JPH0674311B2 - 弾性記憶ポリマー粉体材料及びその使用方法 - Google Patents

弾性記憶ポリマー粉体材料及びその使用方法

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JPH0674311B2
JPH0674311B2 JP63277444A JP27744488A JPH0674311B2 JP H0674311 B2 JPH0674311 B2 JP H0674311B2 JP 63277444 A JP63277444 A JP 63277444A JP 27744488 A JP27744488 A JP 27744488A JP H0674311 B2 JPH0674311 B2 JP H0674311B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、弾性記憶ポリマー粉体材料及びその使用方法
に関する。
(従来の技術) 従来、粉体材料として、無機、金属、ポリマー等の各種
パウダーが使用されている。これらのパウダーは鋳型、
耐火物、粉末冶金、プラスチックの粉末成形等の成形素
材として使用する方法と、摩擦材、研磨材、断熱材等の
粉末状態で使用する方法がある。粉末状態で使用するパ
ウダーは、通常、一定の形状を保持し、弾性率等の物性
も一定であることが好ましく、物性が変化するとして
も、温度変化に伴って僅かに変化する程度である。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、ある温度を境に立体形状と偏平形状とを採る
ことができ、弾性率を可逆的に大きく変化させることの
できる弾性記憶ポリマー粉体材料及びその使用方法を提
供しようとするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明は、(1)使用温度付近にガラス転移点を有する弾
性記憶機能を備えたポリマーにより形成された粉体材料
において、2官能のジイソシアネート、2官能のポリオ
ール及び活性水素基を含む2官能の鎖延長剤をモル比で
2.00〜1.10:1.00:1.00〜0.10で配合し、プレポリマー法
により合成されたポリウレタンであって、ポリマーの末
端には[NCO]と[OH]をほぼ等量含有し、−50〜60℃
の範囲のガラス転移点及び3〜50重量%の結晶化度を有
し、ガラス転移点の±10℃における引張弾性率の比が50
以上である弾性記憶ポリマーにより形成したことを特徴
とする弾性記憶ポリマー粉体材料、(2)上記(1)記載の粉
体材料に磁性粉末を配合させたことを特徴とする弾性記
憶ポリマー粉体材料、及び、(3)上記(1)記載の粉体材料
を、対向する2つの部材の間に介在させることにより、
ガラス転移点より低い温度において、粉体材料が高弾性
率を有するために、立体形状が保持され、部材間の摩擦
抵抗を比較的小さくすることができ、また、ガラス転移
点より高い温度に移行するときに、部材の圧力で粉体が
容易に偏平化され、かつ、低弾性率に変化するところか
ら、大きな摩擦抵抗を発現させることができ、さらに、
ガラス転移点より高い温度に加熱し、粉体に対する圧力
を除いて、その状態を保持しながらガラス転移点より低
い温度まで冷却することにより、当初の立体形状を回復
固定化可能にしたことを特徴とする弾性記憶ポリマー粉
体材料の使用方法である。
(作用) 本発明に係る粉体材料は、使用温度付近にガラス転移点
を有する弾性記憶ポリマーを使用し、球体、多面体等の
立体形状の粉体を形成したもので、形成時の立体形状を
記憶している。この粉体材料は、ガラス転移点を境に可
逆的に大きく弾性率を変化させるとともに、ガラス転移
点より高い温度に加熱して粉体材料に圧力を加えて偏平
状態にし、そのままガラス転移点より低い温度に冷却す
ると偏平状態を固定化することができ、また、ガラス転
移点より高い温度に加熱すると、当初の記憶を回復して
偏平形状から立体形状へと変形させることのできる粉体
材料である。
このような粉体材料を摩擦材等に適用するときには、ガ
ラス転移点より低い温度において、粉体を構成するポリ
マーはガラス領域にあるために、応力に対して変形量が
少なく、球体、多面体等の立体形状が比較的保持され、
かつ、高弾性率であるため、摩擦係数を比較的低く抑え
ることができるのに対して、ガラス転移点より高い温度
においては、粉体を構成するポリマーはゴム領域に移行
して低弾性率となるために、小さな応力で偏平状とな
り、摩擦係数が急激に大きくなる。
ガラス転移点を境にしたこの弾性率及び摩擦係数の変化
は相当に大きなものである。この特性を活用して、例え
ば、摩擦ブレーキ、パウダークラッチ、クッション材等
に適用することができる。
摩擦ブレーキは、ブレーキの作動開始点をガラス転移点
の温度に設定した本発明の粉体材料を、ブレーキ動作を
させる部材間に配置させることにより、容易に作成する
ことができる。
パウダークラッチは、クラッチ要素間の空間に本発明の
磁性粉末含有粉体材料を満たし、ガラス転移点より高い
温度に加熱するとともに、磁場をかけて該粉体を集合さ
せ、摩擦力を発生させるものである。
クッション材は、使用する温度により、緩衝力を変化さ
せることのできるものであり、例えば、椅子に適用する
場合、夏季においては、クッション材をガラス転移点よ
り低い温度に保持して使用することにより、堅い椅子と
して使用することができ、冬季においては、ガラス転移
点より高い温度に保温することにより、柔らで暖かな椅
子を提供することができる。
本発明に係る弾性記憶ポリマーは、使用温度付近にガラ
ス転移点を有する弾性記憶機能を備えたポリマーであっ
て、2官能のジイソシアネート、2官能のポリオール及
び活性水素基を含む2官能の鎖延長剤をモル比で2.00〜
1.10:1.00:1.00〜0.10、好ましくは、1.80〜1.20:1.00:
0.80〜0.20で配合し、プレポリマー法により合成された
ポリウレタンで、ポリマーの末端には[NCO]と[OH]
をほぼ等量含有し、−50〜60℃の範囲のガラス転移点及
び3〜50重量%の結晶化度を有し、ガラス転移点の±10
℃における引張弾性率の比が50以上、好ましくは、100
以上のポリウレタンを、粉体材料の使用の態様に応じて
適宜選定して使用することができる。
このポリマーは、末端に余剰の[NCO]を実質的に含有
しないので、剛直な架橋を形成するアロファネート結合
を避けることができ、加工性の自由度を有する可塑性鎖
状ポリマーを得ることができる。また、適度の結晶化度
を付与することにより、この鎖状ポリマーに対して必要
とされる弾性率を付与することができる。
ここで、結晶化度は3〜50重量%の範囲にあることが好
ましい。結晶化度が3重量%以下とするとガラス転移点
以上の温度でゴム弾性が小さくなり、結晶化度が50重量
%以上とするとガラス転移点以上の温度でゴム弾性が高
くなって、ガラス転移点前後±10℃の温度での弾性率の
比が小さくなる。
このポリマーに使用可能な原料を次に例示するが、これ
に限定されるものではない。
まず、2官能のイソシアネートの例としては、一般式で
OCN−R−NCOと表記することができ、Rにはベンゼン環
を1、2個有するものと全く有しないものがあるが、い
ずれも使用可能であり、具体的には、2.4−トルエンジ
イソシアネート、4.4′−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、カルボジイミド変性の4.4′−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート
等を挙げることができる。
2官能のポリオールの例としては、一般式でHO−R′−
OHと表記することができ、R′にはベンゼン環を1、2
個有するものと有しないもの、更には上記の2官能のポ
リオールに対して2官能のカルボン酸若しくは環状エー
テルを反応させた生成物など、いずれも使用可能であ
り、具体的には、ポリプロピレングリコール、1.4−ブ
タングリコールアジペート、ポリテトラメチレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、ビスフェノール−A+
プロピレンオキサイド等を挙げることができる。
活性水素基を含む2官能の鎖延長剤の例としては、一般
式でHO−R″−OHで表記することができ、R″には(CH
基、ベンゼン環を1、2個有する基など、いずれ
も使用可能であり、具体的には、エチレングリコール、
1.4−ブタングリコール、ビス(2−ハイドロキシエチ
ル)ハイドロキノン、ビスフェノール−A+エチレンオ
キサイド、ビスフェノール−A+プロピレンオキサイド
等を挙げることができる。
これらの原料から合成したポリウレタンは、一般式で次
のように表記することができる。
HOR″OCONH(RNHCOOR′OCONH)RNHCOOR″OCONH−(RN
HCOOROCONH)RNHCOOR″OH m=1〜16,n=0〜16。
これらのポリウレタンの製造例を以下に示す。イソシア
ネート成分とポリオール成分を第1表に記載のように配
合し、無触媒で反応させてプレポリマーを合成し、鎖延
長剤を第1表の配合で添加し、120℃で10時間加熱する
ことによりキュアリングを施し、弾性記憶ポリウレタン
を得た。このポリウレタンの基本的物性は第1表の通り
である。表中のTgはガラス転移点(℃)であり、差動走
査形熱量計により求めた。E/E′は(ガラス転移点より1
0℃低い温度における引張弾性率)/(ガラス転移点よ
り10℃高い温度における引張弾性率)を示す。また、結
晶化度(重量%)は、X線回折法により測定した。
本発明で使用する弾性記憶ポリマー粒体材料は、通常の
ポリマーの成形法で作成することができる。例えば、こ
れらのポリマーを無酸素雰囲気中で衝撃粉砕したり、液
体窒素を用いて低温粉砕し、分級することにより、均一
粒径の粒体を得ることができる。球形粒体は、分級後の
粒体を相互に付着しないように、例えば、流動床中で18
0℃以上に加熱して再溶融することにより、表面を球形
にすることができる。
(実施例1) 第1表のサンプルNo.40の原料配合でプレポリマー法に
より合成したポリマー(Tg=48,E/E′=152)を用い
て、直径約0.5mmのほぼ球形粉体を作成し、2枚の鉄板
の間に0.5g/cm介在させ、50kg/cmの負荷を加えて静
摩擦係数を測定した。
測定結果は、20℃における静摩擦係数が0.05であるのに
対して、ガラス転移点を越える60℃の静摩擦係数は0.7
であった。
(発明の効果) 本発明は、上記の構成を採用することにより、粉体材料
を構成するポリマーのガラス転移点を境に弾性率を大き
く変化させることができるので、この特性を有効に活用
する、摩擦ブレーキ、パウダークラッチ、クッション材
を初めとする広い範囲に利用することのできるものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 3/14 X Z F16D 69/02 B 9031−3J (56)参考文献 特開 昭62−102757(JP,A) 特開 昭60−36538(JP,A) 特開 昭59−53528(JP,A) 特開 昭60−28433(JP,A) 特開 昭62−86025(JP,A) 特開 昭63−69864(JP,A) 特表 昭62−501778(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】使用温度付近にガラス転移点を有する弾性
    記憶機能を備えたポリマーにより形成された粉体材料に
    おいて、2官能のジイソシアネート、2官能のポリオー
    ル及び活性水素基を含む2官能の鎖延長剤をモル比で2.
    00〜1.10:1.00:1.00〜0.10で配合し、プレポリマー法に
    より合成されたポリウレタンであって、ポリマーの末端
    には[NCO]と[OH]をほぼ等量含有し、−50〜60℃の
    範囲のガラス転移点及び3〜50重量%の結晶化度を有
    し、ガラス転移点の±10℃における引張弾性率の比が50
    以上である弾性記憶ポリマーにより形成したことを特徴
    とする弾性記憶ポリマー粉体材料。
  2. 【請求項2】請求項(1)記載の粉体材料に磁性粉末を配
    合したことを特徴とする弾性記憶ポリマー粉体材料。
  3. 【請求項3】請求項(1)記載の粉体材料を、対向する2
    つの部材の間に介在させることにより、ガラス転移点よ
    り低い温度において、粉体材料が高弾性率を有するため
    に、立体形状が保持され、部材間の摩擦抵抗を比較的小
    さくすることができ、また、ガラス転移点より高い温度
    に移行するときに、部材の圧力で粉体が容易に偏平化さ
    れ、かつ、低弾性率に変化するところから、大きな摩擦
    抵抗を発現させることができ、さらに、ガラス転移点よ
    り高い温度に加熱し、粉体に対する圧力を除いて、その
    状態を保持しながらガラス転移点より低い温度まで冷却
    することにより、当初の立体形状を回復固定化可能にし
    たことを特徴とする弾性記憶ポリマー粉体材料の使用方
    法。
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