JPH0673897A - コンクリートの再生方法 - Google Patents

コンクリートの再生方法

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JPH0673897A
JPH0673897A JP22551192A JP22551192A JPH0673897A JP H0673897 A JPH0673897 A JP H0673897A JP 22551192 A JP22551192 A JP 22551192A JP 22551192 A JP22551192 A JP 22551192A JP H0673897 A JPH0673897 A JP H0673897A
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JP
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concrete
cathode
reinforcement
meshes
electrodes
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JP22551192A
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Inventor
Nobuaki Ootsuki
信明 大即
Kiminobu Ashida
公伸 芦田
Koichi Ishibashi
孝一 石橋
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Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 鉄筋やPC鋼材を補強材とする、鉄筋コンク
リート構造物やプレストレストコンクリート構造物など
のコンクリートの再生方法、特に、コンクリート中に電
流を流すことにより、コンクリート中のアルカリ度の回
復、コンクリート中の塩素イオンの除去、並びに、コン
クリート内部の補強材の防食の方法を提供する。 【構成】 プラスチック容器1の中に、チタンメッシュ
6とスポンジ4を敷き、その上にコンクリートを置き、
さらに、コンクリートの上に亜硝酸リチウム水溶液を十
分に含有したスポンジ4と鉄筋メッシュ5を置く。チタ
ンメッシュ6を陽極に、鉄筋メッシュを陰極にして、コ
ンクリートに直流電流を通電する。 【効果】 コンクリートの鉄筋やPC鋼棒を陰極として
電流を流さないために、陰極に発生する水素による鉄筋
の水素脆性の心配が全くない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄筋やPC鋼材を補強
材とする、鉄筋コンクリート構造物やプレストレストコ
ンクリート構造物などのコンクリートの再生方法、特
に、コンクリート中に電流を流すことにより、コンクリ
ート中のアルカリ度の回復、コンクリート中の塩素イオ
ンの除去、並びに、コンクリート内部の補強材の防食の
方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】鉄筋コンクリート構造物やプ
レストレストコンクリート構造物などのコンクリート構
造物は、圧縮強度の強いコンクリートと引張強度の強い
鋼材とを組み合わせることによって、力学的に圧縮強度
と引張強度のバランスの取れた構造体となり、それゆえ
種々の重要な構造物に広く使用されてきた。
【0003】また、コンクリートは、一般には、水、
火、及び日光等の環境に対する抵抗性が強い。さらに、
コンクリートのアルカリ度はpH11〜14の強アルカリ性
であり、内部にある鋼材は、その表面の不働態被膜の形
成により腐食から保護され、そのために、コンクリート
構造物は耐久性のある永久構造物であると考えられてき
た。
【0004】しかしながら、この永久構造物と考えられ
てきたコンクリート構造物も、種々の原因によりその耐
久性が低下し、構造物としての寿命に疑問が投げかけら
れるようになってきた。
【0005】コンクリート構造物が劣化する原因の一つ
として、コンクリートの中性化、例えば、「炭酸化」と呼
ばれる現象などが挙げられる。
【0006】炭酸化とは、セメントの水和反応によって
生成された水酸化カルシウムが大気中の二酸化炭素と反
応して炭酸カルシウムとなる現象であって、炭酸化によ
り、コンクリートのアルカリ度が通常のpH11〜14より
低下する。そして、pHが10程度にまで低下すると鋼材
の不働態被膜が破壊され、鋼材の腐食がはじまり、コン
クリート構造物としての強度バランスが崩れ、その耐久
性が大きく低下することになる。
【0007】コンクリートの中性化のようなコンクリー
ト構造物の劣化は、コンクリート内部の鋼材の錆、コン
クリートのひび割れ、及びコンクリートの欠落等の現象
を引き起こし、構造的にも、外見的にも、大きな課題と
なっている。
【0008】このようなコンクリートの中性化現象は、
炭酸化以外にも、酸化イオウ(SOX)や酸化窒素(NOX)によ
っても、同様に引き起こされている。
【0009】また、海岸近辺にあるコンクリート構造物
では、海水の飛沫が飛んできて、コンクリート表面に付
着し、その海水中に含まれている塩分が、コンクリート
中の空隙を通ってコンクリート内部に浸透し、鉄筋に接
触すると、鋼材の不働態被膜が破壊され腐食が発生する
という課題があった。
【0010】さらに、コンクリート材料として使用され
る細骨材に海砂が用いられる場合、その塩分除去が不十
分であると、コンクリート配合をするときから、多量の
塩化物を含有することとなり、その結果、鋼材の不働態
被膜形成が不十分となり、腐食が発生するなどの課題が
あった。
【0011】このように、鋼材に腐食が発生し、それが
さらに、コンクリートのひび割れ、欠落、及び剥離等に
進展し、コンクリート構造物としての耐久性を大きく低
下する現象を、一般に、「塩害」と呼んでいる。
【0012】「塩害」などで劣化したコンクリート構造物
の補修方法は、鋼材の錆についてはその周囲のコンクリ
ートを、また、コンクリートのひび割れや欠落部分につ
いてはその部分のコンクリートを「はつり」取ったのち、
新しいコンクリートやモルタルを充填する、いわゆる、
断面修復が主体であった。
【0013】この断面修復は、鋼材の錆、並びに、コン
クリートのひび割れや欠落という目に見える劣化現象に
ついてのみ補修を行うのであって、補修時に劣化現象が
確認できていない部分、即ち、潜在的にはコンクリート
の劣化が進行しているが、表面的にはその劣化が顕在化
していない危険部分については全く処置を行うことがで
きなかった。
【0014】また、この方法は、コンクリートが劣化し
た根本的な原因については、何ら対策を行っておらず、
劣化現象の根本的な解決は期待できるものではなかっ
た。
【0015】このような、潜在的な危険部分の課題解決
や劣化現象の根本的な解決を目的として、電気化学的な
手法を応用した補修工法やコンクリートの鉄筋を陰極に
して電気的に防食する工法が開示されている(特開平1
−176287号公報)。しかしながら、これらの方法では、
コンクリートの鉄筋を陰極として、直流電流を流すた
め、コンクリート内部で水の電気分解が起こり、鉄筋付
近に水素ガスが発生することになる。
【0016】一般に、金属は水素ガス雰囲気中に置かれ
ると、水素脆性が起こり、脆くなる性質がある。
【0017】コンクリートの補強材として使われる鉄筋
や高張力鋼(PC鋼材等)も同様の性質を持ち、コンクリ
ート構造物として、水素脆性は重大な問題となってい
る。
【0018】また、コンクリートの鉄筋を陰極として直
流電流を流すため、コンクリート中のナトリウムイオン
が陰極周囲に集中し、局部的にナトリウム濃度が高くな
り、コンクリートのアルカリ骨材反応を促進する危険性
がある等の課題があった。
【0019】本発明者は、このような状況に鑑み前記課
題を解消すべく種々検討した結果、特定の方法を採用す
ることにより、前記課題を解消し、コンクリート構造物
の補修が充分に行い得る知見を得て本発明を完成するに
至った。
【0020】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、コンク
リート表面の2ヶ所以上に電極を設置して、該電極間に
直流電流を流すことを特徴とするコンクリートの再生方
法である。
【0021】以下、本発明を詳細に説明する。
【0022】一般に、コンクリート内部には、水酸化カ
ルシウムや水酸化ナトリウムを含有する水溶液が充分に
存在している。そのため、コンクリートに電圧をかける
と、この水溶液が電解質の役割をし、コンクリート自身
が持つ抵抗と加えた電圧に応じた電流が流れる。そし
て、コンクリートの鉄筋等の補強材を陰極にすると、陰
極周囲に発生する水素による水素脆性や陰極へのナトリ
ウムの集中がおこる。
【0023】本発明は、コンクリートの補強材の水素脆
性やコンクリート内部のナトリウムの集中を防ぐため、
陰極をコンクリートの外部に設置するものである。即
ち、一方の表面に陰極を設置し、他の表面に陽極を設置
し、コンクリート内部に直流電流を流すものである。
【0024】まず、本発明で使用するに電極について説
明する。
【0025】コンクリートの表面に設けた陽極は、鉄筋
メッシュや金網などの使用も可能であるが、電気的な腐
食作用が働くため、資源の有効と再利用の面から、電気
的な腐食に対する抵抗性が高いものの使用が好ましい。
具体的には、チタン、チタン合金、及び白金又はそれで
メッキされた金属等、炭素繊維や炭素棒などの炭素、並
びに、体積電気抵抗率が103Ω・cm以下の導電性を有する
有機高分子等である。チタンや白金は電気的な腐食に対
して安定であり、炭素や有機高分子もほぼ安定である。
なお、通常のコンクリートの体積電気抵抗率は、103〜1
04Ω・cm程度であるので、導電性を有する有機高分子の
体積電気抵抗率は、103Ω・cm以下が好ましく、102Ω・cm
以下がより好ましく、10Ω・cm以下が最も好ましい。
【0026】また、陰極は電気的な腐食作用の心配がな
いので、陽極に使用した材料の使用はもちろん、陽極に
使用した材料以外の導電性材料の使用も可能である。
【0027】電極の設置方法や電極間距離は、特に制限
されるものではないが、コンクリート中を流れる有効電
流が広く流れるように設置することが必要である。コン
クリートが多角形や円形の場合などは、できるだけ相対
する面に、陽極と陰極を設置することが好ましい。具体
例として、コンクリート壁等の場合について説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。コンク
リート壁の場合は、壁を挟むように、一方の表面に陰極
を、他方の表面に陽極を設けることが好ましく、角柱の
場合は、1つ以上の表面に陽極を、他の表面に陰極を設
けることが好ましい。また、床の場合は、上面に陽極
を、下面に陰極を設けることが好ましい。いずれの場合
もその逆の設置も可能である。
【0028】本発明では、陰極の周辺で水素ガスが発生
しても、コンクリートの鉄筋に影響をおよぼすことはな
く、また、陰極周辺にナトリウムが集中しても、その場
所がコンクリートの表面であり、アルカリ骨材反応は発
生しにくいものである。また、本発明において、電流が
流れやすくなることから、コンクリート表面に設置する
電極の周囲に電解質溶液を存在させておくことは好まし
い。ここで、電解質溶液として好ましいのは、アルカリ
性溶液又は中性溶液であるが、pH5以上の弱酸性溶液
でも使用可能である。
【0029】アルカリ性溶液中のアルカリイオンの発生
源としては、ナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属
塩や、カルシウムやマグネシウムなどのアルカリ土類金
属塩などの各種のアルカリ塩が挙げられる。そのうち、
アルカリ骨材反応を促進する可能性が少ない、カルシウ
ム、リチウム、マグネシウム、及びアルミニウム等の塩
の使用が好ましい。
【0030】さらに、本発明の電解質溶液に腐食抑制剤
を併用することは好ましい。
【0031】腐食抑制剤とは、通常、防錆剤と呼ばれる
もので、腐食環境下において併用することによって、金
属の腐食を著しく減少させる物質である。腐食抑制剤と
しては、亜硝酸塩、クロム酸塩、ケイ酸塩、及びリン酸
塩等の無機系腐食抑制剤や、有機リン酸塩、エステル
塩、有機酸類、スルホン酸類、アミン類、アルキルフェ
ノール類、メルカプタン類、及びニトロ化合物等の有機
系腐食抑制剤が挙げられる。本発明では、これら腐食抑
制剤の中でアルカリ性、中性、及びpH5以上の弱酸性
のものが使用できるが、コンクリート物性に与える影響
が小さい、例えば、無機系腐食抑制剤の使用が好まし
く、特に、亜硝酸塩の使用がより好ましい。
【0032】また、水に溶解してイオンとなるものは、
電気的にコンクリート中に浸透するので好ましい。
【0033】次に、電解質溶液をコンクリート表面に存
在させる方法について説明する。
【0034】電解質溶液をコンクリート表面に存在させ
る方法としては、一般には、コンクリート表面に電解質
溶液を保持する容器を設けて、その中に、電解質溶液を
溜める方法が考えられる。しかしながら、コンクリート
の表面が水平上面だけでなく、垂直面や水平下面もある
ことを考えると、液体である電解質溶液を漏らさずに溜
める容器を設けることは難しい。そのため、電解質溶液
を何らかの物質に吸着、もしくは、保持させた状態でコ
ンクリート表面に存在させる方法がより好ましい。この
方法であれば、水平上面だけでなく、垂直面や水平下面
でも、十分に電解質溶液をコンクリート表面に存在させ
ることが可能である。
【0035】電解質溶液を吸着、もしくは、保持した電
解質溶液保持層を形成する電解質保持材の材料として
は、パルプ、布、及び不織布等の繊維状物質又はそのシ
ート、ゼオライト、シラスバルーン、及び発泡ビーズ等
の無機や有機の多孔質材料、並びに、吸水性の有機高分
子等又はこれらの組み合わせが挙げられる。そのうち、
繊維状物質のシートは、コンクリート表面に釘や角材な
どで固定するだけで、使用することができるので好まし
く、さらに、シート表面を加工することで、電解液の蒸
発や凍結を防止することも可能となる。繊維状物質や多
孔質材料は、コンクリートの表面に電解質保持材として
設置する際に、水や電解質溶液とともに吹き付けするこ
とで電解質溶液保持層を形成でき、コンクリートの表面
形状に関わりなく作業をすることが可能である。なお、
電解質保持材を使用する場合、付着性向上のために、接
着性や粘着性を増大するものや、増粘剤等を添加するこ
とも可能である。吸水性の有機高分子としては、例え
ば、ポリアクリル酸系のものが挙げられ、多孔質材料と
同じように、吹き付けすることでコンクリート表面に電
解質溶液保持層を形成したり、不織布等でシートを設置
したりすることが可能である。
【0036】さらに、工事期間中に電解質溶液から蒸発
する水分を計算し、その量を予め余分に吸水させてお
き、工事中の水分補給の作業を軽減することも可能であ
る。
【0037】本発明において、陰極をコンクリートの表
面に設置することによって、コンクリートに流す直流電
流の電流密度を従来よりも大きくすることが可能となる
などの新たな利点も生じる。従来のように、陰極をコン
クリート内部に設置する場合、電流密度を大きくする
と、陰極周囲に発生する水素ガスの量が膨大となり、そ
の結果、水素ガス発生圧力によりコンクリートがひび割
れる現象を引き起こす。したがって、従来はコンクリー
ト表面積1m2当たり10A以下の電流しか流すことができ
なかった。しかしながら、本発明では、陰極をコンクリ
ート表面に設置するために、水素ガス発生圧力によるコ
ンクリートのひび割れの危険性はない。また、一般に、
電流密度を大きくすればするほど、コンクリートの再生
効果が短期間に行われるので、処理の効率化と処理時間
の短縮が可能となった。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに説明
する。
【0039】実施例1 セメント280kg/m3、水168kg/m3、細骨材860kg/m3、粗骨
材1,002kg/m3、AE減水剤0.7kg/m3、及び食塩10kg/m3
のコンクリート配合を用いてコンクリートを調整し、断
面が15cm角で長さが40cmの角柱のコンクリート試験体を
作成した。なお、このコンクリート試験体の断面の中心
に長さ方向に公称径19mmの異形鉄筋を埋設した。図1に
示すように、プラスチック容器の中に、チタンメッシュ
と厚さ5mmのスポンジを敷き、その上にコンクリート試
験体を置き、さらに、そのコンクリート試験体の上に、
1Nの亜硝酸リチウム水溶液で十分に含有した、厚さ5
mmのスポンジと鉄筋メッシュを置いた。次に、チタンメ
ッシュを陽極に、鉄筋メッシュを陰極にして、コンクリ
ート試験体の表面積1m2当たり1Aとなるように直流電
流を4週間流した。
【0040】その結果、コンクリート中の塩分量が最初
の1/10となり、コンクリート試験体中の含有塩分量が
減少した。なお、コンクリート試験体中のナトリウム
は、陰極である鉄筋メッシュ側の亜硝酸リチウム水溶液
の中に取り込まれ、コンクリート試験体中のナトリウム
濃度も低下したので、アルカリ骨材反応の危険性が減少
した。さらに、コンクリート試験体中には、陰極である
鉄筋メッシュ側から亜硝酸イオンが、陽極であるチタン
メッシュ側からリチウムイオンが電気的に浸透すること
によって、コンクリート試験体中のリチウムイオン濃度
と亜硝酸イオン濃度が高くなり、異形鉄筋の防錆効果が
向上した。
【0041】<使用材料> セメント :電気化学工業社製、普通ポルトランドセメ
ント 水 :水道水 細骨材 :姫川産川砂 粗骨材 :サヌカイト質輝石安山岩、Rc=196.2mMOL/
リットル、Sc=844.5mMOL/リットル、Gmax=20mm、ここで、RcはJ
IS A 5308「骨材のアルカリ−シリカ反応性試験方法」(化
学法)で規定するアルカリ濃度減少量、Scは同溶解シリ
カ量 AE減水剤:エム・エム・ビー社製、商品名「ポゾリスN
o.70」 食塩 :和光純薬工業社製、試薬1級 亜硝酸リチウム:日産化学工業社製、商品名「LN-25」、2
5%溶液 チタンメッシュ:エルテックコーポレーション社製、商
品名「エルガードメッシュ#210」 鉄筋メッシュ:公称径16mmの異形鉄筋を20cm間隔で溶接
したもの
【0042】比較例1 陰極としてコンクリート試験体の鉄筋を使用したこと以
外は実施例1と同様に行った。その結果、鉄筋とチタン
メッシュの間に挟まれたコンクリートの含有塩分は、実
施例1と同様に減少したが、鉄筋付近には、ナトリウム
イオンが集中した。その後、このコンクリート試験体を
40℃、湿度95%RHで養生したところ、アルカリ骨材反応
によると思われるひび割れが観察された。
【0043】実施例2 セメント350kg/m3、水158kg/m3、細骨材760kg/m3、粗骨
材1,062kg/m3、AE減水剤0.9kg/m3、及び食塩5kg/m3
のコンクリート配合を用いて、断面が15cm角で長さが40
cmの角柱のコンクリート試験体を作った。なお、使用材
料は粗骨材以外は実施例1で使用したものを用いた。ま
た、このコンクリート試験体の断面の中心に長さ方向に
呼び名11mmのPC鋼棒(SBPR 110/125) を埋設した。ス
ポンジの代わりにセルロースファイバーを用いたこと以
外は実施例1と同様に行った。
【0044】その結果、コンクリート中の塩分量が最初
の1/8となり、コンクリートの含有塩分量が減少し
た。また、その後コンクリートを割裂し、PC鋼棒を取
り出して、その引張り試験を行ったところ、降伏点強
度、破断強度、及びそれぞれの伸び率には、なんら変化
がなく、水素脆性を受けている兆候は観察されなかっ
た。なお、コンクリート試験体中には、陰極である鉄筋
メッシュ側から亜硝酸イオンが、陽極であるチタンメッ
シュ側からリチウムイオンが電気的に浸透したことによ
って、コンクリート試験体中のリチウムイオン濃度と亜
硝酸イオン濃度が高くなり、異形鉄筋の防錆効果が高ま
った。
【0045】<使用材料> 粗骨材 :姫川産砕石、Gmax=20mm
【0046】比較例2 陰極として、コンクリート試験体中のPC鋼棒を使用し
たこと以外は実施例2と同様に行った。その結果、PC
鋼棒とチタンメッシュの間にはさまれたコンクリートの
含有塩分は、実施例2と同様に減少していた。しかし、
実施例2と同じように、コンクリートを割裂し、PC鋼
棒を取り出して、その引張り試験を行ったところ、降伏
点強度、破断強度、及びそれぞれの伸び率に異常があ
り、水素脆性を受けている兆候が観察された。
【0047】
【発明の効果】本発明では、コンクリートの鉄筋やPC
鋼棒を陰極として電流を流さないために、陰極に発生す
る水素による鉄筋の水素脆性の心配が全くなく、水素ガ
ス発生圧力によるコンクリートのひび割れの危険性もな
い。また、コンクリート内部にナトリウム濃度の高い部
分を作ることがないので、アルカリ骨材反応に対しても
安全である。また、コンクリートにとって有益である物
質は、陽イオンでも陰イオンでも、電気的にコンクリー
ト内部へと浸透させることが可能であるので、コンクリ
ートの改質も可能となるなどの効果を奏する。さらに、
電流密度を大きくすればするほど、コンクリートの再生
が短期間に行われるので、大電流を流すことが可能であ
る本発明では、処理の効率化と処理時間の短縮が可能と
なるなどの効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の通電方法の一例を示す。
【符号の説明】
1:プラスチック容器 2:コンクリート 3:補強材 4:電解質溶液保持材 5:鉄筋メッシュ 6:チタンメッシュ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート表面の2ヶ所以上に電極を
    設置して、該電極間に直流電流を流すことを特徴とする
    コンクリートの再生方法。
JP22551192A 1992-08-25 1992-08-25 コンクリートの再生方法 Pending JPH0673897A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6398945B1 (en) 1999-07-22 2002-06-04 Infrastructure Repair Technologies, Inc. Method of treating corrosion in reinforced concrete structures by providing a uniform surface potential
WO2018181464A1 (ja) * 2017-03-28 2018-10-04 株式会社Ihi 生物付着抑制方法及び生物付着抑制装置
JP2022088156A (ja) * 2020-12-02 2022-06-14 デンカ株式会社 電気化学的処理システム及び電極用ユニットパネル

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