JPH0678511B2 - 液晶素子基板間用接着剤 - Google Patents

液晶素子基板間用接着剤

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JPH0678511B2
JPH0678511B2 JP62250925A JP25092587A JPH0678511B2 JP H0678511 B2 JPH0678511 B2 JP H0678511B2 JP 62250925 A JP62250925 A JP 62250925A JP 25092587 A JP25092587 A JP 25092587A JP H0678511 B2 JPH0678511 B2 JP H0678511B2
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紘一郎 岡
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ガラスならびにフィルムを基板とする液晶表
示素子および調光ガラスに代表される液晶素子の基板間
用の接着剤に関する。
[従来の技術] 熱硬化性樹脂は、一般的な特徴として硬化後の堅さを挙
げることができる。大部分の用途では特に問題なく使用
されているものの、一部の用途では硬さ、もろさ、靱性
の欠如が致命的になることがある。特に接着剤として剥
離強度が充分にあがらないのが問題であった。
熱硬化性樹脂の硬さを改善する方法の一つにゴム成分を
ブレンドする方法が一般的に知られている。熱硬化性樹
脂とゴム成分の混合物から粒子状物を得るためには、ブ
ロックを凍結機械粉砕する方法がとられている。
しかしながら、凍結機械粉砕する方法は、ゴム成分を含
有しているために微細な粒子状に粉砕することが困難で
あり、また、その粒子は無定形状であった。
また、一般に、液晶表示素子において、衝撃や液晶の移
動に対する安定性を出すために、画像表示部分の基板を
肉眼では見えないような微小な接着粒子で分散接着し、
画像表示部分を固定化する方法が有効であると言われて
いる。
液晶表示素子の基板間を点状に接着する粒子としては、
すでに特開昭60−208333号公報、特開昭60−208334号公
報、特開昭61−57617号公報が知られている。
しかしながら、接着機能に重点を置くこれらの粒子には
以下のような問題がある。
液晶表示素子は、商品の移送中および使用中に低温にさ
らされることがあり、−30℃程度での安定性および−20
℃程度での作動性が一般に要求されている。液晶表示素
子を構成する部材のうち、液晶の線膨張係数がおよそ10
-3/℃のオーダーであるに対して、ガラスやスペーサ粒
子、接着粒子はおよそ10-5/℃のオーダである。このた
め、常温付近から低温へ冷却されて行くにつれて、液晶
の方が一方的に収縮する結果となり、室温から−30℃へ
およそ50℃の低下に対して、少なくとも表示面積の15%
近くの液晶が非充填状態、つまり真空泡となって表示画
面内に空隙を形成することが単純な計算からも予測でき
る。現実には、基板のたわみやスペーサ粒子および接着
粒子の変形があるために、計算結果よりはかなり少ない
発生量になるが、真空泡が発生することは明らかな事実
であり、低温における液晶表示素子の品位が著しく損な
われるのである。
また、特開昭58−84875号公報においては、フェノール
樹脂粉末と変性ゴムラテックスなどからなる接着剤組成
物について、さらには、特開昭58−157877号において
は、合成ゴムとフェノール樹脂を含有する無電解めっき
用接着剤についての技術が示されているが、いずれも微
粒子として検討されているものではなかった。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は、かかる問題点を解決しようとするものであ
り、真空泡の発生しない液晶素子を製造するために好適
に使用される液晶素子基板間用接着剤を提供する。さら
には、フィルムに対して高い剥離強度を持ち、フィルム
ベース液晶表示素子を製造するために好適に使用される
粉末接着剤を提供する。
[問題点を解決するための手段] 上記目的を達成するために本発明は次の構成を有する。
「エポキシ樹脂成分40〜90重量%、ゴム成分10〜60重量
%から少なくとも構成され、かつ実質的に球形状を有
し、さらに、平均粒子径が1〜100μmの範囲にあり、
かつ粒子径変動率が30%以内であることを特徴とする液
晶素子基板間用接着剤。」 本発明の詳細について以下に順次説明する。
本発明においてはエポキシ樹脂が使用され、液体または
固体状でさしつかえないが、有機溶媒に可溶性であるこ
とが好ましい。
以下に本発明で使用されるエポキシ樹脂について説明す
る。
本発明で使用されるエポキシ樹脂としては、分子内にエ
ポキシ基を2個あるいはそれ以上含むものが好ましい。
エポキシ基を2個含むものとしては、ビスフェノールA,
B,F,S,Hなどビスフェノール系樹脂、特に付加体として
n=0〜30程度のもの、ダイマー酸変性ビスフェノール
類,ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル,1,6
−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル,脂環式エポ
キシ樹脂などがある。エポキシ基を3個以上持つものと
してはフェノールノボラック型化合物のポリグリシジル
エーテルやN,N,N′,N′−テトラグリシジル−m−キシ
レンジアミンなどがある。
本発明ではエポキシ基を2個含むエポキシ樹脂、なかで
もビスフェノール系樹脂が後述の潜在型硬化剤との相溶
性などの観点から好適に用いられ、エポキシ基を3個以
上持ったものや、2−エチルヘキシルグリシジルエーテ
ルなど単官能性のエポキシ化合物は、上記2官能性エポ
キシ樹脂に配合使用される副次的な場合が多い。エポキ
シ樹脂と後述のゴム成分および潜在型硬化剤の混合物が
常温付近で液状あるいは粘着状を呈する場合には、部分
硬化(Bステージ化)することによって予め固体化して
おく必要があり、この場合にはBステージでの架橋結合
を起こさないよう特に3官能以上のエポキシ樹脂の使用
は部分的である方が好ましい。単官能性のエポキシ化合
物は使用量が多くなると硬化後の重合度が低くなる傾向
がある。
本発明で使用されるゴム成分としては、有機溶媒に可溶
性であるものが好ましい。その理由としては、一般にゴ
ム成分の粘度が高く、熱硬化性樹脂と混合しにくいため
に、有機溶媒の働きで粘度の低下をはかり、混合性ある
いは加工性を高めることができるからである。
本発明で使用できるゴム成分の例を次に挙げるが、本発
明は特にこれに限定されるものではない。
ブタジエンを共重合成分の一つとして少なくとも使用し
ているゴム、例えばブタジエンとアクリロニトリル共重
合体およびその末端をカルボキシル基やアミノ基変性し
たもの、実質上ブタジエン単独のゴムの例として、ポリ
ブタジエンおよびその変性品、例えばマレイン化、メタ
クリル化、アクリル化、エポキシ化物など、また水酸基
末端液状ポリブタジエンおよびその変性品、例えば、末
端もしくは分子内のマレイン化、エポキシ化、またはグ
リシジル化、イソシアネート化物など、さらにはブチル
アクリレートなど炭素数の比較的多い脂肪族アルコール
と(メタ)アクリル酸のエステルを共重合成分とするア
クリル系ゴムがある。また、エポキシ樹脂の末端のグリ
シジル基の全部または一部をNBRのようなゴム成分で変
性したもののように、熱硬化性樹脂のゴム変性物があ
る。これらは、重合体として、あるいはモノマとして配
合され、モノマの場合は配合後にゴム成分へ重合され
る。
本発明では、エポキシ樹脂成分40〜90wt%、ゴム成分10
〜60wt%の配合比である時、さらにはエポキシ樹脂成分
50〜80wt%、ゴム成分20〜50wt%の時に好ましく達成さ
れる。エポキシ樹脂成分が40wt%未満になるとゴム成分
が連続層となり粒子が一般に柔らかくなりすぎ、また接
着力が低下する。またエポキシ樹脂成分が90wt%を越え
るとゴム成分による改質効果が現われにくい。
上記のようなゴム成分のうち、エポキシ基あるいはグリ
シジル基をもつものがエポキシ樹脂に対して熱硬化時に
硬化挙動を同一にできるごとく、熱硬化性樹脂とゴム成
分とが同一の活性基を持っていることが好ましい。ま
た、熱硬化性樹脂と反応し得る活性基を持つゴム成分も
好ましく使用される。
熱硬化性樹脂とゴム成分は互いに相溶するものであって
もよいし、相分離するものであってもよい。しかし、硬
化前の熱硬化性樹脂とゴム成分の相分離状の混合物を後
述の方法で球状粒子化する場合は、撹拌の程度(状態)
によって生成物に海島構造の違いが現われるので、再現
性に影響を受けるおそれがある。このため、相分離する
場合でも少なくとも粒子化以前の状態では相溶状態にあ
る方が粒子間の組成の均一性から好ましい。
特に、エポキシ樹脂とゴム成分とは一時的に透明な相溶
体を形成できることが好ましい。もし相溶体を形成でき
ない場合は、エポキシ樹脂とゴム成分とが海島状に相分
離する。本発明の粒子を得るための方法の一つとして、
後述するように乳化法による球状粒子の製造方法があ
る。相分離しているものに対して、この方法(乳化法)
を用いると、油滴の大きさによって組成比の異なる粒子
かできることは明らかである。即ち、非常に小さい油滴
ではエポキシ樹脂がゴム成分だけの粒子になり、油滴が
大きくなるに従って粒子間の組成比のバラツキが小さく
なる。一般に、エマルジョンでは油滴に粒子径分布があ
るのは常識であり、結果的に組成比のバラツキのある粉
体を得ることになる。このようなことから、組成比の粒
子間のバラツキのない粒子を得る方法として、エポキシ
樹脂とゴム成分とを一時的に相溶体にするのが好まし
い。その方法の例を次に挙げる。
エポキシ樹脂とゴム成分の少なくともいずれか一方が液
状で、非常に相溶し易いときには、単に混合するだけで
も相溶することがある。しかし、室温付近では相溶しな
いが加熱することによって相溶する場合は、相溶温度以
上に加熱する。しかし、後述するように本発明を具体化
するための一方法としてエポキシ樹脂とゴム成分の相溶
体を水中に乳化する方法を挙げているので、相溶加熱温
度は水の沸点以下であることが好ましい。即ち、常圧系
では100℃以下、加圧系ではそれ以上も可能である。
エポキシ樹脂とゴム成分が単に加熱するだけでは相溶し
ない場合には、両者の共通溶媒に溶解することにより相
溶する方法がある。この場合に使用する有機溶媒として
は、後述するように水中への乳化性と乳化後の脱溶媒性
に対する適性を備えていることが好ましい。この目的の
ために、有機溶媒としては沸点が100℃以下で非水溶性
を示すものが好ましい。沸点が100℃を越えると、脱溶
媒条件が水の沸点に近づくために、同伴水量が増加して
脱溶媒の効率が低下する。また、有機溶媒の水溶性が増
すと水中への乳化が困難になる傾向がある。使用し得る
有機溶媒の例を挙げると、クロロホルム、塩化メチレ
ン、四塩化炭素、エチルエーテル、酢酸エチル、ベンゼ
ンなどがある。なお、これらの有機溶媒にメタノール、
エタノール、アセトン、ジメチルホルムアミド、テトラ
ヒドロフランのような水溶性有機溶媒が50wt%程度含有
されていても一般的には、本発明を具体化することが可
能である。
エポキシ樹脂とゴム成分の相溶性は、一般に両者の分子
量が低いほど、発現するようである。しかし、熱硬化性
樹脂の分子量が低い場合は、生成物(球形状の粒子)を
固体状でとり出すことが困難である場合があり、後述す
るようにBステージ化の必要性が生じる。
本発明の液晶素子基板間用接着剤は、接着に際してキュ
ア処理できる性能を備えていることが好ましい。この目
的のために、エポキシ樹脂とゴム成分の他にエポキシ樹
脂の潜在型硬化剤を粒子内に共存させておくのが好まし
い。その例を挙げると、ジシアンジアミド、イミダゾー
ル類、ルイス酸コンプレックス類、フェノール類、ビス
フェノール類およびその縮合物と誘導体、フェノールノ
ボラック類、ポリビニルフェノール類、カルボン酸類、
酸無水物類、酸性ポリエステル類、スチレンマレイン酸
コポリマなどカルボキシル基含有ポリマ類、ポリアミン
および変性ポリアミン類、ジヒドラジド類がある。特に
ビスフェノール類及びその縮合物はエポキシ樹脂とその
相溶性が優れている。
ビスフェノール類の誘導体としては、ビスフェノール類
のジグリシジルエーテルとジアミンやジカルボン酸との
反応物であって、両末端にエポキシ基との反応性を有す
るもの及びビスフェノール類のジグリシジルエーテルか
ら誘導されたジヒドラジドなどが挙げられる。
酸無水物としては、メチルテトラヒドロ無水フタル酸な
ど無水フタル酸系のもの、無水コハク酸系のもの、マレ
イン化テルピネン,スチレン系モノマと無水マレイン酸
オリゴマ,トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸と無
水マレイン酸の付加物などが挙げられ、エチレン性二重
結合の反応性を利用したオリゴマあるいは付加物タイプ
が特に好ましく使用される。
アミン系化合物としては、ジアミノジフェニルメタンや
ジアミノジフェニルスルホンなど芳香族アミン類や2,5
−ジメチル−2,5−ヘキサンジアミン,1,8−ジアミノ−
P−メンタンなど立体障害性のアミン類が挙げられる。
また、アミノ基とエポキシ基の反応によるオリゴマ状ま
たはポリマ状の化合物であり、その化学結合点が2級ま
たは3級アミノ基である化合物も好適に用いられる。
潜在型硬化剤の量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量
に対して通常は0.05〜1当量である。
潜在型硬化剤がフェノール系、酸無水物系である場合
は、少量の3級アミン熱が硬化触媒となるため、それら
の使用量は硬化挙動を変更する上で重要な役割を果た
す。しかし、この目的に使用される一般の3級アミンは
分子量が比較的に低いために、硬化中または硬化後に粒
子からしみ出すことがある。触媒作用の目的のために、
本発明ではビスフェノール類のジグリシジルエーテルト
ピペラジンの縮合オリゴマのような相溶性の高分子量の
3級アミン類の使用が推奨される。
次に本発明の実質的に球形状をしている熱硬化性粒子を
得る方法について説明する。
エポキシ樹脂とゴム成分の混合物が常温付近で非粘着性
の固体である場合には、その機械的粉砕粒子を加熱筒の
中を浮遊または重力落下させるなどの方法で球状化する
方法がある(第1方法とする)。
他の方法としては、エポキシ樹脂とゴム成分の混合物を
水主体あるいは非水溶性の液体中に懸濁(エマルジョ
ン、またはサスペンジョン)させて球状化する方法があ
る(第2方法とする)。
本発明では上記した第1方法、第2方法について特に限
定しないが、粒子の均一性、真球性などから第2方法が
特に好ましい。中でも、界面活性剤等を用いて水性液体
中にエマルジョン化、またはサスペンジョン化する方法
が生産性の点で好ましい方法である。
第2の方法でエポキシ樹脂とゴム成分の混合物を液体中
に懸濁させる方法は色々ある。次に代表的な方法を挙げ
るが、本発明ではこれらの方法について特に限定するも
のではない。
空中あるいは液中で振動するノズルから該混合物ま
たはその溶液を連続吐出させることによって液滴状に切
断し、それを液中に捕集する方法。
空中あるいは液中のノズルから該混合物またはその
溶液をパルス状に吐出させ、それを液中に捕集する方
法。
該混合物またはその溶液を界面活性剤を用いて乳化
する方法。
該混合物またはその溶液を粉体乳化剤を用いて乳化
する方法。
保護コロイド性物質を含む水で該混合物またはその
溶液を乳化する方法。
上記方法のうち、生産性の点から〜方法が本発明に
好ましく用いらるが、〜方法を組合せることも本発
明では好ましく用いられる。
上記方法における懸濁媒体としては、水、ポリエチレン
グリコール、ワックス、流動パラフィン、灯油、ひまし
油、オリーブ油、グリセリン、シリコーンオイルなどが
挙げられる。このなかでも、本発明の具体化の容易性、
ハンドリングしやすさ、使用する有機溶媒からの分離性
および経済的理由から、水性の媒体であることが好まし
い。
また、上記方法における界面活性剤としては、特に限定
するものではないが、例を挙げるとポリオキシエチレン
・フェノール置換エーテル系やポリオキシエチレン・ポ
リオキシプロピレンブロック・ポリエーテル系などエー
テル型非イオン界面活性剤、ポリエチレングリコールの
高級脂肪酸エステルや多価アルコールの脂肪酸エステル
などエステル型の非イオン界面活性剤およびアルコキシ
ル化ロジン類などのノニオン系のものが代表的である。
これらの界面活性剤はエポキシ樹脂およびゴム成分、要
すれば潜在型硬化剤の混合物またはその溶液に対して2
〜30wt%程度加えられる。また、粉体乳化剤といては、
微粉末結晶性セルロースや硫酸バリウム粉末などがあ
り、2〜20wt%程度使用される。また、保護コロイド性
物質としては、ポリビニルアルコール、アラビアゴム、
カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、アルギン酸ソ
ーダなどあり、水性の懸濁媒体に0.5〜20wt%程度溶解
して使用されるのが一般的である。
次にエポキシ樹脂およびゴム成分の混合物またはその溶
液を乳化する方法の代表例を説明する。
界面活性剤または粉体乳化剤はエポキシ樹脂およびゴム
成分、要すれば潜在型硬化剤の混合物に加えられるのが
一般的である。保護コロイド性物質を添加する場合には
水性媒体に溶解しておくのが一般的である。
上記混合物または溶液を水溶液体に乳化分散する方法と
して、強く撹拌されている上記混合物または溶液に水溶
液体を徐々に加えるか、逆に強く撹拌されている水性液
体に上記混合物または溶液を徐々に加える方法が一般的
である。上記混合物または溶液の粘度が低い時には特に
どちらかの方法であっても乳化は可能であるが、粘度が
高い場合には、前者の方法、つまり強く撹拌されている
上記混合物または溶液に水性液体を徐々に加える方法が
推奨される。
エポキシ樹脂は、一般に粘度が1ポイズ以上あるため、
前者の方法をとるのが好ましい。さらに具体的に説明す
れば以下のようになる。まず、板状翼のような撹拌効率
の高い撹拌翼を備えた容器に、上記混合物または溶液を
入れる。この時、それらが相溶状態になり場合は、相溶
温度以上に昇温する。数百rpm以上の撹拌下で、乳化用
の水性液体をそれに加える。水性液体の添加方法として
は、連続的に供給してもよいし、ステップワイズに分割
添加する方法であってもよいが、肝要なことは、まず油
中水滴型(W/O)エマルジョンを形成し、しかる後にさ
らに水性液体を加えて水中油滴型(O/W)エマルジョ
ン、つまり通常のエマルジョンへ転相することである。
いきなり、O/Wエマルジョンを形成できるように大量の
水性液体を短時間で加える時には、良好な結果が得られ
ないことが多い。上記のような方法で乳化するのに必要
な水性液体の量は、エポキシ樹脂、ゴム成分、要すれば
潜在型硬化剤の混合物または溶液の容量の20〜150%程
度であり、それ以上の水性液体の使用は、乳化に作用す
るよりはむしろエマルジョンの希釈剤として働く傾向に
ある。O/Wエマルジョンを好適に形成するためには、上
記のような水性液体の必要量を1/3ないし1/10等分に分
割し、それを30秒ないし30分程度おきに分割添加した
り、全量が1分ないし5時間程度の間に加えれるような
速度で連続添加する方法が推奨される。なお水性液体は
相分離温度以上に加熱されていることが好ましい。
エポキシ樹脂とゴム成分の混合物の粘度が高い場合に
は、加熱することにより粘度を下げ、懸濁媒体へ微細分
散(乳化)する。また、共通の溶媒に溶解し、懸濁後に
加熱して脱溶媒する方法もある。
共通の溶媒としては、エポキシ樹脂成分とゴム成分と
を、相溶状態にする際に使用する前記の溶媒が用いられ
る。
本発明において、熱硬化性樹脂とゴム成分、特にエポキ
シ樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂成分とゴム成分の最
終生成物における存在状態としては、相分離した海島構
造であることが好ましい。
粒子内で相分離した海島構造の粒子は、その状態を通常
は光学顕微鏡で確認することができる。エポキシ樹脂成
分とゴム成分が分相して、いわゆる海島構造をとってい
る場合と均一な構造の場合とがあり、それぞれが特有の
性質を示す。相分離構造は、エポキシ樹脂およびゴム成
分の混合物またはその溶液が相溶状態にあっても、温度
の低下や脱溶媒過程で分相したり、さらにはBステージ
化に伴い発生する。ドちらの成分が連続相になっている
かや分相部分の大きさにもよるが、一般にエポキシ樹脂
の硬さとゴム成分の弾力性の両方の性質が現われるた
め、特に好ましい状態である。均一構造の場合は、エポ
キシ樹脂とゴム成分の性質の荷重平均的な値をとりやす
く、エポキシ樹脂を化学的にゴム成分で変性するような
場合に現われやすい。
本発明で、相分離構造をしていることが特に好ましい理
由についてはよくわからないが、エポキシ樹脂側に接着
機能と高いガラス転移転を、ゴム成分側に低温可撓性を
うまく機能分担させているからだと思われる。もし、エ
ポキシ樹脂成分とゴム成分とが相溶体を形成している
と、いずれの性質においても一般に両者の中間的な値が
得られることになり、高いTgと低温可撓性という二律背
反的な性質を粒子に期待することができないと考えられ
る。
相分離状態を形成する代表的な方法を説明する。相分離
は次に示すように、乳化中あるいは乳化後のいずれかの
段階に起こすことが可能である。
乳化中または乳化後に、相分離温度以下に下げる。
乳化後に、前記の共通溶媒である低ないし非水溶性
有機溶媒を除去する。これには色々な方法があるが、常
圧または減圧下で、ゆっくり撹拌しながら有機溶媒の沸
点付近あるいは沸点以上に加熱するのが最も一般的であ
る。
しかし、この方法では、加熱除去中に粒子が互いに接合
しやすく、巨大化さらにはエマルジョンの破壊が起き
て、水性液体から分相することがある。このような場合
には、通常はポリビニルアルコールやアラビアゴム、カ
ルボキシメチルセルロースなど保護コロイド性の水溶性
有機ポイマを0.5〜20wt%程度水溶液体に溶解しておく
方法が有効である。
第2の方法で重要なことは、エポキシ樹脂とゴム成分、
要すれば潜在型硬化剤の混合物が常温で液体であり、且
つ製品を乾燥粉末で使用する場合は必ず部分硬化させる
ことにより、少なくとも常温において固体の球状粒子の
状態(Bステージ)にしておくことである。
本発明のエポキシ樹脂には、潜在型硬化剤以外の硬化剤
を使用することがある。このための硬化剤および硬化方
法については特に限定するものではないが、 あらかじめ硬化剤を加えておいたエポキシ樹脂およ
びゴム成分と要すれば潜在型硬化剤の混合物を水主体の
液体中に懸濁(エマルジョン、またはサスペンジョン)
させてそのまま部分硬化する方法と、 エポキシ樹脂およびゴム成分と要すれば潜在型硬化
剤の混合物の水主体のエマルジョン、またはサスペンジ
ョンに水溶性アミン系硬化剤を加えて部分硬化する方法
などがある。
上記のいずれかの方法をとるにしても、懸濁状態にある
粒子を相互に接合させることなく硬化するためには、常
温の硬化であることが好ましく、従って常温硬化型硬化
剤、中でも以下に示すアミン系硬化剤が好ましい結果を
与えることが多い。
アミン系硬化剤は、化学量論的に計算される当量のアミ
ンをエポキシ樹脂と混合し、20℃で8時間放置後の混合
体のシヨアA硬度が50以上であることを特徴とするアミ
ン系化合物であることが好ましい。
もしシヨアA硬度がこの値よりも小さくなると、懸濁粒
子の硬化性が低下し、良好な粒子状硬化物が得られにく
くなる傾向がある。
本発明で用い得る硬化剤として次のような化合物が挙げ
られるが、特にこれに限定されるものではない。ピペラ
ジン、ヒドラジン、エチレンジアミン、ジエチレントリ
アミン、トリエチレンテトラミンなどポリエチレンポリ
アミン類、モノエタノールアミンなどアルコールアミン
類、N(2−アミノエチル)ピペラジンなどである。
上記硬化剤の使用量は、目的とする粒子の平均粒子径や
硬化剤を加える時期やエマルジョン、またはサスペンジ
ョン濃度などにより異なるが、少なすぎると常温での状
態が固体でありにくく、また多すぎると融点(軟化点)
が高くなって接着力を示さなくなる傾向がある。一般的
にはエポキシ樹脂に対して0.1〜0.6当量程度用いるのが
好ましいが、硬化剤をエマルジョン、またはサスペンジ
ョンに加える場合には、硬化反応が不均一反応となるた
め反応効率が悪く、1当量あるいはそれ以上を用いても
良好な結果を得られることがある。
そして、アミン系硬化剤を予めエポキシ樹脂およびゴ
ム成分と要すれば潜在型硬化剤の混合物に加えてから懸
濁にする場合は懸濁化後、懸濁してから硬化剤を加え
る場合はアミン系硬化剤添加後は、静置あるいはゆるや
かに撹拌しながら硬化反応を起こさせるのが、粒子同士
の接合一体化を防ぐ上で好ましい。
このようにBステージ化することによって、粒子内にア
ミノ基が導入される。一部の潜在型硬化剤がアミノ基、
特に3級アミノ基によって硬化反応を促進されることは
周知の事実である。
アミン系硬化剤によBステージ化は、必然的にエポキシ
樹脂の重合度アップを伴う。このため、この過程でエポ
キシ樹脂とゴム成分との相溶性が低下し、相分離するこ
とがしばしば観察される。つまり、アミン系硬化剤によ
るBステージ化は、粒子内相分離を惹起させるための第
3番目の方法になる。
本発明では、その他の添加物を含むことができる。最も
代表的な添加剤は、着色する目的で使用する有機および
無機顔料類と染料類である。これらは、上記混合物が懸
濁、または乳化される前に加えられるのが普通である。
また粒子径分布のシャープな微粉末、例えばガラス繊維
粉砕品やガラスビーズやアルミナ球や架橋ポリスチレン
球をを同様に含んでいてもよく、この方法によりスペー
サを含む接着性微粒子が得られる。球状微粒子化後の粒
子は、染料法により暗色系などの着色を行うことができ
る。またシリカゾルやアルミナゾルなどの超微細な粒子
を混合あるいは吸着させて、粒子のブロッキング防止や
帯電防止を行なうこともできる。
固体化後のサスペンジョンは、過等の方法で粒子を懸
濁媒体か分離し、洗浄後風乾あるいは低温乾燥すれば、
接着力を損わずに乾燥粉末として取り出すことができ
る。
本発明の粒子は、実質的に球形状をしており、その平均
粒子径が1〜100μmであることが好ましく、さらには
1.5〜60μmの範囲にあることが好ましい。これらの範
囲において、下限の数値は、液晶素子の実現し得る基板
間隙の下限によって自然に決まるものである。一方、平
均粒子径の上限は、実際の使用状態における粒子の存在
が肉眼で著しく感知される下限の大きさと関係し、これ
より大きくなると液晶素子の品位が著しく損われるので
ある。
また、粒子径変動率は、30%以内であることが好まし
く、さらには20%以内が好ましい。細かい粒子は両基板
間に届かず、片方のみに接着するので、接着力に全く寄
与しない不用の粒子となるし、大きい粒子は目立つため
に液晶素子の品位を低下させるので、できる限りシャー
プな分布を持つていることが一般に好ましい。
なお、粒子径変動率は、粒子径分布の標準偏差(σ)を
平均粒子径で割って、100倍した値のことを指す。
微粒子は、相互に凝集して、見掛け上巨体化する傾向が
ある。特に湿式法で調製された粒子は、乾燥過程で凝集
しやすく、使用上において不都合が生じることがある。
また、球形状をした粒子を得るための前記したような方
法のうち、特に、、及びの方法は、凝集がなくて
も一次粒子径の分布の広い粒子群(粉末)になる。
そこで、上記の限定された範囲の平均粒子径および粒子
径分布を持つ粉末を得るために、調製後の粒子は、一般
に分級する必要がある。その方法については、特に限定
するものではないが、代表的な方法を次に挙げる。
(1)水ヒ法:粒子の水スラリーを深い容器中で自然沈
降または遠心沈降させ、ストークスの沈降速度式に従い
目標粒子の沈降時間を計算し、上ずみ液または沈澱を分
離するタイミングを決め、この操作を幾度か繰り返すこ
とによって、目標とする平均粒子径と粒子径分布のもの
に次第に近づけていく方法。水のかわりに有機液体を用
いることもある。
(2)風ヒ法:最も代表的なものは、特定粒子径の粒子
の自然落下速度に等しい風速の気流を下から上へ流すこ
とによって、それより大きい粒子は下方へ、小さい粒子
は上方へ分離する方法。気流のかわりに水などの液流を
使用する方法もある。
(3)サイクロン法:液体または気体サイクロンの原理
によれば特定粒子径より大きいものをボトムから、小さ
いものをトップから回収できるので、多段のサイクロン
を通過させることにより、平均粒子径及び粒子径分布を
目標に近づけることができる。
(4)ふるい分け法:目的とする粒子径前後の孔径を有
する2枚のメッシュに試供を通し、粒子径分布の不用部
分をカットする方法である。目詰りが起こりやすく、生
産性が低いのが欠点である。
次に、本発明の液晶素子基板間用接着剤の使用方法の一
例を示す。導電膜、配向膜の順に塗布されて、パターン
を形成されたガラス基板に、スペーサ粒子と液晶素子基
板間用接着剤を散布する。続いて、液晶導入部分を残し
て四周にシール用のエポキシ樹脂をスクリーン印刷す
る。その上から、同様のガラス基板を位置決めして重ね
合わせ、プレス状態で周縁部のエポキシ樹脂と液晶素子
基板間用接着剤を加熱硬化する。最後に、減圧状態で液
晶に浸漬してから徐々に圧をもどしながら液晶を導入孔
から入れ、常温硬化型のエポキシ樹脂で導入孔を封止す
る。
基板への液晶素子基板間用接着剤の散布密度は、0.0005
mg/cm2以上、1mg/cm2以下であるのが一般的である。
[実施例] 実施例1 ビスフェノールAジグリシジルエーテルである2種のエ
ポキシ樹脂、エピコート828(油化シェルエポキシ、エ
ポキシ当量187)3.5部、エピコート1001(同左、エポキ
シ当量470)3.5部、フェノール系潜在型硬化剤エピキュ
ア171N(同左、フェノール性OH 235g/eq.)1.5部およ
びカルボキシル基変性ブチルアクリレート・エチルアク
リレート・アクリロニトリル系共重合体ゴムWS023(帝
国化学産業)3.0部の重合割合で含む固形部30重量%の
透明な酢酸エチル溶液を調製した。この溶液は脱溶媒す
るとゴム成分がエポキシ樹脂成分から相分離して白濁す
る。
上記溶液10gを100ccのポリエチレンカップにとり、テフ
ロン製板状翼の付いた撹拌棒を挿入した。
800rpmで撹拌しながら、そこへポリビニルアルコール
ゴーセノールEV05(日本合成化学)4重量%水溶液を2c
cずつ、1.5分間隔て4回、計8cc、続いて4ccずつ0.5分
間隔で3回、計12cc加えた。第1分割水ではW/Oエマル
ジョンが形成され、第3分割水では完全に転相してO/W
エマルジョンが形成されていた。非常に良好に乳化され
ており、乳化不良部分は見られなかった。
水10gを追加してから、該ポリエチレンカップをガラス
製加温ジャケット内にセットして、周囲を76℃〜80℃に
加熱しながら約90分かけて酢酸エチルを系外へ揮散除去
した。揮散中は50rpm程度の撹拌を行ない、容器から発
する酢酸ゲチル臭のしなくなる時点を脱溶媒の終点とし
た。
常温に冷却してから、水8gにピペラジン0.7gを溶解した
硬化液を加え、1rpm程度のゆるやかな撹拌下で5日間室
温放置して、常温で非粘着性の球状粒子を含むスラリー
を得た。遠心沈降法で措定した平均粒子径は13μmであ
り、いずれの粒子も同程度に均一に細かく海島構造をし
ていることが微分干渉顕微鏡で観察された。
この粒子について、接着力を測定した。ここで接着力と
は、スライドグラス(26×75mm)の26×20mmの部分に、
上記で得た乾燥粉末10mgを均一に散布し、もう1枚のス
ライドグラスで同じ面積だけ覆った後にダブルクリップ
で固定したものを180℃、2時間キュア処理して接着し
たものについて測定した。2枚のスライドグラスの両端
を手で持ち、両者を剥離したところ、接着部分が離れず
にスライドグラスが割れ、接着力が、強力であることが
わかった。
上記粒子を調製する同様の操作を繰り返すことによっ
て、平均粒子径がおよそ13μmの粒子を200g程度含むス
ラリーをつくった。このスラリーを水ヒ法で湿式分級し
平均粒子径12μm、粒子径変動率18%の分級粒子のスラ
リーにした。この液に、シリカゾル スノーテックスN
(日産化学工業)を粒子に対して固形分で0.5重量%加
え、30分撹拌して、粒子にシリカゾルを吸着させた。そ
の後粒子を過、真空乾燥した。
スライドグラスから切り出した一辺15mmの正方形ガラス
片に0.5mgの分級粒子を均一に散布し、同じ大きさのガ
ラス片でカバーしてからダブルクリップで固定し、180
℃熱風乾燥機に入れて2時間キュア処理した。この試験
片について測定した割裂強度(JIS K6853に準ず、引張
速度0.5mm/min)は70kg/15mmであった。またキュア処理
後のガラス転移温度(Tg)は105℃であった。
一辺が50mm.厚さ1.1mmのITOおよびポリイミド配向膜付
きのガラス板に、0.2mgの分級粒子(0.008mg/cm2)と0.
2mgのスペーサ粒子(架橋ポリスチレン製、平均粒子径
8.0μm、積水ファインケミカル製)を均一に散布し
た。同じ大きさのもう一枚のガラス板の周辺に、硬化剤
入りのエポキシ樹脂でシール材の印刷をした。両ガラス
板を密着させ、プレス下で180℃,2時間キュア処理し
た。いったん0.05トルまで減圧してから、シール部の開
口端(注入口)をTN液晶(ZLI−1565、メルクジャパ
ン)に浸漬し、徐々に常圧にもどしながらセル内に液晶
を注入した。続いて注入口を常温硬化型のエポキシ樹脂
で封止した。
セルは分級粒子により強固に接着されており、−30℃の
環境下で2日間放置しておいても低温真空泡の発生は見
られなかった。
本実施例で使用した共重合体ゴムWS023を使用せず、そ
の他は本実施例とほぼ同じ方法で調製したゴム成分を含
まない分級粒子では、−30℃で低温真空泡が発生した。
実施例2 エピコート828 2.7部、エピコート1001 2.7部、エピ
キュア171N 1.0部およびWS023 4.6部である以外は実
施例1と同様の方法で球状粒子を調製し、平均粒子径11
μm、粒子径変動率16%の分級粒子を得た。180℃、2
時間処理後の割裂強度が45kg/15mm、Tgが99℃であっ
た。分級粒子の散布量が0.7mg(0.028mg/cm2)以外は実
施例3と同様にして作成したセルは、−30℃において真
空泡が発生しなかった。
実施例3 エピコート828 2.7g、エピコート1001 2.7g、エピキ
ュア171N 1.5gおよびエポキシ基変性液状ポリブタジエ
ン E−700−6.5(日石化学、エポキシ当量およそ31
0)4.6gを95℃で撹拌溶解し、透明な液状物を得た。50
℃では透明であったが、室温付近では相分離して白濁す
る。
加温ジャケットで60℃加熱しながら、実施例1と同様の
方法で乳化した。ただし、この場合は、ゴーセノールEG
05の4重量%水溶液を1.5ccずつ40秒間隔で4回加え、
計6ccで乳化した。常温に冷却してから、水8gにピペラ
ジン0.7gを溶解した硬化液を加え、実施例1と同様の方
法で部分硬化して、平均粒子径10μmの球状粒子を含む
スラリーを得た。いずれの粒子も同程度に均一に細かく
海島構造をしていた。
湿式分級により、平均粒子径12μm、粒子径変動率15%
の粒子を得た。180℃、2時間処理後の割裂強度が40kg/
15mm、Tgが95℃であった。実施例2と同様にして測定し
た真空泡は発生しなかった。
実施例4 エピコート828 1g、NBR変性エポキシ樹脂R1415−1
(エー・シー・アール、NBR含有率35重量%)9gおよび
エピキュア171N 1gを95℃で溶解し、透明な相溶体を得
た。80℃に加温しながら、実施例3と同様の方法で乳化
および部分硬化して平均粒子径15μmの球状粒子を含む
スラリーを得た。いずれの粒子も同程度に均一に細かく
海島構造をしていた。
湿式分給により平均粒子径13μm、粒子径変動率15%の
分級粒子を得た。180℃、2時間処理後に測定した割裂
強度が70kg/15mm、Tgが78℃であった。実施例2と同様
にして測定した真空泡は発生しなかった。
実施例5 エピコート828 5.4g、エピキュア171N 1gおよびエポ
キシ基変性液状ポリブタジエンE−1800−6.5(日石化
学、エポキシ当量および310)4.6gを95℃で溶解し、透
明な液状物を得た。このものは室温に冷却しても相分離
しない。
実施例3と同様の方法で乳化と部分硬化を行なったが、
この場合は、ゴーセノールEG05の2重量%の水溶液を2.
5ccずつ1分間隔で4回加え、計10ccで乳化した。ま
た、ピペラジンのかわりに水和ヒトラジン0.5gを用い
た。硬化日数は10日である。いずれの粒子も同程度に均
一かつ細かい海島構造をしており、平均粒子径28μmの
球状粒子であった。湿式分級により、平均粒子径30μ、
粒子径変動率12%の分級粒子を得た。
180℃、2時間処理後の割裂強度42kg/15mm,Tg 92℃あ
った。厚さ24μmのポリエステルフィルムの小片をスペ
ーサにして、散布量0.5mg(0.02mg/cm2)、キュア条件1
30℃、2時間の条件で実施例1と同様の方法でセルを組
み立った。−30℃で真空泡は発生しなかった。
実施例6 エピコート828 5.4部、エピキュア171N 0.5部および
エポキシ変性液状ポリブタジエンPolybdR−45EPT(出光
石化、エポキシ当量およそ1450)4.6部の重量割合で含
む固形分50重量%の透明なクロロホルム溶液を得た。こ
の溶液は脱溶媒すると分相して白濁する。
実施例1と同様の方法で乳化と脱溶媒を行なった。ただ
し、この場合の溶媒加熱温度は60℃である。常温に冷却
後水和ヒドラジン0.5gを加え、ゆっくり撹拌しながら10
日間かけて室温部分硬化した。平均粒子径10μm、いず
れの粒子も同程度に均一で細かい海島構造をしており、
かつ形状であった。湿式分級により平均粒子径10μm、
粒子径変動率17%の分級粒子を得た。180℃,2時間処理
後の割裂強度が50kg/15mm、Tgが98℃であった。
実施例2と同様にして測定した真空泡は発生しなかっ
た。
実施例7〜10 100ccポリエチレンカップにエポキシ樹脂エピコート828
(油化シェルエポキシ)および1001と、ポリブタジエン
系液状ゴムE−700−6.5(日石化学)を表1に示す量比
関係でとった。さらに潜在型硬化剤エピキュア171Nを1.
5g加え、95℃で混ぜたところ透明な混合物が得られた。
以下実施例3と同様にして、常温で非粘着性の球状粒子
を得た。いずれの粒子も細かな海島構造をしていた。乾
燥後の粉末についてT剥離強度を測定した。T剥離強度
とは、片面にITO膜を塗った厚さ100μmのポリエーテル
スルホン膜の10×30mm試験片に、ITO膜側の10×20mmの
部分へ上記粒子をおよそ0.22mg/cm2の密度で散布した
後、同様の試験片をITO膜側が粒子と接触するように重
ね、ダブルクリップで固定したスライドグラスの間には
さんで、130℃、2時間キュア処理したものについて測
定した。試験片のそれぞれの開放端を手で水平方向に引
張り、いわゆるT剥離強度を観察した。E−700−6.5を
使用しない場合よりも強い時を○、同程度の時を△、弱
い時を×と判定した。また特ち強い時を◎とした。
表1に、配合比、粒子径、性能の結果を示す。
[発明の効果] 本発明の液晶素子基板間用接着剤は、液晶表示素子およ
び調光ガラスに代表される液晶素子(セル)の基板間の
点接着剤として、強い接着力を示し、間隙を一定に維持
する高い性能を持つ。このため、特に強誘電性液晶やST
N液晶など基板間隙の精度を要求されるセルや一般大型
セルにおいて好適に使用できる。しかも、セルを−30℃
の低温下に置いておいても真空泡が発生しないので、商
品として高い品位を保てる。
また、高い剥離強度を示すために、フィルム基板の液晶
セルの点接着にも適する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エポキシ樹脂成分40〜90重量%、ゴム成分
    10〜60重量%から少なくとも構成され、かつ実質的に球
    形状を有し、さらに、平均粒子径が1〜100μmの範囲
    にあり、かつ粒子径変動率が30%以内であることを特徴
    とする液晶素子基板間用接着剤。
  2. 【請求項2】エポキシ樹脂が、ゴム成分と相分離状態に
    あることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載の
    液晶素子基板間用接着剤。
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