JPH0680900A - フェノール系4級塩色素及びこの色素を用いた感熱転写記録材料 - Google Patents

フェノール系4級塩色素及びこの色素を用いた感熱転写記録材料

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JPH0680900A
JPH0680900A JP4236020A JP23602092A JPH0680900A JP H0680900 A JPH0680900 A JP H0680900A JP 4236020 A JP4236020 A JP 4236020A JP 23602092 A JP23602092 A JP 23602092A JP H0680900 A JPH0680900 A JP H0680900A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 吸収特性及び堅牢性に優れ、溶剤溶解性、取
扱い性も良好で、カラーフィルター、インクジェット、
印刷、カラー電子写真等に有用な新規なフェノール系4
級塩色素、及び該色素を用いた感熱転写記録材料を提供
する。 【構成】 式(I)又は(II)のフェノール系4級塩色
素、及び該色素を用いた感熱転写記録材料。 (A:窒素原子との結合により可視領域に吸収を有する
ために必要な原子団。R:置換基。n:0〜4の整数。
〜R:アルキル基又はアリール基。R:アルキ
ル基。Z:窒素原子と共に5〜6員環を形成するのに必
要な原子団。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカラー画像形成用素材と
して固体撮像管やカラー液晶テレビ用カラーフィルタ
ー、感熱転写、インクジェット、カラー写真、カラー電
子写真、印刷等に有用な新規なフェノール系4級塩色素
に関するものである。
【0002】
【従来技術】カラー画像形成用の色素としては、吸収が
シャープで副吸収が少なく、分子吸光係数が高いなど吸
収特性が良好で、熱、光に対する安定性に優れた色素が
求められている。このような色素の一つとしてインドフ
ェノール類が挙げられるが、インドフェノール類は色調
のpH依存性が大きく、中性では吸収がブロードで耐光性
に劣り、フェノール部位がアニオン化された場合に、初
めて良好な吸収及び耐熱性が得られることが知られてい
る。このアニオン化のためには、金属塩又は4級モルダ
ント塩などが用いられるが、金属塩にした場合には溶剤
溶解性が劣化してしまう。
【0003】又、4級モルダント塩の場合には、フェノ
ール部位を有する色素を4級アンモニウム塩と反応させ
て色素の固定化を行う技術が拡散転写型ハロゲン化銀写
真感光材料(所謂インスタント写真)で用いられてい
る。又、特開平3-83686号、同3-83687号、 同3-83688
号、同3-83689号、同3-90387号、 同3-92385号、同3-923
86号、同3-114890号等には、感熱転写材料として媒染剤
化合物を用いて定着性を高める方法が記載されている。
これらの特許には、媒染剤化合物として4級アンモニウ
ム塩部位を有する化合物が記載されているが、これらの
4級アンモニウム塩は主としてポリマーなどにぺンダン
ト化され、色素とモルダントを形成して初めて4級塩色
素となり、吸収及び耐光性が良好になって目的とする定
着性が得られる。
【0004】ところで、これらの4級塩色素をカラー画
像形成材料、カラーフィルターやインクに応用しようと
した場合、高濃度化しようとするとポリマー中の4級塩
部位の含有率を増やさねばならず、4級塩部位の含有率
を増やすと色素とのモルダント化率が低下し、高濃度を
得ることが難しかった。又、得られた4級塩色素はポリ
マーが主成分であり、溶剤溶解性、取扱い性が悪いとい
う欠点を有している。更に、ポリマーモルダントとの塩
であるため単位重量当たりの吸光度が減少し、特徴であ
る分子吸光係数の高さが相殺されていた。
【0005】
【発明の目的】本発明の第1の目的は、吸収特性及び堅
牢性に優れ、溶剤溶解性、取扱い性が改良され、カラー
画像形成用素材として、固体撮像管やカラー液晶テレビ
用カラーフィルター、感熱転写、インクジェット、カラ
ー写真、カラー電子写真、印刷等に有用な新規なフェノ
ール系4級塩色素を提供することにある。
【0006】又、本発明の第2の目的は、このフェノー
ル系4級塩色素を用いた、吸収特性及び堅牢性に優れ、
発色濃度の高い感熱転写記録材料を提供することにあ
る。
【0007】
【発明の構成】本発明者らは種々検討を重ねた結果、本
発明の色素が良好な吸収特性、熱、光に対する安定性、
溶剤溶解性、取扱い性が良好なことを見い出し本発明を
為すに至った。
【0008】即ち、本発明の上記目的は、前記一般式
(I)又は(II)で表されるフェノール系4級塩色素
〔化1〕、並びに支持体上に該色素を含有する層を有す
る感熱転写記録材料によって達成される。
【0009】以下、本発明をより詳細に説明する。一般
式(I)又は(II)においてAで表される原子団として
は、ベンゼン環、ナフタレン環、複素環、活性メチレン
基及びアゾ結合を形成するアリールアミノ基、ヘテロ環
アミノ基などの誘導体を挙げることができる。
【0010】該べンゼン環及びナフタレン環は置換基を
有してもよく、この置換基としては、アシル基、ウレタ
ン基、ウレイド基、カルバモイル基、ヒドロキシル基、
ハロゲン原子、アルキル基等が好ましい。
【0011】該複素環としては、5員又は6員の単環又
は縮合環が挙げられる。単環の代表的なものとしては、
ピリジン、イミダゾール、ピラゾロン環等が挙げられ、
縮合環の代表的なものとしては、ピラゾロトリアゾー
ル、ピラゾロベンズイミダゾール、キノリン、イソキノ
リン環等が挙げられる。
【0012】該活性メチレン基を有する化合物として
は、カルボニル基、エステル基、シアノ基などの電子吸
引性基をメチレンの両端に持つ化合物が挙げられ、具体
的にはβ-ケトアミド、β-ケトエステル、β-ジケトン
及びマロノニトリルなどが挙げられる。
【0013】該アゾ結合を形成するアリールアミノ基と
しては、アニリノ基、ナフチルアミノ基が挙げられ、こ
れらの基は置換基を有してもよい。
【0014】該アゾ結合を形成する複素環アミノ基とし
ては、ピリジルアミノ、キノリルアミノ、ベンゾチアゾ
リルアミノなどの基が挙げられ、置換基を有してもよ
い。
【0015】Rで表されるベンゼン環に置換する基とし
て好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基が挙げられ
る。該アルキル基としては炭素数5以下の直鎖又は分岐
のアルキル基が好ましい。
【0016】R1、R2、R3及びR4で表されるアルキル
基としては直鎖でも分岐であってもよいが、R1、R2
3及びR4の炭素数の和が30以下が好ましい。
【0017】R1、R2、R3及びR4で表されるアリール
基としては、フェニル基が好ましく、置換基を有しても
よい。一般式(II)においてR5で表されるアルキル基
としては、直鎖でも分岐であってもよいが、炭素数が30
以下が好ましい。
【0018】Zで表される窒素原子と共に5員又は6員
の環を形成するのに必要な原子団としては、イミダゾー
ル環、ピリジン環及びピリミジン環等が挙げられる。
【0019】以下に本発明の代表的なフェノール系4級
塩色素を挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0020】
【化2】
【0021】
【化3】
【0022】
【化4】
【0023】
【化5】
【0024】
【化6】
【0025】本発明のフェノール系4級塩色素は、 一
般式(I)又は(II)で表されるA成分(通常、写真で
はカプラーと呼ばれる)とアミノフェノールを酸化剤の
存在下で酸化カップリングにより、又はアミノフェノー
ルをジアゾ化しA成分とジアゾカップリングにより色素
を合成し、塩基の存在下4級塩と反応させることにより
得られる。
【0026】以下に本発明の代表的なフェノール系4級
塩色素の合成例を示す。
【0027】合成例1(色素1の合成)
【0028】
【化7】
【0029】カプラー25.4g、2,6-ジクロロアミノフェ
ノール18.7gをメタノール450cc.に溶かし、炭酸カリウ
ム40gを水200cc.に溶かした溶液を加えた。室温で撹拌
しながら、過硫酸アンモニウム30gを水100cc.に溶かし
た溶液を1時間かけて滴下した。2時間撹伴後、希塩酸
を酸性になるまで加え、酢酸エチル900cc.を加えて抽出
を行った。有機層を分取後、水100cc.で水洗し、溶媒を
減圧下で溜去した。茶色の固体19.88gを得た。
【0030】次に、この固体16gを酢酸エチル200cc.、
メタノール20cc.に溶かし、テトラメチルグアニジン6
g、テトラブチルアンモニウムブロマイド17gを加え
た。蒸留水200cc.で2回洗浄した後、溶媒を減圧下で溜
去した。更に、真空乾燥を行いマゼンタ色素12.8gを得
た。NMRにより得られたマゼンタ色素が目的物である
ことを確認した。
【0031】合成例2(色素11の合成)
【0032】
【化8】
【0033】カプラー19.6g、2,6-ジクロロアミノフェ
ノール15.7gをメタノール200cc.に溶かし、炭酸カリウ
ム33.2gを水150cc.に溶かした溶液を加えた。室温で撹
拌しながら、過硫酸アンモニウム27.4gを水50cc.に溶
かした溶液を1時間かけて滴下した。2時間撹伴後、希
塩酸を酸性になるまで加え、酢酸エチル700cc.を加えて
抽出を行った。有機層を分取後、水100cc.で水洗し、硫
酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下で溜去した。黄
色固体16.56gを得た。
【0034】次に、この固体10gを酢酸エチル200cc.、
メタノール50cc.に懸濁し、ジフェニルグアニジン5
g、テトラブチルアンモニウムブロマイド17gを加え
た。蒸留水200cc.で2回洗浄した後、溶媒を減圧下で溜
去した。更に、真空乾燥を行い黄色色素6.9gを得た。
NMRにより得られた黄色色素が目的物であることを確
認した。
【0035】合成例3(色素14の合成)
【0036】
【化9】
【0037】カプラー3.3g、2,6-ジクロロアミノフェ
ノール1.9gをメタノール45cc.に溶かし、炭酸カリウム
4gを水20cc.に溶かした溶液を加えた。室温で撹拌し
ながら、過硫酸アンモニウム3.0gを水10cc.に溶かした
溶液を1時間かけて滴下した。2時間撹伴後、希塩酸を
酸性になるまで加え、酢酸エチル700cc.を加えて抽出を
行った。有機層を分取後、水30cc.で水洗し、硫酸マグ
ネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下で溜去した。飴状物2.
1gを得た。
【0038】次に、この飴状物1.5gを酢酸エチル40c
c.、メタノール5cc.に溶解し、ジフェニルグアニジン
0.9g、トリブチルベンジルアンモニウムブロマイド2.2
gを加えた。蒸留水20cc.で2回洗浄した後、溶媒を減
圧下で溜去した。更に、真空乾燥を行いシアン色素1.2
gを得た。NMRにより得られた黄色色素が目的物であ
ることを確認した。
【0039】合成例4(色素24の合成)
【0040】
【化10】
【0041】2,6-ジクロロアミノフェノール17.8gを水
500cc.に溶かし、濃塩酸30cc.を加え冷却した。液温を
5℃に保ちながら、亜硫酸ナトリウム6.9gを加えジア
ゾ溶液を調製した。
【0042】次に、カプラー22gをメタノール1000cc.
に溶かしトリエチルアミン30cc.を加えた。このカプラ
ー溶液を15℃以下に保ちながら、先に調製したジアゾ溶
液を加えた。10分間撹拌した後、水5000cc.を加え1日
放置した。析出した固体を瀘取し、アセトニトリル200c
c.を加えて加熱すると黄色結晶が析出した。この結晶を
瀘取し、乾燥することにより黄色結晶10.8gを得た。
【0043】次に、この結晶10gを酢酸エチル150cc.に
溶かし、テトラメチルグアニジン3.7g、テトラブチル
アンモニウムブロマイド11gを加えた。蒸留水200cc.で
2回洗浄した後、溶媒を減圧下で溜去した。更に、真空
乾燥を行い黄色色素8.1gを得た。NMRにより得られ
た黄色色素が目的物であることを確認した。
【0044】本発明のフェノール系4級塩色素は、4級
塩色素を調製した後、適当な溶媒に溶解あるいは分散し
て使用してもよく、又、4級塩と色素を別々に調製し、
信号に応じて4級塩又は色素を移動させることにより4
級塩色素を形成した後、使用してもよい。
【0045】本発明のフェノール系4級塩色素は、フィ
ルター染料として写真用に用いたり、光記録などの記録
媒体用に用いたり、特開昭58-149048号、同58-18169
号、同58-205798号、同58-219086号等に示されたような
感熱転写プロセスやインクジェット方式、カラー電子写
真、印刷などにおける画像用染料として有用である。
【0046】本発明のフェノール系4級塩色素の光ある
いは熱に対する安定性を向上させるために公知の安定剤
を併用することができる。このような安定剤として、例
えば米国特許3,935,016号及び同3,982,944号に記載され
たハイドロキノン誘導体、米国特許4,254,216号及び特
開昭55-21004号に記載されたハイドロキノンジエーテル
誘導体、特開昭54-145530号に記載されたフェノール誘
導体、英国特許公開2,077,455号及び同2,062,888号に記
載されたスピロビインダン誘導体及びメチレンジオキシ
ベンゼン誘導体、米国特許3,764,337号、 同3,432,300
号、 同3,574,627号、 同3,573,050号、特開昭51-152225
号、 同53-20327号及び同53-17729号に記載されたクロマ
ン誘導体、スピロビクロマン誘導体及びクマラン誘導
体、特開昭55-6321号、 英国特許1,347,556号、 英国特許
公開2,066,975号及び特公昭54-12337号に記載されたハ
イドロキノンモノエーテル誘導体及びp-アミノフェノー
ル誘導体、特公昭48-31625号及び米国特許3,700,455号
に記載されたビスフェノール誘導体、又、米国特許4,24
5,018号に記載された金属錯体等が挙げられる。
【0047】本発明の色素を昇華型感熱転写記録材料用
の色素として用いるには、色素をバインダーと共に溶媒
中に溶解あるいは微粒子状に分散させて、本発明の色素
を含有するインクを調製し、該インクを支持体上に塗布
・乾燥してインク層を形成させればよい。本発明の色素
の使用量は、支持体1m2当たり0.1〜20gが好ましい。こ
のようにして得られた感熱転写記録材料(以下、単に
「記録材料」とも略す)は、通常の画像形成方法、例え
ば受像材料を用意し、記録材料の感熱層(インク層)と
受像材料の受像層とを合わせて記録材料支持体の裏面か
ら画像情報に応じて熱を与えると、熱画像に応じて色素
が受像層に拡散し、色素が定着され、色素画像が得られ
る。
【0048】前記バインダーとしては、セルロース系、
ポリアクリル酸系、ポリビニルアルコール系、ポリビニ
ルピロリドン系などの水溶性ポリマー、アクリル樹脂、
メタクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポ
リスルホン、ポリエーテルスルホン、エチルセルロース
などの有機溶媒可溶性ポリマーがある。有機溶媒に可溶
のポリマーを用いる場合には、溶媒に溶解して使用する
だけでなく、ラテックス分散の形で使用してもよい。バ
インダーの使用量としては、支持体1m2当たり0.1〜50g
が好ましい。
【0049】本発明の記録材料に用いられる支持体とし
ては、寸法安定性が良く、感熱ヘッドでの記録の際の熱
に耐え得るものならば何でもよいが、コンデンサー紙、
グラシン紙ような薄葉紙、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリアミド、ポリカーボネートのような耐熱性のプ
ラスチックフィルムを用いることができる。支持体の厚
さは2〜30μmが好ましい。
【0050】支持体には、バインダーとの接着性の改良
や色素の支持体側への転写、染着を防止する目的で下引
層を有してもよい。更に支持体の裏面(インク層と反対
側)には、感熱ヘッドが支持体に粘着するのを防止する
目的でスリッピング層を有してもよい。
【0051】記録材料の感熱層は、支持体上に塗布する
か、又はグラビア法などの印刷法により支持体上に印刷
される。感熱層の厚さは乾燥膜厚で0.1〜5μmが好まし
い。感熱層のインクを調製するための溶媒としては、
水、アルコール類(例えばエタノール、プロパノー
ル)、セロソルブ類(例えばメチルセロソルブ)、エス
テル類(例えば酢酸エチル)、芳香族類(例えばトルエ
ン、キシレン、クロルベンゼン)、ケトン類(例えばア
セトン、メチルエチルケトン)、エーテル類(例えばテ
トラヒドロフラン、ジオキサン)、塩素系溶剤(例えば
クロロホルム、トリクロロエチレン)などが挙げられ
る。
【0052】本発明の記録材料は、基本的には支持体上
に、本発明の色素及びバインダーからなる感熱層により
構成されているが、該感熱層上に特開昭59-106997号に
記載されるような熱溶融性化合物を含有する熱溶融性層
を有してもよい。
【0053】受像材料は、一般に支持体上にポリビニル
ブチラール等のポリマーを塗設した受像層を有するが、
この受像層に媒染剤を含有させてもよい。媒染剤として
は、3級アミノ基を有する化合物、含窒素複素環化合物
及び、これらの4級カチオン基を有する化合物が挙げら
れる。代表的化合物としてテトラブチルアンモニウム
塩、トリメチルベンジルアンモニウム塩などの低分子量
のアンモニウム塩あるいは特開平3-83687号に記載のポ
リマー媒染剤が挙げられる。
【0054】更に、本発明の感熱転写記録材料をフルカ
ラー画像記録に適用するには、図1に示すように、支持
体4上にマゼンタインク層(M)、シアンインク層
(C)及びイエローインク層(Y)の三つの層が順次繰
り返して塗設されていることが好ましい。又、必要に応
じてイエロー、マゼンタ、シアンの各層の他に黒色画像
形成物質を含むインク層を更に塗設し、合計四つの層が
面順次に繰り返し設けられてもよい。
【0055】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明の態様はこれらに限定されない。
【0056】実施例1 本発明の色素のアセトン溶液中での吸収特性を測定した
(日立製U-3210を使用)を示す。
【0057】 色 素 λmax(nm) 半値幅(nm) ε 色素 1 554 88 97000 色素 3 465 64 32600 色素 5 639 88 49300 色素 6 675 97 53200 色素 14 646 88 53300 色素 24 465 87 31000 本発明の色素は吸収がシャープでεの高いことがわか
る。なお、本発明の色素1の吸収特性を図3に示した。
【0058】次に本発明の色素のフィルター用染料とし
ての有用性を示すため、以下のフィルターを作成し、そ
の光堅牢性を測定した。
【0059】支持体として裏面に耐熱滑性処理が施され
たポリエチレンテレフタレートフィルム(6μm、帝人
製)を使用し、この表面に下記色素含有組成物をワイヤ
ーバーを用いて乾燥膜厚が1.5μmになるよう塗布し、フ
ィルターを作成した。
【0060】色素含有組成物 色素1 1g スチレン-アクリロニトリル樹脂 3g トルエン 50cc. メチルエチルケトン 50cc. ポリイソシアナート 0.lcc. 次に上記色素1を下記の色素に変えた以外は、上記と同
様にしてフィルターを作成した。このフィルターを6日
間キセノンランプで照射し、色素の耐光性を残存率で評
価した。結果を以下に示す。
【0061】 色 素 色素残存率(%) 備 考 色素1 80 本発明 色素3 93 本発明 色素5 97 本発明 色素6 95 本発明 色素11 89 本発明 色素l2 75 本発明 色素14 92 本発明 色素22 83 本発明 色素24 96 本発明 色素1+色素24 88 本発明(重量比1:1) 比較1 62 比較例 比較2 80 比較例 比較3 78 比較例 比較4 65 比較例 本発明の色素は全般的に耐光性に優れ、又、類似構造の
比較色素に比べても耐光性に勝ることがわかる。なお、
得られた本発明のフィルターは、いずれも濁りの少ない
彩度の高い色調であった。
【0062】
【化11】
【0063】次に色素1及び4を用いて作成したフィル
ターの濃度をX-rite 310TPを用いて測定した。
【0064】 色 素 濃 度 色素 1 2.2 色素 4 1.2 即ち、本発明の色素を用いた場合、単位重量当たりの濃
度の高いことがわかる。
【0065】実施例2 本発明の色素のインクジェット用染料としての有用性を
示すため、下記組成のインクを調製し、ノズル孔径50μ
mのへッドを設置した静電加速型インクジェット装置を
用いて、ドット本数8本/mmにてインクジェット記録を
行った。なお、記録用紙は上質紙を用いた。
【0066】インク組成 色素1 5g フタル酸ジエチル 30g アジピン酸ジイソプロピル 42g N,N-ジエチルドデカンアミド 20g このインクを用いて評価を行ったところ、吐出性は良好
であり、鮮明で濃度の高いマゼンタ画像が得られた。こ
の画像を室内光に2カ月曝して置いた後の、色素の残存
率は99%以上であった。
【0067】実施例3 本発明の色素の熱転写用染料としての有用性を示すた
め、以下の組成の塗工液及びインクを調製した。支持体
として裏面に耐熱滑性処理が施された(シリコン変性ウ
レタン樹脂を含むニトロセルロース層を塗設)ポリエチ
レンテレフタレートフィルム(6μm、帝人製)を使用
し、この表面に塗工液を乾燥膜厚0.3μmとなるよう塗布
乾燥した。次に、インクをこの上に乾燥膜厚が3μmと
なるようワイヤーバーを用いて塗布し、熱転写材料を作
成した。
【0068】塗工液組成 パラフィンワックス 2g エチレン-酢酸ビニル共重合体 18g メチルエチルケトン 80gインク組成 色素1 2g エチレン-酢酸ビニル共重合体 0.5g イソプロピルアルコール 79.5g この材料をサーマルプリンターを用いて図2に示す方式
で上質紙に転写記録を行ったところ、鮮明なマゼンタ画
像が得られた。又、この画像の耐光性も良好であった。
【0069】実施例4 本発明の色素の光学記録材料用染料としての有用性を示
すため、下記組成の塗工液を調製した。
【0070】塗工液組成 色素25 1g ジブロモエタン 50g 塗工液を0.22μmのフィルターを用いて瀘過し、紫外線
硬化樹脂で作成した深さ700Å、幅0.7μmの溝付きPM
MA樹脂基板(5インチ)を光ディスク用基板として用
い、この基板上にスピナー法により前記塗工液2ccを滴
下、120rpmの回転数で塗布した。塗布後、60℃で10分間
乾燥した。この膜厚は3700Åであり、塗布膜の最大吸収
波長は645nmであった。
【0071】このようにして得られた光ディスクに、光
源としてビーム径2.4μm、波長632.8nmのHe-Neレーザー
を用いて書込みを行った結果、均一かつ明瞭な形状のピ
ットが得られた。C/N比及び保存安定性も良好であっ
た。
【0072】実施例5 (インクの調製)下記組成の混合物をペイントコンディ
ショナーで処理して熱拡散性色素を含有する均一溶液の
インクを得た。
【0073】熱拡散性色素M−1 10g ポリビニルブチラール樹脂 15g メチルエチルケトン 150cc. トルエン 150cc. (記録材料の作製)厚さ15μmのポリイミドフィルム支
持体上に、上記インクを乾燥後の塗布量が1.0g/m2
なるよう塗布・乾燥して熱拡散性色素を含有するインク
層を形成し、感熱転写記録材料試料−1を作製した。
【0074】記録材料試料−1の熱拡散性色素M−1を
比較シアン色素並びに本発明の色素に代えた以外は全く
同様にして記録材料試料−2〜8を作製した。
【0075】(転写記録)上記のように得た各記録材料
試料と被記録体(受像材料)とを、記録材料のインク面
と被記録体が向き合うように重ね合わせ、感熱ヘッドを
用いて画像記録を行ったところ、階調性のあるマゼンタ
画像が得られた。これら画像の最大濃度を光学濃度計
(コニカ社製:PCA-65型)を用いて測定した。なお、被
記録体としては、キャストコート紙上にポリ塩化ビニル
を塗設(付量5g/m2)したものを用い、以下の記録条
件で行った。
【0076】記録条件 主走査、副走査の線密度:4ドット/mm 記録電力:
0.8W/ドット ヘッドの加熱時間:20msec〜2msecの間で段階的に加熱
時間を調整 更に、得られた各画像をキセノンフェードメーターで96
時間照射した後、堅牢性と吸収特性を次のように評価し
た。
【0077】<堅牢性> ◎画像のシャープさが変化せず、表面を白紙で擦っても
色移りしない ○シャープさが少し減少し、多少色移りする △シャープさが失われ、白紙が着色する <吸収特性> ◎試料−1より彩度が高い ○試料−1を基準とする △試料−1より彩度が低い 得られた結果をまとめて以下に示す。
【0078】 試 料 No. 色 素 最大濃度 堅牢性 吸収特性 1(比較例) M−1 1.80 ○ ○ 2(比較例) C−1 1.75 △ △ 3(本発明) 色素1 2.40 ◎ ◎ 4(本発明) 〃 6 2.21 ◎ ◎ 5(本発明) 〃 14 2.15 ◎ ◎ 6(本発明) 〃 26 2.30 ◎ ◎ 7(本発明) 〃 27 2.43 ◎ ◎ 8(本発明) 〃 28 2.27 ◎ ◎ 本発明の色素を用いた試料は、比較の試料に比べて、い
ずれも高濃度で吸収特性、画像保存性の良い画像が得ら
れた。
【0079】
【化12】
【0080】実施例6 実施例5で用いた支持体上に、図1に示すようにイエロ
ーインク層、マゼンタインク層及びシアンインク層を面
順次に塗設して感熱転写記録材料試料−9を作製した。
なお、マゼンタインク層及びシアンインク層は、実施例
5における試料−3及び4のインク層の構成と、それぞ
れ同じでありイエローインク層の構成は下記の通りであ
る。
【0081】イエローインク層 イエロー色素:Y−1 付量:0.6g/m バインダー:ポリビニルブチラール 付量:0.9g/
m2 試料−9を用いてビデオプリンター(日立社製:VY-10
0)により、実施例5と同じ受像材料上にフルカラー画
像を作成したところ、良好な色再現性を示すフルカラー
画像が得られた。又、画像の保存性(耐光性)にも優れ
ていた。
【0082】即ち、本発明の感熱転写記録材料を用いる
ことにより、階調性、色再現性が良く、画像安定性に優
れたフルカラー画像を得ることができる。
【0083】
【化13】
【0084】実施例7 実施例6の記録材料上に、中間層としてp-トルアミドの
ボールミル分散物5g、ポリビニルピロリドン7g及び
ゼラチン3g、下記硬膜剤0.3gを含む水溶液100cc.をp
-トルアミドの付量が0.5g/m2となるよう塗設した。
【0085】更に、中間層上に、熱溶融性層として下記
紫外線吸収剤(付量0.1g/m2)、下記酸化防止剤(付
量0.1g/m2)及びエチレン-酢酸ビニル共重合体(酢酸
ビニル含量20重量%、付量0.2g/m2)を含むカルナバ
蝋(付量0.2g/m2)をホットメルト塗布により塗設し
て記録材料試料−10を作製した。試料−10を用いて実施
例6と同様にビデオプリンターによるフルカラーの画像
記録を行った。なお、受像材料は白色の普通紙を用い
た。
【0086】得られた画像は色再現性、階調性共に良好
であった。即ち、本発明の色素を用いた。本発明の色素
を用いた本実施例の構成の感熱転写記録材料を用いれ
ば、普通紙に対しても優れたフルカラー画像記録ができ
る。
【0087】
【化14】
【0088】
【発明の効果】本発明のフェノール系4級塩色素は耐光
性に優れるので、フィルター、インクジェット染料、熱
転写材料用染料、光学記録材料用染料として好適であっ
た。特に良好なフルカラー画像を与える感熱転写記録材
料を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフルカラー画像記録に適した感熱
転写記録材料を示す模式図
【図2】(a)、(b)共に本発明の感熱転写記録材料
を用いた感熱転写記録方法を示す説明図
【図3】本発明のフェノール系4級塩色素と比較色素の
吸収特性を示す分光吸収曲線(溶媒アセトン)
【符号の説明】
1 受像材料支持体 2 受像層 3 受像材料 4 記録材料支持体 5 感熱転写層 6,10 感熱転写記録材料 7 サーマルヘッド 8 発熱抵抗体 9 熱溶融性層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 駒村 大和良 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)又は(II)で表される
    ことを特徴とするフェノール系4級塩色素。 【化1】 〔式中、Aは窒素原子と結合することにより可視領域に
    吸収を有するために必要な原子団を表す。Rはべンゼン
    環に置換する基を表し、nは0〜4の整数を表す。nが
    2以上の時、複数のRは同じでも異なっていてもよく、
    環を形成していてもよい。R1、R2、R3及びR4は各
    々、アルキル基又はアリール基を表し、ぞれぞれ同じで
    も異なっていてもよい。R5はアルキル基を表し、Zは
    窒素原子と共に5員又は6員の環を形成するのに必要な
    原子団を表す。〕
  2. 【請求項2】 支持体上に色素を含有する層を有する感
    熱転写記録材料において、該色素が請求項1記載の一般
    式(I)又は(II)で表される色素であることを特徴と
    する感熱転写記録材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6124078A (en) * 1998-03-17 2000-09-26 Konica Corporation Photo-decoloring dye, a binder resin composition containing the same and photo-recording material
DE10112437A1 (de) * 2001-03-15 2002-10-02 Goldwell Gmbh Haarfärbemittel
EP1398021A1 (en) * 2002-09-13 2004-03-17 Kao Corporation Hair dye composition

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