JPH0680285A - ウエブシート自動紙継装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】ウエブシート自動紙継装置において、新旧ウエ
ブを回転可能に装着保持するのに、上記スパイダーアー
ム方式によらない新規な方式によって装着保持し、紙継
すべき旧ウエブシートの送行速度を減速乃至停止させて
減速スプライサー方式乃至ゼロスピードスプライサー方
式によって良好に紙継できるようにする。 【構成】エンドレスチェーン13に等間隔に取付けたウエ
ブＷを装着するための複数のウエブ軸芯受部Ａを備えた
ウエブ装着部10の後段に送行・停止制御ロール40、前記
ウエブ装着部10と送行・停止制御ロール40との間に旧ウ
エブシートｗ₁ を切断するためのシート切断動作部20、
該シート切断動作部20の後段に新ウエブシートｗ₂ 前端
部を重合し感圧接着、若しくは感熱接着して継合するシ
ート継合動作部30、送行・停止制御ロール40の後段にシ
ートバッファー部50を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、紙製のウエブシート、
合成樹脂製のウエブシート、合成樹脂と他の素材との複
合ウエブシートの継合において、巻き出し送行中の一方
のウエブシートに対して、その送行動作を停止させずに
連続送行動作を保持した状態で他方のウエブシートを継
合接続するためのウエブシート自動紙継装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のウエブシートの紙継においては、
紙継するために用意されている待機中のウエブ（巻取
紙）のシート巻き出し前端部外面に予め粘着テープ、粘
着剤を施しておき、停止している、若しくは送行してい
る使用中のウエブシートに、用意されている前記ウエブ
のシート前端部外面に施されている粘着テープ、粘着剤
面を押しつけ接着して継合接続し、シートを紙継するペ
ースター方式が一般的である。

【０００３】上記ペースター方式による使用中のウエブ
シート（旧ウエブシート）と待機中のウエブシート（新
ウエブシート）とのウエブシート紙継のための自動紙継
は、フライングペースター方式と、ゼロスピードスプラ
イサー方式とがある。

【０００４】旧ウエブ（巻取紙）と待機中の新ウエブ
（巻取紙）の両ウエブは、ウエブ装着部によって回転可
能に装着保持され、該ウエブ装着部は支軸を中心にして
そこから放射状に延びた２本乃至３本（若しくはそれ以
上）のアームを備えたスパイダーアーム（若しくはラジ
アルアーム）の各アーム先端部に設けられたウエブ軸芯
受部を介して、そのウエブ軸芯を回転可能に装着保持し
ており、紙継時においてスパイダーアームを支軸を中心
に所定位置まである回転角度だけ順次回転させることに
よって、新ウエブを必要な所定位置に繰り出せるように
なっている。

【０００５】まず、フライングペースター方式は、送行
中の旧ウエブシートの送行スピードを検出し、予め粘着
テープを外周面の１個所に施した停止状態にある新ウエ
ブを加速装置により回転加速して、新旧ウエブの相対ス
ピードを等しくした後に、前記スパイダーアームを所定
位置まで回転させ送行中の旧ウエブシート面に対して新
ウエブの粘着テープ面を押し付け接着して新旧ウエブシ
ートの継合接続を行った後に、送行中の旧ウエブシート
の継合以後の残紙を切断して紙継を行なうものである。

【０００６】又、ゼロスピードスプライサー方式は、装
置本体の旧ウエブシート出口側に、紙継を行っている間
にシート加工工程側に供給送行し続けるのに必要な長さ
の旧ウエブシートをプールしておくダンサーロールがあ
り、プールされた旧ウエブシートを供給送行させている
間に、旧ウエブ（巻取紙）本体の回転を停止してスピー
ドがゼロの状態で、新ウエブの粘着テープ面を押し付け
接着して新旧ウエブシートの継合接続を行った後に、旧
ウエブシート継合以後の残紙を切断して紙継を行なうも
のである。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の自
動紙継装置においては、支軸を中心にそこから放射状に
延びた２本乃至３本（若しくはそれ以上）のアームを備
えたスパイダーアームのウエブ軸芯受部が、旧ウエブ
（巻取紙）と待機中の新ウエブ（巻取紙）の両ウエブの
軸芯を回転可能に装着保持していた。

【０００８】本発明は、ウエブシート自動紙継装置にお
いて、新旧ウエブ（巻取紙）を回転可能に装着保持する
のに、上記スパイダーアーム方式によらない新規な方式
によって装着保持し、紙継すべき旧ウエブシートの送行
速度を減速乃至停止させて、減速スプライサー方式、乃
至ゼロスピードスプライサー方式によって良好に紙継で
きるようにすることにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、エンドレスチ
ェーン１３に等間隔に取付けたウエブＷを装着するため
の複数のウエブ軸芯受部Ａと、該エンドレスチェーン１
３を回転送行させる回転送行駆動部１８と、該エンドレ
スチェーン１３の回転位相位置を検出するセンサー１９
とから構成するウエブ装着部１０と、該ウエブ装着部１
０の後段に送行・停止制御ロール４０とを備え、前記ウ
エブ装着部１０と送行・停止制御ロール４０との間に、
前記複数のウエブ軸芯受部Ａのうちいずれかのウエブ軸
芯受部に装着したウエブＷから前記送行・停止制御ロー
ル４０によって巻き出される旧ウエブシートｗ₁ を切断
するためのシート切断動作部２０と、該シート切断動作
部２０の後段に前記旧ウエブシートｗ₁ と継合すべき次
の新ウエブＷから巻き出される新ウエブシートｗ₂ 前端
部とを重合しその重合外面より挟み付けて感圧接着、若
しくは感熱接着して新旧両シートｗ_1,ｗ₂ を継合するシ
ート継合動作部３０とを備え、前記送行・停止制御ロー
ル４０の後段にはダンサーロール等のシートバッファー
部５０を備えたことを特徴とするウエブシート自動紙継
装置である。

【００１０】

【実施例】本発明のウエブシート自動紙継装置の一実施
例を、図１、図２に従って詳細に説明すれば、装置本体
フレームＦに支持する水平支軸を介して回転可能に軸支
したスプロケット１１，１２と、該両スプロケットに巻
回するエンドレスチェーン１３と、該エンドレスチェー
ン１３に等間隔に取付けたウエブＷ（巻取紙）を装着す
るための複数のウエブ軸芯受部Ａと、該エンドレスチェ
ーン１３を回転送行させる回転送行駆動部１８と、該エ
ンドレスチェーン１３の回転位相位置を検出するセンサ
ー１９とから構成するウエブ装着部１０が設置される。
なお、一実施例においては、スプロケットの設置個数は
２個であるが、本発明においては、スプロケットの設置
個数は限定されないものであり、３個以上であってもよ
い。

【００１１】ウエブ装着部１０は、互いに水平方向に離
間し、装置本体フレームＦに回転可能に支持された水平
支軸１１ａ，１２ａに、ある離間距離を以てスプロケッ
ト１１，１２が取付けられている。両スプロケット１
１，１２にはエンドレスチェーン１３が巻回され、該エ
ンドレスチェーン１３に等間隔にウエブＷを装着するた
めの複数のウエブ軸芯受部Ａが取付けられる。

【００１２】図２は、ウエブ装着部１０の正面図であ
り、左右両側の装置本体フレームＦ，Ｆに回転可能に軸
支したそれぞれ前記水平支軸１２ａ，１２ａにスプロケ
ット１２，１２が取付けられ、該スプロケット１２，１
２のうち、一方のスプロケット１２と同軸に駆動スプロ
ケット１２ｂを備え、該駆動スプロケット１２ｂと、駆
動モーター１８ａの駆動スプロケット１８ｂとに、エン
ドレスチェーン１８ｃを巻回してエンドレスチェーン１
３を回転送行させる回転送行駆動部１８を構成する。
又、他方のスプロケット１２と同軸に駆動スプロケット
１８ｊを備え、装置本体フレームＦ，Ｆに回転可能に軸
支された駆動伝達軸１８ｇの両端部にはそれぞれ中間ス
プロケット１８ｆ，１８ｈを備え、前記駆動スプロケッ
ト１８ｊと中間スプロケット１８ｈとにエンドレスチェ
ーン１８ｉが巻回され、該中間スプロケット１８ｆと前
記駆動スプロケット１８ｂとにエンドレスチェーン１８
ｅが巻回されており、駆動モーター１８ａの回転によっ
て、エンドレスチェーン１８ｃ，１８ｅを介して両側の
支軸１２ａ，１２ａを回転させてスプロケット１２，１
２を回転させ、エンドレスチェーン１３を回転送行させ
るものである。

【００１３】駆動モーター１８ａには回転位相位置を検
出するロータリーエンコーダなどエンドレスチェーン１
３の回転位相位置を検出して、前記エンドレスチェーン
１３に等間隔に設置した２個乃至３個、あるいはそれ以
上の複数のウエブ軸芯受部Ｂの位相位置を検出するため
のセンサー１９を備える。なお、該センサー１９として
は、例えば軸芯受部Ａと装置本体フレームＦ側とにそれ
ぞれ設けた１対の電磁方式、光電方式、リミットスイッ
チ（マイクロスイッチ）方式による近接センサー１４ｂ
であってもよい。

【００１４】上記駆動部１８の駆動回転により、エンド
レスチェーン１３は送行回転し、エンドレスチェーン１
３の送行回転によってそれに一体的に取付けられた軸芯
受部Ａは、スプロケット１１とスプロケット１２との間
を往復移動可能である。

【００１５】ウエブ装着部１０の後段には、送行・停止
制御ロール４０を備える。なお、該送行・停止制御ロー
ル４０については後述する。

【００１６】前記ウエブ装着部１０と送行・停止制御ロ
ール４０との間に、前記複数のウエブ軸芯受部Ａのうち
いずれかのウエブ軸芯受部に装着したウエブＷから前記
送行・停止制御ロール４０によって巻き出される送行ウ
エブシートｗ₁ を切断するためのシート切断動作部２０
を備える。

【００１７】シート切断動作部２０は、旧ウエブシート
ｗ₁ の下側に配置された切断カッター刃２１を備え、該
切断カッター刃２１は、ガイドシャフト２３に沿ってウ
エブシート幅方向に移動可能な可動ブラケット２２ｂに
取り付けたエアーシリンダー２２の作動ロッド２２ａ先
端部に取付けられている。

【００１８】該シート切断動作部２０の後段には、前記
旧ウエブシートｗ₁ と継合すべき次のウエブ軸芯受部Ａ
に回転可能に装着保持された待機中の新ウエブＷから巻
き出される新ウエブシートｗ₂ 前端部とを重合しその重
合外面より挟み付けて感圧接着、若しくは感熱接着して
両シートｗ_1,ｗ₂ を継合するシート継合動作部３０を備
える。

【００１９】該シート継合動作部３０は、旧ウエブシー
トｗ₁ の上側に、エアー吸着孔３１ａを備えたバキュー
ムヘッド３１と、感熱接着加圧用（加熱溶融タイプの接
着剤を用いた接着）又は感圧接着加圧用（粘着性の樹脂
材を用いた接着）のプレスヘッド３２とを別体、若しく
は一体的に備え、バキュームヘッド３１，プレスヘッド
３２に対向して、該旧ウエブシートｗ₁ の下側に受台３
３を備える。なお、バキュームヘッド３１に対してプレ
スヘッド３２は、ウエブシート送行方向に対して前段、
後段のいずれに設置してもよい。

【００２０】該シート継合動作部３０の後段には、送行
・停止制御ロール４０を備え、該送行・停止制御ロール
４０は、一対の対向押圧するロール４１，４２（一方が
ゴムロール、若しくは両方がゴムロール）からなり、該
両ロール４１，４２のいずれか一方は、所定供給送行速
度で駆動回転する駆動回転ロールである。

【００２１】該送行・停止制御ロール４０は、紙継の際
に、送行中の旧ウエブシートｗ₁ の送行を減速制御、又
は該旧ウエブシートｗ₁ の送行を一旦停止制御したり、
停止中の紙継終了後の新ウエブシートｗ₂ の送行を加速
制御するものであり、該送行・停止制御ロール４０に
は、複数の前記ウエブ軸芯受部Ａのうちのいずれか１つ
のウエブ軸芯受部Ａに回転可能に装着保持されているウ
エブＷ（巻取紙）から巻き出され使用されるウエブシー
トを導入する。

【００２２】前述した送行・停止制御ロール４０の後段
には、ダンサーロール等の送行シートバッファー部５０
を備える。

【００２３】該送行シートバッファー部５０は、送行・
停止制御ロール４０を送行通過した旧ウエブシートｗ₁
をガイドする定置ガイドロール５１と、定置ガイドロー
ル５３との間に、送行する旧ウエブシートｗ₁ の送行面
に平行下方に向かって所定の応力（自重、若しくは錘
力、バネ力等）を掛ける垂直方向に可動のダンサーロー
ル５２を備える。

【００２４】該送行シートバッファー部５０は、送行中
の旧ウエブシートｗ₁ を送行シート面に対して平行に蛇
行させ、ある長さ分だけ蓄えておくことにより、紙継の
際に送行・停止制御ロール４０によって一旦停止させた
旧ウエブシートｗ₁ の供給送行を停止せずに一時的に連
続供給送行できるようにするためのものである。

【００２５】上記送行シートバッファー部５０の後段に
は、送行シートバッファー部５０に導入される旧ウエブ
シートｗ₁ 又は新ウエブシートｗ₂ を前方に供給送行さ
せるインフィードロール６０を備える。

【００２６】該インフィードロール６０は、互いに対向
押圧するロール６１，６２（いずれか一方はゴムロー
ル、若しくは両方がゴムロール）により構成され、両方
のロール６１，６２、又は該ロールのいずれか一方は、
所定の供給送行速度で駆動回転する駆動回転ロールであ
り、他方は自由回転ロールである。該インフィードロー
ル６０は、連続回転動作によって、ウエブシートｗを前
方に連続送行させるか、又は間欠回転動作若しくは一方
のロールを他方のロールに押圧接触乃至離間動作するこ
とによって間欠送行させるものである。

【００２７】該インフィードロール６０の後段には、印
刷ユニット、樹脂コーティングユニット、ラミネートユ
ニット、エンボス成形ユニット、スリット断裁ユニット
等の適宜加工ユニット（図示せず）を配置することがで
き、該インフィードロール６０によって前記加工ユニッ
ト側にウエブシートを導入して供給送行する。

【００２８】前記インフィードロール６０、若しくは前
記適宜な加工ユニットの後段には、アウトフィードロー
ル７０を備える。

【００２９】該アウトフィードロール７０は、互いに対
向押圧するロール７１，７２（いずれか一方はゴムロー
ル、若しくは両方がゴムロール）により構成され、両方
のロール７１，７２、又は該ロールのいずれか一方は、
所定の供給送行速度で駆動回転する駆動回転ロールであ
り、他方は自由回転ロールである。該アウトフィードロ
ール７０は、インフィードロール６０の駆動回転速度に
連動して、連続回転動作によってウエブシートｗを前方
に連続送行させるか、又は間欠回転動作若しくは一方の
ロールを他方のロールに押圧接触乃至離間動作すること
によって間欠送行させるものであり、前記インフィード
ロール６０側から供給送行されるウエブシートｗを所定
の搬出送行速度で搬出するものである。

【００３０】前記インフィードロール６０のウエブシー
ト供給送行速度ｖ₁ と、アウトフィードロール７０のウ
エブシート搬出送行速度ｖ₂ は、両ロール６０，７０の
間を送行するウエブシートｗ₁ 又はｗ₂ が適正な張力を
もって送行するように、例えば前記ロール６０，７０を
互いに独立駆動系によって駆動回転させるなど、適宜に
制御するものである。なお、搬出されたウエブシートｗ
₁ 又はｗ₂ は、巻取軸芯に巻取るか、若しくはシートカ
ッティングして枚葉シート状にして適宜形態に集積する
ものである。

【００３１】次に、本発明のウエブシート自動紙継装置
の一実施例におけるウエブ装着部１０の構造を、図１、
図２、図３（ａ）〜（ｂ）に従って詳細に説明する。

【００３２】図１，図２に示すように、ウエブ装着部１
０には複数の軸芯受部Ａを備え、各々該軸芯受部Ａには
左右両側一対の装置本体フレームＦにスプロケット１
１，１２を介して巻回した両側一対のエンドレスチェー
ン１３を構成するチェーンの各ピースジョイント部（図
示せず）に、それぞれ一体的に取付け支持された両側一
対の対向する受部本体１４を備える。

【００３３】該両側一対のそれぞれ受部本体１４内側に
は、カムフォロア１５が設けられ、両側一対の装置本体
フレームＦ内側には、前記エンドレスチェーン１３のエ
ンドレス回転送行環状内側、又は環状相当部、若しくは
該環状外側に沿って連続する溝部１７ａを刻設した溝カ
ム１７，１７を一体的に設けてある。（図１参照）

【００３４】前記カムフォロア１５は、前記溝カム１７
の溝部１７ａ内に嵌合しており、エンドレスチェーン１
３の送行回転によって、該カムフォロア１５は、溝カム
１７の溝部１７ａを摺動移動する。（図２参照）これに
よって、軸芯受部Ａは前記溝カム１７に支持されて、該
溝カム１７に沿った往復移動動作が可能である。

【００３５】図２に示すように、前記両側一対の対向す
る前記受部本体１４の互いに対向する位置には、互いに
接近・離間方向に移動可能な装着軸１６を備える。

【００３６】図３（ａ）は、上記装着軸１６の一例を説
明する詳細図であり、両側一対の受部本体１４にはネジ
孔１４ａが貫設され、該ネジ孔１４ａには、外側にネジ
１６ｂを刻設した装着軸１６が螺着され、該装着軸１６
の先端部には、ウエブＷの管状軸芯ａにその両外側より
装着するテーパー状嵌合部１６ｄが回転可能に支持され
ている。

【００３７】該装着軸１６は、円筒体１６ａ内部に設け
た軸受部１６ｃに回転可能に支持された軸部１６ｅを備
え、該軸部１６ｅ内側先端部にはテーパー状嵌合部１６
ｄ、前記円筒体１６ａ外端部にはネジヘッド１６ｆを備
え、該円筒体１６ａを回転することによって互いに対向
する装着軸１６の離間距離を調整できるようになってい
る。なお、前記軸受部１６ｃを例えば適宜な摺接摩擦力
のあるメタル軸受部とすることにより、該軸受部１６ｃ
と軸部１６ｅとの間の回転における摺接摩擦力によっ
て、装着されるウエブＷの回転トルクに適度な制動力を
付与することは可能である。

【００３８】図２に示した装着軸１６の他の例を、図３
（ｂ）に従って以下に詳細に説明する。

【００３９】両側一対の対向する受部本体１４のうち、
一方の受部本体１４には、該受部本体に対して固定状態
に装着軸１６を設け、それと対向する他方の受部本体１
４にはスプライン軸嵌合方式のガイド孔１４ｃが貫設さ
れ、該ガイド孔１４ｃには、回転しないスプライン軸方
式の装着軸１６が該軸１６方向に直線的にスライド可能
に嵌合され、該装着軸１６の先端部には、ウエブＷの管
状軸芯ａに外側より装着するテーパー状嵌合部１６ｄが
回転可能に支持されている。

【００４０】なお、前記一方の固定状態の装着軸１６も
同様に、その先端部には、ウエブＷの管状軸芯ａにその
外側より装着するテーパー状嵌合部１６ｄが回転可能に
支持されている。

【００４１】該装着軸１６は、前記ガイド孔１４ａ内面
に沿って直線的にスライド可能なスプライン軸状の外周
面を備える回転しない円筒体１６ａを備え、該円筒体１
６ａの内側端部に係止凸部１６ｇを、外側端部にカムフ
ォロア１６ｈを備え、該係止凸部１６ｇと受部本体１４
との間には伸長方向に付勢するバネ１６ｉを備え、円筒
体１６ａを、対向する一対の受部本体１４内側方向に付
勢している。

【００４２】該円筒体１６ａには、その内部に設けた軸
受部１６ｃに回転可能に支持された軸部１６ｅ、該軸部
１６ｅ内側先端部にテーパー状嵌合部１６ｄを備えるる
ものである。なお、前記軸受部１６ｃを例えば適宜な摺
接摩擦力のあるメタル軸受部とすることにより、該軸受
部１６ｃと軸部１６ｅとの間の回転における摺接摩擦力
によって、装着されるウエブＷの回転トルクに対する適
度な制動力を付与することは可能である。

【００４３】このように一方の受部本体１４に固定状態
で設けた装着軸１６に対向するスライド可能に嵌合した
図３（ｂ）に示した装着軸１６は、バネ１６ｉによって
固定状態に設けた装着軸１６に接近する方向に付勢され
ており、カムフォロア１６ｈをバネ１６ｉに抗して外側
方向へ引っ張り操作することによって、互いの装着軸１
６のテーパー状嵌合部１６ｄの離間距離を調整できる。

【００４４】前記カムフォロア１６ｈの引っ張り操作及
び復帰操作は、例えば図３（ｂ）に示すように、受部本
体１４外側に、該円筒体１６ａ外周に沿って回動可能な
回転カム１６ｊを設け、該回転カム１６ｊ内部には、カ
ムフォロア１６ｈと嵌合する螺旋状の内溝部１６ｋを設
け、回転カム１６ｊを、それと一体のハンドル１６ｍに
よって回動して内溝部１６ｋを回動し、該内溝部１６ｋ
とカムフォロア１６ｈによって円筒体１６ａを受部本体
１４内側又は外側方向に移動させることによって行なう
ものである。

【００４５】次に、本発明のウエブシート自動紙継装置
のエンドレスチェーン１３に対して軸芯受部Ａが２つ設
置されている装置を例に採ってその紙継操作を説明す
る。

【００４６】図２において、まず、本発明装置のウエブ
装着部１０に２つある軸芯受部Ａ，Ａにそれぞれウエブ
Ｗを装着保持するものであるが、それぞれ軸芯受部Ａの
うちの一方の軸芯受部Ａ（上側の軸芯受部Ａ）にある左
右一対の装着軸１６，１６のいずれか一方を弛めて、相
対する互いの装着軸１６，１６の間の離間距離を拡げ、
フォークリフトなどを用いてウエブＷの軸芯ａをその間
に位置決めした後、前記装着軸１６を締め付けながら、
該軸１６嵌合部１６ｄ，１６ｄ先端部を該軸芯ａ内に装
着して、ウエブＷを軸芯受部Ａに装着保持する。図４
（ａ）は、上記のようにして一方の軸芯受部Ａにウエブ
Ｗを装着した状態を示す概要側面図である。

【００４７】続いて、エンドレスチェーン１３を図面左
送行回転させ、図４（ｂ）に示すエンドレスチェーン１
３下側位置にウエブＷを移動させ、上側に移動した他方
の軸芯受部Ａに、前記と同様にしてウエブＷを装着保持
する。

【００４８】このようにしてウエブＷをウエブ装着部１
０に装着保持した後は、図１に示すように、下側の軸芯
受部Ａに装着されているウエブＷからウエブシートｗを
巻き出して、ガイドロール２５，２６からシート継合動
作部３０に導入し、続いて、送行・停止制御ロール４
０、送行シートバッファー部５０、インフィードロール
６０、及び加工ユニット（図示せず）、及びアウトフィ
ードロール７０に順に導入して、送行・停止制御ロール
４０，インフィードロール６０，アウトフィードロール
７０を、それぞれ所定の速度（例えば概略同一の定常回
転速度）で駆動回転を開始して、ウエブＷからウエブシ
ートｗを巻き出し供給送行させて加工ユニットにて所定
のウエブシート加工を行なう。

【００４９】なお、インフィードロール６０以降の加工
ユニット（図示せず）及びアウトフィードロール７０等
は、ウエブ印刷機（輪転機）、ラミネーターなどのウエ
ブシート加工装置に既に配備されているものが使用でき
るものである。

【００５０】次に、本発明装置を用いた加工途中におい
て供給送行されるウエブシートｗのウエブＷが、残り少
なくなった際の紙継動作を下記に説明する。

【００５１】まず、他方の軸芯受部Ａに装着されている
待機中のウエブＷから新ウエブシートｗ₂ の前端部を、
送行中の旧ウエブシートｗ₁ 上側に、新旧ウエブシート
ｗ₁，ｗ₂ の間隔を所定の間隔に保持して引き出し、旧
ウエブシートｗ₁ の前端部をシート継合動作部３０のバ
キュームヘッド３１によって吸着保持し、プレスヘッド
３２の下側に位置決めする。

【００５２】続いて、定常速度でウエブＷから旧ウエブ
シートｗ₁ を巻き出している間に、送行・停止制御ロー
ル４０の駆動回転速度を良好に紙継できるような送行速
度条件まで減速制御して、旧ウエブシートｗ₁ のウエブ
Ｗからの巻き出し送行速度を減速する。

【００５３】あるいは、送行・停止制御ロール４０の駆
動回転を完全に停止して、送行中の旧ウエブシートｗ₁
のウエブＷからの巻き出しを停止する。

【００５４】その間は、加工ユニットへ供給送行される
旧ウエブシートｗ₁ は、インフィードロール６０，アウ
トフィードロール７０の駆動回転速度に基づいて送行す
るために、その送行速度は変化せず、送行シートバッフ
ァー部５０のダンサーロール５２によって蛇行して蓄え
られている旧ウエブシートｗ₁ が供給される。このよう
にしてシート継合動作部３０を通過する旧ウエブシート
ｗ₁ を減速、又は停止させる。

【００５５】続いて、図５（ａ）〜（ｂ）に示すよう
に、シート継合動作部３０の前記プレスヘッド３２を受
台３３方向に、定時間（例えば０．１秒〜３秒程度）内
に１ストローク動作（下降動作及び復帰動作）して、該
プレスヘッド３２の下面に吸着保持している新ウエブシ
ートｗ₂ を旧ウエブシートｗ₁ 上面に圧接し、又その間
にバキュームヘッド３１のエアー吸引動作を停止して、
新旧ウエブシートｗ₁ ，ｗ₂ を感熱接着、又は感圧接着
して接続する。

【００５６】接着接続した後に直ちに、シート切断動作
部２０のエアーシリンダー２２を動作して切断カッター
刃２１を旧ウエブシートｗ₁ に接触させると同時に、該
エアーシリンダー２２の可動ブラケット２２ｂをガイド
シャフト２３に沿ってウエブ幅方向に移動させて、旧ウ
エブシートｗ₁ を素早く切断する。なお、この場合、切
断を円滑に行なうために、適宜アクチュエータによって
ガイドロール２５をガイドロール２６より下方に下降動
作させて、上側にある新ウエブシートｗ₂ との間隔を適
宜な広さに設定することができる。

【００５７】新ウエブシートｗ₂ の紙継を終了し、旧ウ
エブシートｗ₁ を切断後は、直ちに送行・停止制御ロー
ル４０の駆動回転を加速して、新ウエブシートｗ₂ の送
行速度をインフィードロール６０の駆動回転速度と概略
同一速度まで増速して紙継動作を終了する。

【００５８】

【作用】本発明のウエブシート自動紙継装置は、エンド
レスチェーン１３に等間隔に取付けたウエブＷを装着す
るための複数のウエブ軸芯受部Ａを備えたウエブ装着部
１０と、送行・停止制御ロール４０とを備え、前記ウエ
ブ装着部１０と送行・停止制御ロール４０との間に、前
記複数のウエブ軸芯受部Ａのうちいずれかのウエブ軸芯
受部に装着したウエブＷから前記送行・停止制御ロール
４０によって巻き出される旧ウエブシートｗ₁ を切断す
るためのシート切断動作部２０と、該シート切断動作部
２０の後段に前記旧ウエブシートｗ₁ と継合すべき次の
新ウエブＷから巻き出される新ウエブシートｗ₂ 前端部
とを重合しその重合外面より挟み付けて感圧接着、若し
くは感熱接着して新旧両シートｗ_1,ｗ₂ を継合するシー
ト継合動作部３０とを備え、前記送行・停止制御ロール
４０の後段にはダンサーロール等のシートバッファー部
５０を備えたので、旧ウエブシートｗ₁ の加工ユニット
側へのインフィード速度（供給送行速度）を減速又は停
止させることなく、シート継合動作部３０を通過する旧
ウエブシートｗ₁ を減速若しくは停止させることがで
き、これによって、減速もしくはゼロスピードにて紙継
することができるものである。

【００５９】

【発明の効果】本発明のウエブシート自動紙継装置は、
新旧ウエブ（巻取紙）をエンドレスチェーンに取り付け
た複数の軸芯受部により回転可能に装着保持することが
でき、スパイダーアーム方式によらない新規な方式によ
り新旧ウエブを装着保持でき、減速スプライサー方式
と、ゼロスピードスプライサー方式の両方の紙継方式に
よって良好に紙継できる効果があるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のウエブシート自動紙継装置の概要側面
図である。

【図２】本発明のウエブシート自動紙継装置の一実施例
におけるウエブ装着部の構造を説明する正面図である。

【図３】（ａ）本発明のウエブシート自動紙継装置の一
実施例におけるウエブ装着軸の構造の一例を説明する側
断面図である。 （ｂ）本発明のウエブシート自動紙継装置の一実施例に
おけるウエブ装着軸の構造の他の例を説明する側断面図
である。

【図４】（ａ）本発明のウエブシート自動紙継装置のウ
エブ装着部にウエブを装着保持した状態を説明する概要
側面図である。 （ｂ）本発明のウエブシート自動紙継装置のウエブ装着
部にウエブを装着保持した状態を説明する概要側面図で
ある。

【図５】（ａ）本発明のウエブシート自動紙継装置によ
る紙継動作を説明するシート継合動作部の側面図であ
る。 （ｂ）本発明のウエブシート自動紙継装置による紙継動
作を説明するシート継合動作部の側面図である。

【符号の説明】

１０…ウエブ装着部 １１，１２…スプロケット １３
…エンドレスチェーン １４…受部本体 １５…カムフォロア １６…装着軸
１７…溝カム １８…駆動部 １９…位相位置検出センサー ２０…シ
ート切断部 ３０…シート継合動作部 ４０…送行・停止制御ロール ５０…シートバッファー部 ６０…インフィードロール ７０…アウトフィードロール Ａ…軸新受部 Ｆ…装置
本体フレーム Ｗ…ウエブ ｗ…ウエブシート ｗ₁ …旧ウエブシート
ｗ₂ …新ウエブシート

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】エンドレスチェーン１３に等間隔に取付け
   たウエブＷを装着するための複数のウエブ軸芯受部Ａ
   と、該エンドレスチェーン１３を回転送行させる回転送
   行駆動部１８と、該エンドレスチェーン１３の回転位相
   位置を検出するセンサー１９とから構成するウエブ装着
   部１０と、該ウエブ装着部１０の後段に送行・停止制御
   ロール４０とを備え、前記ウエブ装着部１０と送行・停
   止制御ロール４０との間に、前記複数のウエブ軸芯受部
   Ａのうちいずれかのウエブ軸芯受部に装着したウエブＷ
   から前記送行・停止制御ロール４０によって巻き出され
   る旧ウエブシートｗ₁ を切断するためのシート切断動作
   部２０と、該シート切断動作部２０の後段に前記旧ウエ
   ブシートｗ₁ と継合すべき次の新ウエブＷから巻き出さ
   れる新ウエブシートｗ₂ 前端部とを重合しその重合外面
   より挟み付けて感圧接着、若しくは感熱接着して新旧両
   シートｗ_1,ｗ₂ を継合するシート継合動作部３０とを備
   え、前記送行・停止制御ロール４０の後段にはダンサー
   ロール等のシートバッファー部５０を備えたことを特徴
   とするウエブシート自動紙継装置。