JPH067815Y2 - 塗布装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は塗布装置に関するものである。特に写真用フィ
ルム、印画紙等の写真感光材料、感光性印刷板や、磁気
録音テープ等の磁気記録材料等記録材料の製造におい
て、連続走行している長尺帯状支持体（以下「ウェブ」
という。）に写真乳剤や磁性剤等の塗布液を塗布する装
置に関するものである。更に詳細には、薄膜状の塗布液
を走行する帯状の支持体に衝突せしめて塗布する装置に
関するものである。

〔従来の技術〕

薄膜状の塗布液を走行する帯状の支持体に衝突せしめて
塗布する方法のうち、代表的なものはカーテン塗布方法
である。

カーテン塗布方法は、一種又は二種以上の塗布液より成
る自由落下カーテンを形成し、これを塗布すべき物体と
を衝突せしめて、物体上に薄膜を設ける方法であり、古
くから家具、鉄板等の塗布に使用されて来たが、塗布品
質の向上の要請から次第に高制度の塗布が要求されるよ
うになり、近年に至り特公昭４９−２４１３３号、同４
９−３５４４７号公報に開示される如くカーテン塗布方
法を写真感光材料の製造のようにとくに精密さを要求さ
れる分野に適用する試みもみられるに至っている。

この特公昭４９−２４１３３号、同４９−３５４４７号
公報に開示されている方法は、スライド型或いはエクス
トルージョン型注液器より一種又は二種以上の塗布液を
２本の支持部材（以下、「エッジガイド」という。）の
間に供給して薄膜状の自由落下カーテンを形成し、連続
走行しているウェブに塗布するというものである。ここ
に、２本のエッジガイドの間に塗布液を供給しているの
は、塗布幅を規制すると共にカーテン膜を安定化するた
めである。

〔考案が解決しようとする課題〕

このようにカーテン塗布方法については数多くの改良が
なされているが、異なる幅の支持体に連続して、カーテ
ン膜を切断せずに塗布する方法は発明されていない。

従って塗布幅は固定式又は半固定式となり、ウェブの幅
が変化する場合には即応が不可能であり、他の塗布装置
によるか、一旦塗布機を停止してエッジガイドの間隔を
変える必要があった。

また、被塗布支持体の幅よりも広い部分の余剰液を受容
する容器についても、ウェブ幅の変化に対して即時に移
動する方法は発明されていない。従って、自由落下カー
テンがウェブと衝突する部分の下側に、注液器により塗
布液が供給される幅あるいはそれより若干広い幅を有す
る固定の余剰液回収容器を設置する方法が一般的であ
り、余剰液回収容器のために広いスペースを取る必要が
あった。

本考案は、自動的にウェブの幅の変化に対応して塗布幅
が変わるカーテン塗布装置を提供することを目的とす
る。

本考案の他の目的は、コンパクトな余剰液回収機構をも
ち、ウェブ幅に対応して、塗布幅の変更が可能なカーテ
ン塗布装置を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の上記の目的は、下方に傾斜する傾斜板(6)上を
経てコーティング通路の上まで延在する端部支持部材(2
0)(20′)間を流下する薄膜状の少なくとも一種の塗布液
(9)を走行する帯状の支持体(11)に衝突せしめて塗布す
る装置において、該傾斜板(6)と該帯状の支持体(11)と
の間に該薄膜状液体(9)の幅が該支持体(11)の幅に対し
て広い部分の余剰液を受容する、塗布液回収管(16)(1
6′)を有する構造の容器(14)(14′)を該支持体(11)の幅
方向に移動可能かつ該端部支持部材(20)(20′)と一体移
動構造に付設したことを特徴とする塗布装置により達成
される。

以下、添付図面に基き、本考案の実施態様について更に
詳細に説明する。

第１図ないし第３図において、液槽（図示せず）より定
量吐出ポンプＰを経て塗布液Ｓがスライドホッパー１内
の空洞４に一定量送り込まれる。塗布液Ｓは、空洞４よ
り狭く延長した幅のスロット３を介して流出し、スライ
ドホッパー１の摺動傾斜面６を流下層８となって流下
し、傾斜板の先端部リップ（以下、「リップ」とい
う。）７に到達する。リップ７において塗布液Ｓの自由
落下カーテンすなわち薄膜状の塗布液膜９が形成され
る。一方原反ロールより、パスローラー２を介して帯状
の支持体１１が矢印Ａの方向に走行しており、薄膜状の
塗布液９は、走行する帯状の支持体１１に衝突して塗膜
１０を形成する。

第１図及び第２図に示すように、２つの隔置された垂直
の端部支持部材（エッジガイド）２０・２０′は隣接リ
ップ７から丁度コーティング通路の上まで延在してい
る。これらの端部支持部材は自由落下垂直カーテン９の
形成を促進し、ウェブ１１の表面に衝突するときの幅を
画定する。

第１図ないし第３図に示す実施態様においては、本考案
の支持案内機構は軌道１２と走行体１３・１３′とから
構成されこれら走行体は、例えば電動機、減速機及び送
りネジから構成されている駆動機構（図示せず）により
支持体の幅方向に移動可能となる。すなわち、塗布機の
フレーム（図示せず）より固定的に懸架された軌道１２
の上を滑動可能な走行体１３・１３′からエッジガイド
２０・２０′がウェブ１１の幅方向に移動可能に取り付
けられている。すなわちウェブ端検出器がウェブ１１の
幅の変動を検出すると、電動機により減速機を介して送
りネジが、それぞれ正逆回転して走行体１３・１３′が
軌道１２の上を幅方向に滑動して端部支持部材２０・２
０′が移動して塗布幅が追従する。

駆動機構としてはこの他に油圧シリンダーとスライドガ
イド機構を用いるもの、空圧シリンダーとスライドガイ
ド機構を用いるもの等、数多くあり、本考案は一定の駆
動機構に限定されるものではない。また支持案内機構に
関しても、種々の構造のものが適用可能である。

一方、傾斜板上の流下層８の幅が薄膜状の液体（カーテ
ン膜）９の幅に対して広い部分の余剰液は、スライドホ
ッパーの先端リップ７から離れた部分で傾斜板６と支持
体１１との間に付設された余剰液受容容器１４・１４′
内には受容される。

前記受容容器１４・１４′は、端部支持部材２０・２
０′と一体移動構造となっており、端部支持部材２０・
２０′の移動に伴い、受容容器１４・１４′も同時に移
動する。余剰液受容容器１４・１４′は回収機能もも
ち、受容容器１４・１４′に受容された余剰液は、その
傾斜面を流下して後、回収管１６・１６′を経て液槽に
回収される。

本考案に使用されるウェブとしては、紙、プラスチック
フィルム、金属、レジンコーテッッド紙、合成紙等が包
含される。プラスチックフィルムの材質は、たとえば、
ポチエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポ
リ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等のビニ
ル重合体、６，６−ナイロン、６−ナイロン等のポリア
ミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−
２，６−ナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネ
ート、セルローストリアセテート、セルロースダイアセ
テート等のセルロースアセテート等が使用される。また
レジンコーティッド紙に用いる樹脂としては、ポリエチ
レンをはじめとするポリオレフィンが代表的であるが、
必ずしもこれに限定されない。又、金属ウェブとして
は、例えばアルミニウムウェブがある。

塗布液Ｓとしては、写真感光乳剤、磁性剤、感圧複写
剤、感熱記録剤、平版印刷版用塗布剤、下塗剤その他一
般の塗布液を適用することができる。

本考案は実施例に限定されず、広範囲な応用が可能であ
る。例えば、多層同時塗布にも適用可能である。

〔考案の効果〕 本考案によれば、上述の如くウェブの幅に応じて塗布幅
の変更が容易に行なわれる。

また塗布液の回収も可能となる上、ウェブの損失や切替
時間ロスも失くすることができる。

また本考案によれば、余剰液回収装置をコンパクトにで
きるためにカーテン膜の高さを低くすることが可能とな
り、安定な塗布が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る塗布装置の斜視図であり、第２図
はその側面図、第３図はその平面図である。 １……スライドホッパー ６……傾斜板 ９……流下する薄膜状の塗布液 １１……支持体 １４・１４′……受容容器 １６・１６′……回収管 ２０・２０′……端部支持部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】下方に傾斜する傾斜板(6)上を経てコーテ
   ィング通路の上まで延在する端部支持部材(20)(20′)間
   を流下する薄膜状の少なくとも一種の塗布液(9)を走行
   する帯状の支持体(11)に衝突せしめて塗布する装置にお
   いて、該傾斜板(6)と該帯状の支持体(11)との間に該薄
   膜状の液体(9)の幅が該支持体(11)の幅に対して広い部
   分の余剰液を受容する、塗布液回収管(16)(16′)を有す
   る構造の容器(14)(14′)を該支持体(11)の幅方向に移動
   可能かつ該端部支持部材(20)(20′)と一体移動構造に付
   設したことを特徴とする塗布装置。