JPH068078B2 - バインダー綴具 - Google Patents

バインダー綴具

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JPH068078B2
JPH068078B2 JP31965091A JP31965091A JPH068078B2 JP H068078 B2 JPH068078 B2 JP H068078B2 JP 31965091 A JP31965091 A JP 31965091A JP 31965091 A JP31965091 A JP 31965091A JP H068078 B2 JPH068078 B2 JP H068078B2
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克己 金田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はルーズリーフバインダー
綴具に関し、特に固定基板とその上端部を中心として扇
形に開閉する型のバインダー綴具に関する。
【0002】
【従来の技術】扇形に開閉する型のバインダー綴具は一
般に第2、3及び第4図に示したように、バインダーの
表紙に固定される固定基板1、その上端に形成された軸
部7を中心に回動する可動基板2より成るもので、それ
らにそれぞれ一体成形された多数の綴環5、6によって
ルーズリーフを綴じ込む。なお4はロック部材でAの方
向にロックを外すことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この型の綴具では、最
上端部に位置した綴環の開きが小さく、余り小さい開き
角度ではルーズリーフの挿脱が困難である。より具体的
に述べると、第4図に示すように、可動綴具2を閉鎖位
置から角度αだけ開放したとき、最上端部の綴環5、6
の開きdは非常に小さい。これは軸部7から綴環5、6
までの距離Rが小さすぎるからである。最上端の綴環は
できるだけ基板1、2の上端に近い方がルーズリーフの
綴じ込み姿が優れているから、開きdを大きくすること
と相容れない。
【0004】そこで、従来の試みは可動基板の回動軸7
を固定基板に対して可動とし、閉鎖時には左に、開放時
には右へ移動させる試みがなされている。第5図に示す
綴具はその1例で、固定基板1の上端部に斜めのカム溝
8を形成し、それに嵌合摺動するピン9を可動基板2に
設けたものである(実開昭52−91215号)。しか
し、この型の綴具では開放状態から閉鎖する際にピン9
を自然に移動させる力が働かず円滑な操作ができない。
もう1つの欠点は閉鎖の綴具上端に加わる力がピン9と
溝8の右側壁によってのみ支えられることである。一般
に閉鎖時の力(下側のロックをすることにより生じる)
は、ルーズリーフの脱落を防止するように非常に大き
く、且つピンも溝もプラスチック材であるから繰返し開
閉すると摩耗により閉鎖力が緩み、リーフが綴環の間に
挟まって来る問題が生じる。
【0005】
【発明の目的】本発明は、小さい開き角度で大きい綴環
開放距離を有するバインダー綴具を提供することを目的
とする。本発明の他の目的は無理な応力のかからないこ
の型のバインダー綴具を提供することにある。
【0006】
【発明の構成・作用効果の概要】上記目的は、本発明の
バインダー綴具によって達成される。本発明の綴具は、
支承表面を有する固定基板と、前記支承表面により摺動
案内される底面を有する可動基板とを含み、前記可動基
板を固定基板の上端部の周りに扇形に開閉させるように
したバインダー綴具において、前記固定基板の上端部の
前記支承表面左側に設けた隆起部に中央から左上へと切
り込んだ第1カム溝を形成し、前記支承表面右側には前
記第1カム溝の開放端近くから右上に延びた第2ガイド
溝を形成し、前記可動基板の上端部底面には前記第1カ
ム溝にガイドされる突起と前記第2カム溝に嵌合するピ
ンとを、これらが可動基板の開閉時に前記両カム溝に円
滑に案内される位置に設けたことを特徴とする。
【0007】好ましくは第1カム溝は左上から始まる傾
斜の小さい第1部分と、ピンが第2カム溝上端に位置し
たときに該ピンを中心とする突起の回動を案内する弧状
面とより成る。
【0008】上記のように構成された綴具は可動基板の
比較的小さい開き角度において十分に大きい綴環開放距
離を与える。しかもこのような操作は第1及び第2カム
溝にそれぞれ嵌合する突起及びピンに力が分散された状
態で行われ、特に綴環の完全閉鎖時にカム溝壁に加わる
力を緩和してピンを保護し、閉鎖力の低下によるルーズ
リーフの外れを防止することができる。
【0009】
【発明の実施例の説明】第1図、第10図及び第13図
を参照するに、本発明のバインダー綴具は固定基板1及
び可動基板2をその上端部を中心に扇形に組合せたもの
から成る。他の構成は第2〜3図に示した従来例と同様
であり、可動基板2の回動で綴環5、6が開閉する。本
発明はこの綴具の上端部の構造を特徴とする。
【0010】固定基板1の上端部の構造は第6図、第7
図、及び第8図に良く示されている。固定基板は底板1
4、可動基板2を弾性的に抑えるために上端部に形成さ
れた上板15及びこれらを結合する側部16を有する。
底板14の傾斜表面17は可動基板2の傾斜底面に対す
る摺動案内面となると共に支承面ともなる。固定基板の
上端部において水平な支承表面24には隆起部18が形
成され、そこに支承表面24の中央部から切込む形に左
上に向けて第1カム溝19の第1部分20が形成されて
いる。第1カム溝19は延長した弧状の第2部分21を
有する。第2部分21は第2カム溝20の右上端の枢軸
点Pを中心とする弧r1 に沿っている。この第1カム溝
は可動基板2の突起30を案内するためのもので、その
作用は後で詳しく述べる。第2カム溝22は支承表面2
3の中に形成されるもので、第1カム溝の下方部分から
右上へ同一幅で延びている。第2カム溝22は可動基板
2の底面の突起31が嵌合して案内される。第1、第2
カム溝は正面から見てほぼV字形をなすことが所定の綴
環開き作用と完全閉鎖時の閉鎖力及びその力の分散の面
から重要である。この点も後で詳しく触れる。なお第2
カム溝22の下端23は少しだけ下方にずれていても良
く、且つこの方が好ましい。これは第1カム溝20の上
端の枢軸点P2 を中心とした弧の上に中心を有する半径
の弧として規定できる。この作用は良好な閉鎖力と関連
するが、これも後で述べる。
【0011】次に、可動基板2の上端部の構造を示す第
9図、第10図、及び第11図を参照する。可動基板2
の傾斜底面32は固定基板1の支承面17に接して摺動
案内されるようになっている。固定基板1の隆起部18
に対応して底面32には逃げ部33が形成されており、
開閉が阻害されないようになっている。可動基板の上端
部底面29は水平な面で、固定基板1の面24と接す
る。またその左上端には固定基板1の第1カム溝19の
第1部分20に嵌合摺動する突起30が形成されてい
る。突起の上端には切欠き34が形成されて隆起部18
の上端壁への逃げとなっている。さらに底面32には固
定基板の第2カム溝にぴったりと嵌合するピン31が突
設されており、好ましくは先端をテーパさせることによ
り可動基板の組込時に上端部が固定基板の上板と底板と
の間に入り易くする。突起30の周面は円弧をなしてお
り、その曲率中心とピン31の中心との距離は上述した
2 (第6図)に等しい。一方、ピン31の中心から突
起30の先端までの距離は上述したr1 (第6図)に等
しく且つ点P1にピンがあるときの突起先端の軌跡が第
2カム溝22からはみ出すようになっている。これは突
起30と第2カム溝22とが干渉しないようにし、大き
い開放角を得るためである。
【0012】なお綴具下端には例えば第14〜15図の
ようなロック機構を設ける。固定基板側には直線部45
のある孔を設け、これに可動ロック4の板ばね44のあ
る軸40を嵌合させて常時第14図方向への偏位力を与
えておき、固定ロック3に可動ロックを引掛けるように
する。
【0013】
【作用効果】以上の構成において、可動基板2の上端部
を固定基板1の上板15及び底板14の間へ右方から押
し入れる。上板は弾性的に押上げられて押入を可能に
し、ピン31のテーパはこれを助ける。ピン31が第2
カム溝22に嵌まれば組立ては終了する。このように本
発明の綴具の組立ては簡単である。
【0014】綴具の完全閉鎖状態は第12図に示され
る。突起30は第1カム溝の第1部分20のほとんど左
端にあり、ピン31は第2カム溝22の左端にある。こ
の状態で突起30は第1部分20の上壁に係合し、一方
ピン31は第2カム溝22の右壁に係合している。この
ため、閉鎖力(ロック機構によって生じる)に対する反
作用(綴環同士の係合によって生じる)は2個所で支持
されるため、突起、ピン、第1、第2カム溝には無理が
かからず、長期に所定の閉鎖力を保持しうる。また、よ
り好ましくは第2カム溝22に下方に延びた部分23を
有するならば第2カム溝の壁は垂直により近い傾斜とな
るためより保持作用が向上する。
【0015】次に開閉作用は第12図、第1図、及び第
13図に良く示されている。ロック機構を外して可動基
板2を右に開く。先ず突起30を中心にしてピン31が
半径r1 の軌跡を画く(第13図P1'' →P1')。さら
に可動基板を開くとピン31は第2カム溝22により引
かれ、突起30は第1カム溝19の第1部分20を移動
する(第1図)。ピン31が右方に移動しているため第
4図に示した従来例と同じ開き角度αにおいて、最上部
の綴環の開放距離d’は従来のdよりはるかに大きくな
る。このためルーズリーフの綴込み・取外しは従来より
も小さい開き角度で可能になる。さらに可動基板を右に
枢動させると、ピン31は第2カム溝の上端に来る(第
13図、P1'→P1 、P2 →P2'' )。さらに枢動を続
けると突起30は第1カム溝の延長部分21に沿って円
弧を画く(第13図、P2'→P2 '')。この際に突起3
0は第2カム溝22には何ら干渉しないから可動板に開
き角度は自由に設定できる。可動基板の上端面が固定基
板隆起部のストッパ面に係合すると開放が終る(第13
図)。
【0016】まとめると、ピン31の中心は始めにP
1'' (又はP1')からP1 へ移動するから、初期のうち
に綴環は横方向へ移動して大きく開く利点が得られる。
さらに大きく開きたいときは突起30が溝22を越えて
円滑に移動する。完全閉鎖時には2点で力を支えるため
閉鎖力を大きくしても良く、或いは機械的無理が生じな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバインダー綴具の角度αだけ開いた上
端部を示す正面図。
【図2】従来のバインダー綴具の正面図。
【図3】開放状態の同様な正面図。
【図4】同綴具の上端部を示す拡大断面図。
【図5】従来例の上端部を示す正面図。
【図6】本発明のバインダー綴具の固定基板の上端部正
面図。
【図7】第6図のA−A断面図。
【図8】同斜視図。
【図9】本発明のバインダー綴具の可動基板の上端部正
面図。
【図10】第9図のB−B断面図。
【図11】同底面図斜視図。
【図12】本発明のバインダー綴具の閉鎖状態(ロック
状態)の正面図。
【図13】完全開放状態の同正面図。
【図14】ロック機構を示す正面図。
【図15】ロック機構の操作を示す背面図。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支承表面を有する固定基板と、前記支承
    表面により摺動案内される底面を有する可動基板とを含
    み、前記可動基板を固定基板の上端部の周りに扇形に開
    閉させるようにしたバインダー綴具において、前記固定
    基板の上端部の前記支承表面左側に設けた隆起部に中央
    から左上へと切込んだ第1カム溝を形成し、前記支承表
    面右側には前記第1カム溝の開放端近くから右上に延び
    た第2ガイド溝を形成し、前記可動基板の上端部底面に
    は前記第1カム溝にガイドされる突起と前記第2カム溝
    に嵌合するピンとを、これらが可動基板の開閉時に前記
    両カム溝に円滑に案内される位置に設けたことを特徴と
    するバインダー綴具。
  2. 【請求項2】 第1カム溝は左上から始まる傾斜の小さ
    い第1部分と、ピンが第2カム溝上端に位置したときに
    該ピンを中心とする突起の回動を案内する弧状面とより
    成る前記第1項記載のバインダー綴具。
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