JP5110982B2 - 歯科補綴物用2液型プライマー - Google Patents
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Description
・シランカップリング剤の前記アミン化合物によるゲル化の発生は、該アミン化合物が、上記3液からなるプライマーにおいて使用されている芳香族第3級アミンであれば極めて穏やかなものであること、
・従って、該芳香族第3級アミンの使用量を特定範囲に調製すれば、前記(II)液と(III)液とを一液化しても前記ゲル化の問題は防止できること、
・しかも、この態様によれば、得られるプライマーはセラミックスに対する接着力も一層に向上する予想外の効果が得られること
を見出し、本発明を完成するに至った。
Ia)分子内に少なくとも1つのラジカル重合性基と硫黄原子とを有する重合性単量体を、0.001〜20質量%、
Ib)酸性基含有重合性単量体を、1〜30質量%、及び
Ic)揮発性有機溶媒
並びに、下記IIa)〜IIc)成分を含んだ混合液からなる(II)液
IIa)シランカップリング剤を、0.05〜20質量%
IIb)芳香族第3級アミンを、上記IIa)シランカップリング剤に対して0.5〜6倍モル量、及び
IIc)揮発性有機溶媒
とによりなり、使用時にはこれら両液を混合して使用する態様の歯科補綴物用2液型プライマーである。
Ia)分子内に少なくとも1つのラジカル重合性基と硫黄原子とを有する重合性単量体を、0.001〜20質量%、
Ib)酸性基含有重合性単量体を、1〜30質量%、及び
Ic)揮発性有機溶媒
を含む混合液からなる。この(I)液において使用される、Ia)分子内に少なくとも1つのラジカル重合性基と硫黄原子とを有する重合性単量体は(以下、「含硫黄重合性単量体」とも称する)、主に、貴金属合金に対する高い接着性を発現させる。この含硫黄重合性単量体は、上記構造を満足するものであれば特に限定されず公知の化合物が使用できる。通常は、下記一般式で示される化合物が使用できる。
これら含硫黄重合性単量体を具体的に例示すれば、前記一般式A1〜A5に示される互変異性によりメルカプト基を生じ得る重合性化合物としては、次に示す化合物が挙げられる。
IIa)シランカップリング剤を、0.05〜20質量%
IIb)芳香族第3級アミンを、上記IIa)シランカップリング剤に対して0.5〜6倍モル量、及び
IIc)揮発性有機溶媒
を含む混合液からなる。この(II)液において使用される、IIa)シランカップリング剤は、(II)液を(I)液と混合して酸性基含有重合性単量体と共存させた際に、該酸性基含有重合性単量体が酸触媒として働き、アルコキシ基が加水分解されてシラノール基を生じ、これがセラミックス表面に存在するシラノール基と脱水縮合して、これにより主に、セラミックスに対する高い接着性を発現させる。このシランカップリング剤は、重合性不飽和基を有するアルコキシシランからなる公知のものが制限なく使用できる。
で示される化合物を使用するのが好ましい。
・Ia)分子内に少なくとも1つのラジカル重合性基と硫黄原子とを有する重合性化合物(含硫黄重合性単量体)
MTU−6:6−メタクリロイルオキシヘキシル 2−チオウラシル−5−カルボキシレート
MMT−11:2−(11−メタクリロイルオキシウンデシルチオ)−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール
・Ib)酸性基含有重合性単量体
PM:2−メタクリロイルオキシエチルジハイドロジェンホスフェートとビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ハイドロジェンホスフェートの混合物(モル比1:4)
MDP:10−メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート
MAC−10:11−メタクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸
・Ic)、IIc)揮発性有機溶媒
アセトン:アセトン
IPA:イソプロピルアルコール
EtOH:エタノール
・IIa)シランカップリング剤
MPS:3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン
MDS:10−メタクリロイルオキシデシルトリメトキシシラン
・IIb)芳香族第3級アミン
DMPT:N,N−ジメチル−p−トルイジン
DEPT:N,N−ジ(β−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン
PEAT:N,N−ジエチル−p−トルイジン
・芳香族第3級アミン以外のアミン
TEA:トリエチルアミン
・酸性基を有しない多官能の重合性単量体(非酸性基多官能性重合性単量体)
UDMA:1,6−ビス(メタクリルエチルオキシカルボニルアミノ)−2,2,4−トリメチルヘキサンと1,6−ビス(メタクリルエチルオキシカルボニルアミノ)−2,4,4−トリメチルヘキサン
D26E:2,2−ビス[(4−メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン]
2.歯科用合金に対する接着強度測定方法
卑金属合金製の被着体である歯科用コバルト−クロム合金「ワクローム」(トクヤマデンタル社製10×10×3mm)、貴金属合金製の被着体である歯科用金−銀−パラジウム合金「金パラ12」(トクヤマデンタル社製10×10×3mm)をそれぞれ#1500の耐水研磨紙で磨いた後にサンドブラスト処理し、その処理面に接着面積を固定するために3mmφの穴を開けた接着テープを貼り付けた。この模擬窩洞内に、各実施例及び比較例の歯科用プライマーをそれぞれスポンジで適量塗布し、20秒間放置した後圧縮空気を約5秒間吹き付けた。その後、歯科用接着性レジンセメント「ビスタイトII」セメント(トクヤマデンタル社製)を模擬窩洞内に充填した後、その上から直径8mmφのステンレス製のアタッチメントを圧接して、接着試験片を作製した。その後、上記接着試験片を37℃の水中に24時間浸漬した後、引っ張り試験機(オートグラフ、島津製作所製)を用いてクロスヘッドスピード2mm/minにて、上記卑金属合金および貴金属合金との接着強度をそれぞれ測定した。
被着体である歯科用陶材「セラエステ」(トクヤマデンタル社製10×10×3mm)を#800の耐水研磨紙で磨いた後、その処理面に接着面積を固定するために3mmφの穴を開けた接着テープを貼り付けた。この模擬窩洞内に、各実施例及び比較例の歯科用プライマー組成物をそれぞれスポンジで適量塗布し、20秒間放置した後圧縮空気を約5秒間吹き付けた。その後、歯科用接着性レジンセメント「ビスタイトII」セメント(トクヤマデンタル社製)を模擬窩洞内に充填した後、その上から直径8mmφのステンレス製のアタッチメントを圧接して、接着試験片を作製した。その後、上記接着試験片を37℃の水中に24時間浸漬した後、引っ張り試験機(オートグラフ、島津製作所製)を用いてクロスヘッドスピード2mm/minにて、上記歯科用陶材との接着強度を測定した。
市販の歯科用レジンである「パールエステ」(トクヤマデンタル社製)を10×10×3mmのポリテトラフルオロエチレン製モールドに充填し、透明ポリプロピレンフィルムで圧接して酸素を遮断した状態で光重合、引き続き加熱重合(100℃で15分)することで「パールエステ」レジン硬化体を得た。このレジン硬化体(10×10×3mm)の表面を#800の耐水研磨紙で磨いて平滑にした後、その研磨面に接着面積を固定するために3mmφの穴を開けた接着テープを貼り付けた。この模擬窩洞内に、各実施例及び比較例の歯科用プライマー組成物をそれぞれスポンジで塗布し、20秒間放置した後圧縮空気を約5秒間吹き付けた。その後、歯科用接着性レジンセメント「ビスタイトII」セメント(トクヤマデンタル社製)を模擬窩洞内に充填した後、その上から直径8mmφのステンレス製のアタッチメントを圧接して、接着試験片を作製した。その後、上記接着試験片を37℃の水中に24時間浸漬した後、引っ張り試験機(オートグラフ、島津製作所製)を用いてクロスヘッドスピード2mm/minにて、上記歯科用レジン硬化体との接着強度を測定した。
各実施例および比較例で製造した(II)液のそれぞれを50℃にて3週間保存した。保存後に、目視にて不溶物の析出有無を観察した。
0.5gのPM、1.0gのMAC−10、0.1gのMTU−6、0.5gのUDMA及び7.9gのアセトンを混合して均一溶液を得た((I)液)。また、0.4g(1.61mmol)のMPS、0.11g(0.81mmol)のDMPT及び9.49gのエタノールを混合して均一溶液を得た((II)液)。なお、上記溶液は容量20mlのガラスサンプル瓶中で調整した。
実施例1において、(I)液および(II)液の組成を表1および表2に示した組成に変更する以外、実施例1と同様に実施した。結果を表3および表4に示した。
実施例1において、(I)液および(II)液の組成を表1および表2に示した組成に変更する以外、実施例1と同様に実施した。結果を表3および表4に示した。
Claims (2)
- 包装形態が下記Ia)〜Ic)成分を含んだ混合液からなる(I)液
Ia)分子内に少なくとも1つのラジカル重合性基と硫黄原子とを有する重合性単量体を、0.001〜20質量%、
Ib)酸性基含有重合性単量体を、1〜30質量%、及び
Ic)揮発性有機溶媒
並びに、下記IIa)〜IIc)成分を含んだ混合液からなる(II)液
IIa)シランカップリング剤を、0.05〜20質量%
IIb)芳香族第3級アミンを、上記IIa)シランカップリング剤に対して0.5〜6倍モル量、及び
IIc)揮発性有機溶媒
とによりなり、使用時にはこれら両液を混合して使用する態様の歯科補綴物用2液型プライマー。 - さらに、酸性基を有しない多官能の重合性単量体を、上記(I)液または(II)液のいずれかに0.5〜20質量%の濃度で含んでなる請求項1記載の歯科補綴物用2液型プライマー。
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JP2007169121A JP5110982B2 (ja) | 2007-06-27 | 2007-06-27 | 歯科補綴物用2液型プライマー |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007169121A JP5110982B2 (ja) | 2007-06-27 | 2007-06-27 | 歯科補綴物用2液型プライマー |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009007280A JP2009007280A (ja) | 2009-01-15 |
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Family Applications (1)
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JP2007169121A Active JP5110982B2 (ja) | 2007-06-27 | 2007-06-27 | 歯科補綴物用2液型プライマー |
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- 2007-06-27 JP JP2007169121A patent/JP5110982B2/ja active Active
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