JP2581481Y2 - プッシュラッチ装置 - Google Patents

プッシュラッチ装置

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JP2581481Y2
JP2581481Y2 JP3545993U JP3545993U JP2581481Y2 JP 2581481 Y2 JP2581481 Y2 JP 2581481Y2 JP 3545993 U JP3545993 U JP 3545993U JP 3545993 U JP3545993 U JP 3545993U JP 2581481 Y2 JP2581481 Y2 JP 2581481Y2
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隆之 浦野
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、スライド部材を1回押
し操作すると押した位置にロックされ、再度押し操作す
ると元の位置に復帰するプッシュラッチ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】扉のロック装置やプッシュスイッチなど
に使用されるプッシュラッチ装置として、前端が開放さ
れたケーシングと、ケーシング内に前後方向に移動自在
に装着され上端面にハート形の外縁に沿った形状のガイ
ド溝が形成されたスライド部材と、スライド部材を前方
へ付勢する圧縮バネと、一端部がケーシングに回動自在
に連結され他端部にガイド溝に沿って移動可能な係合部
を有するレバー部材とを備え、スライド部材を1回押し
操作すると、係合部がガイド溝に沿って移動してガイド
溝の略V状の係止部に係合し、押し操作した後退位置に
スライド部材が保持され、もう1回押し操作すると、係
合部が係止部から離脱してガイド溝に沿って移動し、ケ
ーシングから突出した前進位置にスライド部材が保持さ
れるように構成したものが広く実用化されている。
【0003】前記プッシュラッチ装置として、例えば実
公平3−12136号公報には、レバー部材を、ケーシ
ングの上壁部とスライド部材間を通って前後方向に延設
され後端部がケーシング外へ突出するレバー部と、レバ
ー部の前端部からガイド溝内へ延びてガイド溝に沿って
相対移動可能な係合部と、レバー部の後端部から下方へ
延びてケーシングの後端部に突出状に形成された支持部
の凹部に回動自在に係合する取付部とから一体的に構成
し、固定部の下端部を凹部に係合させた状態で、レバー
部材の後端近傍部と支持部とに亙ってリング部材を装着
し、レバー部材を支持部に対して回動自在に取付けるよ
うに構成したものが記載されている。
【0004】前記リング部材は、レバー部材の脱落を防
止する機能と、レバー部材の係合部の下端をガイド溝の
奥端面に圧接させる機能と、レバー部材の係合部をガイ
ド溝の基準位置側へ付勢する機能とを有しており、この
リング部材によりプッシュラッチ装置の作動が確実にな
されるように構成されている。また、前記ガイド溝の奥
端面に複数の段部を形成し、係合部がガイド溝の正方向
にのみ周回し得るように構成したものもある。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】前記公報に記載のプッ
シュラッチ装置では、リング部材が必須の部材でありそ
れを省略することが不可能なので、その分部品点数が多
くなるとともに、レバー部材の係合部を支持部の凹部に
係合させつつリング部材を装着する関係上、リング部材
の組付作業が大変煩雑になり、プッシュラッチ装置の生
産性が大幅に低下するという問題がある。また、ガイド
溝の奥端面に複数の段部を形成した場合でも、リング部
材は必須の部材であり、前記と同様の問題を内包する。
本考案の目的は、部品点数が少なくしかも容易に組立可
能なプッシュラッチ装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係るプッシュ
ラッチ装置は、前端が開放されたケーシングと、前記ケ
ーシング内に前後方向に移動自在に装着され上端面にハ
ート形の外縁に沿った形状で且つ奥端面に正方向周回に
対しては全て段落ち状となる複数の段部を有するガイド
溝が形成されたスライド部材と、前記スライド部材を前
方へ付勢する弾性部材と、前記ケーシングの上壁部とス
ライド部材間を通って前後方向に延設されたレバー部
と、レバー部の一端部からガイド溝内へ延びてガイド溝
に沿って相対移動可能で且つ先端がガイド溝の奥端面に
圧接される係合部と、レバー部の他端部から上下方向向
きに延びてケーシングに対して回動自在で且つ前後方向
に移動不能に取付けられたトーション部と、トーション
部の他端部からレバー部と同じ側へ前後方向向きに延び
てトーション部の他端部をケーシングに対して回動不能
に固定する固定部とを有する弾力性を有するレバー部材
と、を備えたものである。
【0007】請求項2に係るプッシュラッチ装置は、前
端が開放され上壁部の内面にハート形の外縁に沿った形
状で且つ奥端面に正方向周回に対しては全て段落ち状と
なる複数の段部を有するのガイド溝が形成されたケーシ
ングと、前記ケーシング内に前後方向に移動自在に装着
されたスライド部材と、前記スライド部材を前方へ付勢
する弾性部材と、前記ケーシングの上壁部とスライド部
材間を通って前後方向に延設されたレバー部と、レバー
部の一端部からガイド溝内へ延びガイド溝に沿って相対
移動可能で且つ先端がガイド溝の奥端面に圧接される
合部と、レバー部の他端部から上下方向向きに延びてス
ライド部材に対して回動自在で且つ前後方向に移動不能
に取付けられたトーション部と、トーション部の端部か
らレバー部と同じ側へ前後方向に延びてトーション部の
他端部をスライド部材に対して回動不能に固定する固定
部とを有するレバー部材とを備えたものである。ここ
で、請求項3記載のように、前記レバー部がガイド溝側
へ向けて緩傾斜状に設けられ、係合部の先端がガイド溝
の奥端面に圧接させてもよい。
【0008】
【作用】請求項1に係るプッシュラッチ装置において
は、スライド部材を押し操作すると、レバー部が曲げ変
形するとともにトーション部が捩じり変形しながら、係
合部がガイド溝に沿って移動して係合部がガイド溝の所
定位置に係合し、押し操作した位置にスライド部材が保
持される。そして、スライド部材を再度押し操作する
と、レバー部とトーション部の復帰力で係合部がガイド
溝に沿って移動して前記所定位置から離脱し、更に弾性
部材の付勢力によりスライド部材が元の位置に復帰す
る。レバー部材は、固定部においてケーシングに固定さ
れてその脱落が防止されるとともに、トーション部とレ
バー部材との成す角度の設定如何により、係合部をガイ
ド溝の一側側へ付勢させたり、係合部の端部をガイド溝
の奥端面に圧接させたりすることが可能となり、レバー
部材をケーシングに取付けるためのリング部材を省略す
ることが可能となる。しかも、レバー部と固定部とが同
じ側へ向けて設けられているので、レバー部材をケーシ
ングの前方又は後方より組付けることが可能となる。ま
た、スライド部材の押し操作により、係合部はガイド溝
に沿って周回することになるが、ガイド溝の奥端面に複
数の段部が形成され、この奥端面に係合部の先端が圧接
されて、正方向にのみ係合部案内されるので、プッシ
ュラッチ装置の作動がより一層確実なものになる。
【0009】請求項2に係るプッシュラッチ装置におい
ては、基本的には請求項1と同様にスライド部材を押し
操作すると、係合部がガイド溝に沿って移動して押し操
作された位置にスライド部材が保持され、再度押し操作
すると、弾性部材の付勢力によりスライド部材が元の位
置に復帰する。レバー部材は、固定部においてスライド
部材に固定されてその脱落が防止されるとともに、トー
ション部とレバー部材との成す角度の設定如何により、
係合部をガイド溝の一側側へ付勢させたり、係合部の端
部をガイド溝の奥端面に圧接させたりすることが可能と
なり、レバー部材をスライド部材に取付けるためのリン
グ部材を省略することが可能となる。しかも、レバー部
と固定部とが同じ側へ向けて設けられているので、レバ
ー部材をスライド部材の前方又は後方より組付けること
が可能となる。また、スライド部材の押し操作により、
係合部はガイド溝に沿って周回することになるが、ガイ
ド溝の奥端面に複数の段部が形成され、この奥端面に係
合部の先端が圧接されて、正方向にのみ係合部案内
れるので、プッシュラッチ装置の作動がより一層確実な
ものになる。ここで、請求項3においては、レバー部が
ガイド溝側へ向けて緩傾斜状に設けられ、係合部の先端
がガイド溝の奥端面に圧接される。
【0010】
【実施例】以下、本考案の実施例について図面を参照し
ながら説明する。本実施例は、オーディオラックなどの
箱体の扉を閉鎖状態と手で保持して開放可能な微小開放
状態とに切換え可能なロック装置に本考案を適用した場
合のものである。但し、スライド部材の移動方向を前後
方向と定義して説明する。図1・図2・図8・図9に示
すように、ロック装置1は、オーディオラックなどの箱
体2に固定されたロック装置本体3と、箱体2の扉4に
固定されたフック部材5とを備え、扉4を閉鎖位置へ押
し操作すると、図1に示すように、ロック装置本体3の
スライド部材6に一体的に形成された1対の保持アーム
7の保持部7aにフック部材5のフック部5aが保持さ
れて扉4が閉鎖位置に保持され、この状態から扉4を再
度押し操作すると、図8に示すように、保持アーム7が
ケーシング8から突出してフック部5aが保持アーム7
から離脱し、扉4が微小開放される。尚、前記ロック装
置本体3の保持アーム7を除く部分がプッシュラッチ装
置に相当する。
【0011】前記ロック装置本体3について説明する
と、図1〜図9に示すように、箱体2の壁部には装着孔
2aが形成され、装着孔2aには前端開放の略直方体箱
状のケーシング8が装着され、ケーシング8の側壁部の
途中部には前端部が外方向へ突出する係止部9が側壁部
を切り起こして形成され、ケーシング8の前端部には側
壁部よりも多少外側に配置されたガイド兼係止壁部10
が形成され、ケーシング8は係止部9とガイド兼係止壁
部10間に箱体2の壁部を挟んだ状態で箱体2に固定保
持されている。
【0012】前記ケーシング8内にはスライド部材6が
図1・図2に図示の後退位置と図8・図9に図示の前進
位置とに亙って前後方向に移動自在に装着され、スライ
ド部材6は圧縮コイルバネからなる弾性部材12を介し
て常時前方へ付勢され、スライド部材6の下端面には下
方へ突出した規制部13が形成され、ケーシング8の下
壁部には規制部13を移動可能に案内する前後方向に細
長いスリット14が形成され、規制部13がスリット1
4の前端部に当接することでスライド部材6の前進位置
が規制されている。前記規制部13の下端面の後半部に
は後方上がりに傾斜したテーパ面13aが形成され、ス
ライド部材6をケーシング8に対して前方より容易に組
付けれるように構成されている。前記スライド部材6の
後退位置を規制するため、スライド部材6の上端面には
後方へ向けて縮小する略ハート状の外縁に沿った形状の
ガイド溝15が形成され、ケーシング8にはガイド溝1
5に沿って相対移動可能な係合部16bを有するレバー
部材16が設けられている。
【0013】前記レバー部材16は弾力性を有する線材
を屈曲形成したもので、図1〜図5に示すように、ケー
シング8の上壁部とスライド部材6間を通って前後方向
に延設され後端部がケーシング8の後壁部に形成された
開口部17を通って後方へ延びるレバー部16aと、レ
バー部16aの前端部からガイド溝15内へ延びてガイ
ド溝15に沿って相対移動可能な係合部16bと、レバ
ー部16aの後端部から下方へ延びてケーシング8の後
壁部に突出状に形成された左右1対の保持爪18間に回
動自在で且つ前後方向に移動不能に保持されたトーショ
ン部16cと、トーション部16cの下端部からケーシ
ング8の後壁部の装着孔19を介してケーシング8内に
延びてスライド部材6の下端面に形成された前後方向に
細長い固定溝20に挿入されてトーション部16cの下
端部をケーシング8に対して回動不能に固定する固定部
16dとから構成され、固定部16dを前後方向向きに
水平に配置した状態でレバー部16aは、係合部16b
の下端部がガイド溝15の奥端面に圧接されるように、
前方下がりの緩傾斜状に屈曲されている。
【0014】前記ガイド溝15は、図1・図6・図7に
示すうよに、後端部に形成された後方へ向けて開口する
導入溝15aと、導入溝15aの前端の後退開始位置B
Sからガイド溝15の前端部の左側の後退終了位置BE
までの後退用溝15bと、後退終了位置BEからガイド
溝15の前端近傍部の略中央部の前進規制位置RPまで
の導入側案内溝15cと、前進規制位置RPからガイド
溝15の前端部の右側の前進開始位置FSまでの送り側
案内溝15dと、前進開始位置FSから後退開始位置B
Sまでの前進用溝15eとから略ハート状の外縁に沿っ
た形状に形成され、後退用溝15b及び前進用溝15e
の奥端面は夫々前方上がりの傾斜状に形成され、導入溝
15aと導入側案内溝15cと送り側案内溝15dの奥
端面は夫々平坦に形成され、後退用溝15bと導入側案
内溝15cとの境界部分には第1段部21aが形成さ
れ、導入側案内溝15cと送り側案内溝15dとの境界
部分には第2段部21bが形成され、送り側案内溝15
dと前進用溝15eとの境界部分には第3段部21cが
形成され、前進用溝15eと導入溝15aとの境界部分
には第4段部21dが形成され、段部21a〜21dは
係合部16bの正方向周回(図6・図7に矢印で図示の
方向回りの周回)に対して夫々段落ち状に形成され、係
合部16bがガイド溝15に対して逆方向に周回しない
ように構成されている。
【0015】前記スライド部材6の前端部には回動可能
な左右1対の保持アーム7が一体的に形成され、保持ア
ーム7の前端部にはフック部5aに係合可能な保持部7
aが形成され、保持アーム7間においてスライド部材6
には前方へ突出した押圧部22が形成され、スライド部
材6はフック部材5の後端部で押圧部22が押圧される
ことで前進位置又は後端位置に移動され、スライド部材
6が後退位置に保持されると、両保持アーム7はガイド
兼係止壁部10により内側へ回動されて保持部7a間に
フック部5aを保持可能なロック状態となり、スライド
部材6が前進位置に保持されると、両保持アーム7はケ
ーシング8外へ突出して素材の弾力性で前端が開放した
アンロック状態になる。但し、前記保持アーム7をスラ
イド部材6とは別部材で構成し、スライド部材6に対し
て回動自在に取付けてもよい。
【0016】次に、前記ロック装置1の作用について説
明する。扉4を開放した状態では、図8・図9に示すよ
うに、弾性部材12の付勢力によりスライド部材6が前
方へ付勢され、規制部13がスリット14の前端部に係
合してスライド部材6が前進位置に保持され、レバー部
材16の係合部16bは後退開始位置BSに保持され
る。扉4を閉鎖位置に回動させてフック部材5の後端面
で押圧部22を押圧し、スライド部材6を後方へ移動さ
せると、レバー部16aが緩やかな湾曲状に変形すると
ともトーション部16cが捩じり変形しながら、図8に
矢印で示すように、係合部16bが後退用溝15bを通
って前方へ相対移動し、係合部16bが後退終了位置B
Eまで移動して後退終了位置BEの前端面で受け止めら
れ、スライド部材6の後方への移動が規制される。この
とき、保持アーム7がガイド兼係止壁部10で内側へ回
動してフック部材5の保持部7aが保持アーム7の保持
部7aで保持される。
【0017】この状態で、扉4から手を話すと、図1に
示すように、レバー部16a及びトーション部16cの
復帰力で係合部16bが導入側案内溝15cに沿って移
動して前進規制位置RPに移動し、弾性部材12の付勢
力で前進規制位置RPの後端面に係合して保持され、両
保持アーム7間にフック部材5を保持した状態で、スラ
イド部材6が後退位置に保持されて扉4が閉鎖状態に保
持される。
【0018】次に、扉4を開くため、再度扉4を後方へ
押すと、レバー部16a及びトーション部16cの復帰
力で係合部16bが前進規制位置RPから送り側案内溝
15dを通って前進開始位置FSに移動し、この状態で
扉4から手を放すと、弾性部材12の付勢力でスライド
部材6が前方へ移動し、係合部16bが前進用溝15e
に沿って後方へ相対移動して後退開始位置BSに移動
し、保持アーム7がケーシング8外へ突出して両保持ア
ーム7が開放状態となり、保持部7aとフック部5aと
の係合が解除されて扉4が微小開放状態となる。そし
て、扉4の端部を手で保持して扉4を開くことになる。
【0019】前記レバー部16aは前方下がりの緩傾斜
状に配置されているので、係合部16bの下端部はガイ
ド溝15の奥端面に常時圧接した状態になり、しかも係
合部16bは、第1段部21aを介して導入側案内溝1
5cから後退用溝15bへの逆行が防止され、第1段部
21bにより送り側案内溝15dから導入側案内溝15
cへの逆行が防止され、第3段部21cにより前進用溝
15eから送り側案内溝15dへの逆行が防止され、第
4段部21dにより後端用溝15bから前進用溝15e
への逆行が防止されるので、ガイド溝15に対して逆方
向に周回することが確実に防止される。
【0020】前記レバー部材16はケーシング8に一体
的に形成された1対の保持爪18を介して回動自在に且
つ前後方向に移動不能に保持してあるので、レバー部材
16を保持するための部材を別途設ける必要がない。ま
た、前記ロック装置本体3を組み立てるときには、スラ
イド部材6に弾性部材12を装着した状態で、両者をケ
ーシング8の前方より組付け、スライド部材6を前進位
置に保持させた状態で、ケーシング8の後方よりレバー
部材16の係合部16b及び固定部16dを開口部17
及び装着孔19から挿入し、更にトーション部16cを
保持爪18間に押し込んで組付けることになり、スライ
ド部材6と弾性部材12とレバー部材16とをケーシン
グ8に対して容易に組付けることが出来る。
【0021】次に、前記ロック装置1の構成を部分的に
変更した変形例について、図10・図11を参照しなが
ら説明する。このロック装置1Aは、前記フック部材5
に変えて扉4には磁気吸着材料製の板部材30が固着さ
れ、前記保持アーム7に変えてロック装置本体3Aのス
ライド部材6Aの前部には略長方形枠状の枠体31が一
体的に形成され、枠体31内には磁石32が装着され、
枠体31には磁石32の上下両端面を覆う磁気吸着材料
製の吸着板33が固定され、スライド部材6Aが後退位
置に保持された状態で、吸着板33に板部材30を吸着
させると扉4は閉鎖状態に保持され、この状態で扉4を
押すとスライド部材6が前進位置に突出して扉4が微小
開放状態となり、この状態で扉4の端部を手で保持して
扉4を開放することになる。
【0022】次に、前記ロック装置本体3の別実施例に
ついて説明する。尚、このロック装置本体3Bは、基本
的には、前記実施例のガイド溝15をケーシング8の上
壁部の下端面に形成し、スライド部材6にレバー部材1
6を設けたものであり、前記実施例と同一部材には同一
符号を付してその詳細な説明を省略する。図12〜図1
5に示すように、ケーシング8の上壁部の後半部は厚肉
部40が形成され、厚肉部40の下端部には前方へ向け
て縮小する略ハート状の外縁に沿った形状のガイド溝1
5Bが前記実施例とは上下反対向きに形成されている。
ケーシング8内にはスライド部材6Bが前後方向に移動
自在に装着され、スライド部材6Bの後半上部は後退位
置に移動したときに厚肉部40と干渉しないように切欠
かれ、レバー部材41はスライド部材6Bの後半部に組
付けられている。
【0023】前記レバー部材41は弾力性を有する線材
を屈曲形成したもので、スライド部材6Bの後半部とケ
ーシング8の上壁部間を通って前後方向に延設されたレ
バー部41aと、レバー部41aの後端部からガイド溝
15B内へ延びてガイド溝15Bに沿って相対移動可能
な係合部41bと、レバー部41aの前端部からスライ
ド部材6Bに形成された装着孔42を挿通して下方へ延
びスライド部材6Bに回動自在で且つ前後方向に移動不
能に保持されたトーション部41cと、トーション部4
1cの下端部からスライド部材6Bの下端面に形成され
た前後方向に細長い固定溝43に挿入されてトーション
部41cの下端部をスライド部材6Bに対して回動不能
に固定する固定部41dとから構成され、固定部41d
を前後方向向きに水平に配置した状態でレバー部41a
は、係合部41bの下端部がガイド溝15Bの奥端面に
圧接されるように、後方上がりの緩傾斜状に屈曲され、
ガイド溝15Bの奥端面には前記実施例と同様に段部2
1a〜21dが形成されている。
【0024】前記ロック装置本体3Bでは、前記実施例
と同様に、扉4を閉鎖位置側へ回動操作してフック部材
5の後端面で押圧部22を押圧し、スライド部材6Bを
後方へ押し操作すると、係合部41bが前進規制位置R
Pの前端面に係合してスライド部材6Bが後退位置に保
持され、両保持アーム7の保持部7aでフック部材5の
フック部5aが保持されて扉4が閉鎖位置に保持され、
再度扉4を閉鎖位置側へ回動操作してフック部材5の後
端面で押圧部22を押圧した後手を放すことで、係合部
41bが前進規制位置RPから離脱して弾性部材12の
付勢力でスライド部材6Bが前進位置へ移動し、微小開
放されこ扉4を手で保持して開放することになる。
【0025】また、前記ロック装置本体3Bにおいて
は、スライド部材6Bにレバー部材41及び弾性部材1
2を組付けた状態で、これらを前方よりケーシング8に
対して組付けることになる。尚、本実施例では、ガイド
溝15に対向するケーシング8の壁部が上壁になるよう
にロック装置本体3を箱体2に組付けたが、側壁や下壁
になるように箱体2に組付けてもよい。また、扉4のロ
ック装置本体3・3A・3Bに本考案を適用したが、プ
ッシュスイッチなどに対しても本考案を同様に適用する
ことが出来る。
【0026】
【考案の効果】前記作用の項で詳細に説明したように、
次のような効果が得られる。請求項1に係るプッシュラ
ッチ装置によれば、レバー部材をケーシングに取付ける
ためのリング部材を省略して部品点数を少なく出来るこ
と、レバー部と固定部とが同じ側へ向けて設けられてい
るので、レバー部材をケーシングの前方又は後方より組
付けることが可能となり、レバー部材の組付性を大幅に
向上出来ること、係合部の先端をガイド溝の奥端面に圧
接させるので、プッシュラッチ装置の作動の信頼性を向
上することが可能になること、などの効果が得られる。
【0027】請求項2に係るプッシュラッチ装置によれ
ば、レバー部材をスライド部材に取付けるためのリング
部材を省略して部品点数を少なく出来ること、レバー部
と固定部とが同じ側へ向けて設けられているので、レバ
ー部材をスライド部材の前方又は後方より組付けること
が可能となり、レバー部材の組付性を大幅に向上出来る
こと、係合部の先端をガイド溝の奥端面に圧接させるの
で、プッシュラッチ装置の作動の信頼性を向上すること
が可能になること、などの効果が得られる。請求項3に
係るプッシュラッチ装置によれば、レバー部をガイド溝
側へ向けて緩傾斜状に設けることで、レバー部の専有ス
ペースをコンパクトに構成しつつ、係合部の先端をガイ
ド溝の奥端面に常時圧接させた状態に維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ロック状態におけるロック装置の横断面図
【図2】 図1の2−2線断面図
【図3】 ロック装置本体の背面図
【図4】 ロック装置本体の底面図
【図5】 レバー部材の側面図
【図6】 ガイバ溝の平面図
【図7】 ガイド溝の展開図
【図8】 アンロック状態におけるロック装置の横断面
【図9】 図8の9−9線段面図
【図10】 変形例に係るロック装置の図1相当図
【図11】 変形例に係るロック装置の図2相当図
【図12】 別実施例に係るロック装置本体の図1相当
【図13】 別実施例に係るロック装置本体の図2相当
【図14】 別実施例に係るロック装置本体の図8相当
【図15】 別実施例に係るロック装置本体の図9相当
【符号の説明】
1 ロック装置 2 箱体 2a 装着孔 3 ロック装置本体 4 扉 5 フック部材 6 スライド部材 7 保持アーム 7a 保持部 8 ケーシング 9 係止部 10 ガイド兼係止壁部 12 弾性部材 13 規制部 13a テーパ面 14 スリット 15 ガイド溝 16 レバー部材 16a レバー部 16b 係合部 16c トーション部 17 開口部 18 保持爪 19 装着孔 20 固定溝 16d 固定部 15a 導入溝 15b 後退用溝 15c 導入側案内溝 15d 送り側案内溝 15e 前進用溝 21a 第1段部 21b 第2段部 21c 第3段部 21d 第4段部 22 押圧部 BS 後退開始位置 BE 後退終了位置 RP 前進規制位置 FS 前進開始位置 1A ロック装置 3A ロック装置本体 6A スライド部材 30 板部材 31 枠体 32 磁石 33 吸着板 3B ロック装置本体 6B スライド部材 15B ガイド溝 40 厚肉部 41 レバー部材 41a レバー部 41b 係合部 41c トーション部 41d 固定部 42 装着孔 43 固定溝

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前端が開放されたケーシングと、 前記ケーシング内に前後方向に移動自在に装着され上端
    面にハート形の外縁に沿った形状で且つ奥端面に正方向
    周回に対しては全て段落ち状となる複数の段部を有する
    ガイド溝が形成されたスライド部材と、 前記スライド部材を前方へ付勢する弾性部材と、 前記ケーシングの上壁部とスライド部材間を通って前後
    方向に延設されたレバー部と、レバー部の一端部からガ
    イド溝内へ延びてガイド溝に沿って相対移動可能で且つ
    先端がガイド溝の奥端面に圧接される係合部と、レバー
    部の他端部から上下方向向きに延びてケーシングに対し
    て回動自在で且つ前後方向に移動不能に取付けられたト
    ーション部と、トーション部の他端部からレバー部と同
    じ側へ前後方向向きに延びてトーション部の他端部をケ
    ーシングに対して回動不能に固定する固定部とを有する
    弾力性を有するレバー部材と、 を備えたことを特徴とするプッシュラッチ装置。
  2. 【請求項2】 前端が開放され上壁部の内面にハート形
    の外縁に沿った形状で且つ奥端面に正方向周回に対して
    は全て段落ち状となる複数の段部を有するのガイド溝が
    形成されたケーシングと、 前記ケーシング内に前後方向に移動自在に装着されたス
    ライド部材と、 前記スライド部材を前方へ付勢する弾性部材と、 前記ケーシングの上壁部とスライド部材間を通って前後
    方向に延設されたレバー部と、レバー部の一端部からガ
    イド溝内へ延びガイド溝に沿って相対移動可能で且つ先
    端がガイド溝の奥端面に圧接される係合部と、レバー部
    の他端部から上下方向向きに延びてスライド部材に対し
    て回動自在で且つ前後方向に移動不能に取付けられたト
    ーション部と、トーション部の端部からレバー部と同じ
    側へ前後方向に延びてトーション部の他端部をスライド
    部材に対して回動不能に固定する固定部とを有するレバ
    ー部材と、 を備えたことを特徴とするプッシュラッチ装置。
  3. 【請求項3】 前記レバー部がガイド溝側へ向けて緩傾
    斜状に設けられ、係合部の先端がガイド溝の奥端面に圧
    接されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
    のプッシュラッチ装置。
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