JPH0674822B2 - 分割はずみ車 - Google Patents

分割はずみ車

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JPH0674822B2
JPH0674822B2 JP63322287A JP32228788A JPH0674822B2 JP H0674822 B2 JPH0674822 B2 JP H0674822B2 JP 63322287 A JP63322287 A JP 63322287A JP 32228788 A JP32228788 A JP 32228788A JP H0674822 B2 JPH0674822 B2 JP H0674822B2
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ring
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ギユンテル・ヴエルネル
エルンスト・チエプラク
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ダイムラー―ベンツ・アクチエンゲゼルシヤフト
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F15/00Suppression of vibrations in systems; Means or arrangements for avoiding or reducing out-of-balance forces, e.g. due to motion
    • F16F15/10Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system
    • F16F15/12Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system using elastic members or friction-damping members, e.g. between a rotating shaft and a gyratory mass mounted thereon
    • F16F15/131Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system using elastic members or friction-damping members, e.g. between a rotating shaft and a gyratory mass mounted thereon the rotating system comprising two or more gyratory masses
    • F16F15/13128Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system using elastic members or friction-damping members, e.g. between a rotating shaft and a gyratory mass mounted thereon the rotating system comprising two or more gyratory masses the damping action being at least partially controlled by centrifugal masses

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、はずみ車質量をほぼ分割されている2つの同
軸的なはずみ車素子と、これらのはずみ車素子の間に設
けられるばね装置と、ばね装置の支持部分と一方のはず
み車素子との間に設けられる摩擦継手とを有する、分割
はずみ車に関する。
〔従来の技術〕
このような分割はずみ車は原理的には公知である。走行
運転の際動力伝達系列中に生ずる振動がはずみ車の共振
振動数より上の振動数を持ち、即ちいわゆる超危険範囲
にあるのを保証するため、はずみ車の共振振動数をでき
るだけ低くする。それにより走行運転中動力伝達系列と
機関との振動に関する分離が保証される。
機関の始動の際分割はずみ車の共振範囲を必ず通過せね
ばならないので、少なくとも数回の始動を試みる際、始
動の困難さのため、はずみ車の共振振動数が長時間にわ
たつて励起され、大きい振幅を持つ振動のおこる危険が
ある。この場合はずみ車又は動力伝達系列の故障を回避
するため、はずみ車素子を連結するばね装置を摩擦継手
と直列に接続し、過度の振動又はその際生ずる非常に大
きいトルクでは、この継手により両方のはずみ車素子の
付加的な相対回転を可能にし、はずみ車素子の間に作用
する最大トルクを制限することは公知である。
最近の機関は非常に低い無負荷回転数で動作することが
できる。無負荷回転数又はその際場合によつては生ずる
振動も分割はずみ車の超危険範囲にあるようにする場
合、ばね装置は比較的小さいばね定数を持ち、即ち非常
に軟かくなければならない。なぜならば、ばね装置のこ
わさが小さいほど、共振振動数は低い値をとるからであ
る。しかしこわさの小さいばね装置では、走行運転中負
荷変動があると、走行運転の際伝達すべきトルクのた
め、ばね装置をそのつどの負荷方向に適当に変形させね
ばならないので、はずみ車素子の間に比較的大きい相対
運動が生ずるという欠点がある。このため軟かいばね装
置では、はずみ車素子の大きい相対回転が必要である。
それに応じてはずみ車素子は、負荷変動の際、充分大き
いトルクをそれぞれ逆の負荷方向に伝達できるまで、非
常に大きく相対回転せねばならない。
動力伝達系列の大きい弾性は一般に有害であると感じら
れることを別としても、短時間順次に続く負荷変動の
際、分割はずみ車の共振振動数が励起される危険があ
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
従つて本発明の課題は、非常に低い機関回転数特に無負
荷回転数より低い回転数でも、超危険範囲で動作するに
もかかわらず、負荷変動の際動力伝達系列の充分なこわ
さを保証する分割はずみ車を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
この課題を解決するため本発明によれば、ばね装置の少
なくとも1つのばね群が、全く又は僅かしか予荷重をか
けられない長行程のコイルばねから成り、これらのコイ
ルばねがはずみ車軸線に一致する曲率中心を持つ円弧状
コイル軸線を持ち、支持部分又ははずみ車素子に設けら
れてこれらのコイルばねをはずみ車軸線に対して半径方
向外方に支持する支持面へコイルばねが遠心力により押
付けられることによつて、これらのコイルばねが遠心力
に関係する摩擦で動作し、低い機関回転数において生ず
る振動が超危険範囲にあるように、ばね装置のばね定数
が設計されている。
本発明は、無負荷回転数に近い低い機関回転数では、き
わめて小さいトルクしか伝達できないか又は伝達する必
要がないという一般思想に基いている。長行程のコイル
ばねの大きい可撓性が、低い回転数におけるはずみ車素
子間の大きい相対回転を生ずることはない。回転数が上
昇すると、機関は大きいトルクを動力伝達系列へ伝達す
ることができるが、負荷変動の際もはずみ車素子の過度
の相対回転は回避される。なぜならば、大きい回転数に
おいて作用する遠心力のため、長行程のばねは支持面の
所で著しい摩擦を受け、それに応じて比較的非可撓的に
なるからである。その結果負荷変動の際生ずるはずみ車
素子の相対回転は大きい抵抗に抗してのみ行われ、この
大きい抵抗は、時間的にすぐ続いておこる負荷変動の際
にも、非常に低い振動数を持つ望ましくない振動が動力
伝達系列に励起されるのを防止する。
例えば6気筒直列機関のように特に静かに動作する機関
では、ばね装置全体を長行程ばねのみから構成すれば一
般に充分である。低い回転数におけるばねの可撓性は、
機関がゆつくり回転する際望まれる動力伝達系列と機関
との振動に関する分割を保証する。高い回転数では、そ
れに伴つてばねがこわくなつても、乗り心地を低下させ
ない。なぜならば、これらの運転状態では、いずれにせ
よ振動がないからである。
気筒数が少ない機関例えば4気筒直列機関では、遠心力
に関係する可撓性を持つ長行程ばねのほかに、ばね装置
が短行程の比較的こわいばねから成る別のばね群を持
ち、これらの短行程ばねの可撓性が遠心力の影響を全く
又は僅かしか受けないと、一般に有利である。高い回転
数では、即ち長行程ばねが遠心力の影響のため大幅にこ
わくなつていると、短行程ばねが実際上分割はずみ車の
振動特性を決定する。このことは、分割はずみ車の共振
振動数が短行程ばねの大きいばね定数のため上昇するこ
とを意味するが、高い回転数において動力伝達系列に場
合によつては生ずる振動はいずれにせよ比較的高い振動
数を持つているので、分割はずみ車は超危険範囲で動作
することを意味している。回転数が低下すると、分割は
ずみ車の共振振動数が再びまず長行程ばねにより決定さ
れる。こうして遠心力に関係して動作する長行程のばね
を、遠心力に関係なく動作する短行程の比較的こわいば
ねと組合わせて設けることによつて、はずみ車の共振振
動数が低い回転数では非常に低い振動数の所に、また高
い回転数では高い振動数の所にあり、しかも動力伝達系
列に生ずる振動が常にはずみ車の超危険範囲に留まるよ
うにすることができる。
同時にこの構造により、はずみ車素子の間のばね装置の
可撓性が回転数の上昇につれて減少し、従つて高い回転
数及び大きい伝達トルクにおいて負荷変動が生ずると、
はずみ車素子の過度の相対回転が回避されるようにする
ことができる。
高い回転数でもはずみ車素子は比較的こわいばねにより
常に弾性的に連結されたままなので、高い回転数では高
い振動数及び比較的小さい振幅の振動を励起する機関と
動力伝達系列との間の良好な振動分離が行なわれる。
なお本発明の好ましい実施態様については、従属請求項
と図面に基く本発明の以下の説明が参照される。
〔実施例〕
第1図に示す分割はずみ車では、はずみ車素子1が機関
に連結され、はずみ車素子2が図示しないクラツチを介
して動力伝達系列に連結されている。はずみ車素子1は
ボス部分4を持ち、このボス部分上にはずみ車素子2が
深溝玉軸受3により支持されている。
はずみ車素子1は、大体において2つの部分、即ちボス
部分4と一体に結合された部分1′と、環状に設けられ
るねじ5により部分1′にフランジ結合される環状板状
部分1″とから成つている。はずみ車素子1の両部分
1′及び1″の間には、ボス部分の方へ開く環状空間が
残つている。
この環状空間はほぼ円形断面の半径方向外側範囲を持つ
ている。この範囲の半径方向外側は、はずみ車素子1の
部分1′及び1″の継ぎ目を覆う殻片6により内張りさ
れている。断面が円形の範囲内には、はずみ車の軸線に
曲率中心が一致する円弧状のコイル軸線を持つ長行程の
コイルばね7が設けられている。コイルばね7の端面に
は、第2図に示す帽子状ストツパ片8が挿入されてい
る。
数回例えば周方向に4回順次に設けられるコイルばね7
は、ストツパ片8を支持片9の方へ押付けようとしてい
る。これらの支持片9は、コイルばね7のコイル軸線を
含むはずみ車の半径面の両側ではずみ車素子1の部分
1′及び1″に、隣接するコイルばね7の互いに向き合
う端面の間に設けられている。はずみ車の軸線方向にお
いて隣接する支持片9の間隔は、コイルばね7又はスト
ツパ片8の直径より小さい。それによりコイルばね7又
はストツパ片6の端面は支持片9に一部重なる。
はずみ車素子1の部分1′及び1″により形成される環
状空間内には、コイルばね7より半径方向内側に環状板
10が設けられて、半径方向外方へ向く突起10′を持つて
いる。環状板10の突起10′は、はずみ車の周方向に支持
片9とほぼ同じ間隔を持ち、2つのコイルばね7の互い
に向き合う端面の間の空間へ入り込んで、突起10′がコ
イルばね7又はストツパ片8の端面に一部重なつてい
る。
環状板10がはずみ車素子1に対して回転せしめられる
と、相対回転の方向には関係なく、各コイルばね7の一
端の所にある突起10′とコイルばね7の他端の所にある
2つの支持片9との間で圧縮される。
環状板10内に同一面内で同心的に別の環状板11が設けら
れて、ねじ12によりはずみ車素子1へ対向するはずみ車
素子2の環状隆起2′に取付けられている。この環状板
11の半径方向外周縁に設けられる突起11′は、環状板10
内周縁にある切欠きへ入り込んでいる。突起11′は環状
板10の切欠き内で周方向に遊隙2Sを持つているので、環
状板10と11は対応する寸法だけ相対回転することができ
る。遊隙2Sがなくなると、環状板10及び11はそのつど1
つの回転方向にまだ一緒に動くことができる。
環状板10と11とのかみ合い連結のほかに、それらの間に
摩擦連結も行なわれている。このため摩擦継手装置13が
役立つ。環状板11の両端面には側方環14がフランジ結合
され、環状板10及び11の隣接する区域に一部重なつてい
る。第1図において右側の側方環14は第1の摩擦薄板15
を持ち、この摩擦薄板が環状板10及び11の対向する端面
に当つている。第1図において左側の側方環14にはばね
環16が支持されて、環状板10に対して回転不能であるが
軸線方向には移動可能な板環17へ押付けられ、この板環
17が環状板10及び11に面する側に別の摩擦薄板18を持つ
ている。従つて環状板10及び11の両端面の隣接区域は、
摩擦薄板15及び18の間に押付けられ、環状板10と11は摩
擦により互いに連結される。
コイルばね7及び摩擦継手装置13の占める空間には、場
合によつては潤滑剤を満たすことができる。潤滑剤の損
失を避けるため、はずみ車素子1の部分1″の半径方向
内縁とはずみ車素子2の環状隆起2′との間に密封環又
は密封薄板が設けられている。
上述した分割はずみ車は大体において次のように動作す
る。
はずみ車素子1及び2はコイルばね7の力に抗して相対
回転振動を行なうことができる。はずみ車素子1と2と
の間に、摩擦継手装置13の摩擦に打勝つことができない
ほど小さいトルクが作用している限り、環状板10は常に
はずみ車素子2と共に回転する。大きいトルクでは、摩
擦継手装置13から滑るので、はずみ車素子2と環状板10
との間に相対回転がおこるが、環状板10の半径方向切欠
き内における環状板11の突起11′の利用可能な遊隙2Sに
よつて、この相対回転が制限される。
注意すべきことは、はずみ車のもつと大きい回転数で
は、コイルばね7が半径方向外方へ支持面としての殻片
6へ押付けられることである。それによりコイルばね7
の運動が著しい摩擦を生じ、はずみ車素子1と2が相対
回転しようとする時、この摩擦が付加的な抵抗として作
用する。コイルばね7によりはずみ車素子1と2との間
に行なわれる連結は、高い回転数ではこわくなる。
なおはずみ車素子1の部分1′及び1″により包囲され
る環状空間が潤滑剤又は液圧媒体を満たされていると、
はずみ車素子1と2との相対回転の際、更に特定の液圧
抵抗が作用する。即ち相対回転のためコイルばね7が圧
縮されると、各コイルばね7のピストン状に作用するス
トツパ片8は互いに接近し、互いに接近するストツパ片
8の間の空間から液体媒体が押出される。これが流れ及
び絞りの抵抗に抗して行なわれ、この抵抗の大きさは、
環状板10とはずみ車素子1の部分1′及び1″間の環状
間隙がコイルばね7の半径方向内側においてどれ位狭い
かに関係している。
第3図には、第1図及び第2図に示したはずみ車が再び
概略的に示され、両方のはずみ車素子1及び2はそれぞ
れ概略的に質量体としてばね7の力に抗して互いに離さ
れるか又は互いに接近可能である。はずみ車素子1と2
との間に実際に生ずる相対回転は、従つて第3図では並
進運動として示されている。なお第3図と第1図及び第
2図において互いに対応する素子は同じ符号を持つてい
る。ばね7が充分撓むと、摩擦継手装置13の摩擦結合に
打勝つて、第3図の素子10及び11は相対移動して、場合
によつては素子11にある突起11′と素子10にあるストツ
パとの間の遊隙2Sがなくなる。なおはずみ車素子1と2
との相対運動の際ばね7がそれぞれ突起10′と支持片9
との間で圧縮されることは明らかである。
第4図ないし第6図に示す実施例では、はずみ車素子1
の部分1′及び1″により区画されて半径方向内方へ開
く環状空間内でその周壁に、環状部分21が回転不能にた
だし軸線方向移動可能に保持されている。この環状部分
21は半径方向に比較的小さい寸法しか持つていない。環
状部分21の両端面に、環状板22がはずみ車素子1に対し
て軸線方向移動可能にかつ回転可能に設けられている。
環状板22と環状部分21との間には摩擦薄板23が挿入さ
れ、別の摩擦薄板23が第4図において左側の環状板22と
はずみ車素子1の部分1′との間、及び第4図において
右側の環状板22と別の環状部分24との間に設けられ、こ
の別の環状部分ははずみ車素子の部分1′に軸線方向移
動可能にただし回転不能に保持され、はずみ車素子1の
部分1″に支持される環状ばね25により、第4図におい
て左方へ押付けられている。従つて環状板22、環状部分
21及び摩擦薄板23は互いに押付けられるので、環状板22
ははずみ車の周方向に摩擦で固定されるか、又は大きい
トルクでははずみ車素子1に対して回転可能である。
環状板22は、環状部分21の半径方向内側に、周方向に延
びる円弧状窓を持ち、はずみ車の軸線に一致する曲率中
心を持ち円弧状に湾曲したコイル軸線を持つ長行程コイ
ルばね7が、これらの窓内に保持器状に保持されてい
る。コイルばね7の端面又はその中に設けられるストツ
パ片8は、環状板22の窓の間に残る半径方向連絡部に当
ろうとしている。
コイルばね7の半径方向外側において窓に殻片6が保持
されて、コイルばね7を遠心力に対して半径方向外方に
支持する。
軸線方向において環状板22の間に、コイルばね7の半径
方向内側に環状中間板26が設けられて、その半径方向外
方を向く突起26′が、周方向に順次に続くコイルばね7
の間の間隔空間へ入り込み、コイルばね7又はそのスト
ツパ片8の端面に一部重なつている。環状中間板26が環
状板22に対して回されると、コイルばね7は、環状中間
板26の突起26′と、環状板22にコイルばね7用に設けら
れた窓又は切欠きの周方向において対向する半径方向縁
との間において、圧縮される。
環状中間板26ははずみ車素子2に対して限られた範囲で
回転可能である。この回転可能性を限定するため、環状
隆起2′の範囲ではずみ車素子2に環状に設けられたピ
ン28が、環状中間板26にある窓27を貫通している。
ピン28は、環状中間板26の両端面から軸線方向に僅か離
れてはずみ車素子2に固定的に設けられる2つの環状板
29の保持に役立つ。はずみ車素子2の環状隆起2′の半
径方向外側において環状板29に、周方向に延びる窓30が
切欠かれて、コイルばね7に比較して短くかつこわいコ
イルばね31を保持器状に収容している。これらのコイル
ばね31はほぼ直線状のコイル軸線を持つている。
環状中間板26にある窓27は、環状板29の窓30にあるコイ
ルばね31を保持することができるように、半径方向外方
へ充分大きく延びている。ばね31の範囲で窓30及び27は
周方向にほぼ同じ寸法を持つているので、ばね31は環状
板29及び環状中間板26を互いに中間位置へ押そうとし、
この中間位置で窓27及び30の半径方向縁がはずみ車の軸
線方向に見て互いに一致する。環状中間板26が環状板29
に対して回されると、ばね31は窓27の半径方向縁と窓30
の周方向に対向する縁との間で圧縮される。はずみ車素
子1のボス部分4を包囲する内周の所において、環状中
間板26は切欠き32を持ち、この切欠きが摩擦環33の軸線
方向突起33′を軸線方向に遊隙2wをおいて収容してい
る。遊隙2wは全体として窓27内のピン28の遊隙2Sより小
さい。突起33′の第4図における右端は角形断面の摩擦
環34に当り、ボス部分4を包囲するこの摩擦環の一方の
脚辺は、はずみ車素子1のボス部分4上にはずみ車素子
2を回転可能に支持する深溝玉軸受35の内軸に当つてい
る。摩擦環33の突起33′とは反対側の端面は、ボス部分
4上に軸線方向移動可能に設けられている対向摩擦環36
と共同作用する。角形突起36′がはずみ車素子1にある
適当な切欠きに係合することによつて、この対向摩擦環
36ははずみ車素子1に対して回転しないように保持され
ている。軸線方向において対向摩擦環36とはずみ車素子
1又はその部分1′との間に環状皿ばね37が挟まれて、
対向摩擦環36を摩擦環33へ押付け、またこの摩擦環33を
支持環34へ押付け、一方この支持環はボス部分4上の軸
受35の内輪をボス部分4に設けられた環状フランジへ押
付けている。従つて皿ばね37は二重の機能を持ち、即ち
一方では摩擦環33と対向摩擦環36を互いに押付け、他方
では軸受35の内輪の位置を固定している。摩擦環33と対
向摩擦環36との間の摩擦を高めるため、これら両部分の
間に更に図示してない摩擦薄板を設けることができる。
従つて環状中間板26がはずみ車素子2又は環状板29に対
して回されて、切欠き22内における突起33′の連動遊隙
2wがなくなると、環状中間板26は更に回転する際摩擦環
33を連行し、即ちはずみ車素子2に対する環状中間板26
の引続く回転が、摩擦環33及び36により形成される滑り
継手の摩擦抵抗によつて阻止される。
第4図及び第5図に示すはずみ車の動作が第6図からよ
くわかるが、この第6図にははずみ車素子1及び2が第
3図のように質量体として概略的に示されて、互いに接
近するかまたは離れることができ、即ちはずみ車素子1
と2の相対回転は第6図には並進運動として示されてい
る。なお第4図ないし第6図において互いに対応する素
子は同じ符号を持つている。
はずみ車素子1と2との間に比較的弱いトルクが作用し
ている限り、はずみ車素子1と2との相対運動の際、環
状板22ははずみ車素子1又は環状部分21と共に連動し、
即ち環状部分21と環状板22との摩擦結合R21,22は滑りな
しで動作する。はずみ車素子1と2との相対運動の大き
さに応じて、ばね7及び31が圧縮される。場合によつて
は、環状中間板26にある切欠き32内で摩擦環33の突起3
3′の利用可能な遊隙2wがなくなることもある。はずみ
車素子1と2との間に作用するトルクに応じて、摩擦環
33と対向摩擦環36との摩擦結合R33,36のため、1つの運
動方向におけるはずみ車素子1と環状中間板26とのそれ
以上の相対運動が阻止されるので、ばね7はさし当りそ
れ以上圧縮されることはない。トルクが大きくなると、
摩擦結合R33,36に打勝ち、即ち摩擦環33が対向摩擦環36
に対して滑り、ばね7が更に少し圧縮される。はずみ車
素子1と2との相対運動方向が反転すると、摩擦結合R3
3,36が再び作用する前に、環状中間板26はまず遊隙2wだ
け動くことができる。
はずみ車素子1と2との間のトルクが非常に大きいと、
環状板22と環状部分21との間の摩擦結合R21,22も滑つて
動作し、それによつてはずみ車素子1と2との間に伝達
される最大トルクが制限される。
はずみ車素子2に対する環状中間板26の連動可能性は、
環状中間板26にある窓27とピン28との共同作用によつて
限定される。それによりばね31が塊になるまで圧縮され
るのが確実に防止される。
上述したはずみ車の特徴は、ばね7が遠心力に関係して
動作することである。高い回転数ではばね7がほぼ剛性
部材とみなされるので、ばね31のみがはずみ車素子1と
2との間の弾性素子として作用する。
上述した実施例とは異なり、環状板22がはずみ車素子1
に対して限られた範囲でしか動かないようにすることも
可能である。例えばこれは、環状板22に半径方向外方へ
突出する突起を設け、これらの突起をはずみ車素子1に
ある対向突起又は切欠きと共同作用させて、はずみ車素
子1に対する環状板22の最大回転を制限することによつ
て、行なうことができる。
更に環状中間板26を半径方向に長行程ばね22と短行程ば
ね31との間で分割して、環状中間板26の両部分を抵抗に
抗して限られた範囲で相対回転可能にすることができ
る。このため環状中間板26の両部分を、第1図及び第2
図における環状板10及び11と同様に摩擦結合と遊隙をお
いたかみ合いとにより互いに連結することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は分割はずみ車の第1実施例の軸線に沿う断面図
で、ばね装置として遠心力に関係して動作する長行程コ
イルばねのみを設けたものを示し、第2図は第1図のII
−II線に沿う断面図、第3図は第1図及び第2図に示す
はずみ車の概略図、第4図は本発明によるはずみ車の第
2実施例の軸線に沿う断面図で、遠心力に関係して動作
する長行程コイルばねから成る第1のばね群に対して遠
心力とは大幅に無関係に動作する短行程の比較的こわい
コイルばねからなる第2のばね群を直列接続したものを
示し、第5図は第4図に示すはずみ車素子を一部切欠い
て矢印Vの方向に見た正面図、第6図は第4図及び第5
図に示すはずみ車の概略図である。 1,2……はずみ車素子、6……支持面(殻片)、7……
コイルばね、13……摩擦継手。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】はずみ車質量をほぼ分割されている2つの
    同軸的なはずみ車素子と、これらのはずみ車素子の間に
    設けられるばね装置と、ばね装置の支持部分と一方のは
    ずみ車素子との間に設けられる摩擦継手とを有するもの
    において、ばね装置の少なくとも1つのばね群が、全く
    又は僅かしか予荷重をかけられない長行程のコイルばね
    (7)から成り、これらのコイルばねがはずみ車軸線に
    一致する曲率中心を持つ円弧状コイル軸線を持ち、支持
    部分又ははずみ車素子に設けられてこれらのコイルばね
    (7)をはずみ車軸線に対して半径方向外方に支持する
    支持面(6)へコイルばね(7)が遠心力により押付け
    られることによつて、これらのコイルばね(7)が遠心
    力に関係する摩擦で動作し、低い機関回転数において生
    ずる振動が超危険範囲にあるように、ばね装置のばね定
    数が設計されていることを特徴とする、分割はずみ車。
  2. 【請求項2】長行程のコイルばね(7)から成るばね群
    のほかに、これに対して直列に比較的短行程のコイルば
    ね(31)を持つ別のばね群が設けられて、遠心力とはほ
    ぼ無関係な摩擦で動作することを特徴とする、請求項1
    に記載の分割はずみ車。
  3. 【請求項3】両方のばね群(7,31)が順次半径方向に設
    けられていることを特徴とする、請求項2に記載の分割
    はずみ車。
  4. 【請求項4】長行程ばね(7)が、はずみ車素子(1)
    において、周方向に互いに離れている支持片(9)の間
    にある断面U字状又は円弧状の床内に収容され、これら
    の支持片(9)が、はずみ車のコイル軸線を含む半径面
    の両側でこれらのばね(7)の端面に一部重なり、支持
    部分として軸線方向において支持片(9)の間に、他方
    のはずみ車素子(2)に摩擦結合により又は弾性的に連
    結される環状板(10)が設けられて、長行程ばね(7)
    の範囲に切欠きを持ち、また周方向においてばね(7)
    の間に、これらばね(7)の端面に一部重なる半径方向
    範囲を持つていることを特徴とする、請求項1ないし3
    の1つに記載の分割はずみ車。
  5. 【請求項5】環状板(10)が、他方のはずみ車素子
    (2)に取付けられる別の環状板(11)に周方向に遊隙
    をおいてかみ合いにより連結されていることを特徴とす
    る、請求項1ないし4の1つに記載の分割はずみ車。
  6. 【請求項6】両方の環状板(10,11)が、半径方向突起
    及び切欠き(10′,11′)により、周方向に遊隙をおい
    てかみ合い、両方の環状板(10,11)に一部重なつて一
    方の環状板(11)に保持される摩擦薄板(18)が、両方
    の環状板(10,11)の範囲へ押付けられることを特徴と
    する、請求項5に記載の分割はずみ車。
  7. 【請求項7】長行程ばね(7)が一方のはずみ車素子
    (1)と摩擦により連結される支持体(22)を持つてい
    ることを特徴とする、請求項1ないし6の1つに記載の
    分割はずみ車。
  8. 【請求項8】支持体(22)が一方のはずみ車素子(1)
    に対して限られた範囲で可動であることを特徴とする、
    請求項7に記載の分割はずみ車。
  9. 【請求項9】支持体がコイルばね軸線の両側に設けられ
    てばね(7)の端面に一部重なる半径方向範囲を持つ環
    状板(22)として構成され、断面円弧状でそれぞれ1つ
    の長行程ばねを半径方向外方に支持する支持面としての
    殻片(6)が環状板(22)に保持されていることを特徴
    とする、請求項7又は8に記載の分割はずみ車。
  10. 【請求項10】軸線方向において支持体としての環状板
    (22)の間の面内に環状中間板(26)が設けられて、そ
    の半径方向部分で長行程ばね(7)の端面に一部重な
    り、別のコイルばね(31)を介して他方のはずみ車素子
    (2)に連結されていることを特徴とする、請求項7な
    いし9の1つに記載の分割はずみ車。
  11. 【請求項11】環状中間板(26)が、軸線方向において
    他方のはずみ車素子(2)に設けられる2つの環状板
    (29)の間に設けられ、これらの環状板がはずみ車軸線
    に対して接線をなす切欠き又は窓(30)を持ち、これら
    の切欠き又は窓内に他方のばね群のコイルばね(31)が
    保持器状に収容され、このばね群のばね(31)の間にお
    いて環状中間板(26)に、半径方向スポーク又は突起等
    が設けられていることを特徴とする、請求項1ないし10
    の1つに記載の分割はずみ車。
  12. 【請求項12】環状板(29)の保持に役立つピン(28)
    が環状中間板(26)のスポーク又は突起等と共同作用す
    ることにより、環状中間板(26)が他方のはずみ車素子
    (2)に対して限られた範囲で回転可能であることを特
    徴とする、請求項1ないし11の1つに記載の分割はずみ
    車。
  13. 【請求項13】摩擦環(33)又は環状に設けられる摩擦
    部分が、はずみ車の軸線方向に延びる突起(33′)によ
    り環状中間板(26)の切欠き(32)にかみ合うことによ
    り、環状中間板(26)が摩擦環(33)又は摩擦部分に結
    合され、摩擦環(33)又は摩擦部分が、一方のはずみ車
    素子(1)に保持される対向摩擦環(36)へ軸線方向に
    押付けられていることを特徴とする、請求項1ないし12
    の1つに記載の分割はずみ車。
  14. 【請求項14】突起(33′)が切欠き(32)内に周方向
    遊隙をおいて設けられるか、又は対向摩擦環(36)が周
    方向に遊隙をおいて設けられるか又は保持されているこ
    とを特徴とする、請求項1ないし13の1つに記載の分割
    はずみ車。
  15. 【請求項15】一方のはずみ車素子(1)に中心軸線方
    向突起又はボス部分(4)が設けられ、この軸線方向突
    起又はボス部分上に軸受(35)を介して他方のはずみ車
    素子(2)が回転可能に支持され、軸線方向突起又はボ
    ス部分(4)上で軸線方向移動可能な2つの押圧環又は
    摩擦環(34,36)の間に摩擦環(33)又は摩擦部分が設
    けられ、これら押圧環又は摩擦環の一方が軸受(35)の
    内輪に支持され、他方がばね装置(37)により内輪へ押
    付けられていることによつて、軸受(35)の内輪が、軸
    線方向突起又はボス部分(4)に設けられた環状隆起又
    は環状フランジ等へ軸線方向に押付けられていることを
    特徴とする、請求項1ないし14の1つに記載の分割はず
    み車。
  16. 【請求項16】一方のはずみ車素子(1)に中心軸線方
    向突起又はボス部分(4)が設けられ、この軸線方向突
    起又はボス部分上に軸受(35)を介して他方のはずみ車
    素子(2)が回転可能に支持され、摩擦環(33)又は摩
    擦部分が軸線方向に2つの押圧環又は摩擦環(34,36)
    の間に設けられていることによつて、軸受(35)の内輪
    が軸線方向突起又はボス部分(4)に設けられる環状隆
    起又は環状フランジ等へ押付けられ、内輪及びこの内輪
    に隣接する押圧環又は摩擦環(34)が皿ばね環等の支持
    体として設けられ、この皿ばね環が、押圧環又は摩擦環
    (34)を内輪から離れるように、他方の押圧環又は摩擦
    環(36)と共同作用する支持体へ押付けていることを特
    徴とする、請求項1ないし14の1つに記載の分割はずみ
    車。
  17. 【請求項17】長行程コイルばね(7)を受入れる床
    が、潤滑剤を満たされる環状空間の一部として設けられ
    ていることを特徴とする、請求項1ないし16の1つに記
    載の分割はずみ車。
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