性が低くなり、また該
粒子径が5.0μmより大きい場合には接着強度が低
く、しかもペースト状態で保存した場合モノマーとフィ
ラーの分離が生じ易い欠点がある。
【0017】上記無機酸化物の形状が球状でない場合
は、充填量を目的とする範囲まで上げることが困難とな
り、接着耐久性を向上する事ができない。この球状無機
酸化物は、完全な真球である必要はない。一般には、平
均均斉度が0.6以上のものであれば充分使用すること
ができる。
【0018】上記球状無機酸化物の材質は、水に対して
不溶で少なくとも一部が非晶質である無機物が特に制限
なく使用される。例えば、シリカ、ジルコニア、チタニ
ア、アルミナ等の無機酸化物、複合無機酸化物が好適で
ある。
【0019】上記複合無機酸化物としては、SiO2
対して、周期律表第1族金属酸化物0.01〜5mol
%及び周期律表第4族金属酸化物(SiO2 を除く)1
〜25mol%よりなる複合無機酸化物が、特に歯科用
接着材として本発明の接着材組成物を使用する場合に好
適である。
【0020】即ち、周期律第4族金属酸化物は、得られ
る硬化体の透明性を向上させ歯質との色調を合わせるた
めに有効であるだけでなく、光照射による硬化深度が深
くなるため接着強度の向上につながる。また、周期律表
第1族金属酸化物は複合酸化物の酸性度を調整すること
により、得られる硬化体の変色・着色を防止するために
必要である。周期律表第1族金属酸化物としては、Na
2 O,K2 O等が、周期律表第4族金属酸化物として
は、ZrO2 ,TiO2 等が好適に使用される。上記複
合無機酸化物の製造方法は特に制限されるものではな
く、公知の方法が採用される。
【0021】代表的な製造方法を例示すれば、前記無機
物の粒子を分散状態で溶融してその表面張力で球状化せ
しめ、冷却して固化させる方法が挙げられる。かかる方
法を具体的に示せば、例えば、無機物の粒子を該粒子の
融点以上の温度を有する火焔と接触させた後、冷却する
方法が好適である。また、特願昭56−206862号
に示されているように、アルコキシシラン化合物を有機
溶剤に溶解し、これに水を添加して部分加水分解した
後、更に複合化する他の金属のアルコキサイド及び及び
アルカリ金属化合物を添加してアルカリ性溶媒中で加水
分解して析出する反応物の粒子を乾燥、焼成する方法も
採用し得る。
【0022】本発明の接着材組成物において、球状無機
酸化物の粒子はビニルモノマーへの分散性を改良する目
的でその粒子表面を疎水性することが好ましい。
【0023】かかる疎水化処理は特に限定されるもので
はなく、公知の方法が何ら制限なく採用される。代表的
な疎水化処理方法を例示すれば、疎水化剤としてシラン
カップリング剤、チタネート系カップリング剤を用いる
方法、粒子表面に前記重合性単量体をグラフト重合させ
る方法がある。
【0024】この中でシランカップリング剤を用いる方
法が一般的である。具体的には、無機酸化物の粒子を有
機溶媒に分散させ、疎水基を有するアルコキシシラン化
合物を添加した後、溶媒を除去し、加熱、減圧乾燥する
ことにより疎水化処理物を得ることができる。上記有機
溶媒としては、ヘキサン、トルエン、ベンゼンなどの炭
化水素化合物、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレ
ンなどの塩素系炭化水素化合物のような疎水性溶媒が好
適に使用される。上記疎水基を有するアルコキシ化合物
としては、例えばメチルトリメトキシシラン、ビニルト
リメトキシシランの他に、好ましくはγ−メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシ
ランなど重合基を有するアルコキシシラン等が使用され
る。上記溶媒の除去は一般にエバポレーターにより行な
い、加熱、減圧乾燥は80〜200℃の範囲で、1〜2
0時間行えばよい。
【0025】本発明の接着材組成物において球状無機酸
化物は、全重合性単量体100重量部に対して、20重
量部〜250重量部、好ましくは、30〜200重量部
となる割合で使用される。球状無機酸化物の量が20重
量部より少ない場合は、接着耐久性が充分でなく、該粒
子量が250重量部より多い場合には、得られる接着材
組成物の粘度が高くなり過ぎて歯質に対する濡れが悪く
なり接着強度が低下する。
【0026】本発明において使用される酸性基を有する
ビニルモノマーとしては、一般式
【0027】
【化5】
【0028】〔式中、R1 はアルキル基又は水素原子、
2 は炭素数2〜30の有機残基、Xはカルボキシル基
(l=2の場合、Xは酸無水基の形で存在してもよ
い)、−OPOCl2 基、又は−OPO(CH)R3
(R3 は水酸基、アルコキシル基又はアリーロキシル
基)、lは1又は2の整数、mは0又は1の整数、nは
1〜3の整数〕で表わされる酸性基を有するビニルモノ
マー(以下、酸性ビニルモノマーという)が接着力の耐
久性を向上させるために必須である。
【0029】但し、本発明において、上記酸性ビニルモ
ノマーとして下記一般式〔1〕で示されるビニルモノマ
ーは含まれない。
【0030】
【化6】
【0031】(式中、R4 は同一または異なってもよい
水素原子又はメチル基を、R5 はエーテル結合および/
またはエステル結合を有してもよい炭素数1〜30で3
価〜6価の有機残基を、hは2〜4の整数、jは1また
は2を各々示す。) 前記酸性ビニルモノマーの一般式中、R1 で示される基
は水素原子又はアルキル基であり、アルキル基としては
具体的にメチル基、エチル基が挙げられる。
【0032】又、R2 は主鎖が酸素で中断されることも
ある炭素数2〜30の有機残基である。炭素数1以下の
場合は、湿潤下での接着耐久性が低い。炭素数31以上
の場合は、材料の入手が困難であり、また粘度が高いた
め接着材の操作性が悪くなり、接着強度も低下する。該
有機残基は、上記炭素数を満足する限り脂肪族系あるい
は芳香族系有機残基のいづれでもよく、さらにハロゲ
ン、アミノ基、水酸基等の置換基によって一部が置換さ
れていてもよい。
【0033】一般式中、Xはカルボキシル基、−OPO
Cl2 基、又は−OPO(CH)R3 基であり、上記有
機残基に1又は2個結合している。2個結合している場
合はそれぞれが同一もしくは異なってよく、更に、Xが
カルボキシル基で且つ2個存在する場合は酸無水基の形
で存在してもよい。ここでR3 で示される基は水酸基;
メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等のアルコキシル
基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基等のアリーロキシ
ル基のいづれかである。
【0034】一般式中の−CO2 −結合は、分子内に最
大3個まで存在するか又は存在しなくてもよい。更に
【0035】
【化7】
【0036】で示される不飽和基は分子内に少なくとも
1個、最大3個まで存在することができる。
【0037】該酸性ビニルモノマーとしては、上記構造
を有するものであれば何ら制限なく用いられる。一般に
好適に使用される酸性基を有するものを具体的に例示す
るとp−メタクリロキシ安息香酸、p−ビニル安息香
酸、2−メタクリロキシエチルフタル酸、2−メタクリ
ロキシエチルコハク酸等の分子内に1つのカルボキシル
基を有するビニルモノマー;7−メタクリロキシ−1,
1−ヘプタンジカルボン酸、11−メタクリロキシ−
1,1−ウンデカンジカルボン酸、13−メタクリロキ
シ−1,1−トリデカンジカルボン酸、4−メタクリロ
キシエチルトリメリット酸および無水物等の分子内に2
つのカルボキシル基を有するビニルモノマー;6−メタ
クリロキシヘキシルホスフェート、10−メタクリロキ
シデシルホスフェート、6−メタクリロキシヘキシルブ
チルホスファイト、6−メタクリロキシヘキシルフェニ
ルホスフェート、2−メトキシエチルフェニルホスフェ
ート、6−メタクリロキシホスホンジクロライド、10
−メタクリロキシデシルホスホンジクロライド、などの
分子内に1つのリン酸基あるいはその誘導基を有するビ
ニルモノマー;ビスフェノールAジグリシジルメタクリ
レートとオキシ塩化リンの反応生成物および該生成物の
ホスホンジクロライド部分を加水分解した化合物、エチ
レングリコールジグリシジルメタクリレートとオキシ塩
化リンの反応生成物および該生成物のホスホンジクロラ
イド部分を加水分解した化合物などの分子内に2つのリ
ン酸基あるいはその誘導基を有するビニルモノマー;な
どが挙げられる。
【0038】優れた接着性を発現させるためには、前記
一般式で表わされる酸性ビニルモノマーのR2 は炭素数
4〜20のアルキレン基が好ましく、更にはXがカルボ
キシル基である場合には炭素数4〜20、Xが−OPO
(CH)R3 基で、R3 が水酸基である場合には炭素数
6〜20、R3 がアルコキシル基又はアリーロキシル基
である場合には炭素数2〜12であることが特に好まし
い。これら好ましい酸性ビニルモノマーを具体的に例示
すると、7−メタクリロキシ−1,1−ヘプタンジカル
ボン酸、11−メタクリロキシ−1,1−ウンデカンジ
カルボン酸、13−メタクリロキシ−1,1−トリデカ
ンジカルボン酸等の分子内にカルボキシル基を2個有す
るジカルボン酸類、あるいは6−メタクリロキシヘキシ
ルホスフェート、10−メタクリロキシデシルホスフェ
ート等のモノホスフェート類が挙げられる。
【0039】かかる酸性ビニルモノマーは、通常接着材
組成物中の全重合性単量体100重量部当り1〜50重
量部含有させる。
【0040】本発明において、上記酸性ビニルモノマー
に加えて、接着材の粘度調整や、硬化後の強度向上を目
的としてメタアクリレート系モノマーに代表される重合
性単量体を併用する。
【0041】該メタアクリレート系モノマーとしては、
特に制限される事なく公知のものが採用される。
【0042】一般に好適に使用されるものを具体的に例
示すると、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタン
ジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジ
オールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオール
ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)
アクリレート、2,2′−ビス〔(メタ)アクリロイル
オキシポリエトキシフェニル〕プロパン、2,2′−ビ
ス〔4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ
プロポキシ)フェニル〕プロパン、トリメチロールプロ
パン(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ
(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ
(メタ)アクリレート等の多官能ビニルモノマー、メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル
(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレー
ト、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、トリデシル(メタ)アクリレ−ト、トリデ
シル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコ
ール(メタ)アクリレート等の単官能ビニルモノマー、
等が用いられる。
【0043】これらメタアクリレート系モノマーは、一
種のみならず二種以上混合して使用され、特に前記多官
能ビニルモノマーを30重量%以上含有させて使用する
ことが好ましい。
【0044】本発明に用いる接着材組成物の必須成分の
一つは、光重合開始剤である。光重合開始剤としては既
知のものが用いられる。
【0045】具体的に例示すれば、ジアセチル、アセチ
ルベンゾイル、ベンジル、2,3−ペンタジオン、2,
3−オクタジオン、4,4′−ジメトキシベンジル、α
−ナフチルβナフチル、4,4′−オキシベンジル、カ
ンファーキノン、9,10−フェナンスレンキノン、ア
セナフテンキノン等のα−ジケトン;ベンゾインメチル
エーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロ
ピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル;2,4
−ジエトキシチオキサンソン、2−クロロチオキサント
ン、メチルチオキサンソン等のチオキサンソン誘導体;
ベンゾフェノン、P,P′−ジメチルアミノベンゾフェ
ノン、P,P′−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフ
ェノン誘導体が好適に使用される。
【0046】上記光重合開始剤はそれぞれ単独で用いら
れるだけでなく、必要に応じて二種類以上を組合わせて
用いる事もできる。
【0047】これらのラジカル重合触媒は接着性組成物
中の全重合性単量体100重量部に対して、0.05〜
10重量部、好ましくは0.1〜5重量部添加すること
が望ましい。
【0048】また、上記のラジカル重合触媒と同時に硬
化促進剤を添加することができる。かかる硬化促進剤と
しては、N,N−ジメチル−P−トルイジン、N,N′
−ジメチルベンジルアミン、N−メチルジブチルアミ
ン、ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジ
メチル−m−アニシジン、P−ジメチルアミノ安息香酸
エチル等のアミン化合物;アリルチオ尿素、o−トリル
チオ尿素などのチオ尿素化合物;ジメチルホスファイ
ト、ジオクチルホスファイト等のホスファイト化合物;
などが挙げられる。
【0049】該硬化促進剤の添加量は接着性組成物中の
全重合性単量体100重量部に対して0.05〜5重量
部、好ましくは0.1〜3重量部が望ましい。
【0050】ラジカル重合触媒として光重合開始剤を使
用する場合、得られる組成物の重合は、高圧、中圧、低
圧水銀灯による紫外線;ハロゲンランプ、キセノンラン
プ等による可視光線を照射することにより行うことがで
きる。
【0051】本発明に用いる接着材組成物は、必要に応
じて他の添加剤、例えばハイドロキノン、ハイドロキノ
ンモノメチルエーテル、ブチルヒドロキシトルエン等の
重合禁止剤を少量添加してもよい。
【0052】本発明の接着材組成物を調製する方法は特
に制限されない。代表的な方法を例示すれば、予め球状
の無機酸化物を乳バチ等で充分に分散させた後に、酸性
ビニルモノマー、メタアクリレート系モノマーおよび光
重合開始剤を溶かした液を少しずつ加えて行きペースト
状にする方法がある。
【0053】本発明の接着材組成物は、保存中における
硬化を防止するため、必要に応じて安定な2包に分けて
包装することもできる。例えば、酸性ビニルモノマー、
光重合開始剤およびメタアクリレート系モノマー一部か
ら成る包装(A)と硬化促進剤およびメタアクリレート
系モノマーの一部から成る包装(B)との組み合わせな
どが一般的である。1包装にする場合には、硬化促進剤
としてP−ジメチルアミノ安息香酸エチル等のジアルキ
ル安息香酸アルキルエステルが好ましく使用される。
【0054】以下に本発明を具体的に説明するために実
施例を示すが、本発明はこれらの実施例によって何ら制
限されるものではない。
【0055】
【実施例】
実施例1〜7、比較例1〜6 表1に示す各種組成の接着材組成物を用いて象牙質に対
する接着強度の測定を行った。測定方法は以下のとおり
である。
【0056】屠殺後24時間以内に牛前歯を抜去し、注
水下、#800のエメリーペーパーで唇面に水平になる
ように象牙質を削り出した。次にその面に圧縮空気を約
10秒間吹きつけて乾燥した後、この象牙質の面に直径
4mmφの穴のあいたパラフィンワックスを両面テープ
により固定して、該面を底面とする模擬窩洞を形成し
た。その面に、プライマー(2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート35重量部/水65重量部)を塗布して60
秒間放置した後に圧縮空気を吹きつけて乾燥し、引き続
き表1に示した各成分を通法により混合して得たペース
ト状接着材組成物を塗布し、次いで市販の可視光照射器
「ホワイトライト」(タカラベルモント社製)を用いて
10秒間光照射した。さらにその上に市販光硬化型コン
ポジットレジン「パルフィークライト」(徳山曹達社
製)を填入、圧接した後、再度30秒間光照射して硬化
させた。
【0057】コンポジットレジンが硬化後、パラフィン
ワックスを取り除き、37℃の水中に24時間放置し
た。次いで前記牛前歯とコンポジットレジン硬化体にそ
れぞれ金属製のアタッチメントを取り付け、引張り試験
機(クロスヘッドスピード:10mm/min)で象牙
質と光硬化型接着性組成物との接着強度の測定を行なっ
た。さらに又、別途4℃と60℃の水槽に各1分間ずつ
交互に浸漬し2000サイクル繰り返した後に、同様に
接着強度の測定を行った。
【0058】尚、本発明に使用する各化合物を、以下次
のように省略する。
【0059】11−メタクリロキシ−1,1−ウンデカ
ンジカルボン酸;11−MUDCA ビスフェノールAジグリシジルメタクリレート;Bis
GMA トリエチレングリコールジメタクリレート;TEGDM
A 2−ヒドロキシエチルメタクリレート;HEMA ネオペンチルグリコールジメタクリレート;NPG カンファーキノン;CQ p−ジメチルアミノ安息香酸エチル;DMBE ハイドロキノンモノメチルエーテル;HQME
【0060】
【化8】
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】実施例8〜13 酸性ビニルモノマーとして11−メタクリロキシ−1,
1−ウンデカンジカルボン酸に代えて表2に示した化合
物を使う以外は実施例1と同様な接着材組成物および接
着試験方法を用いて熱サイクル2000回後の接着強度
を評価した。その結果を表2に示す。
【0065】
【表4】
【0066】実施例14〜16 (メタ)アクリレート系モノマーとして、ビスフェノー
ルA・ジグリシジルメタクリレート、トリエチレングリ
コールジメタクリレートおよび2−ヒドロキシエチルメ
タクリレートの代わりに表3に示したモノマーを用いる
以外は実施例4と同様な接着材組成物を用い、実施例1
と同様な試験方法で象牙質に対する接着耐久性を評価し
た。その熱サイクル2000回後の結果をあわせて表3
に示す。
【0067】
【表5】
【0068】
【発明の効果】本発明の接着材組成物は、接着耐久性が
極めて優れており、口腔内の様に湿度が高く複雑な方向
から荷重がかかる環境でも長期間にわたって修復物を維
持することが可能である。
【0069】また、本発明の接着材組成物は、上記歯科
用修復材以外の用途においても特に制限なく使用され
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)平均粒子径が0.05〜5.0μ
    mの球状無機酸化物20〜250重量部、 (b)一般式 【化1】 〔式中、R1 はアルキル基又は水素原子、R2 は炭素数
    2〜30の有機残基、Xはカルボキシル基(l=2の場
    合、Xは酸無水基の形で存在してもよい)、−OPOC
    2 基、又は−OPO(CH)R3 基(R3 は水酸基、
    アルコキシル基又はアリーロキシル基)、lは1又は2
    の整数、mは0又は1の整数、nは1〜3の整数〕で表
    わされる酸性基を有するビニルモノマー(但し、下記一
    般式〔1〕で示されるビニルモノマーを除く)1〜50
    重量部を含む重合性単量体100重量部、 【化2】 (式中、R4 は同一または異なってもよい水素原子又は
    メチル基を、R5 はエーテル結合およびまたはエステル
    結合を有してもよい炭素数1〜30で3価〜6価の有機
    残基を、hは2〜4の整数、jは1または2を各々示
    す。)、及び(c)光重合開始剤0.05〜10重量部
    を含有してなることを特徴とする接着材組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09176606A (ja) * 1995-12-22 1997-07-08 Sumitomo Bakelite Co Ltd 光学部品固定用接着剤
US5959642A (en) * 1995-04-07 1999-09-28 Seiko Epson Corporation Printer having a shock absorber for a printer motor

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5959642A (en) * 1995-04-07 1999-09-28 Seiko Epson Corporation Printer having a shock absorber for a printer motor
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