JPH0679612A - 鋼管内面錆落し機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 錆落し能力が高く、しかも低コストで形成で
きる鋼管内面錆落し機を提供する。 【構成】 ガイドフレーム４にその長手方向に沿ってド
ライブシャフト６を軸受ユニット３で回転自在に支持さ
せる。ガイドフレーム４の基部に、ドライブシャフト６
を回転するモータ７を設ける。ドライブシャフト６の先
端に、錆落し回転ヘッド部９ａを設ける。錆落し回転ヘ
ッド部９ａには、遠心力で外周方向に突出するように支
持体で支持させてワイヤーブラシ１１を取付ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、地中や水中（海中も含
む）等に設置されている鋼管内面の錆落しをする鋼管内
面錆落し機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】地中や水中等に設置されている鋼管は、
長い年月を経ると錆が発生して機械的強度が低下し、使
用に耐えられなくなる事態になる。

【０００３】これを回避するため、鋼管の内面の錆落し
をし、その後に該鋼管の中にコンクリートを充填し、こ
れにより鋼管の寿命を延ばす工法提案されている。

【０００４】この場合の従来の鋼管内面錆落し機として
は、ドライブシャフトの回りに半径方向に開くようにバ
ネ圧をかけた複数の縦向きカッターを取付けた構造のも
のが使用されていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構造では錆落し能力が低い上に、高価となる問題点
があった。

【０００６】本発明の目的は、錆落し能力が高く、しか
も低コストで形成できる鋼管内面錆落し機を提供するこ
とにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明の第１の特徴は、錆落しすべき鋼管の内部に挿入さ
れるガイドフレームと、前記ガイドフレームにその長手
方向に沿って回転自在に支持されているドライブシャフ
トと、前記ガイドフレームの基部に設けられて前記ドラ
イブシャフトを回転させるモータと、前記ドライブシャ
フトの先端に設けられた錆落し回転ヘッドとを備え、前
記錆落し回転ヘッド部には遠心力で外周方向に突出する
ように支持体で支持されたワイヤーブラシが設けられて
いることにあり（請求項１）、第２に、前記錆落し回転
ヘッド部には、前記ワイヤーブラシのと共に遠心力で外
周方向に自由端が振り出される複数のチエン片の基端が
支持されていることにある（請求項２）。

【０００８】

【作用】この鋼管内面錆落し機を、錆落しすべき鋼管の
内部に挿入し、モータを回転する。かくすると、ドライ
ブシャフトを介して先端の錆落し回転ヘッドが回転す
る。この錆落し回転ヘッドの回転による遠心力がワイヤ
ーブラシに作用すると、該ワイヤーブラシが半円方向に
せり出し、鋼管の内面に接しつつ回転し、該ワイヤーブ
ラシの先端が鋼管内面の錆落しが行われる。

【０００９】ワイヤーブラシは、その先端が摩耗する
と、遠心力で次の部分が鋼管内面に接触するようにな
り、安定して錆落しが行える。

【００１０】また錆落し回転ヘッドにワイヤーブラシの
他に複数のチェンの基端を支持されせておくと、これら
チェンは遠心力でその自由端が振り出され、これらチェ
ンの自由端で鋼管内面が叩かれ、一層良好に錆落しを行
われるようになる。

【００１１】

【実施例】図１〜図３は、本発明に係る鋼管内面錆落し
機の一実施例を示したものである。図示のように、本実
施例の鋼管内面錆落し機は、一対の溝形鋼１と、これら
を連結する連結プレート２及び軸受ユニット３により構
成されたガイドフレーム４を備えている。ガイドフレー
ム４の上端には吊り部５が設けられている。

【００１２】このガイドフレーム４には、その中心に沿
ってドライブシャフト６が配置され、該ドライブシャフ
ト６は各軸受ユニット３で回転自在に支持されている。

【００１３】基端の連結プレート２の下に位置させてガ
イドフレーム４にはモータ７が支持され、該モータ７に
よりドライブシャフト６が回転駆動されるようになって
いる。

【００１４】ガイドフレーム４には先端（下端）寄りの
位置に鋼管ガイド８が摺動自在に設けられている。

【００１５】ドライブシャフト６の先端（下端）には、
錆落し回転ヘッド部９ａ，９ｂが設けられている。

【００１６】錆落し回転ヘッド部９ａには、遠心力で外
周方向に突出するように支持体１０で支持されてワイヤ
ーブラシ１１が設けられている。即ち、ワイヤーブラシ
１１は折り返し形に屈曲され、その先端側が揃えられて
クリップ形支持体１０で摺動自在に支持されている。該
ワイヤーブラシ１１の折り返しループ１１ａ内には、ス
トッパー１２が配置され、該ストッパー１２は錆落し回
転ヘッド９ａに支持されている。

【００１７】また、錆落し回転ヘッド部９ａ，９ｂの外
周には、鋼製等の複数の硬質チェン１３の基端が固定さ
れている。これら硬質チェン１３の自由端は、遠心力で
半径方向に振り出されるようになっている。

【００１８】次にこのような鋼管内面錆落し機１４によ
る鋼管内面の錆落し作業について、該図１〜図４を参照
して説明する。

【００１９】図４に示すように鋼管１５は、この例では
陸地１６と海１７の境界に立設されている。この鋼管１
５の内面の錆落しをするに際し、鋼管内面錆落し機１４
をクレーン１８で吊って鋼管１５内に降下させる。鋼管
１５の上部は、反力受ガイド１９で押さえておく。

【００２０】かかる状態で、モータ７でドライブシャフ
ト６を介して錆落し回転ヘッド部９ａ，９ｂを回転す
る。かくすると、遠心力が作用して、ワイヤーブラシ１
１の先端が図３に示すように鋼管１５の内面に接触す
る。この状態でワイヤーブラシ１１が回転するので、鋼
管１５の内面の錆落しが行われる。ワイヤーブラシ１１
の先端が摩耗すると、遠心力で次の部分が鋼管１５の内
面に接触するようになる。従って、安定して錆落しを行
うことができる。

【００２１】また、回転ヘッド部９ａ，９ｂの回転によ
りチェン１３の自由端が振り出され、鋼管１５の内面を
叩く。これにより、ワイヤーブラシ１１ではとれないよ
うな錆も落すことができ、一層良好に錆落しを行うこと
ができる。

【００２２】このような錆落し作業は、例えば鋼管内面
錆落し機１４を上方から下降させつつ行うか、下方から
上昇させつつ行う。

【００２３】錆落し作業が終了したら、鋼管１５内にコ
ンクリートを落し込み、鋼管１５内をコンクリートで満
たす。

【００２４】なお、この鋼管内面錆落し機１４は、横向
の鋼管内面の錆落しも行うことができる。

【００２５】鋼管１５内の錆の程度によっては、ワイヤ
ーブラシ１１のみで錆落しを行うことができる。

【００２６】

【発明の効果】請求項１に記載の鋼管内面錆落し機は、
錆落し回転ヘッド部に遠心力で外周方向に突出するワイ
ヤーブラシを設けた構造としたので、該ワイヤーブラシ
は遠心力で常に鋼管内面に接触しつつ回転することにな
り、錆落し能力を向上されることができる。また、ワイ
ヤーブラシは安価であり、低コストで実施できる利点が
ある。

【００２７】請求項２に記載の鋼管内面錆落し機は、回
転ヘッド部にワイヤーブラシの他に、遠心力で自由端が
半径方向に振り出されるチェンの基端を支持させている
ので、このチェンの自由端で鋼管内面が叩かれることに
なり、ワイヤーブラシでは落せない錆も落すことがで
き、一層良好に錆落しを行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る鋼管内面錆落し機の側面図であ
る。

【図２】図１のＡ−Ａ線拡大断面図である。

【図３】図１で用いている錆落し回転ヘッド部の要部横
断平面図である。

【図４】図１に示す鋼管内面錆落し機の使用状態を示す
縦断面図である。

【符号の説明】

１ 溝形鋼 ２ 連結プレート ３ 軸受ユニット ４ ガイドフレーム ５ 吊り部 ６ ドライブシャフト ７ モータ ８ 鋼管ガイド ９ａ，９ｂ 錆落し回転ヘッド部 １０ 支持体 １１ ワイヤーブラシ １１ａ ループ部 １２ ストッパー １３ 硬質チェン １４ 鋼管内面錆落し機 １５ 鋼管 １６ 陸地 １７ 海 １８ クレーン １９ 反力受ガイド

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 錆落しすべき鋼管の内部に挿入されるガ
   イドフレームと、前記ガイドフレームにその長手方向に
   沿って回転自在に支持されているドライブシャフトと、
   前記ガイドフレームの基部に設けられて前記ドライブシ
   ャフトを回転させるモータと、前記ドライブシャフトの
   先端に設けられた錆落し回転ヘッドとを備え、前記錆落
   し回転ヘッド部には遠心力で外周方向に突出するように
   支持体で支持されたワイヤーブラシが設けられているこ
   とを特徴とする鋼管内面錆落し機。
2. 【請求項２】 前記錆落し回転ヘッド部には、前記ワイ
   ヤーブラシと共に遠心力で外周方向に自由端が振り出さ
   れる複数のチエン片の基端が支持されていることを特徴
   とする請求項１に記載の鋼管内面錆落し機。