JP3227873B2 - カセットテープレコーダーのカセット蓋構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はカセットテープレコーダ
ーにおいてカセット装着部を開閉するカセット蓋の構造
に関する。

【０００２】

【従来の技術】通常カセットテープレコーダーにおいて
は、カセットテープレコーダー本体に対しカセット蓋が
回動可能に取付けられ、このカセット蓋によってカセッ
トテープレコーダー本体のカセット装着部（テープ駆動
機構部）が開閉される如くなされている。尚、このカセ
ット蓋はテープカセットを保持するカセットホルダーを
兼用した構成が一般的であり、即ちカセット蓋が開いた
状態でこのカセット蓋のホルダー部にテープカセットを
挿入し、この状態でカセット蓋を閉じることによってテ
ープカセットがカセットテープレコーダー本体のカセッ
ト装着部に装着されるようになっている。

【０００３】このようなカセット蓋を有するカセットテ
ープレコーダーにおいては、カセット蓋が所定の角度ま
で開いた状態でそれ以上開かないようにする（カセット
蓋の開き角度を規制する）ためのストッパー機構が備え
られている。

【０００４】従来この種のカセット蓋のストッパー機構
としては、カセット蓋の側部に第１の係合部を設けると
共に、カセットテープレコーダー本体側にこの第１の係
合部が相対係合する第２の係合部を設け、カセット蓋が
所定の角度まで開いた状態ではこの第１の係合部と第２
の係合部の相対係合によってカセット蓋の開き方向の回
動が阻止されるようにした構造が知られている（実公平
４−２４４０号）。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の構成では、カセット蓋をカセットテープレコーダー
本体に取付けるときには、カセットテープレコーダー本
体側の第２の係合部をカセット蓋側の第１の係合部から
逃がすように撓ませながらカセット蓋を第１の係合部と
第２の係合部とが相対係合可能な状態に組込むことにな
るので、組込作業が煩しく、カセットテープレコーダー
の組立製造時における作業効率の面で問題があった。本
発明はこのような問題点を解消することを目的としてな
されたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、カセットテープレコーダー本体に、カセ
ット装着部を開閉するカセット蓋が回動可能に取付けら
れてなるカセットテープレコーダーにおいて、例えばカ
セットテープレコーダー本体側に、カセット蓋の回動方
向に対し傾斜する傾斜面を有する係合爪片を突設すると
共に、カセット蓋のカセットテープレコーダーに対する
取付部を構成するアーム側に、カセット蓋が所定の角度
まで開いたときに上記係合爪片の先端部と相対係合しカ
セット蓋のそれ以上の開きを規制する係合部を設けてな
るものである。

【０００７】

【作用】上記の如く構成される本発明構造においては、
カセット蓋をカセットテープレコーダー本体に組込むと
きには係合凸部が係合爪片の傾斜面に接しこれを押圧す
ることによってこの係合爪片が撓み、このため係合凸部
は容易に係合爪片を乗り越え、係合爪片の先端部と相対
係合可能な状態となり、これによって簡単にカセット蓋
を組込むことができる。

【０００８】

【実施例】以下、図１〜図６を参照しながら本発明の実
施例について詳細に説明する。図において１はカセット
蓋で、このカセット蓋１はカセットテープレコーダー本
体２に上下方向に回動可能に取付けられ、このカセット
蓋１によってカセットテープレコーダー本体２のカセッ
ト装着部３が開閉される。

【０００９】このカセット蓋１の裏面側には、テープカ
セットを保持するカセットホルダー部が設けられてお
り、即ちこのカセットホルダー部は、カセット蓋１の裏
面側に立設された左右の側壁部４の縁部に夫々内側に向
ってカセット支持片５を突出形成してなり、カセット蓋
１が開いた状態でこのカセットホルダー部にテープカセ
ットＣを挿入し、この状態でカセット蓋１を閉じること
によってテープカセットＣはカセットテープレコーダー
本体２のカセット装着部３に装着される構成となってい
る。

【００１０】このカセット蓋１のカセットテープレコー
ダー本体２に対する取付部の構造を詳細に説明すると、
先ずカセットテープレコーダー本体２側には、カセット
蓋１の取付基台部としての支持部６が左右両側に設けら
れ、この支持部６の上面側には受け凹部７が形成されて
いると共に下面側には上記受け凹部７を中心とした円弧
状のガイド面を有するガイド溝部８が形成されている。

【００１１】一方カセット蓋１には左右両側の側壁部４
に連続して軸支点部９及びアーム１０が突設されてお
り、このアーム１０の先端には上記ガイド溝部８によっ
てガイドされる被ガイド部１１が形成されている。

【００１２】そしてこのカセット蓋１をカセットテープ
レコーダー本体２に取付けるときには、先ずカセット蓋
１を立てた状態からその軸支点部９をカセットテープレ
コーダー本体２の受け凹部７に引掛けるように嵌合さ
せ、この状態で軸支点部９を支点としてカセット蓋１を
閉じ方向に回動させてそのアーム１０の被ガイド部１１
をガイド溝部８に沿わせることにより、カセット蓋１は
カセットテープレコーダー本体２の支持部６に対し殆ど
ガタ付くことなくスムーズに回動可能に取付けられる。

【００１３】そしてこのカセット蓋１とカセットテープ
レコーダー本体２の間には、カセット蓋１の開き角度を
規制するためのストッパー機構が設けられている。即ち
このストッパー機構は、カセット蓋１の側面に対向して
カセットテープレコーダー本体２側に設けられる係合爪
片１２と、これに対応してカセット蓋１のアーム１０の
外側面に設けられる係合凸部１３とによりなり、カセッ
ト蓋１が所定の角度まで開いたときにはこの係合凸部１
３の直角立上り面１３ａが係合爪片１２の先端部と相対
係合されることによってカセット蓋１のそれ以上の開き
方向の回動が阻止されるようになっている。尚、この係
合爪片１２及び係合凸部１３は左右両側に対称的に設け
られるものである。

【００１４】係合爪片１２は、カセット蓋１の閉じ方向
（下方向）に向って突設されており、この係合爪片１２
のカセット蓋１との対向面はカセット蓋１の開閉回動方
向に対し傾斜する傾斜面１２ａとなされている。即ち本
例における係合爪片１２はカセット蓋１に近接する方向
に傾斜させて突設してあり、これによってカセット蓋１
との対向面が傾斜面１２ａとなるようにしてある。

【００１５】上記の如く構成されるカセット蓋のストッ
パー機構を有するカセットテープレコーダーにおいてカ
セット蓋１をカセットテープレコーダー本体２に取付け
るときには、従来のような煩雑な作業を要することなく
簡単に組込むことができる。

【００１６】即ち、カセット蓋１をカセットテープレコ
ーダー本体２に取付けるときには、前述した如く先ずカ
セット蓋１の軸支点部９をカセットテープレコーダー本
体２の受け凹部７に引掛け、この状態でカセット蓋１を
軸支点部９を支点として閉じ方向に回動させて組込むよ
うにするが、このときカセット蓋１側の係合凸部１３が
カセットテープレコーダー本体２側の係合爪片１２を乗
り越える際には、図５に示す如く係合凸部１３が係合爪
片１２の傾斜面１２ａに接しこれを押圧することによっ
てこの係合爪片１２が撓み、このため係合凸部１３は容
易に係合爪片１２を乗り越え、その直角立上り部１３ａ
が係合爪片１２の先端部と相対係合可能な状態となる。
特にこの機構では、係合爪片１２と係合凸部１３がカセ
ットテープレコーダー本体２とカセット蓋１のカセット
テープレコーダー本体２に対する取付部を構成するアー
ム１０との間に設けられた構成であるため、カセット蓋
１をカセットテープレコーダー本体２に取付けるとほぼ
同時に係合爪片１２と係合凸部１３が係合する状態とな
るので、カセット蓋１の組込みがより簡単に行なわれる
ものである。

【００１７】尚、上記係合凸部１３は、係合爪片１２を
乗り越える際にその傾斜面１２ａと接する面が傾斜面１
３ｂとなされており、このため係合凸部１３はより軽い
力でスムーズに係合爪片１２を乗り越えることができ
る。

【００１８】そして以上の如くしてカセットテープレコ
ーダー本体２に取付けられたカセット蓋１は、所定の角
度まで開かれると図６に示す如く係合凸部１３の直角立
上り面１３ａと係合爪片１２の先端部とが相対係合され
ることによってそれ以上の開き方向の回動を規制され、
このためカセット蓋１はカセットテープレコーダー本体
２から外れてしまうことがない。

【００１９】また修理（サービス）等でカセット蓋１を
カセットテープレコーダー本体２から外すときには、カ
セットテープレコーダー本体２とカセット蓋１の側面と
の間に棒状の操作具を差込んで係合爪片１２を係合凸部
１３から逃がすように撓ませることにより簡単に取外す
ことができる。

【００２０】尚、本例では図示を省略してあるが、カセ
ット蓋１はその取付部近傍に配設されるばね部材によっ
て常時開き方向に回動付勢されており、またカセット蓋
１を閉じたときにはカセットテープレコーダー本体２内
に構成されるロック機構によってカセット蓋１はその閉
じ状態でロックされ、カセットテープレコーダー本体の
上面に表出されるロック解除ボタンを押圧操作すること
によりこのロック機構によるカセット蓋１のロックが解
除されてカセット蓋１が上記ばね部材の力によって開か
れる如くなされているものである。

【００２１】以上の実施例においては、カセットテープ
レコーダー本体２側に係合爪片１２を設け、カセット蓋
１側に係合凸部１３を設けた構成を示したが、これを逆
の関係、即ち図７に示すようにカセット蓋１側に係合爪
片１２を設け、カセットテープレコーダー本体２側に係
合凸部１３を設けて構成してもよい。また、係合爪片１
２と相対係合する係合部としては、上記実施例に示した
ような係合凸部１３に限ることなく、図８に示すように
係合凹部１４としてもよい。

【００２２】

【発明の効果】以上に説明した如く本発明によれば、従
来のように煩雑な作業を要することなく簡単にカセット
蓋を組込むことができ、カセットテープレコーダーの組
立製造時における作業効率の面で大きな効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】カセットテープレコーダーのカセット蓋部分の
斜視図である。

【図２】実施例を示す縦断側面図で、Ａはカセット蓋が
閉じた状態、Ｂはカセット蓋が開いた状態である。

【図３】カセット蓋とカセットテープレコーダー本体の
分解状態の斜視図である。

【図４】同、縦断側面図である。

【図５】係合凸部が係合爪片を乗り越えるときの状態の
説明図である。

【図６】係合凸部と係合爪片との係合状態の説明図であ
る。

【図７】他の実施例の説明図である。

【図８】他の実施例の説明図である。

【符号の説明】

１ カセット蓋 ２ カセットテープレコーダー本体 ３ カセット装着部 ６ 支持部 ７ 受け凹部 ８ ガイド溝部 ９ 軸支点部 １０ アーム １１ 被ガイド部 １２ 係合爪片 １２ａ 傾斜面 １３ 係合凸部（係合部） １３ｂ 傾斜面

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カセットテープレコーダー本体に、カセ
   ット装着部を開閉するカセット蓋が回動可能に取付けら
   れてなるカセットテープレコーダーにおいて、上記カセ
   ットテープレコーダー本体と上記カセット蓋の上記カセ
   ットテープレコーダー本体に対する取付部を構成するア
   ームの何れか一方側に、上記カセット蓋の回動方向に対
   し傾斜する傾斜面を有する係合爪片を突設すると共に、
   他方側に、上記カセット蓋が所定の角度まで開いたとき
   に上記係合爪片の先端部と相対係合し上記カセット蓋の
   それ以上の開きを規制する係合部を設けてなるカセット
   テープレコーダーのカセット蓋構造。
2. 【請求項２】 上記カセット蓋の上記カセットテープレ
   コーダー本体に対する取付部は、上記カセットテープレ
   コーダー本体に設けられた受け凹部に引掛けられる軸支
   点部と、この軸支点部と対向して上記アームに設けら
   れ、上記カセットテープレコーダー本体に形成されたガ
   イド部によって上記軸支点部を中心とする円弧状にガイ
   ドされる被ガイド部とを有して構成されてなる請求項１
   に記載のカセットテープレコーダーのカセット蓋構造。