JPH0674353B2 - 選択部分水添重合体組成物 - Google Patents

選択部分水添重合体組成物

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JPH0674353B2
JPH0674353B2 JP14076891A JP14076891A JPH0674353B2 JP H0674353 B2 JPH0674353 B2 JP H0674353B2 JP 14076891 A JP14076891 A JP 14076891A JP 14076891 A JP14076891 A JP 14076891A JP H0674353 B2 JPH0674353 B2 JP H0674353B2
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裕一 北川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は硬度・モジュラスの高
い、反撥弾性、発熱性に優れ、更に耐熱老化性の向上し
た選択部分水添重合体組成物に関する。更に詳しくは特
定構造のブタジエン重合体またはスチレン‐ブタジエン
共重合体を選択部分水添してなる特定構造の選択部分水
添重合体のゴム組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその問題点】スチレン‐ブタジエン共重
合体を部分水添して得られる重合体は古くから知られて
おり、これを他のジエン系エラストマーあるいはエチレ
ン‐プロピレン共重合ゴムとブレンドしてグリーン強度
の改善された組成物を得る提案(特公昭46‐3549
7号)がなされている。又、これと特定の無機充てん剤
からなる破壊強度とゴム状弾性に優れた組成物に関する
提案(特公昭47‐8928号)及び耐熱老化性、反撥
弾性の優れる油展ゴムの製法に関する提案(特公昭46
‐29020号)等がなされている。
【0003】しかし、従前の鉄、ニッケル、コバルトの
有機化合物を主成分とする触媒では、ビニル結合を優先
的に選択して部分水添することは困難で、ビニル結合を
ある程度高く水添するには、1,4結合(シス結合とト
ランス結合がある)をも高く水添する必要があった。
又、この方法は結晶性の共重合体を発生し目的とする反
撥弾性、耐熱老化性を改良すると逆に好ましくない硬度
の著しい上昇、あるいは発熱性の低下をきたすものでし
かなかった。
【0004】一方、ジエン重合体の側鎖成分(ブタジエ
ン重合体においてはビニル結合部分)のみを選択的に水
添する方法も提案され、耐オゾン性、酸化安定性を有す
る選択水添ジエン重合体を得る方法も知られている(特
開昭52‐41690号)。しかしこの方法による重合
体はたしかに耐熱老化性あるいは反撥弾性の若干の向上
はあるものの、不十分であり硬度、モジュラスに至って
はまったく改良がみられないものであった。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明は上述の問題点
を一挙に解決する新規な重合体を提案するものである。
すなわち(1)結合スチレン含量〔S〕が0〜40重量
%(2)ブタジエン部のビニル結合含量〔V〕が1〜8
0%(3)重量平均分子量(Mw)が1〜100万
(4)分子量分布(Mw/Mn)が1.2〜5.0のブ
タジエン重合体またはスチレン‐ブタジエン共重合体を
選択部分水添してなる(5)ブタジエン部全体の水添率
〔A〕が3〜60%(6)ブタジエン部ビニル結合部分
の水添率〔B〕が30%以上であり、〔A〕,〔B〕,
〔S〕,〔V〕は(7)〔A〕/(〔S〕+〔V〕)
1/2 が2〜8(8)〔B〕・〔V〕1/2 /〔A〕が10
〜16の関係を満足する選択部分水添重合体を少くとも
30重量%含む原料ゴム100重量部、カーボンブラッ
ク10〜150重量部及び加硫剤0.1〜10重量部よ
りなるゴム組成物が硬度、モジュラスの高い、反発弾
性、発熱性、耐熱老化性が優れることを見出し本発明に
到達した。
【0006】ところでブタジエン重合体、スチレン‐ブ
タジエン共重合体の水添触媒としては前述の鉄、ニッケ
ル、コバルトの有機化合物を主成分として有機金属化合
物からなる触媒以外に、ニッケル、コバルト、白金、パ
ラジウム、ルチニウム等の金属をカーボン、シリカ、ア
ルミナ、ケイソウ土等の担体に担持させた触媒も知られ
ているが活性が低く、低温、低圧での水添は工業的に不
可能であった。またブタジエン部分のビニル結合がより
選択的に部分水添されるものでもなかった。
【0007】最近、チタンの有機金属化合物を主成分と
する高活性の水添方法が知られるようになり(特開昭5
9‐133203号、特開昭60‐220147号)、
工業的に容易に低温、低圧の温和な条件下でのブタジエ
ン部分のみの水添が可能になった。本発明はこれを特定
構造のブタジエン重合体またはスチレン‐ブタジエン重
合体の部分水添に応用し、特定構造の選択部分水添重合
体を得、従来技術の問題点を一挙に解決したものであ
る。
【0008】本発明の選択部分水添重合体の原重合体で
あるブタジエン重合体、スチレン‐ブタジエン共重合体
は特定な構造であることを必要とする。すなわち(1)
結合スチレン含量〔S〕が0〜40重量%(2)ブタジ
エン部のビニル結合含量〔V〕が1〜80%(3)重量
平均分子量(Mw)が1〜100万(4)分子量分布
(Mw/Mn)が1.2〜5.0であることを必要とす
る。
【0009】ここで、結合スチレン含量〔S〕とは水添
前の原重合体の全体量に対する結合スチレン単位の含量
(重量%)と定義されるが、その結合スチレン含量が4
0重量%を越えるものである場合、本発明の他の要件が
満たされるものであっても本発明で目的とする反撥弾
性、発熱性の改良が不十分である。結合スチレン含量は
好ましくは30%以下に限定される。またスチレンの結
合様式はランダムであることが好ましい。水添前の原重
合体におけるブタジエン部の結合様式には、1,4結合
によるものである構造式
【0010】
【化1】 で示されるシス(c)及び構造式
【0011】
【化2】 で示されるトランス(t)と、1,2結合によるもので
ある構造式
【0012】
【化3】 で示されるビニル(v)の3種類がある。
【0013】したがって、ブタジエン部のビニル結合含
量〔V〕はブタジエン部全体である上記のシス(c),
トランス(t)およびビニル(v)の合計量に対するビ
ニル(v)の含量(モル%)と定義される。そして、こ
のブタジエン部のビニル結合含量は1〜80%に制限さ
れる。この範囲外では、ビニル結合があまりにも多い
か、または少なく本発明のビニル結合を選択的に部分水
添する意味がなくなり、効果も発現しない。
【0014】ビニル結合含量は好ましくは5〜60%、
更に好ましくは10〜50%に限定される。また、重量
分子量(Mw)は1〜100万、分子量分布はMw/M
nで表示して1.2〜5.0であることを必要とする。
分子量が1万未満あるいは分子量分布が5を越えるもの
の場合には、原重合体自体の改良すべき物性、すなわち
硬さ、モジュラス、あるいは反撥弾性、発熱性が著しく
劣るものであり、本発明の適用によっても十分な重合体
が得られない。
【0015】一方、分子量が100万を越えるか、分子
量分布が1.2未満のものにあっては重合体をゴムとし
て加工することあるいは取得すること自体が困難とな
り、本発明を適用できない。分子量の好ましい範囲は5
〜80万、更に好ましくは10〜60万である。また分
子量分布の好ましい範囲は1.5〜3.0である。分子
量、分子量分布は定法に従ってゲル・パーミエーション
クロマトグラフで測定され、これを用いて限定される。
【0016】上述の特定された構造のブタジエン重合
体、スチレン‐ブタジエン共重合体はニッケル、コバル
トないしはチタンの有機化合物と有機金属触媒あるいは
有機リチウム単独またはこれとルイス塩基を組み合せた
触媒による溶液重合によって容易に製造されえる。そし
て重合体のブタジエン成分の一部は例えば30重量%以
下の範囲で、これと共重合可能な他の共役ジエン成分に
置換しても良い。他の共役ジエン成分としてはイソプレ
ン、2,3ジメチル‐1,3‐ブタジエン、1,3ペン
タジエン等が挙げられる。また、スチレン成分について
も同様で一部をt‐ブチルスチレン、α‐メチルスチレ
ン、p‐メチルスチレン、ジビニルベンゼン等のビニル
置換芳香族炭化水素に置換してもよい。
【0017】本発明の重合体は上述の特定されたブタジ
エン重合体またはスチレン‐ブタジエン共重合体を選択
部分水添してなる(5)ブタジエン部全体の水添率
〔A〕が3〜60%(6)ブタジエン部ビニル結合部分
の水添率〔B〕が30%以上であり、〔A〕,〔B〕,
〔S〕,〔V〕は(7)〔A〕/(〔S〕+〔V〕)
1/2 が2〜8(8)〔B〕・〔V〕1/2 /〔A〕が10
〜16の関係を満足する選択部分水添重合体である。ブ
タジエン部が水添されると1,4結合によるブタジエン
単位は構造式
【0018】
【化4】 で示されるテトラメチレン(m)となり、1,2結合に
よるものは構造式
【0019】
【化5】 で示されるブチレン(b)となる。
【0020】よって、ブタジエン部全体の水添率〔A〕
はブタジエン部全体すなわちシス(c),トランス
(t)およびビニル(v),テトラメチレン(m)及び
ブチレン(b)の合計量に対する、水添された単位であ
るテトラメチレン(m)及びブチレン(b)の合計の含
量量(モル%)と定義される。
【0021】このブタジエン部全体の水添率〔A〕は3
〜60%、好ましくは5〜50%、更に好ましくは8〜
40%、特に好ましい範囲は10〜30%である。この
範囲より低い水添率〔A〕では本発明の硬度・モジュラ
スの高い、反撥弾性に優れた重合体が得られない。逆
に、あまりにも高い水添率〔A〕にあっては、部分的に
結晶性を有する重合体となり、物性的に高すぎる硬度と
劣悪な発熱性を与えるものとなる。
【0022】また、ブタジエン部ビニル結合部分の水添
率〔B〕はブタジエン部ビニル結合部分全体すなわちビ
ニル(v)及びブチレン(b)の合計量に対する、水添
された単位であるブチレン(b)の含量(モル%)と定
義され、このブタジエン部ビニル結合部分の水添率
〔B〕は30%以上、好ましくは30〜95%、より好
ましくは45〜95%、更に好ましくは60〜90%に
制限される。これ以下の水添率〔B〕では本発明の耐熱
老化性及び反撥弾性の向上効果が小さい。
【0023】本発明において、ブタジエン部全体の水添
率〔A〕の範囲は、その原重合体であるブタジエン重合
体またはスチレン‐ブタジエン共重合体の結合スチレン
含量〔S〕と、ブタジエン部のビニル結合含量〔V〕の
関数として定められる。すなわち、〔A〕/(〔S〕+
〔V〕)1/2 が2〜8、好ましくは3〜7、更に好まし
くは4〜6であることを必要とする。この値が2未満で
は本発明の効果特に硬度・モジュラスの上昇が発現せ
ず、逆に8以上では発熱性が劣るものとなる。
【0024】またブタジエン部ビニル結合部分の水添率
〔B〕は、原重合体のブタジエン部ビニル結合含量
〔V〕とブタジエン部全体の水添率〔A〕の関数として
定められる。すなわち、〔B〕・〔V〕1/2 /〔A〕が
10〜16、好ましくは11〜15更に好ましくは12
〜14に限定される。この範囲外では本発明の効果であ
る硬度・モジュラス、発熱性、反撥弾性さらに耐熱老化
性に優れる性能が重合体に付与しない。一般にこの数値
が16を越える場合には他の物性向上はあるものの硬度
・モジュラスの上昇あるいは耐熱老化性の点において、
逆に10未満にあっては、反撥弾性と発熱性の点におい
て不十分な物性を示し物性全体のバランスがくずれ好ま
しくないものとなる。
【0025】本発明の選択部分水添重合体の原重合体で
ある特定構造のブタジエン重合体、スチレン‐ブタジエ
ン重合体は前述の限定された構造のものに該当するもの
であればその製造法はいかなるものであってもよい。こ
れら重合体を得る代表的な製造方法は以下である。
【0026】すなわち、原重合体はヘキサン、シクロヘ
キサン、ベンゼン等の不活性溶媒中において、重合触媒
としてn‐ブチルリチウム、sec‐ブチルリチウムな
どの有機リチウムないし他のアルカリ金属化合物を用
い、必要に応じて助触媒成分として、カリウムブトキシ
ドなどのアルコキシド、ドデシルベンゼンスルホン酸
塩、ステアリン酸ナトリウムなどの有機酸塩を代表例と
する有機化合物を用い、更に必要に応じてビニル結合含
量を調節する化合物として、エーテル、ポリエーテル、
第三級アミン、ポリアミン、チオエーテル、ヘキサメチ
ルホスホルトリアミドなどの極性有機化合物を用いて、
モノマーのブタジエン、場合により更にスチレンを所定
の比率で単独、または共重合することにより得られる。
ビニル結合含量は、前記極性有機化合物の添加量及び重
合温度によって制御できる。
【0027】また、前記方法で得られた活性末端を有す
る重合体鎖を、四塩化ケイ素、四塩化スズ、ポリエポキ
シ化合物などの多官能性化合物によって、カップリング
するか、あるいはジビニルベンゼンなどの分岐剤を重合
系に添加することにより、分岐状ないしは放射状の重合
体または共重合体が得られる。さらに、前記重合方法に
おいて、モノマーの添加方法を調節したり、ビニル結合
含量を調節する化合物の量、添加方法、重合温度を重合
反応の中途で変化させるなどの各種重合条件を変えるこ
とにより、前記したような分子鎖中において、スチレン
含有量やビニル結合含量が増加又は減少したり、ブロッ
ク状となっている重合体または共重合体とすることがで
きる。
【0028】また、重合においては分子量調節剤とし
て、アセチレン、1,2‐ブタジエン、フルオレン、第
一級アミン、第二級アミン等の各種化合物を使用するこ
ともできる。上記の重合体を得る重合プロセスは、バッ
チプロセス、連続プロセス、それらの組合せのいずれで
も用いることができる。
【0029】また、本発明の原重合体は、リチウム触媒
を使用する以外の他の重合法、例えばニッケル、コバル
ト、チタン等の有機化合物と、リチウム、マグネシウ
ム、アルミニウム等の有機金属成分とからなるチグラー
系触媒を使用する方法ないしは乳化重合法によるもので
あっても使用可能である。
【0030】上述の方法で得られる原重合体は次に選択
部分水添される。本発明で好適に使用されえる水添触媒
としてはチタンを金属成分とする有機金属化合物単独ま
たはリチウム、マグネシウム、アルミニウム等の有機金
属化合物を組み合せた触媒が挙げられ、その具体例は特
開昭59‐133203号ないしは特開昭60‐220
147号に記載される。本発明の選択部分水添は上記の
触媒を用いて極めてマイルドな反応条件下において実施
する必要がある。
【0031】水添反応は触媒に不活性な原重合体が可溶
な溶剤下で実施される。好適な溶媒は、n‐ペンタン、
n‐ヘキサン、n‐オクタンのような脂肪族炭化水素、
シクロヘキサン、シクロヘプタンのような脂環族炭化水
素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランのようなエ
ーテル類の単独ないしはそれらを主成分とする混合物で
ある。
【0032】本発明の水添反応は、一般的には上記原重
合体を水素または不活性雰囲気下、所定の温度に保持
し、攪拌下または不攪拌下にて水添触媒を添加し、次い
で水素ガスを導入して所定圧に加圧することによって実
施される。不活性雰囲気とは、例えばヘリウム、ネオ
ン、アルゴン等の水添反応のいかなる関与体とも反応し
ない雰囲気下を意味する。
【0033】また、水添触媒としてチタノセンジアリー
ル化合物を用いる場合は単独でそのまま反応溶液に加え
てもよいし、不活性有機溶媒の溶液として加えてもよ
い。触媒を溶液として用いる場合に使用する不活性有機
溶媒は、水添反応のいかなる関与体とも反応しない前記
各種溶媒を使用することができる。好ましくは水添反応
に用いる溶媒と同一の溶媒である。また、触媒の添加量
は原重合体100g当り0.02〜20ミリモルであ
る。
【0034】本発明の重合体を得る最も好ましい方法
は、原重合体を有機リチウム触媒を用いて溶液重合し、
得られた重合体溶液をそのまま次の水添反応に用いるこ
とであり、工業的に極めて有用である。本発明の選択部
分水添重合体は上記で得られた溶液を除去乾固すること
によって得られる。
【0035】本発明の重合体はその特性を生かし、ブタ
ジエン重合体、スチレン‐ブタジエン共重合体が現在使
用されている用途に広く使用され得る。特に好ましい用
途は自動車タイヤ用途であり、本発明の重合体単独また
は天然ゴム、他の合成ゴムとブレンドし、所定の“配
合”、“成形”、“加硫”をへて最終用途に供される。
この場合、本発明の重合体がその効果を発現するために
は、原料ゴムの少くとも30%は本発明の重合体である
必要がある。
【0036】またブレンドして使用されえる合成ゴムの
例としてはブタジエン重合体、スチレン‐ブタジエン共
重合体、イソプレン‐ブタジエン共重合体、アクリロニ
トリル‐ブタジエン共重合体、クロロプレン重合体、エ
チレン‐プロピレン共重合体、イソプレン‐イソブチレ
ン共重合体等が挙げられる。また“配合”において上記
原料ゴムに添加されている配合剤としては、上記ゴム組
成物に添加される配合剤としては、補強剤、軟化剤、充
填剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤、着色剤、難燃
剤、滑剤、発泡剤、その他の配合剤などがあり、これら
は組成物の用途に応じて、適宜選択されて使用される。
【0037】補強剤の代表的なものとしてはカーボンブ
ラックがあげられ、いろいろな製造方法によって得られ
た粒径ないしはストラクチャーが異なる各種のものが使
用されるが、ISAF,HAF,FEFなどのカーボン
ブラックが好適に用いられる。これらのカーボンブラッ
クの添加量は、同時に必要に応じて使用するプロセス油
の添加量を勘案して使用されるが、原料ゴム100重量
部に対して10〜150重量部、好ましくは40〜10
0重量部が使用される。上記カーボンブラックの種類お
よび添加量は、ゴム組成物の使用目的によって適宜調節
され、2種以上を併用してもよい。
【0038】必要に応じて添加されるその他の補強剤と
しては、シリカ、活性化炭酸カルシウムなどの無機補強
剤や、ハイスチレン樹脂、フェノール‐ホルムアルデヒ
ド樹脂などが使用され、これらの無機または有機の補強
剤は原料ゴム100重量部に対して1〜100重量部、
好ましくは5〜50重量部使用される。
【0039】また必要に応じて添加される軟化剤の代表
的なものとしては、プロセス油があり、パラフィン系、
ナフテン系、アロマ系等の各種がゴム組成物に好適に使
用され、原料ゴム100重量部に対し2〜100重量
部、好ましくは5〜70重量部使用される。また、プロ
セス油があらかじめ原料ゴムに添加された油展ポリマー
を用いることも行なわれる。その他の軟化剤としては、
流動パラフィン、コールタール、脂肪油、サブなどがあ
る。
【0040】充てん剤としては、炭酸カルシウム、クレ
ー、タルク、水酸化アルミニウムなどがあげられる。加
硫剤は、代表的なものとして硫黄があり、原料ゴム10
0重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.
2〜5重量部使用される。その他の加硫剤としては、塩
化硫黄、モルホリン‐ジスルフィド、アルキルフェノー
ルジスルフィドなどの硫黄化合物や、パーオキシドなど
があり、これらは単独又は硫黄と併用して用いられる。
【0041】加硫促進剤としては、多種多様なものがあ
り、これらは原料ゴム100重量部に対し、0.01〜
5重量部使用され、2種以上を併用することも行われ
る。代表的な加硫促進剤としては、グアニジン系、アル
デヒド‐アミン及びアルデヒド‐アンモニア系、チアゾ
ール系、イミダゾリン系、チオユリア系、チウラム系、
ジチオカルバメート系、ザンテート系などや、混合促進
剤があげられる。加硫助剤としては、酸化亜鉛等の金属
酸化物、ステアリン酸などの脂肪酸化合物、アミン類な
どがあり、これらは原料ゴム100重量部あたり、0.
1〜10重量部使用される。
【0042】老化防止剤ないし酸化防止剤としては、ア
ミン系、フェノール系、リン系、イオウ系等が代表的な
ものであり、これらは原料ゴム100重量部あたり0.
001〜10重量部添加され、2種以上を併用すること
もある。スコーチ防止剤としては、無水フタル酸、サリ
チル酸、N‐ニトロソ‐ジフェニルアミンなどが代表的
なものである。粘着付与剤としては、クマロン‐インデ
ン樹脂、テルペン‐フェノール樹脂、ロジンエステル等
があげられる。さらに、その他必要に応じて、各種配合
剤が使用される。
【0043】本発明のゴム組成物は、一般にゴム組成物
の混合に用いられている各種混合装置、例えば、オープ
ンロール、バンバリーミキサー、ニーダー、押出機など
によって、原料ゴムと各種配合剤とを混合し、次いで目
的の形状に成形した後、加硫される。本発明のゴム組成
物は、各種自動車用タイヤ、ベルト、ホース、防振ゴム
などの工業用品、はきもの、日用品、建築資材、その他
各種用途に特徴を生かして好適に使用される。
【0044】
【実施例】以下、実施例、比較例により本発明をより具
体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するも
のではない。
【0045】実施例1,比較例3内容積10 lの攪拌
機付、ジャケット付オートクレーブを反応機として用い
て、ブタジエン/n‐ヘキサン混液(ブタジエン濃度2
0重量%)を20 l/hrの速度で、n‐ブチルリチ
ウム/n‐ヘキサン溶液(濃度5重量%)60ml/h
rで導入、重合温度110℃でブタジエンの連結重合を
実施した。
【0046】得られた活性重合体をメタノールで失活、
別の内容積10 lの攪拌機付、ジャケット付の反応機
に重合体溶液8 lを移し、温度60℃にて、水添触媒
としてジ‐p‐トリルビス(1‐シクロペンタジエニ
ル)チタニウム/シクロヘキサン溶液(濃度1ミリモル
/l)250 mlと、n‐ブチルリチウム溶液(濃度
5ミリモル/l)50 mlとを0℃、 2.0kg/
cm2の水素圧下で混合したものを添加、水素分圧2.
5kg/cm2 にて30分間反応させた。
【0047】得られた選択部分水添重合体溶液は、酸化
防止剤として2,6‐ジターシャリブチルヒドロキシト
ルエンを重合体当り0.5部添加して、溶剤を除去し
た。メタノール失活後にサンプリングを行なって得た原
重合体(比較例3ブタジエン重合体)の分析値と選択部
分水添重合体の分析値を表1に示す。なお、分析方法は
次に示す方法により行った。
【0048】1)結合スチレン含量原重合体をクロロホ
ルム溶液とし、スチレンのフェニル核に起因するUV2
54 nmの吸収により結合スチレン含量(重量%)を
測定した。
【0049】2)ビニル結合含量原重合体を重クロロホ
ルム溶液とし、FT‐NMR(270メガ、日本電子
製)にて化学シフト4.7ppm〜5.2ppm(シグ
ナルC0 とする)の1,2‐ビニルによるプロトン(=
CH2 ) と、化学シフト5.2ppm〜5.8ppm
(シグナルD0 とする)のビニルプロトン(=CH−)
の積分強度より、次の式で計算した。
【0050】
【数1】
【0051】3)重量平均分子量及び分子量分布重合体
をテトラヒドロフラン(THF)溶液とし、GPC(島
津製作所製、LC‐5AカラムPSゲル104 ,1
5 ,106 を各1本直列につなぎ、示差屈折計を検出
器に用いた。)にて測定、標準ポリスチレンのピークの
分子量のGPCカウント数との関係から予め求めた検量
線を用いて平均分子量を計算した。
【0052】4)ブタジエン部全体の水添率及びビニル
結合部の水添率原重合体を重クロロホルム溶液とし、F
T‐NMR(270メガ、日本電子製)にて、化学シフ
ト4.7ppm〜5.2ppm(シグナルC0 とする)
の1,2‐ビニルによるプロトン(=CH2 )と化学シ
フト5.2ppm〜5.8ppm(シグナルD0 とす
る)のビニルプロトン(=CH−)の積分強度を求め、
更に選択部分水添重合体を重クロロホルム溶液とし、同
様にFT‐NMRにて、化学シフト0.6ppm〜1.
0ppm(シグナルA1とする)の水添された1,2結
合によるメチル基プロトン(−CH3 )、化学シフト
4.7ppm〜5.2ppm(シグナルC1 とする)の
水添されていない1,2ビニルによるプロトン(=CH
2 )、化学シフト5.2ppm〜5.8ppm(シグナ
ルD1 とする)の水添されていないビニルプロトン(=
CH−)の積分強度より、次の式で計算した。まず
【0053】
【数2】 11=pA1 ,C11=pC1 ,D11=pD1 とし、
1,2‐ビニル結合部分の水添率
【0054】
【数3】 1,4‐二重結合部分の水添率
【0055】
【数4】 ブタジエン部全体の水添率
【0056】
【数5】 またこのものと天然ゴムとの75/25のブレンド物の
カーボン配合組成物の加硫物性を表2に示した。なお、
測定方法は次に示す方法により行った。
【0057】1)硬さJIS‐K‐6301 JIS‐
A硬さ試験機による。2)モジュラス、引張強度、破断
伸びJIS‐K‐6301引張試験法による。
【0058】3)反撥弾性JIS‐K‐6301による
リュプケ法、但し、70℃における反撥弾性は試料を7
0℃オーブン中で1時間余熱後、素早く取り出して測
定。
【0059】4)発熱性グッドリッチ発熱;グッドリッ
チフレクソメーターを使用し、荷重24ポンド、変位
0.225インチ、スタート50℃、回転数1800r
pmの条件で試験を行い、20分後の上昇温度差を表し
た。
【0060】5)耐熱老化性100℃オーブン100h
r後の硬さ、引張強度、伸びの保持率より総合的に評価
した。評価規準は以下とした。 ◎;優良 ○;良好 △;やや劣る ×;劣悪
【0061】実施例2〜8,比較例1,2,および4〜
11有機リチウム触媒(単独またはテトラヒドロフラン
を変性剤として使用)を用いてバッチ重合または連続重
合して得られたブタジエン重合体およびスチレン‐ブタ
ジエン重合体を実施例1の反応条件(水添圧力、水添温
度、時間及び触媒量)を変えて水添して実施例2〜8,
比較例1,2,4,5および7〜9の選択部分水添重合
体を得た。
【0062】比較例6では実施例6で用いた原重合体を
水添せずして用いた。又、比較例10,11では水添触
媒として特公昭46‐35497号に示されるニッケル
系触媒を用いて部分水添重合体を得た。各々の重合体の
構造分析値を表1に示す。また、これら重合体単独また
は天然ゴムとブレンドしてのカーボン配合組成物の加硫
物性を表2及び表3に示した。なお、表3の測定方法は
次に示す方法による他は、表2と同様である。
【0063】ウェット・スキッド抵抗;スタンレー・ロ
ンドンのポータブル・スキッドテスターを使用し、路面
としてセーフティ・ウォーク(3M製)を使用してAS
TM‐E‐808‐74の方法に従い測定した。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の特定
された構造を有する選択部分水添重合体単独、もしくは
他のゴムとブレンドして得られる原料ゴムのカーボン配
合組成物は硬度・モジュラスが高く、反発弾性に優れ、
更に耐熱老化性にも優れる物性バランスのとれたものと
なり、タイヤ、特にタイヤトレッドに好適なものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の原重合体のFT‐NMR吸収を示
す図である。
【図2】 実施例1の選択部分水添後の重合体のFT‐
NMR吸収を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)結合スチレン含量〔S〕が0〜40
    重量%(2)ブタジエン部のビニル結合含量〔V〕が1
    〜80%(3)重量平均分子量(Mw)が1〜100万
    (4)分子量分布(Mw/Mn)が1.2〜5.0のブ
    タジエン重合体またはスチレン‐ブタジエン共重合体を
    選択部分水添してなる(5)ブタジエン部全体の水添率
    〔A〕が3〜60%(6)ブタジエン部ビニル結合部分
    の水添率〔B〕が30%以上であり、〔A〕,〔B〕,
    〔S〕,〔V〕は(7)〔A〕/(〔S〕+〔V〕)
    1/2 が2〜8(8)〔B〕・〔V〕1/2 /〔A〕が10
    〜16の関係を満足する選択部分水添重合体を少くとも
    30重量%含む原料ゴム100重量部、カーボンブラッ
    ク10〜150重量部及び加硫剤0.1〜10重量部よ
    りなるゴム組成物。
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