JP3236030B2 - 新規な接着方法 - Google Patents

新規な接着方法

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JP3236030B2
JP3236030B2 JP09430391A JP9430391A JP3236030B2 JP 3236030 B2 JP3236030 B2 JP 3236030B2 JP 09430391 A JP09430391 A JP 09430391A JP 9430391 A JP9430391 A JP 9430391A JP 3236030 B2 JP3236030 B2 JP 3236030B2
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俊夫 川口
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な接着方法に関する
ものである。詳しくは、金属材料、有機高分子材料、セ
ラミックス材料、及び人体硬組織等の接着に好適に使用
できる接着方法、及びそれに用いるプライマー溶液と
(メタ)アクリレート系光硬化型接着性組成物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】接着材は近年、自動車、電子産業、ある
いは建築、医療などの様々な分野に広く用いられ、それ
ぞれ特有の性状が要求されている。中でも医療用として
歯牙の修復に用いられる歯科用接着材は、口腔内での特
殊な環境に耐える強固な接着性と耐久性が要求される。
【0003】歯牙は主にエナメル質と象牙質とで構成さ
れているが、その大部分が無機質から成るエナメル質に
対しては、被着面を予め酸処理した上、アクリル系のモ
ノマー液から成る接着材を塗布する方法が一般に採用さ
れ、臨床的にも十分な効果が認められている。しかしな
がら、有機質を多く含み、無数の細管から滲出する体液
に絶えずさらされている象牙質に対しては、この様な被
着面の酸処理は効果が少ないばかりか、歯髄の損傷を招
く危険がある。
【0004】そこでこの様な象牙質に対し、被着面の酸
処理を施す事なく優れた接着性を得るための試みとし
て、象牙質との強固な親和性を期待し、カルボン酸、リ
ン酸、スルホン酸等の酸性の官能基を有するビニルモノ
マーを接着材の成分として添加する方法が行なわれてき
た。
【0005】この方法によって接着力はかなり向上して
来たが、長期の耐久性を考慮すると未だ満足できるもの
ではないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は工業用の種々
の材料、とりわけ有機質を多く含む象牙質のような人体
硬組織に対しても優れた接着強度を示す接着方法の開発
を目的とするものである。
【0007】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するため研究を重ねた結果、特定組成のプライ
マー溶液で処理した後、特定の接着性組成物を用いて接
着した場合、象牙質に対しても優れた接着性が得られる
ことを見い出し本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、(a)カルボキシル基又
はその酸無水物を少なくとも1個と、炭素数が2個以上
であって、水素原子の一部が水酸基又はカルボキシル基
で置換されていてもよいアルキレン基及び下記式
【0009】
【化5】 で示される基よりなる群から選ばれるいずれかの疎水性
を有するビニルモノマーを含んでなるプライマー溶
液で処理した後、(b)下記式で表される酸性基を有す
るビニルモノマー
【0010】
【化6】 〔式中、R1はアルキル基または水素原子、R2は炭素数
2〜20の有機残基、lは1または2の整数、mは0又
は1の整数、nは1〜3の整数、Xはカルボキシル基
(l=2の場合、Xは酸無水基;−CO−O−CO−の
形で存在してもよい)、−OPOCl2基または−OP
O(OH)R3基(R3は水酸基、アリール基、アルコキ
シル基またはアリーロキシル基)を示す〕 を含有し、化学重合触媒を含まない(メタ)アクリレー
ト系光硬化型接着性組成物を用いて接着することを特徴
とする接着方法であり、他の発明は上記接着方法に用い
るプライマー溶液及び(メタ)アクリレート系光硬化型
接着性組成物である。
【0011】本発明の接着方法に用いるプライマーは、
カルボキシル基又はその酸無水物を少くとも1個と疎水
性基を有するビニルモノマーから成る。
【0012】疎水性基としては、下記に例示されるよう
炭素数が2個以上のアルキレン基、あるいはこれらの
基の水素原子の一部が水酸基やカルボキシル基などで置
換されたもの
【0013】
【化7】 又は下記式
【0014】
【化8】 で示される基である。
【0015】優れた接着性を発現させるためには、疎水
性基の総炭素数が4〜20のビニルモノマーが好まし
い。
【0016】これらビニルモノマーを具体的に例示す
ると、
【0017】
【化9】 等が挙げられる。
【0018】本発明に用いるプライマーは、必要に応じ
て毒物学的に許容しうる有機溶媒又は該有機溶媒と水の
混合液に溶解して用いる事ができ、その場合の濃度は5
〜100wt%とすることが接着の観点から好ましい。
有機溶媒としては、本プライマーに用いられるビニルモ
ノマーを溶解させしかも揮発性のものが好適に使用され
る。具体的に例示すればアセトン、塩化メチレンやエタ
ノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類な
どが挙げられる。特にアルコールと水の混合液に溶解し
てプライマーとする事が接着力の向上にとって好まし
い。
【0019】尚、本願発明においてプライマーとは、接
着剤を用いて接着する前に被着面を処理する下塗り剤の
ことをいう。
【0020】プライマー処理方法としては、一般的には
スポンジまたは小筆で被着面が完全に濡れる程度に塗布
する方法が採用される。プライマー処理後は、エアーを
吹きつけて乾燥したのち次の接着工程へ移ることが接着
力向上のために好ましい。
【0021】本発明の接着方法においては、上記プライ
マー処理後に(メタ)アクリレート系光硬化型接着性組
成物(以下、光硬化型接着性組成物ともいう)を用いる
ことが必須である。
【0022】該(メタ)アクリレート系光硬化型接着性
組成物は、光重合触媒、及び光重合触媒によって重合す
る(メタ)アクリレート化合物を主成分とするものであ
るが、後述するように硬化促進剤、重合禁止剤、フィラ
ー等を必要に応じて添加してもよい。
【0023】しかしながら、光重合触媒に替えて化学重
合触媒を含む接着性組成物を用いた場合には高い接着強
度を得ることは出来ない。これは、化学重合の場合に
は、被着面に接着組成物を塗布する前から重合が始まっ
ているため、(メタ)アクリレート化合物の分子量が上
昇し被着面を充分に濡らすことができなく、又、充分に
濡らすことができたとしても、象牙質のように歯髄から
の浸出液があふれている面では光重合の場合の様に速や
かに重合できず接着界面における重合が不十分になるた
めであると推測される。
【0024】本発明に用いる光硬化型接着組成物の主成
分の一つである(メタ)アクリレート化合物としては、
光重合触媒によって重合する公知のものが特に限定され
ることなく使用できる。
【0025】一般に好適に使用される該(メタ)アクリ
レート化合物を具体的に例示すると、メチル(メタ)ア
クリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピ
ル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリ
レート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル
(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、トリ
デシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グ
リシジル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレング
リコール(メタ)アクリレート、(2−メタアクリロキ
シエチル)マレイン酸モノエステル等の単官能ビニルモ
ノマー;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオ
ールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ
(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)ア
クリレート、2,2’−ビス〔((メタ)アクリロイル
オキシポリエトキシフエニル〕プロパン、2,2’−ビ
ス〔4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプ
ロポキシ)フェニル〕プロパン、トリメチロールプロパ
ン(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ
(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ
(メタ)アクリレート等の多官能ビニルモノマーが用い
られる。
【0026】又、(メタ)アクリレート化合物として、
接着力および耐久性を向上させるために下記式で表され
る酸性基を有するビニルモノマーが配合される。
【0027】
【化10】 〔式中、R1はアルキル基または水素原子、R2は炭素数
2〜20の有機残基、lは1または2の整数、mは0又
は1の整数、nは1〜3の整数、Xはカルボキシル基
(l=2の場合、Xは酸無水基;−CO−O−CO−の
形で存在してもよい)、−OPOCl2基または−OP
O(OH)R3基(R3は水酸基、アリール基、アルコキ
シル基またはアリーロキシル基)を示す〕
【0028】上記一般式中、R1で示される基は水素原
子又はアルキル基であり、アルキル基としては具体的に
メチル基、エチル基が挙げられる。
【0029】又、R2は炭素数2〜20の有機酸基であ
る。炭素数1以下の場合は、湿潤下での接着耐久性が低
い。炭素数21以上の場合は、材料の入手が困難であ
り、しも硬化体の強度が得られないため接着力が低
い。該有機残基は、上記炭素数を満足する限り脂肪族系
あるいは芳香族系有機残基のいれでもよく、さらにハ
ロゲン、アミノ基、水酸基等の置換基によって一部が置
換されていてもよい。
【0030】一般式中、Xはカルボキシル基,−OPO
Cl2、又は−OPO(OH)R3基であり、上記有機残
基に1又は2個結合している。ここでR3で示される基
は水酸基;フェニル基等のアリール基;メトキシ基、エ
トキシ基、ブトキシ基等のアルコキシル基;フエノキシ
基、ベンジルオキシ基等のアリーロキシル基のいれか
である。
【0031】一般に好適に使用される酸性基を有するビ
ニルモノマーを具体的に例示するとp−メタクリロキシ
安息香酸、p−ビニル安息香酸、2−メタクリロキシエ
チルフタル酸、2−メタクリロキシエチルコハク酸等の
分子内に1つのカルボキシル基を有するビニルモノマ
ー;7−メタクリロキシ−1,1−ヘプタンジカルボン
酸、11−メタクリロキシ−1,1−ウンデカンジカル
ボン酸、13−メタクリロキシ−1,1−トリデカンジ
カルボン酸、4−(β−メタクリロキシエチル)トリメ
リット酸エステルおよび無水物等の分子内に2つのカル
ボキシル基を有するビニルモノマー;
【0032】6−メタクリロキシヘキシルジハイドロジ
ェンホスフェート、10−メタクリロキシデシルジハイ
ドロジェンホスフェート、6−メタクリロキシヘキシル
ブチルホスフェート、6−メタクリロキシヘキシルフェ
ニルホスフェート、2−メタクリロキシエチルハイドロ
ジェンフェニルホスフェート、などの分子内に1つのリ
ン酸基を有するビニルモノマー;ビスフエノールAジグ
リシジルメタクリレートとオキシ塩化リンの反応生成物
などの分子内に2つのリン酸基を有するビニルモノマ
ー:などが挙げられる。
【0033】優れた接着性を発現させるためには、前記
一般式で表わされる酸性基を有するビニルモノマーのR
2が炭素数4〜20のアルキレン基が好ましく、更には
Xがカルボキシル基である場合には炭素数4〜20、X
が−OPO(OH)R3で、R3が水酸基である場合には
炭素数6〜20、R3がアリール基、アルコキシル基又
はアリーロキシル基である場合には炭素数2〜12であ
ることが特に好ましい。これら好ましいビニルモノマー
を具体的に例示すると、7−メタクリロキシ−1,1−
ヘプタンジカルボン酸、11−メタクリロキシ−1,1
−ウンデカンジカルボン酸、13−メタクリロキシ−
1,1−トリデカンジカルボン酸等の分子内にカルボキ
シル基を2個有するジカルボン酸類、あるいは6−メタ
クリロキシヘキシルジハイドロジェンホスフェート、1
0−メタクリロキシデシルジハイドロジェンホスフェー
ト等のモノホスフェート類が挙げられる。
【0034】かかる酸性基を有するビニルモノマーは、
通常光硬化型接着性組成物中の全重合性モノマー100
重量部当り1〜50重量部含有させる。
【0035】本発明に用いる光硬化型接着組成物の主成
分の他の一つは、光重合触媒である。光重合触媒として
は公知のものが何ら制限なく使用される。具体的には、
ジアセチル、アセチルべンゾイル、べンジル、2,3−
ペンタジオン、2,3−オクタジオン、4,4’−ジメ
トキシベンジル、α−ナフチル、β−ナフチル、4,
4’−オキシベンジル、カンファーキノン、9,10−
フェナンスレンキノン、アセナフテンキノン等のα−ジ
ケトン;
【0036】ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエ
チルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル等のベンゾ
インアルキルエーテル;2,4−ジエトキシチオキサン
ン、2−クロロチオキサントン、メチルチオキサン
ン等のチオキサンン誘導体;ベンゾフェノン、p,
’−ジメチルアミノベンゾフエノン、p,p’−メト
キシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体が好適に
使用される。
【0037】これらの光重合触媒は光硬化型接着性組成
物中の全量合性モノマー100重量部に対して、0.0
5〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部添加する
ことが望ましい。
【0038】また、上記の光重合触媒と同時に他の添加
剤を必要に応じて添加してもよい。例えば硬化促進剤を
添加することができる。
【0039】かかる硬化促進剤としては、N,N−ジメ
チル−−トルイジン、N,N’−ジメチルベンジルア
ミン、N−メチルジブチルアミン、ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート、N,N−ジメチル−m−アニシジ
ン、−ジメチルアミノ安息香酸エチル等のアミン化合
物;アリルチオ尿素、o−トリルチオ尿素などのチオ尿
素化合物;ジメチルホスファイト、ジオクチルホスファ
イト等のホスファイト化合物;などが挙げられる。
【0040】該硬化促進剤の添加量は光硬化型接着性組
成物中の全重合性モノマー100重量部に対して0.0
5〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部が望まし
い。
【0041】本発明の光硬化型接着組成物を使用する
場合の重合は、高圧、中庄、低圧水銀灯による紫外線;
ハロゲンランプ、キセノンランプ等による可視光線を照
射することにより行うことができる。
【0042】本発明に用いる光硬化型接着性組成物は、
必要に応じてハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチ
ルエーテル、ブチルヒドロキシトルエン等の重合禁止剤
を少量添加するのが好ましい。
【0043】また、本発明においては、接着の対象物に
よってはフィラーを添加するのが好ましい。フィラーを
添加することによって機械的強度、耐水性が向上し、更
に流動性、塗布性をコントロールすることができる。フ
ィラーとしては例えば、石英、無定形シリカ、シリカジ
ルコニア、クレー、酸化アルミニウム、タルク、雲母、
カオリン、ガラス、硫酸バリウム、酸化ジルコニウム、
酸化チタン、チッ化ケイ素、チッ化アルミニウム、チッ
化チタン、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭酸カルシウム、
ヒドロキシアパタイト、リン酸カルシウム等の無機物;
ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレー
ト、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、ナ
イロン等の高分子又はオリゴマー等の有機物;及び有機
−無機の複合フィラー等が挙げられる。上記無機フィラ
ーは通常、γ−メタクリロイルオキシプロピルメリメト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のシランカッ
プリング剤で処理したものを使用するのが好ましい。
【0044】上記フィラーの添加量は必要に応じて適宜
選択でき、例えば光硬化型接着性組成物中の全重合性モ
ノマー100重量部に対して1〜300重量部の割合と
なる範囲から選べばよい。
【0045】本発明に用いる光硬化型接着組成物に
は、有機溶媒が含まれないことが望ましい。特にエタノ
ールなどのアルコール類を含むと接着力が低下する傾向
にある。これは、接着剤の被膜厚さが薄くなり過ぎるた
め接着面に欠陥が生じ易いことと、アルコールは重合禁
止剤としての役割を果たすためと考えられる。
【0046】次に接着方法について具体的に説明する
が、これら具体に限定されるものではない。被着体の
一方が固体で他方が例えば光硬化型コンポジットレジン
のようなペースト状物の場合は、固体側にプライマー、
次いで光硬化型接着性組成物を塗布したのちに、好まし
くは接着力を上げるために接着性組成物に可視光を10
〜60秒照射する。次いでペースト状物を盛り、さらに
圧接したのち、光照射して重合硬化させ、両被着体を接
着する。被着体がいれも固体である場合は、一方にプ
ライマを塗布し、他方には光硬化型接着性組成物を塗
布したのち両体を圧接し、次いで接着境界あるいは固体
表面の上から光照射を行い硬化接着させる。
【0047】
【発明の効果】本発明の接着方法は、特定成分からなる
プライマーで予め処理した後、(メタ)アクリレート系
光硬化型接着性組成物を用いて接着する事によって、そ
の接着性を著しく向上させることが可能である。特に、
歯牙や骨のような人体硬組織、とりわけ、有機成分を多
く含むことにより従来より接着が困難とされていた象牙
質の接着において優れた効果を発揮する。
【0048】本発明の接着方法は、上記の接着の他に金
属、セラミックス、有機高分子等の接着にも有効であ
る。
【0049】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に説明するため、
実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0050】以下の実施例、参考例および比較例におい
て用いる(メタ)アクリレート化合物を以下の如く略記
する。
【0051】
【化11】
【0052】参考例1〜9、比較例1 本発明のプライマーを用い、酸性基を有するビニルモノ
マーを含まない(メタ)アクリレート系光硬化型接着性
組成物を用いて象牙質に対する接着強度の測定を行っ
た。測定方法は以下のとおりである。
【0053】屠殺後24時間以内の牛前歯を抜去し、注
水下、#800のエメリーペーパーで唇面に水平になる
ように象牙質を削り出した。次にその面に圧縮空気を約
10秒間吹きつけて乾燥した後、この象牙質の面に直径
4mmφの穴のあいたパラフィンワックスを両面テープ
により固定して、該面を底面とする模擬窩洞を形成し
た。
【0054】その面に、表1に示した組成のプライマー
を塗布して60秒間放置した後に圧縮空気を吹きつけて
乾燥し、引き続き下記の組成の(メタ)アクリレート系
光硬化型接着性組成物を塗布し、次いで市販の可視光照
射器「ホワイトライト」(タカラベルモント社製)を用
いて10秒間光照射した。さらにその上に市販光硬化型
コンポジットレジン「パルフイークライト」(徳山曹達
社製)を填入、圧接した後、再度30秒間光照射して硬
化させた。
【0055】コンポジツトレジンが硬化後、パラフィン
ワックスを取り除き、37℃の水中に24時間放置し
た。前記牛前歯とコンポジトレジン硬化体にそれぞれ
金属製のアタッチメントを取り付け、引張り試験機(ク
ロスヘッドスピード:10mm/min)で象牙質と光
硬化型接着性組成物との接着強度の測定を行なった。
【0056】光硬化型接着性組成物の組成は以下の通り
である。
【0057】 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 28.3重量部 ビスフェノールAジグリシジルメタクリレート 26.6 〃 トリエチレングリコールジメタクリレート 45.1 〃 カンファーキノン 0.4 〃 p−ジメチルアミノ安息香酸エチル 0.6 〃 ハイドロキノンモノメチルエーテル 0.05〃
【0058】上記方法で得られた接着強度、及び比較例
としてプライマーを塗布しなかった場合の接着強度を表
1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】実施例1〜16、比較例2〜4参考 例3,6および8のプライマーを用い、光硬化型接
着性組成物として下記、及び表2に示した組成物を使用
した以外は参考例1〜9と同様にして接着力を測定し
た。
【0061】 酸性を有するビニルモノマー X 重量部 ビスフェノールAジグリシジルメタクリレート 40 〃 トリエチレングリコールジメタクリレート 60−X 〃 カンファーキノン 0.4 〃 p−ジメチルアミノ安息香酸エチル 0.6 〃 ハイドロキノンモノメチルエーテル 0.05〃
【0062】上記方法で得られた接着強度、並びに比較
例としてプライマーが本発明の「カルボキシル基又はそ
の酸無水物を少なくとも1個と特定の疎水性基を有する
ビニルモノマー」を含まない場合及び該ビニルモノマー
に該当しないビニルモノマーを用いた場合の接着強度も
あわせて表2に示す。
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】実施例17〜20 実施例のプライマーを用い、光硬化型接着性組成物と
しては、組成物中のカンファーキノンとp−ジメチルア
ミノ安息香酸エチルに替えて表3に示した光重合触媒お
よび硬化促進剤を用いた以外は実施例と同様にして接
着強度を測定した。結果もあわせて表3に記す。
【0066】
【表4】
【0067】実施例21〜23 実施例のプライマー及び酸性基を有するビニルモノマ
ーを用い、光硬化型接着組成物中のビスフェノールAジ
グリシジルメタクリレートおよびトリエチレングリコー
ルジメタクリレートに替えて表4に示した(メタ)アク
リレート化合物を用いた以外は実施例と同様にして接
着強度を測定した。結果を表4にあわせて示す。
【0068】
【表5】
【0069】比較例5〜7参考 例3のプライマーを用い、光硬化型接着性組成物に
替えて表5に示す化硬化型接着性組成物を用いた以外
は同様にして接着強度を測定した。結果をあわせて表5
に示す。
【0070】
【表6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−113057(JP,A) 特開 昭62−223289(JP,A) 特開 平3−240712(JP,A) 特開 平4−8368(JP,A) 特開 平2−49083(JP,A) 特許2670159(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 5/02 C09J 4/00 - 4/06 C09D 4/00 - 4/06 C09D 5/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)カルボキシル基又はその酸無水物を
    少なくとも1個と、炭素数が2個以上であって、水素原
    子の一部が水酸基又はカルボキシル基で置換されていて
    もよいアルキレン基及び下記式 【化1】 で示される基よりなる群から選ばれるいずれかの疎水性
    基とを有するビニルモノマーを含んでなるプライマー溶
    液で処理した後、(b)下記式で表される酸性基を有す
    るビニルモノマー 【化2】 〔式中、Rはアルキル基または水素原子、Rは炭素
    数2〜20の有機残基、lは1または2の整数、mは0
    又は1の整数、nは1〜3の整数、Xはカルボキシル基
    (l=2の場合、Xは酸無水基;−CO−O−CO−の
    形で存在してもよい)、−OPOCl基または−OP
    O(OH)R基(Rは水酸基、アリール基、アルコ
    キシル基またはアリーロキシル基)を示す〕 を含有し、化学重合触媒を含まない(メタ)アクリレー
    ト系光硬化型接着性組成物を用いて接着することを特徴
    とする接着方法。
  2. 【請求項2】(a)下記ビニルモノマー 【化3】 のいずれかを含んでなるプライマー溶液で処理した後、
    (b)下記式で表される酸性基を有するビニルモノマー 【化4】 〔式中、Rはアルキル基または水素原子、Rは炭素
    数2〜20の有機残基、lは1または2の整数、mは0
    又は1の整数、nは1〜3の整数、Xはカルボキシル基
    (l=2の場合、Xは酸無水基;−CO−O−CO−の
    形で存在してもよい)、−OPOCl基または−OP
    O(OH)R基(Rは水酸基、アリール基、アルコ
    キシル基またはアリーロキシル基)を示す〕 を含有し、化学重合触媒を含まない(メタ)アクリレー
    ト系光硬化型接着性組成物を用いて接着することを特徴
    とする接着方法。
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