JPH0676769B2 - エンジンのシリンダブロック - Google Patents
エンジンのシリンダブロックInfo
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- JPH0676769B2 JPH0676769B2 JP916789A JP916789A JPH0676769B2 JP H0676769 B2 JPH0676769 B2 JP H0676769B2 JP 916789 A JP916789 A JP 916789A JP 916789 A JP916789 A JP 916789A JP H0676769 B2 JPH0676769 B2 JP H0676769B2
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- balancer shaft
- cylinder block
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- Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [発明の目的] <産業上の利用分野> 本発明は、特に2次起振力を相殺するためのバランサシ
ャフトをシリンダ列の側方に備えたエンジンのシリンダ
ブロックに関する。
ャフトをシリンダ列の側方に備えたエンジンのシリンダ
ブロックに関する。
<従来の技術> 車輌用往復ピストンエンジンとしては最も普及している
と言える4サイクル直列4気筒エンジンに於いて発生す
る2次起振力を打消すために、カウンタウェート部を有
するバランサシャフトをクランクシャフトと共に回転さ
せるようにした構造が知られている(特開昭61−104114
号公報など参照)。
と言える4サイクル直列4気筒エンジンに於いて発生す
る2次起振力を打消すために、カウンタウェート部を有
するバランサシャフトをクランクシャフトと共に回転さ
せるようにした構造が知られている(特開昭61−104114
号公報など参照)。
一方、シリンダヘッド内に設けられた動弁装置を潤滑し
た潤滑油をオイルパンへ戻すために、あるいはピストン
の往復動によるクランクケース内の圧力振動を緩和する
などの目的のために、シリンダヘッドの取付け端面とク
ランクケース内とを連通する通路がシリンダブロックに
は設けらている。この通路は、互いに隣接するシリンダ
ボア間の、あるいはシリンダ列方向両端のジャーナル壁
に対応する部分に設けられることが一般的であり、特に
上記公報に於いては、バランサシャフトの収容部の空間
を通る位置にこの通路を形成するようにした構造が提案
されている。
た潤滑油をオイルパンへ戻すために、あるいはピストン
の往復動によるクランクケース内の圧力振動を緩和する
などの目的のために、シリンダヘッドの取付け端面とク
ランクケース内とを連通する通路がシリンダブロックに
は設けらている。この通路は、互いに隣接するシリンダ
ボア間の、あるいはシリンダ列方向両端のジャーナル壁
に対応する部分に設けられることが一般的であり、特に
上記公報に於いては、バランサシャフトの収容部の空間
を通る位置にこの通路を形成するようにした構造が提案
されている。
<発明が解決しようとする課題> ところで、クランクケース内換気通路や潤滑油の戻し通
路をジャーナル壁に内設しようとすると、ジャーナル壁
の厚さ寸法にて通路断面積が規定されてしまう。特に上
記したようなバランサシャフト付きエンジに於いては、
バランサシャフトの軸受部をジャーナル壁に設けること
が通例であることから、通路断面積を確保したうえにバ
ランサシャフトの軸受剛性を確保し、かつ軸受孔と通路
との干渉を避けるようにすることが困難である。
路をジャーナル壁に内設しようとすると、ジャーナル壁
の厚さ寸法にて通路断面積が規定されてしまう。特に上
記したようなバランサシャフト付きエンジに於いては、
バランサシャフトの軸受部をジャーナル壁に設けること
が通例であることから、通路断面積を確保したうえにバ
ランサシャフトの軸受剛性を確保し、かつ軸受孔と通路
との干渉を避けるようにすることが困難である。
特にシリンダ列方向両端のジャーナル壁に通路を設ける
ことはシリンダブロックのコンパクト化を推進するうえ
に好ましくなく、設計の自由度が一層制限されることに
なる。また、上記公報の提案されているようにバランサ
シャフトの収容部に通路を開口させるものとすると、カ
ウンタウェート部が高速で回転することから、円滑なブ
ローバイガスの流動が阻害されたり、あるいはバランサ
シャフトに潤滑油が付着して回転抵抗となったりするこ
とが考えられる。
ことはシリンダブロックのコンパクト化を推進するうえ
に好ましくなく、設計の自由度が一層制限されることに
なる。また、上記公報の提案されているようにバランサ
シャフトの収容部に通路を開口させるものとすると、カ
ウンタウェート部が高速で回転することから、円滑なブ
ローバイガスの流動が阻害されたり、あるいはバランサ
シャフトに潤滑油が付着して回転抵抗となったりするこ
とが考えられる。
本発明は、このような従来技術の難点を解消すべくなさ
れたものであり、その主な目的は、カウンタウェート部
と干渉することのないクランクケース内換気通路あるい
は潤滑油戻し通路を設けることが可能なように改良され
たエンジンのシリンダブロックを提供することにある。
れたものであり、その主な目的は、カウンタウェート部
と干渉することのないクランクケース内換気通路あるい
は潤滑油戻し通路を設けることが可能なように改良され
たエンジンのシリンダブロックを提供することにある。
[発明の構成] <課題を解決するための手段> このような目的は、本発明によれば、直列に列設された
複数のシリンダからなるシリンダ列の側方に、回転中心
に対して偏心するカウンタウェート部を形成してなるバ
ランサシャフトを備えたエンジンのシリンダブロックで
あって、クランクケース内換気、あるいは潤滑油戻しを
行うべくシリンダヘッド取付面側とクランクケース側と
を連通する通路が、前記シリンダの側方の互いに隣り合
うジャーナル壁同士に挟まれた部分に於ける前記カウン
タウェート部を避けた位置に設けられることを特徴とす
るエンジンのシリンダブロックを提供することにより達
成される。特に前記バランサシャフトを支持するための
軸受孔を前記ジャーナル壁に設けるものとしたり、ある
いは前記バランサシャフトと前記通路とを前記シリンダ
に近接した位置に設けると共に、当該シリンダブロック
のシリンダ列方向中心に対するシリンダ列に直交する方
向についての前記バランサシャフト中心までの寸法と、
前記通路中心部までの寸法とを略等しくし、かつ前記通
路を、前記カウンタウェート部を前記バランサシャフト
の軸方向について避けた位置に設けるものとしたり、あ
るいは前記通路を、比較的断面積の大きい第1通路と比
較的断面積の小さい第2通路とから構成し、前記バラン
サシャフトの全体と干渉しない位置に前記第1通路を設
け、前記バランサシャフトの少なくとも前記カウンタウ
ェート部と干渉しない位置に前記第2通路を設けるもの
としたり、あるいは前記バランサシャフトが、4サイク
ル直列4気筒エンジンの2次起振力を打消すべくシリン
ダ列方向中央側にカウンタウェート部を有するものであ
る、場合には、前記通路を、シリンダ列方向端部側に設
けるものとすると良い。
複数のシリンダからなるシリンダ列の側方に、回転中心
に対して偏心するカウンタウェート部を形成してなるバ
ランサシャフトを備えたエンジンのシリンダブロックで
あって、クランクケース内換気、あるいは潤滑油戻しを
行うべくシリンダヘッド取付面側とクランクケース側と
を連通する通路が、前記シリンダの側方の互いに隣り合
うジャーナル壁同士に挟まれた部分に於ける前記カウン
タウェート部を避けた位置に設けられることを特徴とす
るエンジンのシリンダブロックを提供することにより達
成される。特に前記バランサシャフトを支持するための
軸受孔を前記ジャーナル壁に設けるものとしたり、ある
いは前記バランサシャフトと前記通路とを前記シリンダ
に近接した位置に設けると共に、当該シリンダブロック
のシリンダ列方向中心に対するシリンダ列に直交する方
向についての前記バランサシャフト中心までの寸法と、
前記通路中心部までの寸法とを略等しくし、かつ前記通
路を、前記カウンタウェート部を前記バランサシャフト
の軸方向について避けた位置に設けるものとしたり、あ
るいは前記通路を、比較的断面積の大きい第1通路と比
較的断面積の小さい第2通路とから構成し、前記バラン
サシャフトの全体と干渉しない位置に前記第1通路を設
け、前記バランサシャフトの少なくとも前記カウンタウ
ェート部と干渉しない位置に前記第2通路を設けるもの
としたり、あるいは前記バランサシャフトが、4サイク
ル直列4気筒エンジンの2次起振力を打消すべくシリン
ダ列方向中央側にカウンタウェート部を有するものであ
る、場合には、前記通路を、シリンダ列方向端部側に設
けるものとすると良い。
<作用> このように、クランクケース内換気、あるいは潤滑油戻
しを行うための通路を、シリンダの側方の互いに隣り合
うジャーナル壁同士に挟まれた部分に於けるカウンタウ
ェート部を避けた位置に設けるものとすれば、十分な通
路断面積を確保することができ、しかもバランサシャフ
トがブローバイガスの流動を妨げず、かつ潤滑油による
回転抵抗を受けることを回避し得る。特にバランサシャ
フトの軸受をジャーナル壁に設けるものとすれば、バラ
ンサシャフトの支持剛性と通路位置の設定自由度との両
立を企図し得る。また、バランサシャフトと通路とをシ
リンダに近接配置し、かつ軸方向についてカウンタウェ
ート部を避けた位置に通路を設ければ、シリンダブロッ
クの小形化に寄与し得る。更に、断面積の大きな側の通
路を介して大部分の流体がバランサシャフトと干渉せず
に流動し得る。
しを行うための通路を、シリンダの側方の互いに隣り合
うジャーナル壁同士に挟まれた部分に於けるカウンタウ
ェート部を避けた位置に設けるものとすれば、十分な通
路断面積を確保することができ、しかもバランサシャフ
トがブローバイガスの流動を妨げず、かつ潤滑油による
回転抵抗を受けることを回避し得る。特にバランサシャ
フトの軸受をジャーナル壁に設けるものとすれば、バラ
ンサシャフトの支持剛性と通路位置の設定自由度との両
立を企図し得る。また、バランサシャフトと通路とをシ
リンダに近接配置し、かつ軸方向についてカウンタウェ
ート部を避けた位置に通路を設ければ、シリンダブロッ
クの小形化に寄与し得る。更に、断面積の大きな側の通
路を介して大部分の流体がバランサシャフトと干渉せず
に流動し得る。
<実施例> 以下に添附の図面を参照して本発明の好適実施例につい
て詳細に説明する。
て詳細に説明する。
第1図は、本発明に基づき構成された直列4気筒エンジ
ンに於けるシリンダブロック1の平面図を示している。
このシリンダブロック1は、例えばアルミニウム合金を
鋳造してなり、シリンダブロック外壁2とシリンダブロ
ック内壁3との間にウォータジャケット4が郭成され、
ウォータジャケット4の内側に位置するシリンダブロッ
ク内壁3内に鋳込まれたライナ5により、ピストン(図
示せず)が摺動するシリンダボア6a〜6dが形成されてい
る。
ンに於けるシリンダブロック1の平面図を示している。
このシリンダブロック1は、例えばアルミニウム合金を
鋳造してなり、シリンダブロック外壁2とシリンダブロ
ック内壁3との間にウォータジャケット4が郭成され、
ウォータジャケット4の内側に位置するシリンダブロッ
ク内壁3内に鋳込まれたライナ5により、ピストン(図
示せず)が摺動するシリンダボア6a〜6dが形成されてい
る。
シリンダブロック1の上面は、平滑に研削されてシリン
ダヘッド接合面7が形成されている。このシリンダヘッ
ド接合面7に於けるウォータジャケット4の周囲であっ
て、互いに隣接する郭シリンダボア6a〜6dの中間位置、
及びシリンダ列方向両端には、略等間隔をおいて各一
対、計10本のボルト孔8がシリンダ軸線に沿って穿設さ
れている。これらのボルト孔8には、シリンダヘッド
(図示せず)を締結するためのヘッドボルトを螺着すべ
く内ねじが形成されている。
ダヘッド接合面7が形成されている。このシリンダヘッ
ド接合面7に於けるウォータジャケット4の周囲であっ
て、互いに隣接する郭シリンダボア6a〜6dの中間位置、
及びシリンダ列方向両端には、略等間隔をおいて各一
対、計10本のボルト孔8がシリンダ軸線に沿って穿設さ
れている。これらのボルト孔8には、シリンダヘッド
(図示せず)を締結するためのヘッドボルトを螺着すべ
く内ねじが形成されている。
シリンダヘッド接合面7に於けるシリンダ列方向両端に
位置する第1シリンダボア6a及び第4シリンダボア6dの
側部には、クランクケース9(第3図)内に連通する通
路10が開口している。これらの通路10は、第1シリンダ
ボア6a側部のものが一対、そして第4シリンダボア6d側
部のものが二対、それぞれシリンダ列方向中心線を挟ん
で概ね対称の位置に開口しており、一方の側が、動弁機
構回りを潤滑した潤滑油をオイルパンへ戻すための油戻
し通路として機能し、他方の側が、シリンダヘッドとク
ランクケース間にてブローバイガスを流通させるための
クランクケース内換気通路として機能する。本実施例の
場合、第4図に於ける右側に位置する通路が主に油戻し
通路となるようにエンジンを傾斜させて搭載するものと
している。
位置する第1シリンダボア6a及び第4シリンダボア6dの
側部には、クランクケース9(第3図)内に連通する通
路10が開口している。これらの通路10は、第1シリンダ
ボア6a側部のものが一対、そして第4シリンダボア6d側
部のものが二対、それぞれシリンダ列方向中心線を挟ん
で概ね対称の位置に開口しており、一方の側が、動弁機
構回りを潤滑した潤滑油をオイルパンへ戻すための油戻
し通路として機能し、他方の側が、シリンダヘッドとク
ランクケース間にてブローバイガスを流通させるための
クランクケース内換気通路として機能する。本実施例の
場合、第4図に於ける右側に位置する通路が主に油戻し
通路となるようにエンジンを傾斜させて搭載するものと
している。
また、シリンダブロック外壁2の第2・第3シリンダボ
ア6b・6c間に於ける右側の部分には、図示されないシリ
ンダヘッド内に設けられる動弁機構へ向けて潤滑油を供
給するための潤滑油吐出路11が、ボルト孔8と平行に穿
設されている。
ア6b・6c間に於ける右側の部分には、図示されないシリ
ンダヘッド内に設けられる動弁機構へ向けて潤滑油を供
給するための潤滑油吐出路11が、ボルト孔8と平行に穿
設されている。
第2図に示すように、シリンダブロック1のシリンダ列
方向両端部及び互いに隣接する各シリンダボア6a〜6dの
中間位置には、クランクシャフトのジャーナル部(図示
せず)を枢支すべく軸受部12を有するジャーナル壁13a
〜13eが形成されている。これらジャーナル壁13a〜13e
は、シリンダ軸線に平行し、かつシリンダ列方向に直交
する面に沿って形成されており、その下面には、ベアリ
ングキャップ(図示せず)を締結すべく各一対、計10本
のボルト孔14がシリンダ軸線に沿って穿設されている。
また、オイルパン(図示せず)を接合すべく平面に研削
されたシリンダブロック1の下面には、オイルパンフラ
ンジ15が外向きに形成されると共に、複数のボルト孔16
が穿設されている。
方向両端部及び互いに隣接する各シリンダボア6a〜6dの
中間位置には、クランクシャフトのジャーナル部(図示
せず)を枢支すべく軸受部12を有するジャーナル壁13a
〜13eが形成されている。これらジャーナル壁13a〜13e
は、シリンダ軸線に平行し、かつシリンダ列方向に直交
する面に沿って形成されており、その下面には、ベアリ
ングキャップ(図示せず)を締結すべく各一対、計10本
のボルト孔14がシリンダ軸線に沿って穿設されている。
また、オイルパン(図示せず)を接合すべく平面に研削
されたシリンダブロック1の下面には、オイルパンフラ
ンジ15が外向きに形成されると共に、複数のボルト孔16
が穿設されている。
一方、第1〜第3シリンダボア6a〜6cの両側方に於ける
シリンダブロック内壁3に比較的近接した位置には、第
3・4図に示すように、左右一体のバランサシャフト17
が、シリンダ列方向に延設されている。これらバランサ
シャフト17は、第4図に良く示すように、軸心に対して
偏心位置に設けられたカウンタウェート部18と、カウン
タウェート部18の一端側から延出された延長軸部19とか
らなっている。そして延長軸部19の遊端側には第1軸受
部20aが、カウンタウェート部18の他端部には第2軸受
部20bが、カウンタウェート部18の中間部には第3軸受
部20cが、それぞれ形成されている。またカウンタウェ
ート部18は、シリンダ列方向中央部に於ける第2・第3
シリンダボア6b・6cの側方に配設され、第1軸受部20a
が、第1シリンダボア6a側の第1ジャーナル壁13aに設
けられた第1軸受孔21aに、第2軸受部20bが第3・第4
シリンダボア6c・6d間の第4ジャーナル壁13dに設けら
れた第2軸受孔21bに、第3軸受部20cが第2・第3シリ
ンダボア6b・6c間の第3ジャーナル壁13cに設けられた
第3軸受孔21cにそれぞれ回転自在に嵌合している。こ
のようにしてバランサシャフト17は、振れ回りを生ずる
ことのないように十分高い剛性をもってシリンダブロッ
ク1に支持される。
シリンダブロック内壁3に比較的近接した位置には、第
3・4図に示すように、左右一体のバランサシャフト17
が、シリンダ列方向に延設されている。これらバランサ
シャフト17は、第4図に良く示すように、軸心に対して
偏心位置に設けられたカウンタウェート部18と、カウン
タウェート部18の一端側から延出された延長軸部19とか
らなっている。そして延長軸部19の遊端側には第1軸受
部20aが、カウンタウェート部18の他端部には第2軸受
部20bが、カウンタウェート部18の中間部には第3軸受
部20cが、それぞれ形成されている。またカウンタウェ
ート部18は、シリンダ列方向中央部に於ける第2・第3
シリンダボア6b・6cの側方に配設され、第1軸受部20a
が、第1シリンダボア6a側の第1ジャーナル壁13aに設
けられた第1軸受孔21aに、第2軸受部20bが第3・第4
シリンダボア6c・6d間の第4ジャーナル壁13dに設けら
れた第2軸受孔21bに、第3軸受部20cが第2・第3シリ
ンダボア6b・6c間の第3ジャーナル壁13cに設けられた
第3軸受孔21cにそれぞれ回転自在に嵌合している。こ
のようにしてバランサシャフト17は、振れ回りを生ずる
ことのないように十分高い剛性をもってシリンダブロッ
ク1に支持される。
両バランスシャフト17の軸端は、第1ジャーナル壁13a
から突出しているが、この軸端には、タイミングプーリ
22がそれぞれ固着されている。このタイミングプーリ22
とクランクシャフトとの間を歯付きベルト(図示せず)
を介して連結することにより、クランクシャフトの2倍
の速度でかつ互いに逆方向に両バランサシャフト17が回
転駆動される。本実施例の場合、両バランサシャフト17
のうちの第4図に於ける左側に位置するものがタイミン
グプーリ22側から見て時計方向に、また右側に位置する
ものが反時計方向にそれぞれ回転するようにされてい
る。
から突出しているが、この軸端には、タイミングプーリ
22がそれぞれ固着されている。このタイミングプーリ22
とクランクシャフトとの間を歯付きベルト(図示せず)
を介して連結することにより、クランクシャフトの2倍
の速度でかつ互いに逆方向に両バランサシャフト17が回
転駆動される。本実施例の場合、両バランサシャフト17
のうちの第4図に於ける左側に位置するものがタイミン
グプーリ22側から見て時計方向に、また右側に位置する
ものが反時計方向にそれぞれ回転するようにされてい
る。
尚、第1・第2シリンダボア6a・6b間の第2ジャーナル
壁13bには、第2・第3両軸受部20b・20cが共に通過し
得る大径の孔23が開設され、また第4シリンダボア6d側
の第5ジャーナル壁13eには、第2軸受孔21bを加工する
ための工具挿入孔24が開口している。この工具挿入孔24
は、トランスミッションケース(図示せず)を取付ける
ことにより閉塞される。
壁13bには、第2・第3両軸受部20b・20cが共に通過し
得る大径の孔23が開設され、また第4シリンダボア6d側
の第5ジャーナル壁13eには、第2軸受孔21bを加工する
ための工具挿入孔24が開口している。この工具挿入孔24
は、トランスミッションケース(図示せず)を取付ける
ことにより閉塞される。
第5図に示すように、第2・第3シリンダボア6b・6cに
於けるウォータジャケット4の底部に隣接する部分から
両側方へ向けて、スカート25が延出されている。このス
カート25は、シリンダ軸線に概ね直交する方向へ延出さ
れて各バランサシャフト17の外周をそれぞれ部分的に囲
繞した後、シリンダ軸線に概ね平行する面に沿って下向
きに延出され、その終端に前記したオイルパンフランジ
15を形成している。
於けるウォータジャケット4の底部に隣接する部分から
両側方へ向けて、スカート25が延出されている。このス
カート25は、シリンダ軸線に概ね直交する方向へ延出さ
れて各バランサシャフト17の外周をそれぞれ部分的に囲
繞した後、シリンダ軸線に概ね平行する面に沿って下向
きに延出され、その終端に前記したオイルパンフランジ
15を形成している。
第3・6図に併せて示すように、第1ジャーナル壁13a
と第2ジャーナル壁13bとの間に於けるシリンダの両側
部、及び第5ジャーナル壁13eと第4ジャーナル壁13dと
の間に於けるシリンダの両側部には、両側のスカート部
25をシリンダヘッド接合面7画に延出することをもっ
て、適宜な容積の空所26a・26bが郭成されている。そし
て前記した通路10は、この空所26a・26bを介してそれぞ
れクランクケース9内に連通している。
と第2ジャーナル壁13bとの間に於けるシリンダの両側
部、及び第5ジャーナル壁13eと第4ジャーナル壁13dと
の間に於けるシリンダの両側部には、両側のスカート部
25をシリンダヘッド接合面7画に延出することをもっ
て、適宜な容積の空所26a・26bが郭成されている。そし
て前記した通路10は、この空所26a・26bを介してそれぞ
れクランクケース9内に連通している。
さて、上記したようなバランサシャフト17を備えたエン
ジンに於いて、クランクケース9内とシリンダヘッドと
を互いに連通する通路10の位置がバランサシャフト17と
干渉すると、カウンタウェート部18により通路断面積が
狭窄しがちとなって円滑なブローバイガスの流動が阻害
されるうえ、シリンダヘッド側からクランクケース9内
へと流れ落ちる潤滑油が、高速回転するカウンタウェー
ト部18に直接接触すると、バランサシャフト17の回転抵
抗となったりすることが考えられる。
ジンに於いて、クランクケース9内とシリンダヘッドと
を互いに連通する通路10の位置がバランサシャフト17と
干渉すると、カウンタウェート部18により通路断面積が
狭窄しがちとなって円滑なブローバイガスの流動が阻害
されるうえ、シリンダヘッド側からクランクケース9内
へと流れ落ちる潤滑油が、高速回転するカウンタウェー
ト部18に直接接触すると、バランサシャフト17の回転抵
抗となったりすることが考えられる。
そこで本発明に於いては、カウンタウェート部18の存在
しない第4シリンダボア6dの側部に二対の通路10を配設
し、延長軸部19のある第1シリンダボア6aの側部に一対
の通路10を配設するものとしている。即ち、バランサシ
ャフト17の軸方向についてカウンタウェート部18との干
渉を避け、しかもバランサシャフト17の軸受を避けた位
置に通路が設けられている。このようにすることによ
り、バランサシャフト17の影響を受けない部分にて大部
分の流体を流通させ、かつ比較的影響の少ない延長軸部
19の部分を補助的な通路とすることができる。従って、
戻し潤滑油のあるいはブローバイガスの、円滑な流通を
得ることができ、かつ十分な通路容量を確保することが
可能となる。また、第3図に示すように、シリンダブロ
ック内壁3に比較的近接した位置にバランサシャフト17
が延設されると共に、シリンダ中心とバランサシャフト
中心との間隔寸法(A寸法)と、シリンダ中心と通路中
心との間隔寸法(B寸法)とは概ね近似した値とされて
おり、これによりシリンダブロック1の幅寸法の増大を
可及的に抑制するものとしている。
しない第4シリンダボア6dの側部に二対の通路10を配設
し、延長軸部19のある第1シリンダボア6aの側部に一対
の通路10を配設するものとしている。即ち、バランサシ
ャフト17の軸方向についてカウンタウェート部18との干
渉を避け、しかもバランサシャフト17の軸受を避けた位
置に通路が設けられている。このようにすることによ
り、バランサシャフト17の影響を受けない部分にて大部
分の流体を流通させ、かつ比較的影響の少ない延長軸部
19の部分を補助的な通路とすることができる。従って、
戻し潤滑油のあるいはブローバイガスの、円滑な流通を
得ることができ、かつ十分な通路容量を確保することが
可能となる。また、第3図に示すように、シリンダブロ
ック内壁3に比較的近接した位置にバランサシャフト17
が延設されると共に、シリンダ中心とバランサシャフト
中心との間隔寸法(A寸法)と、シリンダ中心と通路中
心との間隔寸法(B寸法)とは概ね近似した値とされて
おり、これによりシリンダブロック1の幅寸法の増大を
可及的に抑制するものとしている。
尚、上記実施例に於いては、第4シリンダボア6d側の通
路10を二対としてその断面積を比較的大きくとるものと
しているが、これは第1シリンダボア6a側に比して大き
くとることができれば良く、上記構成に限定されるもの
ではない。
路10を二対としてその断面積を比較的大きくとるものと
しているが、これは第1シリンダボア6a側に比して大き
くとることができれば良く、上記構成に限定されるもの
ではない。
[発明の効果] このように本発明によれば、バランサシャフトの、特に
カウンタウェート部との干渉を軸方向につけて避けた位
置に潤滑油の戻し通路、あるいはクランクケース換気通
路を設けることが可能となり、潤滑油及びブローバイガ
スの円滑な流動を確保し、かつバランサシャフトの回転
抵抗となる要因を排除するうえに大きな効果がある。し
かも上記の如くしてシリンダブロックの幅方向寸法の増
大が抑制されることから、バランサシャフト付きエンジ
ンのコンパクト化を推進するうえにも効果的である。
カウンタウェート部との干渉を軸方向につけて避けた位
置に潤滑油の戻し通路、あるいはクランクケース換気通
路を設けることが可能となり、潤滑油及びブローバイガ
スの円滑な流動を確保し、かつバランサシャフトの回転
抵抗となる要因を排除するうえに大きな効果がある。し
かも上記の如くしてシリンダブロックの幅方向寸法の増
大が抑制されることから、バランサシャフト付きエンジ
ンのコンパクト化を推進するうえにも効果的である。
第1図は本発明に基づき構成されたシリンダブロックの
平面図であり、第2図は底面図である。 第3図は第1図に於けるIII−III線に沿う切断端面図で
ある。 第4図は第3図のIV−IV線に沿う切断端面図である。 第5図は第1図に於けるV−V線に沿う切断端面図であ
り、第6図は同じくVI−VI線に沿う切断端面図である。 1……シリンダブロック、2……シリンダブロック外壁 3……シリンダブロック内壁 4……ウォータジャケット 5……ライナ、6a〜6d……シリンダボア 7……シリンダヘッド接合面 8……ボルト孔、9……クランクケース 10……通路、11……潤滑油吐出路 12……軸受部 13a〜13e……ジャーナル壁 14……ボルト孔、15……オイルパンフランジ 16……ボルト孔、17……バランサシャフト 18……カウンタウェート部 19……延長軸部、20a〜20c……軸受部 21a〜21c……軸受孔 22……タイミングプーリ 23……開口、24……工具挿入孔 25……スカート部、26a・26b……空所
平面図であり、第2図は底面図である。 第3図は第1図に於けるIII−III線に沿う切断端面図で
ある。 第4図は第3図のIV−IV線に沿う切断端面図である。 第5図は第1図に於けるV−V線に沿う切断端面図であ
り、第6図は同じくVI−VI線に沿う切断端面図である。 1……シリンダブロック、2……シリンダブロック外壁 3……シリンダブロック内壁 4……ウォータジャケット 5……ライナ、6a〜6d……シリンダボア 7……シリンダヘッド接合面 8……ボルト孔、9……クランクケース 10……通路、11……潤滑油吐出路 12……軸受部 13a〜13e……ジャーナル壁 14……ボルト孔、15……オイルパンフランジ 16……ボルト孔、17……バランサシャフト 18……カウンタウェート部 19……延長軸部、20a〜20c……軸受部 21a〜21c……軸受孔 22……タイミングプーリ 23……開口、24……工具挿入孔 25……スカート部、26a・26b……空所
Claims (5)
- 【請求項1】直列に列設された複数のシリンダからなる
シリンダ列の側方に、回転中心に対して偏心するカウン
タウェート部を形成してなるバランサシャフトを備えた
エンジンのシリンダブロックであって、 クランクケース内換気、あるいは潤滑油戻しを行うべく
シリンダヘッド取付面側とクランクケース側とを連通す
る通路が、前記シリンダの側方の互いに隣り合うジャー
ナル壁同士に挟まれた部分に於ける前記カウンタウェー
ト部を避けた位置に設けられることを特徴とするエンジ
ンのシリンダブロック。 - 【請求項2】前記バランサシャフトを支持するための軸
受孔が前記ジャーナル壁に設けられることを特徴とする
第1請求項に記載のエンジンのシリンダブロック。 - 【請求項3】前記バランサシャフトと前記通路とが前記
シリンダに近接した位置に設けられると共に、当該シリ
ンダブロックのシリンダ列方向中心に対するシリンダ列
に直交する方向についての前記バランサシャフト中心ま
での寸法と、前記通路中心部までの寸法とが略等しくさ
れ、かつ前記通路が、前記カウンタウェート部を前記バ
ランサシャフトの軸方向について避けた位置に設けられ
ることを特徴とする第1若しくは第2請求項に記載のエ
ンジンのシリンダブロック。 - 【請求項4】前記通路が、比較的断面積の大きい第1通
路と比較的断面積の小さい第2通路とからなり、前記バ
ランサシャフトの全体と干渉しない位置に前記第1通路
が設けられ、前記バランサシャフトの少なくとも前記カ
ウンタウェート部と干渉しない位置に前記第2通路が設
けられることを特徴とする第3請求項に記載のエンジン
のシリンダブロック。 - 【請求項5】前記バランサシャフトの前記カウンタウェ
ート部が、4サイクル直列4気筒エンジンの2次起振力
を打消すべくシリンダ列方向中央側に形成され、前記通
路が、シリンダ列方向端部側に設けられることを特徴と
する第1乃至第4請求項のいずれかに記載のエンジンの
シリンダブロック。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP916789A JPH0676769B2 (ja) | 1989-01-18 | 1989-01-18 | エンジンのシリンダブロック |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP916789A JPH0676769B2 (ja) | 1989-01-18 | 1989-01-18 | エンジンのシリンダブロック |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02188609A JPH02188609A (ja) | 1990-07-24 |
JPH0676769B2 true JPH0676769B2 (ja) | 1994-09-28 |
Family
ID=11713050
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP916789A Expired - Fee Related JPH0676769B2 (ja) | 1989-01-18 | 1989-01-18 | エンジンのシリンダブロック |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0676769B2 (ja) |
-
1989
- 1989-01-18 JP JP916789A patent/JPH0676769B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02188609A (ja) | 1990-07-24 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |