JPH0679996B2 - けいふんその他の有機質肥料の製造方法 - Google Patents

けいふんその他の有機質肥料の製造方法

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JPH0679996B2
JPH0679996B2 JP61080797A JP8079786A JPH0679996B2 JP H0679996 B2 JPH0679996 B2 JP H0679996B2 JP 61080797 A JP61080797 A JP 61080797A JP 8079786 A JP8079786 A JP 8079786A JP H0679996 B2 JPH0679996 B2 JP H0679996B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈発明の目的〉 産業上の利用分野 本発明はけいふんその他の生の有機質悪臭排出物から有
機質肥料を製造する方法に係り、詳しくは、例えば、け
いふんを生の状態のままであっても悪臭を効果的に戻り
がなく除去できると共に、微生物もほとんど殺菌でき、
植物、農作物などの生育にきわめて有効な有機質肥料の
製造方法に係る。
なお、ここで、有機質悪臭排出物とは、糖類、タンパク
質、脂肪などが通性嫌気性菌によって分解されて低級脂
肪酸、アミン酸、イオウ化合物、アンモニアその他の揮
発性物質が発生するもので、以下に説明するけいふんの
ほかに、豚ふん、牛ふんその他の鳥、獣類の排せつ物
や、魚介類、鳥獣類等の内臓等が含まれる。
従来の技術 一般に、けいふん、豚ふん、牛ふん等の魚、獣類の排せ
つ物の中には未消化の糖類、タンパク質、脂肪等が多量
に含まれ、これらがバクテリア等により脱炭酸、脱アミ
ノ分解されて低級脂肪酸やアンモニア等が発生し、強い
悪臭を発する。また、これら排せつ物の中で、けいふん
は糖類等の未消化物が液状の尿と混合した型で排せつさ
れ、この尿により多量の窒素分が含まれて肥料として有
効であるが、微生物による分解も一層促進されるため、
他の排せつ物に比較すると、とくに、刺激性の強い悪臭
を発すると云われ、肥料としての直接の利用に限界が生
じている。また、けいふんを含めて排せつ物の中には、
はい、ウジ等の衛生害虫やその幼虫等が含まれ、このた
め、肥料としての有効成分を多量に含むのにも拘らず、
有効利用が完全にはかられていないほか、けいふん等は
汚物感を与える故に、その処理は最もきらわれている作
業の一つであって、清潔化も望まれている。この点か
ら、従来から種々の観点でけいふん等の処理法が提案さ
れているが、何れの方法も生の状態のけいふん(以下、
生けいふんという。)の如く多量に水分を含むものの処
理には不適当であって、生けいふんを直後に処理できる
処理法は開発も実施もされていない。
すなわち、特公昭47-32552号公報には石炭窒素ならびに
活性炭より成る脱臭剤が記載され、この脱臭剤をけいふ
んに添加混合すると、石炭窒素または活性炭を単独で添
加した場合と比べて脱臭効果が一層向上することが記載
されている。この脱臭剤は石炭窒素ならびに活性炭の添
加による脱臭効果を利用しかつ石炭窒素の肥料としての
有効性、つまり、けいふん中の窒素成分を安定化し、窒
素含有率を高めて肥効を高めることを活性するものであ
る。しかし、生けいふんには多量に水分が含まれ、この
脱臭剤ではその分を効果的に除去することができず、こ
の点から、特開昭53-130166号公報に記載される如く、
石灰窒素のほかに、水分調剤としてオガクズ、モミガラ
等を添加し、更に、酸化カルシウムを配合してけいふん
等を脱臭処理する方法が提案されている。この方法は、
酸化カルシウムの水との反応による発熱乾燥効果を利用
して水分を除去し、除去できない水分をオガクズ等によ
り吸収するものであるが、この水との反応では発熱量が
小さく、水分がそれほど除去できないため、生けいふん
を直接処理するのに不適当である。
また、特公昭55-3006号公報には、けいふんに濃硫酸な
らびに合成ウオラストナイトを添加混合し、混合物を粒
状化する方法が記載されている。この合成ウオラストナ
イトは窯業原料として開発されたもので、主成分として
SiO2(約53%程度)とCaO(約43%)を含み、SiO2がCa
イオンで連絡された結晶構造を成し、このほかに、Al2O
3、Fe2O3、MgO、N2O3、K2O等を含むものである。したが
って、この組成の合成ウオラストナイトを濃硫酸による
中和処理にすると、多孔質の珪酸ゲル等が生成し、この
珪酸ゲルの吸着機能などを利用して脱臭する。この方法
は珪酸ゲルを生成し、脱臭能を利用するもので、脱臭法
としては優れたものであるが、珪酸ゲル自体は肥料成分
としての働きがなく、合成時に添加される融剤、例え
ば、K、Na、Alその他の金属が酸化物の型で残り、集積
すると土壌に悪い影響を与える。
更に、合成ウオラストナイトに硫酸を作用させて珪酸ゲ
ルを生成させるが、この生成反応は、けいふん等の粘着
物の介在のもとで行なわれ、珪石ゲルの生成反応の進行
に時間がかかる。
すなわち、合成ウオラストナイトは特公昭42-19321号公
報に記載される如く、元来、窯業原料として開発された
もので、一般には、天然の珪灰石鉱物に近いものとして
偽珪灰石と云われる。この珪灰石鉱石が花コウ炭などの
深成岩と石灰石との間でその接触部に加圧加熱による変
性が与えられ、接触交代鉱床として産出されるところか
ら、この生成過程をロータリーキルン内で再現し、製造
されるものである。しかし、生成過程を再現すると云っ
ても、完全に再現することはできず、合成されたものは
天然のものに成分比では近くとも、構成的には異なって
いる。
合成ウオラストナイトは珪酸と石灰のほかに、融剤とし
て、K、Na、Ba、Zr、Ti、Al、B、Pbなどを配合し、こ
れを加圧したペレットをロータリキルンで焼成して製造
される。従って、合成された偽珪灰石は融剤成分が混入
し、合成された各種組成は融剤によって結合して一体化
している。
このため、これに硫酸を作用させたものを肥料として用
いると、融剤、なかでも、この酸化物や硫化物が土壌中
に入り残り、これが集積されると、農作物には悪影響を
与える。
更に、その中の各組成物、例えば、CaO、SiO2等が水や
硫酸、アンモニヤ、硫黄との反応に関与するときに、各
組成物は融剤になって結合されてこの結合の分離に相当
の時間がかかるほか、その周囲には、高粘稠性のけいふ
んなどが存在するため、反応の進行がおそくなり、脱臭
効果が必ずしも顕著に発揮できない上に、時間が経つと
悪臭が分離して相当戻ることがある。
換言すると、合成ウオラストナイトの濃硫酸による中和
処理時の発熱量は比較的小さく、攪拌混合時に35〜65℃
程度まで高められるほどであって、けいふん等に含まれ
る菌や害虫等の殺菌,殺虫が不十分であり、乾燥も不完
全で、処理しても、相当の水分が残る。また、この処理
物は粒状化されていることもあって、処理後の未発酵成
分の発酵が困難になり、処理物の悪臭除去には例えば1
〜2ケ月の相当の時間がかかり、更に、処理後には残存
菌の分離によって一旦除去された臭気が再び発生すると
いう大きな欠点がある。
また、多孔質の珪酸ゲルが大きな脱臭効果を持つところ
から、珪灰石と同等の性質を持つ水ガラス(Na2SiO3
を酸で中和してゲル状の珪酸を沈殿させ、このようにし
て製造することが行なわれている。この場合、水ガラス
の溶液を酸によって中和するため、固体状態では反応が
弱められ、とくに、けいふん等の粘性物が介在すると一
層弱められる。
また、天然の珪灰石鉱物を硫酸によって中和して珪酸ゲ
ルを生成し、これを溶接棒等のフラックス剤として使用
されている。この珪酸ゲルは元来溶接時のガスや不純物
等の吸着のためであり、けいふん等脱臭を行なうには脱
臭効果が低く、これのみでは不適当である。
発明が解決しようとする問題点 本発明はこれらの問題点を解決することを目的とするも
ので、具体的には、けいふんその他の有機質の悪臭物の
脱臭に、処理時に多孔質の珪酸ゲルを生成させ、これの
脱臭効果を利用するのに、窯業原料として開発された合
成ウオラストナイトでは不適当であることから、これに
代って天然の珪灰石鉱物を用いる。
しかし、天然のものであると、珪酸ゲルの生成時にけい
ふん等の粘性物の存在下では、脱臭効果そのものが相当
低下する。このため、天然の珪灰石鉱物とともに鉄粉等
を添加して、脱臭効果を大巾に向上させ、更に、生石灰
を添加し、その硫酸との反応による発熱や、鉄粉などの
酸化による発熱による乾燥性を利用して、殺菌、殺虫効
果を高め、鉄の酸化物や硫化物によって悪臭の珪酸ゲル
上への固定を促進し、併せて、生石灰や鉄粉によって硫
酸根の固定を行なって残存硫酸根を減少させることによ
ってけいふんその他の有機質の悪臭物を脱臭し、有機肥
料として有効な肥料を製造する方法を提案する。
〈発明の構成〉 問題点を解決するための 手段ならびにその作用 すなわち、本発明方法は、水を多く含んだ生けいふんそ
の他の生の有機質悪臭排出物に硫酸を添加して混合攪拌
してから、生石灰と、少なくともCaOならびにSiO2が鉱
物組成として結合されない状態で含む天然珪灰石鉱物と
を添加するほか、鉄若しくはその合金の粉末を前記有機
質悪臭物100重量部に対し1〜5重量部添加して混合攪
拌して、悪臭を除去し、その後半乾燥状態で排出するこ
とを特徴とする。
従って、本発明方法によると、はじめに、けいふんその
他の有機質の悪臭物(以下、単に悪臭物という。)に硫
酸が添加され、この硫酸によって悪臭物中の有機質成分
が酸化されて分解されるが、続いて、天然の珪灰石鉱
物、生石灰ならびに鉄粉が添加される。このため、反応
熱をとってみても、少なくとも70℃とくに85℃以上に昇
温する(なお、硫酸としては必ずしも濃硫酸を添加する
必要がなく(けいふん等の水分により相当希釈される)
希硫酸でも良いが濃硫酸であると、使用する装置の腐食
の程度を弱めることができるので好ましい。)。
すなわち、硫酸に続いて生石灰とともに鉄粉などを添加
すると、悪臭物中に相当の水分が含まれていても、硫酸
と反応し、著しく昇温する。このため、悪臭物の水分の
蒸発が促進されて乾燥が大巾に進行し、少なくとも70℃
とくに85℃以上の高温が得られる。
また、珪灰石鉱物は天然から得られる鉱物組成のもので
あるから、鉱物組成として、CaSiO3で示す珪灰石以外
に、CaOやSiO2の各組成物が結合されていない状態で含
み、とくに、このCaOは上記のように添加された生石灰
と同等に挙動し、発熱性を高め、殺菌や、悪臭の除去、
乾燥を一層促進する。
なお、天然の珪灰石鉱物は、珪灰石(CaSiO2)以外に各
種組成分を独立して含むが、鉄若しくはその合金の粉末
を添加するため、鉄粉などが硫酸と反応し、大きな反応
熱を発生する。また、硫酸との反応の生成物の硫酸鉄
は、悪臭の固定のほか、悪臭物の分解が促進して除去さ
れ臭気の戻りも阻止される。
そこで、これら手段たる構成ならびにその作用について
更に詳しく説明すると、次の通りである。
まず、例えば、けいふん等の悪臭物は鶏舎から取出し、
そのままの状態、つまり、相当に水分を含む状態で処理
する。
なお、このような生けいふんのままで処理することもで
きるが、従来例の如く、処理前に予め、1〜2日程度の
天日乾燥その他の加熱処理等によって、ある程度付着水
分を除去し、この半乾燥状態で処理することができる。
また、半乾燥状態のけいふんに対して生のけいふんを配
合して水分調整でき、このときは、半乾燥のもの30〜70
重量部と生けいふん70〜30重量部と混合するのが好まし
い。
すなわち、けいふん等の悪臭物は水分量に比例して臭気
が強くなり、粘性が高められて取扱いにくく、後記の如
く、硫酸、とくに、濃硫酸を添加する場合には、ヒュー
ムの発生量が多くなり、この面から処理前に付着水分を
なるべく除去するのが好ましく、従来例では、例えば、
処理前に1〜2日間ヤード等に放置付着水分を除去する
ことが必要になっている。しかし、このようなヤードの
放置は、周囲に悪臭を発し、きわめて広いヤードが必要
になって、通常、人家の少ない山間部以外では実施する
ことが不可能になっている。これに対し、本発明方法
は、後記の如く、珪灰石鉱物以外に生石灰ならびに鉄粉
等を添加するため、相当、例えば、20〜50%程度の水分
が存在しても、これらの反応熱によって除去され、けい
ふん等は生の状態でも処理でき、このところが一つ特徴
となっている。
次に、このけいふん等の悪臭物に対し、はじめに硫酸を
添加して混合攪拌する。この硫酸としては、市販のH2SO
4濃度が98%以上の濃硫酸を添加することもできるが、
濃硫酸を添加してもけいふん等の中には40〜50%程度の
水分により希釈されるため、希硫酸を添加しても良く、
希硫酸であると添加時のヒュームの発生を低くおさえる
ことができる。
すなわち、反応容器に対する腐食の上からは硫酸濃度の
高い方が好ましいがけいふん等は多量の水分を含み、硫
酸濃度は希釈されるために、反応容器の耐食性を高めて
希硫酸を添加し、ヒュームの発生を低くおさえるのが工
業的には好ましい。しかし、あまり硫酸濃度が低いと添
加目的が失なわれ、濃度は60%以上が好ましい。また、
硫酸の添加量は硫酸濃度との関連で決めることが必要で
あるが、通常は、けいふん等の悪臭物100重量部に対し
て5〜40重量部程度、とくに、15〜30重量部添加する。
この理由は5重量部以下では添加効果がなく、40重量部
をこえると、鉄粉等や生石灰を添加しても残存硫酸根が
多くなるからである。
次に、以上の通りに硫酸を添加し、この混合状態のとこ
ろに天然の珪灰石鉱物ならびに生石灰とともに鉄若しく
はその合金の粉末、つまり、鉄粉等を添加して混合攪拌
する。
天然の珪灰石鉱物は、上記の如く、化学成分CaSiO3とし
て示される珪灰石を主成分として含み、白色または灰白
色、板状または放射線状の塊状をなして産出されるもの
である。一般には、花コウ岩などの深成岩と石灰岩との
接触部に接触交代鉱床をなして産出されているものであ
る。この鉱床学的視点から云っても、天然の珪灰石鉱物
中にはCaSiO380重量%以上を含むほか、石灰(SiO2)や
方解石(CaCo3)、生石灰(CaO)等がある程度含まれ
る。また、この珪灰石鉱物は我が国では福井県の大野地
方、岐阜県の春日地区、山口県の大和鉱山等でかなりの
鉱床が知られている。それにも拘らず、現在のところで
は工業的に溶接棒のフラックス剤としての用途に限られ
ているため、産出量が少なく、その有効利用が望まれて
いる(なお、米国等ではタイル等の窯業原料として盛ん
に用いられていることもあって、ニューヨーク州のウォ
ルスボロ近くで大規模に採掘されている。)。
そこで、本発明者らはけいふん等の脱臭処理してそれを
有機肥料として用いるのには、鉱物として得られる天然
の珪灰石鉱物であると、 “CaSiO3以外に鉱物組成として含まれるものが、SiO2
CaO、CaCO3等であって、これらの組成物は土壌に入って
全く害を与えることがなく、むしろ、これら組成物の一
部は肥料成分として有効な面を持ち、更に、各組成物は
添加したものと同等に反応にも関与し、脱臭に有効果な
珪酸ゲルの生成に独立して含むSiO2が関与すること、”
に着目し、その上で、天然の珪灰石鉱物を添加する。
すなわち、天然の珪灰石鉱物はCaSiO380%以上で純度が
低く、これ自体では合成のものに較べると、珪酸ゲル生
成に寄与する割合が低い。しかし、鉱物の場合には、Si
O2が他と結合せずに含み、これは独立しているために、
珪酸ゲルに比較的容易に移行する。このため、天然の珪
灰石鉱物はSiO2などに補なわれ、ある程度の珪酸ゲルの
生成が確保できる。
しかし、ある程度の珪酸ゲルの生成は悪臭の除去に寄与
するが、これは悪臭除去手段の一つの意味を持つに過ぎ
ないで、肥料として用いるのには、悪臭の戻り等を除去
し、殺菌性の向上、乾燥性の向上ならびに効率化が必要
である。
このために、生石灰のほかに、鉄若しくはその合金の粉
末を添加する。
しなわち、生石灰は一般的に化学式CaOで示されるが、
市販のものにはCaOが90%以上含まれて、このCaOは硫酸
として反応し大きな反応熱を生成する。この反応時に硫
酸根は石こうとして固定され、とくに、鉄の反応生成物
はこの固定を促進し、石こう(CaSo4)はほとんど溶解
性を示さない。更に、けいふん中の水分はCaOによって
吸収されてCa(OH)2となり、けいふん中の水分が除去さ
れ乾燥が促進され、要するに、生石灰によって乾燥の促
進、乾燥の効率化、殺菌により脱臭性を向上させる。
一方、鉄粉等はその中のFe分が硫酸などの酸化反応し、
この反応熱により乾燥を促進し、殺菌が行なわれる。
この反応による反応物、例えば、硫酸鉄自体は糖類、タ
ンパク質等の分解によって生成される低級脂肪酸等の揮
発性物質を吸収し、悪臭を除去する。
このように鉄粉や鉄合金粉を添加すると、酸化熱によっ
て乾燥、殺菌が促進され、反応生成物の硫酸鉄によって
低級脂肪酸などが吸収除去されるが、これ以外に重要な
ことは、例えば、けいふんに対し還元鉄粉(Fe97%)を
2%添加すると、2週間程度経過してもほとんど臭気の
戻りがない。
すなわち、硫酸とともに天然の珪灰石鉱石や合成ウオラ
ストナイトを添加しても、例えば、還元鉄粉などの鉄粉
を添加しない場合は、処理時に悪臭が除去できても、屋
外に放置して2週間経過すると、悪臭が戻り、その悪臭
は更に4ケ月程度の発酵期間をおくことによってはじめ
て除去できる。
この理由は必ずしも明らかでないが、鉄粉やその反応生
成物、例えば、硫酸鉄、酸化鉄が存在すると、多孔質珪
酸ゲル上に固定された悪臭が強固に固定又は保持できる
からと思われる。
なお、鉄粉は還元鉄粉のほかにアトマイズ鉄粉でも用い
ることができる。しかし、反応性の上からは還元鉄粉で
あって、密度2.0〜3.5g/cm3程度のものが好ましい。
また、所望に応じて、例えば、金属ケイ素その他の発熱
剤や、石炭窒素、活性炭、骨炭、モミガラ等の水分調整
剤等を添加することができる。
すなわち、金属ケイ素の粉末の一部は硫酸と反応して発
熱するほか、酸化生成物の珪酸が一部ゲル化して珪酸ゲ
ルを生成する。
また、石灰窒素は添加混合によりその主成分のシアナミ
ドが揮発性悪臭成分に作用して悪臭成分を変化させると
共に、シアナミドの殺菌力により殺菌が行なわれ、多量
(例えば、21%程度)に含まれ窒素がけいふん等の尿素
中の窒素に加味されて肥料としての品質が大巾に向上す
る。
次に、各添加剤の好適配合割合について説明すると、次
の通りである。
まず、硫酸は濃度60%以上であって、けいふん100重量
部に対し5〜40重量%、とくに、15〜30重量%添加され
るのが好ましい。
次に、珪灰石鉱物は、上記の通り、深成岩と石灰石との
接触部において接触交代鉱床として産出されるもので珪
灰石、石灰石ならびに方解石などから成っている。すな
わち、珪灰石(CaCO3)は80%程度含むが、そのほかに
石灰石(SiO2)、方解石(CaCO3)、生石灰(CaO)等の
鉱物を含む。この添加範囲は3〜50重量部、好ましく
は、5〜15重量部である。
次に、生石灰は5〜30重量部、好ましくは、10〜25重量
部添加する。
次に、鉄粉は1〜10重量部、とくに、1〜5重量部が好
ましく、鉄合金粉のときはFe分がこのように添加される
よう添加する。
次に、石灰窒素は1〜10重量部、好ましくは、3〜10重
量部添加し、他の添加剤は水分、臭気の度合等を考慮し
て添加する。
また、以上の通りにけいふん等を攪拌しているところに
徐々に滴下し、珪灰石鉱物、生石灰及び鉄粉等は個別的
に添加しても予め混合して添加することもできる。更
に、硫酸の添加混合時の攪拌時間は2〜15分間程度、そ
の後、上記添加剤を添加してからの攪拌時間は5〜60
分、好ましくは、10〜30分である。
実施例 次に、実施例について説明する。
まず、生けいふん100重量部(水分30重量%)を逆円錐
上の容器中において攪拌羽根の回転速度50r.p.mで攪拌
を開始してから、濃度60〜98%の各種硫酸5〜40重量部
を添加して5〜10分間攪拌した。その後、これに珪灰石
鉱物(CaSiO3の珪灰石82%、他が石炭鉱物、方解石、生
石炭から成る)の粉末(粒度1μ下)3〜50重量部、生
石灰の粉末(粒度200μ下)3〜30重量部及び還元鉄(F
e98%)粉(密度2.9g/cm3、10μ下)0.5〜5重量部を予
め混合しておいて添加し、10〜50分間で攪拌した。
このように得られた有機肥料を1ケ月間ヤードに放置し
た。
このところを詳しく示すと、次の通りであった。
(1)硫酸→添加量は上記範囲内で一定として、硫酸濃
度のみを60%、69%、75%、80%、98%と変化させ、処
理した。
(イ)60%のときは、添加後の攪拌時間を40分程度に延
長すると、臭気が除去できた。
(ロ)69%〜80%のときは、攪拌時間20分程度で十分に
臭気が除去できた。
(ハ)98%のときは、添加時にヒュームが発生し、硫酸
がとびちり、添加攪拌を10分程度続けてある程度生けい
ふんを混練したところでないと円滑に添加できなかっ
た。
(ニ)上記の場合、処理温度は70℃以上であったが、98
%、90%のときには、生石灰30〜50重量部および鉄粉4
〜5重量部添加したこともあったが、処理温度が120℃
程度と高くなった。
(2)珪灰石鉱物を重量部で3部、10部、15部、20部、
40部、50部を添加し、他の条件を一定にして処理したと
き、 (イ)3部のときは、処理後にやや臭気が残った。その
後、1ケ月放置すると、臭気が戻り、その後、更に放置
させて、5ケ月程度放置すると、臭気がなくなった。
(ロ)添加量をふやして10部、15部、20部、40部、50部
にしたときには、鉄粉の添加量0.5部のときには、臭気
が残ったが、鉄粉の添加量を1部にふやしたときは、生
石灰3部程度でも、処理温度は60℃前後になり、処理直
後は臭気が全くなく、1ケ月放置の間に湿分を持った
が、臭気の戻りがなかった。
なかでも、40部、59部のものは、処理中のガス量が多く
なり、そのガスの中にはCO2ガスが多くなることもあっ
て、臭気もそれほどなく、脱臭効果が向上し、悪臭が相
当離脱していることもあって、戻りがきわめて少なくな
った。
(3)生石灰3部、5部、20部、30部とし、他の条件を
一定として処理したとき、 (イ)3部のときは、鉄粉0.5部、珪灰石鉱物40部の如
く添加しても処理後にややベタツク程度に水分が残り、
これにともなって臭気も未だ相当残っていた。
(ロ)30部以上のときは、鉄粉0.5部としても処理温度
が130℃程度まで上昇し処理物はその臭気が全くなくな
った。しかし、15日放置した程度で臭気が戻り、2ケ月
放置すると、臭気の戻りが大きくなり、有機肥料として
市販できないものとなった。
(4)鉄粉0.5部、1部、3部、4部、5部とし、他の
条件を一定として処理したとき、 (イ)鉄粉1、3、4、5部のときは、珪灰石鉱物3
部、生石灰3部の如く少量添加であっても、処理物はほ
とんど悪臭がなかった。1ケ月後放置後に全く戻りが観
察できず、この中で鉄粉5部のときは、処理直後ではや
や鉄粉のにおいが残って1ケ月後にはこのにおいが消失
した。
(ロ)鉄粉0.5部のときは、珪灰石鉱物40部、50部とふ
やしたときには処理直後にほとんど悪臭がなかった。2
週間後にサンプルをとったところ、悪臭がやや戻り、1
ケ月後には相当の悪臭がもどり、このため、ヤードにお
いて処理物を攪拌し、4ケ月程度処理したところ、悪臭
が消失した。
(ハ)比較のために、還元鉄粉密度2.1〜4.0g/cm3のも
のを添加したが、密度4.0g/cm3程度になると、その添加
量を4〜5部程度にふやす必要があった。
〈発明の効果〉 以上詳しく説明した通り、本発明方法は、けいふんその
他の生の有機質悪臭物に硫酸を添加して混合攪拌後、こ
れに天然の珪灰石鉱物ならびに生石灰を添加するととも
に、鉄若しくはその合金の粉末を適正量添加して混合攪
拌する。
したがって、硫酸に加えて生石灰を添加するため、この
反応熱により少なくとも70℃に昇温水分の蒸発や乾燥が
促進され、殺菌効果が高められる。
また、生石灰と共に添加される珪灰石鉱物は自然に産出
される鉱石であり、一般に花コウ岩等と石灰石の接触部
に接触交代鉱床として産出されるものである。したがっ
て、この鉱物中には化学式CaSiO3で示す珪灰石を主成分
として含むが、このほかにCaOで示す石灰石やSiO2で示
す石灰、CaCO3で示す方解石を結合させることなく鉱物
組成として含むものである。このため、肥料として添加
しても円滑に土壌の一部となり、この中で石灰石は添加
される生石灰と同等に発熱乾燥性を発揮して悪臭の除去
や乾燥が一層促進され、珪灰石は硫酸の中和処理により
珪酸ゲルが生成されると共に、石英によっても珪酸ゲル
が生成され、脱臭反応が向上する。
更に、方解石は分解してCO2ガスを生成し、CO2ガスの飛
散とともにこれに伴なって脱臭物が飛散して除去され、
脱臭効果が一層高められ、反応生成物のCaOは添加され
る生石灰と相まってその効果を助長する。
更に、鉄若しくはその合金の粉末は硫酸との酸化反応に
よって大きな反応熱を発生するほか、反応により生成さ
れる硫酸鉄によって有機質の分解を促進し、このほか
に、脱臭される悪臭の珪酸ゲルなど上への固定効果を高
め、脱臭の戻りが防止される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水を多く含んだ生けいふんその他の生の有
    機質悪臭排出物に硫酸を添加して混合攪拌してから、生
    石灰と、少なくともCaOならびにSiO2が鉱物組織として
    結合されない状態で含む天然珪灰石鉱物とを添加するほ
    か、鉄若しくはその合金の粉末を前記有機質悪臭物100
    重量部に対し1〜5重量部添加して混合攪拌して、悪臭
    を除去し、その後半乾燥状態で排出することを特徴とす
    るけいふんその他の有機質肥料の製造方法。
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