JPH0680845A - 水性樹脂組成物及びポリオレフィンの水性化方法 - Google Patents

水性樹脂組成物及びポリオレフィンの水性化方法

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JPH0680845A
JPH0680845A JP25893792A JP25893792A JPH0680845A JP H0680845 A JPH0680845 A JP H0680845A JP 25893792 A JP25893792 A JP 25893792A JP 25893792 A JP25893792 A JP 25893792A JP H0680845 A JPH0680845 A JP H0680845A
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宏彰 難波
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謙一 藤野
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリオレフィン及び塩素化ポリオレフィン、
不飽和カルボン酸及び/又は酸無水物で変性されたポリ
オレフィン等の変性ポリオレフィンに反応性界面活性
剤、必要により反応性モノマーをグラフト共重合させた
反応物に、必要によっては反応の前又は後のどちらか又
は両時点で、塩基性物質、非反応性界面活性剤を添加
し、更に上記反応物に水を添加してなる水性樹脂組成
物。 【効果】 本発明の水性樹脂組成物はポリオレフィンに
対する密着性に優れており貯蔵安定性も良好で塗膜の耐
屈曲性においても優れている。しかも従来の界面活性剤
を用いたポリオレフィン系水性樹脂組成物に比べ耐水性
のある塗膜を形成することができる。更に芳香族系有機
溶剤を全く使用せずに水性化できるので安全衛生や環境
汚染の面で優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水性樹脂組成物及びポリ
オレフィンの水性化方法に関するものであるが、本発明
の水性樹脂組成物は主に塗料、プライマー、インキ、接
着剤、シーリング剤用樹脂として用いることができる。
また水性のアクリル、ポリエステル等の水性樹脂と配合
して用いることも可能である。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリプロピレン、ポリエチレン、
及びプロピレン、エチレンと他のα−オレフィンの内の
2つ以上を組み合わせた共重合体等のポリオレフィンを
不飽和カルボン酸及び/又は酸無水物で変性した変性ポ
リオレフィン組成物や更にそれらを塩素化した酸変性塩
素化ポリオレフィンは塗装材料、プライマー、インキ等
に用いられている。しかし現状ではこれらの樹脂はトル
エンやキシレンなどの芳香族系有機溶剤にしか溶解しな
いので多量の芳香族系の溶剤を使用せざるを得ず、安全
衛生、環境汚染の面から問題があった。
【0003】そこで、塩素化ポリオレフィンの水性分散
液を製造する試みがなされてきており、例えば特開平1-
153778号公報、特開平1-256556号公報、特開平2-284973
号公報等に開示されているが、これらには製造時に芳香
族系有機溶剤が使用されておりこの芳香族系有機溶剤を
完全になくすことは困難であった。また、変性ポリオレ
フィンの水性分散液を製造する試みもなされており、例
えば、特開昭59-47244号公報、特開平2-286724号公報等
に開示されている。しかし、塗装、接着等において被塗
物、被接着物をポリオレフィン樹脂とした場合密着性や
耐水性が悪かったり塗装性が悪いなどの欠点があり、こ
のような水性の組成物はまだ実用化されるに至っていな
い。また、特開平3-182534号公報では変性塩素化ポリオ
レフィンを界面活性剤を用いて水性化し更に水性ポリウ
レタン樹脂を配合することによって塗膜性能の向上を図
っている。しかし、界面活性剤が反応性でないために水
によって塗膜から活性剤成分が溶出しそれによって生じ
ると思われる塗膜の欠陥により塗膜の耐水性が低下する
という現象を引き起こしている。また、反応性界面活性
剤はこれまで乳化重合の際に用いられてきており、乳化
重合においてモノマーを水中に懸濁させる為の界面活性
作用を持ちかつ他のモノマーと反応するため重合物の構
造に取り込まれ、結果として反応物の耐水性を改善する
効果をもたらすものであった。
【0004】一方ラジカル重合性のモノマーをポリオレ
フィンに重合させるということは既に行われており特開
昭62-256812 号公報及び特開平1-146917号公報に於ては
スチレン、ビニルモノマー、アクリルモノマー、メタク
リルモノマー等の不飽和モノマーをポリオレフィンにグ
ラフトする試みがなされている。しかしここで用いられ
ているモノマーに関しては基本的に不飽和モノマーであ
ればよく、グラフトするモノマーの持つべき官能基や界
面活性能についての記述はない。
【0005】また、変性ポリオレフィンは基材に対する
密着性が良いことやそれ自体が従来水に溶けにくく疎水
性を持ち安価なことからインキのバインダー、シーリン
グ材用樹脂、ロードマーキング用樹脂としても用いられ
てきた。これらの用途においても有機溶剤の使用は好ま
しくなく、環境中への溶剤の散逸が問題となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のように変性ポリ
オレフィンをベースとする界面活性剤を用いた水性樹脂
組成物には従来、それを含む被膜形成材料を用いて形成
された被膜の耐水性が低下するという問題点が付きまと
っていた。本発明は反応性を有する界面活性剤をグラフ
ト共重合するという新規な水性化方法によって単に有機
溶剤を用いることなくポリオレフィン系樹脂を水性化し
環境中に放出される有機溶媒を無くするだけでなく、こ
の水性化方法によって製造された貯蔵安定性のよい水性
樹脂組成物を含む被膜形成材料、接着剤等によって形成
された被膜及び接着層等の耐水性、耐屈曲性、密着性等
の性能を改善することのできる水性樹脂組成物を提供す
ることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明者らは毒性、公害面などの問題がなく、安全
性に優れかつ耐水性に優れる水性樹脂組成物を鋭意検討
した結果本発明に至った。
【0008】非変性及び変性ポリオレフィンの両方を包
含するポリオレフィン系樹脂の水性化においては単に不
飽和モノマーをグラフト重合を行った場合油溶性モノマ
ーを用いた場合など水性化すらできず、単に親水性の官
能基を持つというだけでは水性化はできてもその貯蔵安
定性に問題があることが多く、モノマーの持つ親水性と
親油性の官能基を適切に選択する必要があることが明か
となった。そこでカルボキシル基、水酸基、スルホン
基、ポリオキシエチレン基等のイオン性又はノニオン性
の親水性官能基と疎水性の官能基を持ち界面活性能を有
する反応性化合物である反応性界面活性剤をグラフト共
重合させる検討を行った結果本発明に至ったものであ
る。
【0009】すなわち、本発明はポリオレフィン及び塩
素化ポリオレフィン、更には不飽和カルボン酸及び/又
は酸無水物で変性されたポリオレフィン等の変性ポリオ
レフィンに反応性界面活性剤、必要により反応性モノマ
ーをグラフト共重合させた反応物に必要によっては反応
の前又は後のどちらか又は両時点で、塩基性物質、非反
応性界面活性剤を添加し、さらに上記反応物に水を添加
してなることを基本的な特徴とする水性樹脂組成物、ポ
リオレフィンの水性化方法及び当該水性樹脂組成物を含
有することにより耐水性、貯蔵安定性、被膜の耐屈曲性
の改善された塗装剤、プライマー、インキ等の被膜形成
物、シーリング剤、及び接着剤に関するものである。
【0010】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
用いるポリオレフィンとはエチレンもしくはプロピレン
の単独重合体又は、エチレンもしくはプロピレンとその
他のコモノマー例えばブテン−1、ペンテン−1、ヘキ
セン−1、ヘプテン−1、オクテン−1などの炭素数2
以上、好ましくは2〜6のα−オレフィンコモノマーと
のランダム共重合体又はブロック共重合体であり、ブロ
ック共重合体よりはランダム共重合体のほうが好まし
い。また、これらコモノマーを2種類以上共重合しても
よい。塩素化ポリオレフィンとは上記ポリオレフィンを
公知の方法で塩素化したものである。酸変性ポリオレフ
ィンとは上記ポリオレフィンをα,β−不飽和カルボン
酸又はその酸無水物でグラフト反応により変性を行った
ポリオレフィンである。
【0011】使用する水性化原料樹脂としてのポリオレ
フィン系樹脂はグラフト反応に用いる反応性界面活性
剤、反応性モノマー等の熱分解温度以下の温度で溶融す
るか溶剤に溶ければ基本的に本発明の水性化方法が適用
できる。
【0012】酸変性に用いられるポリオレフィンはエチ
レンもしくはプロピレンとその他のコモノマー例えばブ
テン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−
1、オクテン−1などの炭素数2以上、好ましくは2〜
6のα−オレフィンコモノマーとのランダム共重合体又
はブロック共重合体であり、プロック共重合体よりはラ
ンダム共重合体のほうが好ましい。また、これらコモノ
マーを2種類以上共重合してもよいが、これらの中でも
樹脂の物性の点でエチレン又は1−ブテンが好ましい。
また、ポリプロピレン基材に被膜を形成させる場合には
プロピレン成分の割合は55モル%以上が好ましく、55モ
ル%より少ないとポリプロピレンに対する密着性が劣り
好ましくない。
【0013】ポリオレフィンの変性に用いられるα,β
−不飽和カルボン酸又はその酸無水物としては、例えば
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ア
リルコハク酸、メサコン酸、アコニット酸、及びこれら
の酸無水物等が挙げられる。α,β−不飽和カルボン酸
又はその酸無水物をグラフト共重合する量は1ないし20
重量%が好ましく、1重量%以下では水に分散させたと
きの安定性が悪くなり、20重量%以上ではグラフト効率
が悪くなって不経済である。特に好ましくは2ないし15
重量%である。
【0014】また、α,β−不飽和カルボン酸又はその
酸無水物をグラフト共重合した樹脂の数平均分子量は30
00ないし 35000が好ましく、3000以下では凝集力が不足
してポリオレフィン樹脂に対する密着力が悪くなり、 3
5000以上では水に分散させるときの操作性が悪くなって
好ましくない。分子量をこの範囲にするためには、原料
の分子量やグラフト反応を行うときの条件を選択するこ
とで可能であり、また一旦原料の分子量を落とした後グ
ラフト反応を行うという方法でも可能である。なお、数
平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー)で測定することができる。
【0015】ポリオレフィンにα,β−不飽和カルボン
酸又はその酸無水物をグラフト共重合する方法は公知の
方法で行えばよいが、特にポリオレフィンを融点以上に
加熱溶融させてラジカル発生剤の存在下でグラフト共重
合させる方法によって行うのが好ましい。この方法の場
合には強力な攪拌機を備えた反応缶、バンバリーミキサ
ー、ニーダー、押出し機等を使用し、約 150℃以上約 3
00℃以下の温度でα,β−不飽和カルボン酸又はその酸
無水物とラジカル発生剤とを添加して反応させ、生成物
は公知の方法によってペレット化する。別の方法とし
て、ポリオレフィンをキシレン等の有機溶剤に加熱溶解
させラジカル発生剤の存在下に反応させるという方法で
行うこともできるが、有機溶剤を除去する手間がかかる
ことや有機溶剤が残留することがあるので好ましくな
い。
【0016】ポリオレフィンの酸変性反応に用いるラジ
カル発生剤は公知のものの中から適宜選択することがで
きるが、特に有機過酸化物が好ましい。有機過酸化物と
しては、例えばベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパ
ーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキシ
ン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルハ
イドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエ
ート、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられ、反
応温度によって選択して使用することができる。
【0017】本発明において塩基性物質を添加するの
は、カルボキシル基、スルホン基等の親水性基をイオン
化して水への分散を良好にするためであり、使用する反
応性界面活性剤、非反応性界面活性剤が既に塩基で中和
されている場合には添加しなくてよい場合がある。塩基
性物質としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ア
ンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミ
ン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、
エタノールアミン、プロパノールアミン、ジエタノール
アミン、N−メチルジエタノールアミン、ジメチルアミ
ン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメ
チルエタノールアミン、2−ジメチルアミノ−2−メチ
ル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−
プロパノール、モルホリン等を例示することができる。
【0018】使用する塩基の種類によって樹脂の親水性
度合も異なってくるので、条件によって適宜選択する必
要がある。使用する塩基性物質の量は酸変性ポリオレフ
ィンのカルボキシル基に対し当量の 0.3〜1.5 倍の範囲
が適当であり、好ましくは0.5 〜1.2 倍である。また、
これらの塩基性物質の添加において、必要に応じてラジ
カルグラフト反応の前に添加しておいてもよいし、グラ
フト反応後に添加してもよい。
【0019】本発明において用いられる反応性界面活性
剤としては一般的に反応性界面活性剤又は反応性乳化剤
として用いられるものでもよいが好ましくは特開平4-53
802号公報、特開平4-50204 号公報に示されるアルキル
プロペニルフェノールポリエチレンオキシド付加体、ア
ルキルジプロペニルフェノールポリエチレンオキシド付
加体及びそれらの硫酸エステルの塩、特開昭62-100502
号公報、特開昭62-221431号公報に示されるアリルアル
キルフェノールポリエチレンオキシド付加体、アリルジ
アルキルフェノールポリエチレンオキシド付加体及びそ
れらの硫酸エステルの塩が挙げられる。その中でもアル
キルプロペニルフェノールエチレンオキシド20モル付加
体、同30モル付加体、同50モル付加体(アクアロンRN
−20,RN−30,RN−50、第一工業製薬製)及
びアルキルプロペニルフェノールポリエチレンオキシド
10モル付加体の硫酸エステルアンモニウム塩、同20モル
付加体の硫酸エステルアンモニウム塩(アクアロンHS
−10,HS−20、第一工業製薬製)が好ましい。ま
た、複数の反応性界面活性剤を組み合わせて用いること
もできる。
【0020】必要によって使用することのできる非反応
性界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルエー
テル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテ
ル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレン多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レンプロピレンポリオール(プルロニック型)、アルキ
ロールアミド、ソルビタンアルキルエステル、ポリグリ
セリンエステルなどのノニオン型界面活性剤、アルキル
硫酸エステル塩、アルキルフェノールスルホン酸塩、ス
ルホコハク酸エステル塩などのほかカルボン酸塩、リン
酸エステル塩なども例示することのできるアニオン型界
面活性剤、アルキルベタイン、アルキルイミダゾリンな
どの両性界面活性剤など及びこれらを2種類以上の混合
したものを使用できる。しかし非反応性界面活性剤を多
量に添加すると耐水性が低下するため好ましくない。
【0021】本発明において用いることのできる反応性
モノマーとしてはアクリル酸、メタクリル酸、アクリル
酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘ
キシル、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、アク
リルアミド、アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、メ
タクリル酸ヒドロキシエチルエステル等のアクリル系モ
ノマー、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の共
役ジエン系モノマー、塩化ビニル、塩化ビニリデン等の
ハロゲン化オレフィン系モノマー、スチレン、ジビニル
ベンゼン等の芳香族系モノマー、酢酸ビニル等ビニルエ
ステル系モノマー、マレイン酸メチル、無水マレイン酸
などが挙げられる。反応性モノマーはそれ自体ラジカル
反応によって酸変性したポリオレフィンにグラフト共重
合することができるが、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、2−ヒドロキシメタアクリレート等のラジカル反
応性二重結合と水酸基を両方持つ反応性モノマーの場合
には水酸基を利用してラジカル反応の前に前もって酸変
性ポリオレフィン溶液に添加しエステル化反応によって
グラフト共重合させておくこともできる。この場合エス
テル化反応にあたらなかったラジカル反応性二重結合を
利用して反応性界面活性剤をグラフト共重合することが
できる。
【0022】またラジカル反応によるグラフト反応開始
剤としては公知のものでよく特に有機過酸化物が好まし
い。有機過酸化物としては、例えばベンゾイルパーオキ
サイド、ジクミルパーオキサイド、ラウロイルパーオキ
サイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパ
ーオキシ)−ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオキサ
イド,t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネー
ト、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパ
ーオキシベンゾエート、クメンハイドロパーオキサイド
等が挙げられ、反応温度によって選択して使用する。ア
ゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系、またレドックス
系の開始剤も使用できる。またそれらを組み合わせて使
用してもよい。
【0023】水性化反応方法 本発明に用いる水性化原料としてのポリオレフィン、塩
素化ポリオレフィン、変性ポリオレフィンは公知の方法
で製造されたもので良く、水性化原料としての樹脂の融
点又は溶剤への可溶性以外の要因においては原料の製造
方法、変性度合によって本発明の水性化方法はなんらの
制限も受けない。
【0024】本発明における反応界面活性剤のグラフト
方法としては、水性化原料樹脂(ポリオレフィン及び塩
素化ポリオレフィン、不飽和カルボン酸及び/又は酸無
水物で変性されたポリオレフィン等の変性ポリオレフィ
ン)を加熱溶融しそこへ反応開始剤(ラジカル発生剤)
と反応性界面活性剤を添加することによりグラフト共重
合を行ってもよい(溶融反応法)し、水性化原料樹脂を
トルエン、キシレン等の有機溶剤に溶解した後反応開始
剤と反応性界面活性剤を添加してもよい(溶液反応
法)。
【0025】溶融反応法 ポリオレフィンに反応性界面活性剤をグラフト共重合す
る方法は公知の方法で行えばよいが、ポリオレフィンを
融点以上に加熱溶融させてラジカル発生剤の存在下でグ
ラフト共重合させる方法によって行うこともできる。こ
の方法の場合には強力な攪拌機を備えた反応缶、バンバ
リーミキサー、ニーダー、押出し機等を使用し、水性化
樹脂原料の融点以上の温度約80℃以上約 300℃以下の温
度で水性化樹脂原料 100部に対し反応性界面活性剤5部
〜150 部とラジカル発生剤1部〜20部、必要に応じて反
応性モノマー5部〜100 部とを逐次添加して反応させ
る。反応温度は水性化原料樹脂の融点、反応開始剤(ラ
ジカル発生剤)分解速度、反応性界面活性剤の分解温
度、グラフト率等を考慮して決定することが望ましい。
反応時間はグラフト率、未反応モノマーの残存率から最
適値を決定するが30分から10時間が好ましい。反応物を
100℃まで冷却後攪拌しながら90℃の水を添加するか又
は攪拌している水中に反応物を投入して水性化樹脂を得
る。反応物に必要に応じて添加する塩基性物質、非反応
性界面活性剤はグラフト反応前の溶融樹脂に添加しても
よいし、グラフト反応後水を添加する前に加えてもよ
い。また、あらかじめ必要に応じて添加する塩基性物
質、非反応性界面活性剤を水に必要量添加しておいても
よい。
【0026】溶液反応法 別の方法として、ポリオレフィンをキシレン等の有機溶
剤に加熱溶解させラジカル発生剤の存在下に反応させる
という方法で行うこともできる。水性化原料樹脂をトル
エン、キシレン等の有機溶剤に溶解しラジカル発生剤を
添加し室温から160 ℃の温度で反応性界面活性剤、必要
に応じては反応性モノマーを徐々に添加する。反応時間
は1時間から18時間が適当であるがグラフト率、未反応
モノマーの残存率から最適値を決定する。反応終了後溶
剤を減圧除去した後反応物を攪拌中の水の中に添加する
か又は反応物に徐々に水を添加し転相法によって水性樹
脂組成物を得る。反応物に添加する塩基性物質、必要に
応じて添加する非反応性界面活性剤はグラフト反応前の
樹脂溶液に添加してもよいし、グラフト反応後水を添加
する前に加えてもよい。また、あらかじめ塩基性物質、
必要に応じて添加する非反応性界面活性剤を水に必要量
添加しておいてもよい。
【0027】溶融反応法、溶液反応法どちらの反応方法
においても反応物中に残る未反応の反応性界面活性剤は
限外濾過、UF膜処理によって取り除くことが可能であ
る。また、未反応の反応性モノマーは溶液反応法におい
ては溶媒を減圧溜去する際に取り除くことが可能である
し、溶融反応法においては反応終了後減圧溜去可能であ
る。更に一旦水性液としてからではフラッシュエバポレ
ーターを用いた減圧溜去、蒸気ストリッピングによって
も取り除くことができる。
【0028】水性変性ポリオレフィン樹脂組成物に水性
ポリウレタンを配合して用いることにより塗膜の耐水
性、密着性を改善することができる。この水性ポリウレ
タンとしては市販の水性ポリウレタン樹脂を用いること
ができるがその選定に当っては水性ウレタン樹脂のみに
よって被膜を形成させ、それを耐熱水性試験(処理条
件:80℃、2時間、酢酸によってpH 4.0に調製した水
に浸漬した後、 130℃1時間乾燥)、耐湿性試験(70
℃、95%RHの湿熱オーブン中に 200時間放置)した後
試験前と試験後の抗張力、伸度の変化が25%以下、目視
による塗膜の白化現象のないものを使用することが望ま
しい。
【0029】このようにして水に分散させた本発明の樹
脂組成物はポリオレフィンに対する密着性に優れてお
り、塗装や接着の際のプライマーとして優れているだけ
でなく水性塗料のビヒクル樹脂、水性接着剤、水性イン
キのバインダー樹脂、シーリング材用樹脂としても応用
することができる。更に本発明の水性樹脂組成物はその
ままでも顔料を混ぜてもよく、他の水性樹脂をブレンド
してもよい。
【0030】
【作用】本発明の水性樹脂組成物は不飽和カルボン酸及
び/又は酸無水物で変性されたポリオレフィンを成分の
一つとしている為、ポリオレフィンに対する密着性に優
れているだけでなく、更に水性化に用いた界面活性剤が
反応性を有するため反応により界面活性剤成分が形成さ
れる被膜に固定され被膜形成後の耐水性を著しく改善す
る効果を見い出している。
【0031】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0032】(試作例−1)攪拌器、冷却管、温度計及
び滴下ロートを取り付けた4つ口フラスコ中で、プロピ
レン−α−オレフィン共重合体(プロピレン成分75モル
%、エチレン成分20モル%、1−ブテン成分5モル%、
重量平均分子量25000) 300gをトルエン 700gに加熱溶
融させた後、系の温度を 115℃に保って攪拌しながら無
水マレイン酸13gとラジカル発生剤としてジ−t−ブチ
ルパーオキシド12gをそれぞれ2時間かけて滴下させ、
その後3時間熟成を行った。反応後室温まで冷却した後
反応物を20Lのアセトン中に投入して精製しグラフト量
2.1重量%の無水マレイン酸グラフト共重合体を得た。
【0033】(試作例−2)攪拌器、冷却管、温度計及
び滴下ロートを取り付けた4つ口フラスコ中で、プロピ
レン−ブテン−エチレン共重合体(プロピレン成分68モ
ル%、ブテン成分24モル%、エチレン成分8モル%、重
量平均分子量68000) 300gを加熱溶融させた後、系の温
度を 180℃に保って攪拌しながら無水マレイン酸40gと
ラジカル発生剤としてジクミルパーオキシド5gをそれ
ぞれ3時間かけて滴下させ、その後3時間反応を行っ
た。反応後室温まで冷却した後反応物を20Lのアセトン
中に投入して精製しグラフト量 9.2重量%の無水マレイ
ン酸グラフト共重合体を得た。GPCにより測定された
重量平均分子量は 26000であった。重量平均分子量の測
定においては東ソー製HPLC−8020にカラムTS
K−GELを付け、試料をTHF(テトラヒドロフラ
ン)に溶解し、40℃で測定し、ポリスチレン標準試料で
作成した検量線から分子量を求めた。
【0034】(実施例−1)試作例−1と同様な4つ口
フラスコ中で、試作例−1で得た無水マレイン酸グラフ
ト共重合体 100gをトルエン 200gに 110℃で加熱溶解
しt−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート10
g、モルホリン 4.6gを添加後、アルキルプロペニルフ
ェノールエチレンオキシド20モル付加体60gのトルエン
(120g)溶液を3時間かけて滴下した後、後反応を4時
間行うことによりグラフト共重合反応を行った。反応液
に含まれるトルエンを減圧溜去した後、トリエチルアミ
ン4gを加え、攪拌しながら水を添加して水性樹脂組成
物(固形分40%)を得た。
【0035】(実施例−2)試作例−1と同様な4つ口
フラスコ中で、試作例−2で得た無水マレイン酸グラフ
ト共重合体 100gをトルエン 200gに 110℃で加熱溶解
しt−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート10
g、モルホリン 9.6gを添加後、アルキルプロペニルフ
ェノールエチレンオキシド20モル付加体(第一工業製薬
製、アクアロンRN−20)60gのトルエン(120g)溶
液を3時間かけて滴下した後、後反応を4時間行うこと
によりグラフト共重合反応を行った。反応液の含まれる
トルエンを減圧溜去した後、トリエチルアミン4gを加
え、攪拌しながら水を添加して水性化反応液(固形分25
%)を得た。水性化反応液を分画分子量5000の限外濾過
膜で48時間処理した後再濃縮し固形分40%の水性酸変性
ポリオレフィン樹脂を得た。グラフト量は対原料樹脂45
重量%であった。
【0036】(実施例−3)実施例−2と同様な操作で
アルキルプロペニルフェノールエチレンオキシド20モル
付加体の代りにアルキルプロペニルフェノールエチレン
オキシド30モル付加体(第一工業製薬製、アクアロンR
N−30)を60g添加して反応させ水性酸変性ポリオレ
フィン樹脂(固形分40%、グラフト量43重量%)を得
た。
【0037】(実施例−4)試作例−1と同様な4つ口
フラスコ中で、試作例−2で得た無水マレイン酸グラフ
ト共重合体 100gをトルエン 200gに 110℃で加熱溶解
しt−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート10
g、アルキルプロペニルフェノールエチレンオキシド20
モル付加体のスルホン酸アンモニウム塩65gのトルエン
(130g)溶液を3時間かけて滴下した後、後反応を4時
間行うことによりグラフト共重合反応を行った。反応液
に含まれるトルエンを減圧溜去した後、モルホリン 9.6
gを添加し、攪拌しながら水を添加して水性樹脂組成物
(固形分40%)を得た。
【0038】(実施例−5)試作例−1と同様な4つ口
フラスコ中で、試作例−2で得た無水マレイン酸グラフ
ト共重合体 100gを 110℃で加熱溶融しt−ブチルパー
オキシイソプロピルカーボネート10g、アルキルプロペ
ニルフェノールエチレンオキシド20モル付加体のスルホ
ン酸アンモニウム塩(第一工業製薬製、アクアロンHS
−20)65gを3時間かけて添加した後、後反応を4時
間行うことによりグラフト共重合反応を行った。反応後
モルホリン 9.6gを添加し、攪拌しながら水を添加して
水性化反応液(固形分20%)を得た。これを実施例1と
同様な操作で精製した後濃縮して固形分40%、グラフト
量50重量%の水性酸変性ポリオレフィン樹脂を得た。
【0039】(実施例−6)試作例−1と同様な4つ口
フラスコ中で、試作例−2で得た無水マレイン酸グラフ
ト共重合体 100gをトルエン 200gに 110℃で加熱溶解
し2−ヒドロキシエチルアクリレート20gを添加し1時
間攪拌した。そこへt−ブチルパーオキシイソプロピル
カーボネート10gを添加した後、アルキルプロペニルフ
ェノールエチレンオキシド30モル付加体60gを用いて以
下実施例−2と同様の操作でグラフト反応、トルエン溜
去を行った後モルホリン 9.6gを添加した。以下実施例
−2と同様な操作を行って精製し水性酸変性ポリオレフ
ィン樹脂(固形分40%、グラフト量56wt%)を得た。
【0040】(実施例−7)試作例−1と同様な4つ口
フラスコ中で、試作例−2で得た無水マレイン酸グラフ
ト共重合体 100gをトルエン 200gに 110℃で加熱溶解
し、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート10
gを添加後、アルキルプロペニルフェノールエチレンオ
キシド30モル付加体の硫酸エステルのアンモニウム塩60
gを用いて以下実施例−1と同様の操作を行い固形分40
%の水性樹脂組成物を得た。
【0041】(実施例−8)実施例−4で得られた樹脂
固形分 100gに対しノニオン性エステル系水性ウレタン
樹脂スーパーフレックスE2000(第一工業製薬製)
を50g添加し、攪拌しながら水を添加して固形分40%の
水性樹脂組成物を得た。
【0042】(実施例−9)実施例−6と同様な操作で
2−ヒドロキシエチルアクリレートの代りに2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート20gを用いて水性樹脂組成物
(固形分45%、グラフト量55wt%)を得た。得られた樹
脂固形分 100gに対しノニオン性エステル系水性ウレタ
ン樹脂スーパーフレックスE2000(第一工業製薬
製)を50g添加し、攪拌しながら水を添加して固形分40
%の水性樹脂組成物を得た。
【0043】(実施例−10)実施例−6と同様な操作
でアルキルプロペニルフェノールエチレンオキシド30モ
ル付加体60gの代りに反応性界面活性剤ラムテールS−
180A(花王製)20gを用いてグラフト反応を行いト
ルエン溜去、モルホリン添加を行った後90℃の温水を添
加して水性樹脂組成物(固形分40%)を得た。
【0044】(実施例−11)試作例−1と同様な4つ
口フラスコ中で、塩素化ポリプロピレン樹脂 スーパー
クロン803MW(山陽国策パルプ株式会社製、塩素含
有率29.5%、固形分wt%20%トルエン溶液) 500gを 1
00℃で加熱しt−ブチルパーオキシイソプロピルカーボ
ネート10gを添加後、アルキルプロペニルフェノールエ
チレンオキシド30モル付加体のスルホン酸アンモニウム
塩35gのトルエン(200g)溶液を3時間かけて添加し
た。その後反応を4時間行った後トルエンを減圧溜去し
た。 100℃で攪拌しながらトリエタノールアミン4gを
加え水を徐々に添加して水性反応液を得た。以下実施例
−3と同様の操作を行い水性塩素化ポリオレフィン樹脂
組成物(固形分45%、グラフト量30wt%)を得た。
【0045】(実施例−12)試作例−1と同様な4つ
口フラスコ中で、プロピレン−ブテン−エチレン共重合
体(プロピレン成分68モル%、ブテン成分24モル%、エ
チレン成分8モル%、重量平均分子量26000) 100gをト
ルエン 400gに 100℃で加熱溶解しt−ブチルパーオキ
シイソプロピルカーボネート10gを添加後、アルキルプ
ロペニルフェノールエチレンオキシド30モル付加体のス
ルホン酸アンモニウム塩35gのトルエン(200g)溶液を
3時間かけて添加した。その後反応を4時間行った後ト
ルエンを減圧溜去した。 100℃で攪拌しながらトリエタ
ノールアミン4gを加え水を徐々に添加して水性反応液
を得た。以下実施例−3と同様の操作を行い水性ポリオ
レフィン樹脂(固形分45%、グラフト重量27wt%)を得
た。
【0046】(比較例−1)試作例−1と同様な4つ口
フラスコ中で、試作例−1で得た無水マレイン酸グラフ
ト共重合体 100gを 110℃で加熱溶解しモルホリン 4.6
gを添加後、ポリエチレンオキサイドノニルフェニルエ
ーテル(日本油脂製、NS−208.5)10gを添加し
た。攪拌しながら水を添加して水性樹脂組成物(固形分
40%)を得た。
【0047】(比較例−2)試作例−1と同様な4つ口
フラスコ中で、試作例−2で得た無水マレイン酸グラフ
ト共重合体 100gを 110℃で加熱溶解しモルホリン 9.6
gを添加後、ポリエチレンオキサイドノニルフェニルエ
ーテル(日本油脂製、NS−212)15gを添加した。
攪拌しながら水を添加して水性樹脂組成物(固形分40
%)を得た。
【0048】(比較例−3)塩素化ポリプロピレン樹脂
スーパークロン803MW(山陽国策パルプ株式会社
製、塩素含有率29.5%、固形分wt%20%トルエン溶液)
500gを 110℃に加熱しモルホリン 9.6gを添加後、ポ
リエチレンオキサイドノニルフェニルエーテル(日本油
脂製、NS−212)15gを添加した。トルエンを減圧
溜去した後、100℃で攪拌しながら水を添加して水性樹
脂組成物(固形分40%)を得た。
【0049】実施例−1〜−12、比較例−1〜−3の水
性分散体の貯蔵安定性試験結果、密着性試験結果、及び
耐ガソリン性試験結果を表1に示した。なお試験方法は
次の通りである。
【0050】実施例−1〜−12、比較例−1〜−3で調
製した水性樹脂組成物を固形分10%に希釈してポリプロ
ピレン板にスプレー塗布し、80℃で30分から2時間強制
乾燥した。膜厚は10〜15μmに調製した。次に、2液型
ウレタン系上塗り塗料を塗装し、10分間室温に放置した
後、熱風乾燥器を用いて80℃で40分強制乾燥した。得ら
れた塗装板を室温で1日放置した後、以下の塗膜の試験
を行った。
【0051】密着性試験 塗膜表面にカッターで素地に達する切れ目を入れて1ミ
リ間隔で 100個のゴバン目を作り、その上にセロファン
粘着テープを密着させて 180°方向に5回引き剥し、残
存するゴバン目の数を数えた。
【0052】耐ガソリン性試験 塗膜表面にカッターで素地に達する切れ目を入れ、ガソ
リン(日石、ハイオクタンガソリン)に4時間浸漬後塗
膜の状態を目視にて観察した。
【0053】耐水性試験 40℃の温水に塗装板を48時間浸漬し塗膜の状態を調べ
た。
【0054】耐屈曲性試験 塗装板を1φインチマンドレルで 180度折り曲げ、塗膜
の状態を調べた。試験は室温と−20℃で行った。
【0055】貯蔵安定性試験 容量 250mlのガラス容器に調製した水性樹脂組成物試料
(固形分25%)を入れ、室温にてエマルジョン相からの
上部への水相の分離度合、樹脂凝集物の生成度の経時変
化を比較した。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】本発明のポリオレフィンの水性化方法は
ポリオレフィン系樹脂(ポリオレフィン及び塩素化ポリ
オレフィン、不飽和カルボン酸及び/又は酸無水物で変
性されたポリオレフィン等の変性ポリオレフィン)に有
効に応用でき、更に本発明の方法により調製されたポリ
オレフィン系樹脂の水性液は貯蔵安定性も良い。本発明
の方法に塩素化ポリオレフィン、酸変性ポリオレフィン
を水性化原料とする水性樹脂組成物はポリオレフィンに
対する密着性に優れており貯蔵安定性も良好で塗膜の耐
屈曲性においても優れている。しかも従来の界面活性剤
を用いたポリオレフィン系水性樹脂組成物に比べ耐水性
のある塗膜を形成することができる。更に芳香族系有機
溶剤を全く使用せずに水性化できるので安全衛生、環境
汚染の面で優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 51/06 LLD 7142−4J

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン及び塩素化ポリオレフィ
    ン、不飽和カルボン酸及び/又は酸無水物で変性された
    ポリオレフィン等の変性ポリオレフィンに反応性界面活
    性剤、必要により反応性モノマーをグラフト共重合させ
    た反応物に、必要によっては反応の前又は後のどちらか
    又は両時点で、塩基性物質、非反応性界面活性剤を添加
    し、更に上記反応物に水を添加してなる水性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィン及び塩素化ポリオレフィ
    ン、不飽和カルボン酸及び/又は酸無水物で変性された
    ポリオレフィン等の変性ポリオレフィンに反応性界面活
    性剤、必要により反応性モノマーをグラフト共重合させ
    た反応物に、必要によっては反応の前又は後のどちらか
    又は両時点で、塩基性物質、非反応性界面活性剤を添加
    し、更に上記反応物に水を添加することを特徴とする水
    性化方法。
  3. 【請求項3】 反応性界面活性剤がラジカル重合性の反
    応性界面活性剤であるところの請求項1記載の水性樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】 反応性界面活性剤がラジカル重合性の反
    応性界面活性剤であるところの請求項2記載の水性化方
    法。
  5. 【請求項5】 反応性モノマーがラジカル反応性の二重
    結合と水酸基を持つ反応性モノマーであるところの請求
    項1又は3記載の水性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 反応性モノマーがラジカル反応性の二重
    結合と水酸基を持つ反応性モノマーであるところの請求
    項2又は4記載の水性化方法。
  7. 【請求項7】 反応性モノマーがラジカル反応性の二重
    結合とカルボキシル基を持つ反応性モノマーであるとこ
    ろの請求項1又は3記載の水性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 反応性モノマーがラジカル反応性の二重
    結合とカルボキシル基を持つ反応性モノマーであるとこ
    ろの請求項2又は4記載の水性化方法。
  9. 【請求項9】 反応性界面活性剤がラジカル反応性の二
    重結合とノニオン性の親水性基であるポリオキシエチレ
    ン鎖を持つ反応性界面活性剤であるところの請求項1、
    3、5又は7記載の水性樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 反応性界面活性剤がラジカル反応性の
    二重結合とノニオン性の親水性基であるポリオキシエチ
    レン鎖を持つ反応性界面活性剤であるところの請求項
    2、4、6又は8記載の水性化方法。
  11. 【請求項11】 反応性界面活性剤がアルキルプロペニ
    ルフェノールポリエチレンオキシド付加体及び/又はア
    ルキルジプロペニルフェノールポリエチレンオキシド付
    加体及びそれらの硫酸エステルの塩であるところの請求
    項1、3、5、7又は9記載の水性化ポリオレフィン樹
    脂組成物。
  12. 【請求項12】 反応性界面活性剤がアルキルプロペニ
    ルフェノールポリエチレンオキシド付加体及び/又はア
    ルキルジプロペニルフェノールポリエチレンオキシド付
    加体及びそれらの硫酸エステルの塩であるところの請求
    項2、4、6、8又は10記載のポリオレフィンの水性
    化方法。
  13. 【請求項13】 水性ポリウレタン樹脂と請求項1、
    3、5、7、9又は11記載の水性樹脂組成物の内の1種
    又はそれ以上を配合することによって得られる水性樹脂
    組成物。
  14. 【請求項14】 請求項1、3、5、7、9、11又は13
    記載の樹脂組成物を含有してなる塗装剤、プライマー、
    インキ等の被膜形成物、シーリング剤、及び接着剤。
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