JPH0678484U - 無機質出隅役物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 外壁出隅部の外壁出会角に誤差があっても十
分にこれを吸収でき正確な状態で当接することのできる
無機質製の出隅役物を得ることを目的とする。 【構成】 出隅線Ｐに沿って突き合わされる一方の壁板
Ｗ₁ に沿う化粧板１Ａと他方に沿う化粧板１Ｂとの突き
合わせ端面が、表面より裏面へ向け切欠かれた状態の傾
斜面２Ａ、２Ｂとされ、表面側縁２Ａ’、２Ｂ’を接触
させて略直角に突き合わせた前記二枚の化粧板１Ａ、１
Ｂの端面２Ａ、２Ｂ間には、断面Ｖ字状をなすゴム状弾
性を有する接続部材３が接着され前記二枚の化粧板１
Ａ、１Ｂが一体的に接合されて構成され、接続部材３の
弾性により角度誤差を吸収する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は出隅役物に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、建築用板材として無機質壁板が広く使用されている。 ところで、これら無機質壁板で外壁を構築する場合、外壁の出隅部分ではいず れか一方の壁板端面が露出し見栄えが悪くなるので、これらを隠すため、前記壁 板と同質材質で成形された、断面Ｌ字状の無機質出隅役物を当てがい外観を整え ることが行われる。 このような無機質出隅役物として、従来では図３に示すように繊維補強セメン ト材料を押出成形などによりＬ字状に押出成形したもの、あるいは図４に示すよ うに出隅部で突合わされる無機質壁板を利用し、これらＡ、Ａを略直角に突合わ せて一体的に接着したものなどが使用されている。

【０００３】

【従来技術の問題点】

しかしながら、建築物の出隅部分の壁板の出会角度は外観的には直角のように 見えるが、取付誤差あるいは取付公差などにより僅かに直角よりずれることが往 々にしてあり、大体において90±3 °の誤差を見込んでおく必要がある。

【０００４】 この場合、従来の無機質出隅役物の場合、材質が無機質原料よりなり断面Ｌ字 状の形態がリジットであるため、僅かな誤差であっても全く吸収することができ ず無理に釘打ち固定したりすると角部に無理な応力が掛かって割れたり、あるい はこれに注意して取付けた場合は出隅役物裏面と両側壁板との間に隙間ができ、 ここから雨水が浸透する場合がある他、出隅役物の両側壁板に対する当接状態に より壁板表面の不陸が強調され、かえって外壁外観が悪くなる欠点があった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】 この考案は上記問題点に鑑み、僅かとはいえ出会角に誤差があっても十分にこ れを吸収でき正確な状態で当接することのできる無機質製の出隅役物を提供する ことを目的としてなされたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

即ち、この考案の無機質出隅役物は出隅線に沿って突き合わされる一方の壁板 に沿う化粧板と他方に沿う化粧板との突き合わせ端面が、表面より裏面へ向け切 欠かれた状態の傾斜面とされ、表面側縁を接触させて略直角に突き合わせた前記 二枚の化粧板の端面間には、断面Ｖ字状をなすゴム状弾性を有する接続部材が接 着され前記二枚の化粧板が一体的に接合されてなることを特徴とするものである 。

【０００７】

【実施例】

次にこの考案の実施例を説明する。 図１はこの考案の実施例の断面図、図２は実施例の使用状態を示す断面図であ る。

【０００８】 この考案の無機質出隅役物１は、出隅線Ｐに沿って突き合わされる一方の壁板 Ｗ₁ （図２）に沿う無機質化粧板１Ａと他方の壁板Ｗ₂ （図２）に沿う化粧板１ Ｂとの突き合わせ端面が、表面より裏面へ向け切欠かれた状態の傾斜面２Ａ、２ Ｂとされ、表面側縁２Ａ’、２Ｂ’を接触させて略直角に突き合わせた二枚の化 粧板１Ａ、１Ｂの傾斜端面２Ａ、２Ｂ間には、断面Ｖ字状をなすゴム状弾性を有 する接続部材３が接着され二枚の化粧板１Ａ、１Ｂが一体的に接合されて構成さ れている。

【０００９】 上記実施例において、二枚の化粧板１Ａ、１Ｂは壁板Ｗ₁ 、Ｗ₂ の表面と同じ 模様とされたものが使用される他、壁板Ｗ₁ 、Ｗ₂ を所定の大きさに切断したも のを使用しても良い。 また、二枚の化粧板１Ａ、１Ｂを接合する接続部材３のゴム材質としては耐候 性の良い合成ゴムの押出成形体が使用され、この接続部材３と二枚の化粧板１Ａ 、１Ｂとの接着にはブチルゴム接着剤などが好適に使用される。

【００１０】

【作用】

この考案の無機質出隅役物１は図２に示すように外壁の出隅部に当接され、そ れぞれ釘４等により壁下地面５に壁板Ｗ₁ 、Ｗ₂ と共に固定される。 このとき、壁板Ｗ₁ 、Ｗ₂ の出会角に90±2 〜3 °の誤差があっても接続部材 ３の弾性により吸収され、両壁板Ｗ₁ 、Ｗ₂ の出会角誤差に伴う隙間が生じるの が完全に防止できる。

【００１１】

【考案の効果】

この考案は以上説明したように、角部をゴム状弾性を有する接続部材で接続し たため無機質製でありながら僅かな角度誤差があってもこれを無理なく吸収する ことができ、適正な出隅部の収めが可能となるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例の断面図である。

【図２】実施例の使用状態を示す断面図である。

【図３】従来例の断面図である。

【図４】他の従来例の断面図である。

【符号の説明】

１ …無機質出隅役物 １Ａ …無機質化粧板 １Ｂ …無機質化粧板 ２Ａ ２Ｂ …傾斜面 ２Ａ’２Ｂ’…表面側縁 ３ …ゴム状弾性を有する接続部材 Ｐ …出隅線 Ｗ₁ …一方の壁板 Ｗ₂ …他方の壁板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 出隅線に沿って突き合わされる一方の壁
   板に沿う化粧板と他方に沿う化粧板との突き合わせ端面
   が、表面より裏面へ向け切欠かれた状態の傾斜面とさ
   れ、表面側縁を接触させて略直角に突き合わせた前記二
   枚の化粧板の端面間には、断面Ｖ字状をなすゴム状弾性
   を有する接続部材が接着され前記二枚の化粧板が一体的
   に接合されてなることを特徴とする無機質出隅役物。