JPH06218031A

JPH06218031A - 消臭剤組成物

Info

Publication number: JPH06218031A
Application number: JP50A
Authority: JP
Inventors: Asao Shimanishi; 淺男嶋西
Original assignee: SHIMANISHI KAKEN KK
Current assignee: SHIMANISHI KAKEN KK
Priority date: 1993-01-28
Filing date: 1993-01-28
Publication date: 1994-08-09

Abstract

(57)【要約】【構成】雲母系鉱物に無機酸を作用させて得られる酸
性溶液を有効成分とする消臭剤。【効果】本発明の消臭剤は、優れた消臭作用を有する
ので、トイレ、ゴミ処理場、養鶏・養豚場等の消臭剤と
して広く利用することができるものである。また、スプ
レー状とした本発明の消臭剤は、簡便に利用できる消臭
剤として、冷蔵庫、靴箱、ペット飼育舎等に散布するこ
とができるものである。更に、口臭、ワキガ等の体臭防
止や靴の悪臭防止、水虫の悪臭防止にも利用することが
可能である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は消臭剤組成物に関し、更
に詳細には、鉱物抽出成分を有効成分とする消臭剤組成
物に関する。

【０００２】

【従来の技術およびその課題】近年、生活環境や意識の
変化にともない、悪臭や異臭の防止に対する要求の程度
が高まっており、例えば、従来から生産を続けている悪
臭源に対しても、近隣住民より悪臭や異臭が要求される
に至っていることも多い。

【０００３】また、身の回りにおいても、悪臭の防止が
強く要求されており、トイレ、生ゴミ、冷蔵庫、靴箱等
において種々の防臭法がとられている。更に、最近は、
口臭やペットの臭いを問題とする傾向もあり、これらを
解決するための手段が提案されている。

【０００４】従来、悪臭を防止する消臭方法としては、
マスキング法、化学的消臭方法、物理的消臭方法、生物
学的消臭方法等が従来より知られているが、未だ十分と
は言い切れないものであった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明者は、長年にわた
って鉱物中に含まれるミネラル成分の作用について研究
を行ってきたが、今回、雲母系鉱物に無機酸を作用させ
て得られる含金属酸性溶液中は、悪臭を有効に防除でき
ることを見出し、本発明を完成した。

【０００６】すなわち、本発明は、雲母系鉱物に無機酸
を作用させて得られる含金属酸性溶液を有効成分とする
消臭剤を提供するものである。

【０００７】本発明の消臭剤において、有効成分として
用いられる含金属酸性溶液は、常温ないしは加熱下、雲
母系鉱物に無機酸を作用させ、数時間〜数日間放置する
ことにより得られる。

【０００８】含金属酸性溶液を得るための原料として用
いられる雲母系鉱物としては、黒雲母、金雲母、鉄雲
母、チンワルド雲母等の黒雲母系列雲母；白雲母、紅雲
母、ソーダ雲母、セリサイト、イライト等の白雲母系列
雲母；これら雲母が風化してできるバーミキュライト
（ひる石）等が挙げられる。また、これらばかりでな
く、雲母を含有する鉱物、例えば花崗岩、長石等の鉱物
およびこれが風化してできる鉱物も利用することができ
る。これらのうち、鉱物中のミネラル成分が多く、かつ
溶解しやすいことから、バーミキュライトを利用するこ
とが好ましい。

【０００９】一方、無機酸としては、硫酸、塩酸等が利
用できるが、経済性等を考慮すると硫酸、例えば２５％
濃度の硫酸水溶液を使用することが好ましい。

【００１０】本発明の含金属酸性溶液を得るには、例え
ば、雲母系鉱物を好ましくは粉砕した後、これに２５％
硫酸を、その重量比で４：３〜４となるように加え、好
ましくは撹拌下に放置し、次いで含金属酸性溶液から不
溶物を濾別すれば良い。

【００１１】放置時間は、温度に依存し、例えば上記反
応を室温で行うときは数日間放置する必要があるが、１
００℃で行うときは、数時間で良い。

【００１２】以上の様にして得られる含金属酸性溶液
は、Ｓｉ、Ａｌ、Ｍｇ、Ｆｅ、Ｋ、Ｎａ等を多く含み、
また、微量成分としてＬｉ、Ｚｒ、Ｖ、Ｎｉ、Ｃｏ、
Ｐ、Ｂａ、Ｓ等を含んでいるが、Ｈｇ、Ａｓ、Ｐｂ、Ｃ
ｄ、Ｃｒ等の有害物は全く含まないものである。

【００１３】本発明の消臭剤は、上記含金属酸性溶液
を、公知の液体または固形担体と組合せることにより調
製される。液体担体の例としては、水、エタノール等が
挙げられ、また、固形担体としては、紙、不織布、布、
ケイソウ土、タルク等が挙げられる。

【００１４】本発明消臭剤は、一般には、悪臭源に対し
含金属酸性溶液として０.１〜１００ｍｌ／ｍ²程度とな
るように散布すれば良く、悪臭が特に強いときは、これ
より多めに散布しても良い。

【００１５】本発明消臭剤の、好ましい具体例として
は、スプレータイプの消臭剤が挙げられる。この消臭
剤は、水に、５０〜５０００ｐｐｍ程度、好ましくは１
００〜１０００ｐｐｍ程度の含金属酸性溶液を加え、こ
れを公知のエアゾール缶に充填し、当該エアゾール缶に
吹き込んだ窒素ガス、炭酸ガス、ＬＰＧ等で噴射するよ
うにしたものである。

【００１６】このスプレータイプの消臭剤は、希釈され
た含金属酸性溶液をミスト状に噴出するもので、冷蔵庫
や靴箱の中や、トイレ、生ゴミ容器等に簡単に散布する
ことができるものである。また、口臭、ワキガ等体臭の
防止や靴の悪臭防止、水虫防止にも手軽に利用できるも
のである。

【００１７】

【作用】本発明の消臭剤の作用については、未だ明らか
ではないが、含金属酸性溶液が微生物の発育を抑制し、
また、悪臭源を酸化、中和するためと推測される。

【００１８】

【実施例】次に、実施例および参考例を挙げ、本発明を
更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例等になん
ら制約されるものではない。

【００１９】参考例１バーミキュライト（福島県採取）を粉砕、篩別して４メ
ッシュ以下の粉体とした。この粉末１ｔを１０００℃
で４０分間焼成した。焼成後放冷し、常温に戻った
後、これをミキサーに入れ、さらに２５％硫酸１ｍ³を
加え、９５℃で４時間撹拌した。次いで、この混合物
を濾過し、液状物として含金属酸性溶液０.７ｍ³を得
た。得られた液状物のｐＨは０.２であり、これについ
て組成成分を分析した結果は次の通りであった。

【００２０】 * 含有量の単位は、ｐｐｍ（μｇ／ｍｌ）である。Ｎ
Ｄは検出限界以下であったことを示す。

【００２１】実施例１参考例で得られた含金属酸性溶液を３００ｐｐｍになる
ように水に溶解し、これを噴射ガス（ＬＰＧ）とともに
エアゾール容器に充填し、消臭スプレーを調製した。こ
の消臭スプレーを、通常の家庭の冷蔵庫に噴霧したとこ
ろ、冷蔵庫中の腐敗臭（悪臭）が直ちになくなった。そ
の効果は翌日まで持続した。

【００２２】実施例２参考例で得られた含金属酸性溶液を５００ｐｐｍになる
ように水に溶解し、これを噴射ガス（ＬＰＧ＋ＣＯ₂）
とともにエアゾール容器に充填し、消臭スプレーを調製
した。この消臭スプレーを悪臭のあるトイレに噴霧した
ところ悪臭がなくなり、その効果は３時間持続した。

【００２３】実施例３参考例で得られた含金属酸性溶液を３００ｐｐｍになる
ように水に溶解し、これを噴射ガス（窒素ガス）ととも
にエアゾール容器に充填し、消臭スプレーを調製した。
この消臭スプレーを歯槽膿漏の口臭で悩む人の口にスプ
レーしたところ、口臭が消えその効果は３０分間持続し
たままであった。

【００２４】実施例４参考例で得られた含金属酸性溶液を６００ｐｐｍになる
ように水に溶解し、これを噴射ガス（ＬＰＧ＋ＣＯ₂）
とともにエアゾール容器に充填し、消臭スプレーを調製
した。この消臭スプレーを獣臭のある犬小屋に噴霧した
ところ獣臭が消え、その効果は６時間持続した。

【００２５】実施例５参考例で得られた含金属酸性溶液を４００ｐｐｍになる
ように水に溶解し、これを窒素ガスとともにエアゾール
容器に充填し、消臭スプレーを調製した。この消臭スプ
レーを糞臭のある鳥かごに噴霧したところ糞臭が消え、
その効果は２４時間持続した。消臭スプレー噴霧を毎日
繰り返し３０日経過しても、小鳥に何の異常もみられな
かった。

【００２６】実施例６参考例で得られた含金属酸性溶液を１０００ｐｐｍにな
るように水に溶解し、これを噴射ガス（ＬＰＧ＋Ｃ
Ｏ₂）とともにエアゾール容器に充填し、消臭スプレー
を調製した。この消臭スプレーを使用後の取り替え時に
大人用のおむつ及び排泄部分に噴霧したところ、糞臭が
消え、おむつ取り替え作業がやりやすくなり、使用後の
おむつを運搬中も糞臭がなく、運搬操作についての苦情
もなくなった。

【００２７】実施例７参考例で得られた含金属酸性溶液を５倍に希釈し消臭液
剤２ｌを調製した。この液剤を、糞臭のある汲み取り式
糞坪に直接バケツで入れた。糞臭はたちまち消え、その
効果は６時間持続した。その６時間後に再び同じ消臭液
剤２ｌを直接バケツで入れた。その効果は前よりも長く
１０時間持続した。同じ操作を繰り返したところ、５回
目には２４時間の持続となった。

【００２８】実施例８参考例で得られた含金属酸性溶液を２０００ｐｐｍにな
るように水に溶解し、消臭液剤を調製した。これを列車
に付属する循環式トイレの水として使用した。その結
果、循環式トイレの臭いが消え、通常の循環式トイレの
水交換時になってもトイレの臭いが皆無であった。

【００２９】実施例９参考例で得られた含金属酸性溶液を１５００ｐｐｍにな
るように水に溶解し、消臭液剤を調製した。この液剤２
トンをアオコの発生した富栄養湖のアオコ発生水域に散
布した。その結果アオコの悪臭は消え、その効果は２４
時間持続した。また、二次的効果としてアオコ発生を弱
める効果もあった。

【００３０】実施例１０参考例で得られた含金属酸性溶液を２５００ｐｐｍにな
るように水に溶解し、消臭液剤を調製した。この液剤３
トンをゴミ処理廃棄場に、空から軽飛行機で散布した。
そのゴミ処理廃棄場特有の臭いが消え、その効果は１
２時間持続した。

【００３１】実施例１１参考例で得られた含金属酸性溶液を消臭添加剤として１
５０ｐｐｍになるように、熱帯魚の水槽に溶解した。そ
れまで魚臭のある熱帯魚の水槽から、その臭いが消え、
６日間効果が持続した。６日間毎にこの操作を３ヵ月繰
り返しても水槽中の熱帯魚に異変は認められなかった。

【００３２】実施例１２参考例で得られた含金属酸性溶液を５,０００ｐｐｍに
なるように５０ｍｌの水に溶解し、プラスチックのボト
ルに充填した。これを悪臭のある水虫に感染した足の
指に塗布したところ、悪臭は直ちに消えた。毎日この
塗布を続けていたところ、悪臭の消える効果の上に、水
虫が次第に治癒する効果もあった。

【００３３】

【発明の効果】本発明の消臭剤は、優れた消臭作用を有
するので、トイレ、ゴミ処理場、養鶏・養豚場等の消臭
剤として広く利用することができるものである。また、
スプレー状とした本発明の消臭剤は、簡便に利用できる
消臭剤として、冷蔵庫、靴箱、ペット飼育舎等に散布す
ることができるものである。更に、口臭、ワキガ等の体
臭防止や靴の悪臭防止、水虫の悪臭防止にも利用するこ
とが可能である。以上

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】雲母系鉱物に無機酸を作用させて得られ
る含金属酸性溶液を有効成分とする消臭剤。