JPH0678200B2 - Bi▲下1▼▲下2▼GeO▲下2▼▲下0▼単結晶の熱処理方法 - Google Patents

Bi▲下1▼▲下2▼GeO▲下2▼▲下0▼単結晶の熱処理方法

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JPH0678200B2
JPH0678200B2 JP4449388A JP4449388A JPH0678200B2 JP H0678200 B2 JPH0678200 B2 JP H0678200B2 JP 4449388 A JP4449388 A JP 4449388A JP 4449388 A JP4449388 A JP 4449388A JP H0678200 B2 JPH0678200 B2 JP H0678200B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、音速の小さい表面弾性波用材料として知られ
るBi12GeO20(以下BGOと呼ぶ)単結晶の熱処理方法に関
するものである。
[従来の技術] 従来、BGOは通常の引上法(チョクラルスキー法)によ
って育成した後に切断し、研磨し、電極作成する等の加
工工程を経て、表面弾性波用素子となる。しかし、この
結晶は、結晶生成時の歪みが結晶内に残存していると、
切断、研磨工程における機械的衝撃あるいは、熱衝撃に
敏感で有るため、クラックが発生しやすく、歩留り低下
の原因と成っている。また、このような結晶育成による
歪みを除去するため、結晶育成後の加工前に熱処理を行
う方法が通常行われている。
一般に、この歪み除去のための熱処理は、結晶の融点に
近いほど効果があることが知られており、BGO単結晶に
おいても融点930℃に対して850〜900℃の範囲内の温度
での熱処理が行われている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、結晶内に残存する歪みを除去する目的で
行った熱処理によってもクラックが発生する事があり、
特に直径3インチ以上の大口径結晶において顕著であっ
た。
本発明の技術的課題は、上述の欠点を除き、結晶の熱処
理工程及び加工工程においてクラックの発生しないBGO
単結晶の熱処理方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明によれば、Bi12GeO20単結晶を実質的に700〜780
℃の範囲内の温度で加熱することを特徴とするBi12GeO
20単結晶の熱処理方法がえられる。
本発明において熱処理温度を700〜780℃としたのは、固
相を生成する700℃以下の範囲の温度においては、単結
晶育成の際の歪みを除去するには、温度保持時間を長時
間要し実用的でない。また、780℃以上の範囲の温度に
おいて準安定相を生成する領域があり、この領域を通過
する熱処理が施されると、結晶内に残存する微少領域で
の組成のずれ等による歪みが増大し、クラックや加工工
程でクラックを発生するからである。
[実施例] 次に、本発明の一実施例について図面を参照して説明す
る。
直径85mm,長さ200mmのBGO単結晶を通常の引上法で育成
したのち、熱処理炉内にて加熱処理を行なった。熱処理
条件は620〜900℃の範囲内の一定温度で行い熱処理時の
昇温速度は、結晶への熱ショックを防止するため共に20
℃/Hr程度の大きさで行った。さらに、熱処理後、通常
の方法により、切断、研磨を行った。
第1図は、BGO単結晶の600〜900℃の範囲内の温度で熱
処理を行った時のクラック発生率を示す。この図におい
て、曲線11は、熱処理でのクラック発生率、曲線12は、
加工工程でのクラック発生率を示している。第1図から
明らかな通り、820℃以上の熱処理温度にて、40%以上
のBGO単結晶が熱処理によってクラックが発生した。ま
た660℃以下の熱処理温度においては、熱処理によるク
ラックが発生した。700〜780℃の範囲内の温度において
は、熱処理によるクラックは発生せず、加工工程におい
てもクラックの発生率は10%以下と良好であり、更に切
断方法を改善することによってクラックの発生を抑える
ことが可能である。
第2図は、Bi2O3‐GeO2系の状態図である。この図にお
いて、直線21は、BGO単結晶のストイキオメトリック組
成である。この組成において、780〜820℃の温度範囲内
において780℃以下では特に問題となる相は無い。図
中、斜視部1で示した780℃〜820℃の範囲に準安定相と
呼ばれる領域が見られる。熱処理の際には、この領域を
通過することによって、結晶内に残存する微小領域での
組成のずれ等による歪みは、この準安定相内で増大する
方向へと変動し、クラックの発生の引金となることが判
明した。この第2図からも明らかなように、780℃を越
える温度の熱処理がクラック発生の原因となることがわ
かり、これは第1図の結果とよく一致する。
尚、実施例においては、直径85mm,長さ200mmのBGO単結
晶の熱処理のクラック発生率について調べたが、BGO単
結晶の径は小なるにしたがってクラックの発生率は減少
する傾向を示し、特に直径30mm程度のBGO単結晶におい
ては、数%以上クラックの発生率が減少する。また温度
保持時間を長くすることにより、700℃以下の熱処理温
度でも加工工程でのクラック発生率を減少させる事が可
能である。
[発明の効果] 以上のべたとおり、本発明によれば、BGO単結晶を育成
後700〜780℃の範囲内の温度で加熱処理することによ
り、この熱処理工程及び熱処理工程に続く加工工程にお
いても、クラックを発生しないBGO単結晶の熱処理方法
が提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係わるBi12GeO20単結晶の
熱処理方法の温度とクラック発生率との関係を示す図、
第2図は本発明の一実施例に係わるBi2O3‐GeO2系の状
態図である。 図中1は準安定相、2は液晶、3及び3′は固相、14は
Bi2O3の融点、15は共晶点、16は融点、21はストイキオ
メトリック組成を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Bi12GeO20単結晶を実質的に700〜780℃の
    範囲内の温度で加熱することを特徴とするBi12GeO20
    結晶の熱処理方法。
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