JPH0673736B2 - V型シリンダーブロックのダイカスト金型 - Google Patents

V型シリンダーブロックのダイカスト金型

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JPH0673736B2
JPH0673736B2 JP22885490A JP22885490A JPH0673736B2 JP H0673736 B2 JPH0673736 B2 JP H0673736B2 JP 22885490 A JP22885490 A JP 22885490A JP 22885490 A JP22885490 A JP 22885490A JP H0673736 B2 JPH0673736 B2 JP H0673736B2
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cylinder
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祥二 坂本
康行 水草
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Ryobi Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はV型シリンダーブロック鋳造のためのダイカス
ト金型に関し特にV型多気筒エンジンに適用されるV型
シリンダーブロックを鋳造する際に使用するダイカスト
金型に関するものである。
[従来技術] 従来、V型6気筒等のエンジンに使用されるV型シリン
ダーブロックを横型鋳造機を使用してダイカストする際
に使用する金型は、第5図の従来の金型の縦断面図に示
すように、ハの字状に対向した各シリンダーボア形成部
113aの列が水平方向に並んだものが使用されていた。即
ちこのような従来型の金型では、シリンダーブロックが
エンジン使用状態(V型エンジンのVバンク部が上側に
ある状態)に対してクランクシャフトを中心軸として90
度傾けられた状態でダイカストされることとなる。この
ためシリンダーボア部に埋金するライナー109a、109bの
うち半数は第4図、第5図に示すようにシリンダーボア
形成部に対し斜め上方から(ライナー109bの場合)、ま
た残りの半数はシリンダーボア形成部に対し斜め下方
(ライナー109aの場合)からダイカスト作業に先だって
シリンダーボア形成部113aに挿着する必要があった。こ
れらライナーのうちシリンダーボア形成部に斜め下方か
ら装着する上方のライナー109aについては、これらがダ
イカスト作業の前あるいは作業中にシリンダボア形成部
から抜け落ちないように何等かの手段で保持しておく必
要があった。この保持手段として、第5図に示すように
型閉前においては落下防止ピン121を、型閉め後は中子1
22を使用するシリンダーブロック製造方法が特開昭61−
232053号において開示されている。
この公開公報において開示されている金型(第5図)で
は、ダイカスト作業前においては、斜め下方から上方の
ライナー109aを挿着した後、落下防止ピン121を落下防
止ピン作動機構123によって上部摺動金型124の下端から
突出させ、これを上方のランナーの下端面に当接させる
ことにより、上方のライナーの抜け落ちを防止してい
る。更に、型締め後ダイガスト作業中にあっては、固定
金型の中子122を上方のライナーの下端に当接させるこ
とによりこのライナーの抜け落ちを防止しするととも
に、落下防止ピン121を上記落下防止ピン作動機構123に
より上部摺動金型124内に収納しダイカスト品に孔を生
じさせないというものである。
又、従来のV型エンジン用の金型は第4図のダイカスト
品の縦断面図から明かなように湯口112をクランクケー
スを画成するためのスカート部114上に一つしか設けて
いなかった。
[発明が解決しようとする課題] しかし、上記の特開昭61−232053号で開示されている金
型においては以下のような問題点があった。
先ず第一には、ライナーの挿着後斜め下方から挿着され
た上側の3つのライナー(V6エンジンの場合)それぞれ
について抜け落ちを防止するための落下防止ピン121及
び、この落下防止ピンを作動させる機構123が必要とな
る。このため金型の構成、機構が複雑になり作動上のト
ラブルが生じ易くなる。更には、金型製造に要するコス
トが上昇する。加えて、落下防止ピン121を作動させる
為の時間が必要となりダイカストのショットサイクルが
長くなり、ダイカスト品の生産性の向上が図りにくくな
る。
又、ライナーセット用中子125はサブマリンコア(金型
内部を貫いて形成される中子)となり、下側3つのライ
ナーセット用中子125は金型の構成上、斜め上方に開口
するサブマリンコアの凹部125aを有するためバリ残りや
離型剤、冷却水等の進入による中子の作動不良、湯回り
不良といった問題を生じ易い。
又、シリンダーボア形成部デッキ面の片側端部113bが湯
口位置より下位置となるため(第4図)低速充填時にお
いては溶湯が流れ落ちてデッキ面端部113bに湯廻り不良
が生じ易い。
更に、湯口112が片側のスカート部114上に一つしか設け
られていないことより、湯口112位置からの各シリンダ
ーボア形成部113aへの距離が等距離でないこと、及びラ
イナーによって溶湯通路が遮断されること(シリンダー
ボア形成部では溶湯は湯口112から充填され第4図下方
から上方に充填される。このためライナー109が溶湯通
路を遮断する配列となる。)から左右の気筒形成部113
間において湯廻り、寸法精度、内部欠陥の下が生じ易く
なる。
加えて、湯口側の型温が高く、湯口と反対側の型温が低
くなるために各部分の凝固収縮量(縮み代)が異なるこ
ととなり、スカート部114のオイルパン取り付けピッチ
寸法,デッキ面のスタットボルトピッチの左右不一致が
生じる。
そこで本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであ
り、金型の構成が簡単であり金型の作動トラブルが生じ
にくく、金型の製造コストも低減可能であり、ショット
サイクルの短縮化が図れ、かつ製品の生産性向上につな
がる金型を提供することを目的とするものである。
更には、湯廻りが良く、良好な製品精度をもつダイカス
ト品を製造可能な金型を提供することもその目的とする
ものである。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため本発明は、複数の気筒が直線状
に並設配置された第1気筒列と、複数の気筒が直線状に
併設配置された第2気筒列との組合せがV字状をなし、
該V字状により規定されたVバンク部の反対側に延び該
第1第2気筒列と略平行に延びる1対の壁部を有したク
ランクケースを画成するためのスカート部を設けたVシ
リンダーブロックを横型鋳造機を用いてダイカストする
ため、該V字状に対応する略ハの字に配列された複数の
ライナーセット用中子を有するV型シリンダーブロック
のダイカスト金型において、ライナー9を水平方向に支
持するために該ライナーセット用中子3のそれぞれの軸
心が水平方向に延びて該略ハの字は水平面に沿って構成
されるとともに、それぞれの該気筒列13A、13Bをダイカ
ストするために該複数のライナーセット用中子3は該ハ
の字が互いに垂直方向に配列して設けられ、湯口12、12
を該スカート部14の該1対の壁部14A、14Bにそれぞれ形
成して、該第1、第2気筒列13A、13Bに対して均等に溶
湯を充填するV型シリンダーブロックのダイカスト金型
を提供している。
[作用] 上記構成を有する本発明によれば、ライナーを挿着する
ためのライナーセット用中子がハの字状に対向しその列
が垂直方向(即ち、クランクシャフトが鉛直方向に配列
される状態に)に配列されている。このためライナーは
ライナーセット用中子上にほぼ水平に保持され、ライナ
ーの抜け止めを防止する落下防止ピンが不用となる。
さらには、湯口がスカート部の対向する1対の壁部にそ
れぞれ形成されているので、第1気筒列と第2気筒列に
対する溶湯の充填が均等に行われる。
[実施例] 以下、本発明を自動車用6気筒V型シリンダーブロック
(オープンデッキ型)を鋳造するための金型に適用した
実施例に従って詳述する。
まず、本発明例の金型の構成を説明する。第1図はライ
ナーセット用中子3にライナー9を挿着した本実施例の
金型の横断面図である。
本実施例の金型は固定金型(不図示)、可動金型1、中
子2、ライナーセット用中子3等から構成されている。
可動金型1は不図示のシリンダーユニットによって型開
閉自在に構成されており、又、中子2も不図示のシリン
ダーユニットによって第1図における上下方向に摺動自
在に構成されている。これら可動金型1及び中子2の開
閉動作、摺動動作によってダイカスト品の取り出しが容
易に行えることとなる。更に、可動金型1、中子2、不
図示の固定金型によってキャビティが画成されている。
ライナーセット用中子3の先端部にはシリンダーブロッ
クに鋳ぐるまれる鋳鉄製のライナー9を給湯にさきだっ
て取り付けるシリンダボア形成部3a及びシリンダブロッ
クにウォタージャケット部を形成するウォタージャケッ
ト形成部3bが設けられている。このライナーセット用中
子3は、可動金型1に設けられたライナーセット用中子
取り付け孔8内にほぼ水平に挿着されている。このため
ボア形成部3a及びこれに装着されるすべてのライナー9
もほぼ水平に支持されることとなる。第1図から明らか
なように、ライナーセット用中子3、3は、同一水平面
内でハの字状に配列している。なお、13CはVバンク部
である。又、ライナーセット用中子3が水平に装着され
たことにより、サブマリンコアの凹部8aも水平方向に開
口される(第2図参照)。さらに、ライナーセット用中
子3aは油圧シリンダユニット4のシリンダロッド6にカ
ップリング7によって接続され該シリンダユニット4の
動作により、上記ライナーセット用中子取り付け孔8内
をその軸方向に於て前記キャビティ方向及びこれに離反
する方向に摺動自在となっている。又、油圧シリンダユ
ニット4は支持用ブラケット5によって可動金型1に固
着されている。
この金型からはずされたランナー部11、ビスケット部10
付きのV型6気筒エンジン用シリンダブロックを第3図
に示す。第3図中12は湯口、13は気筒形成部、14はスカ
ート部、15はオイルパン取付孔をそれぞれ示す。またL
は隣接するオイルパン取付孔の間隔を示す。第3図から
明らかなように、気筒形成部13は複数の右側気筒列13A
(第1気筒列)と複数の左側気筒列13B(第2気筒列)
がそれぞれ直線上に垂直方向に配列され、第1、第2気
筒列13A、13Bとの組合せが上記ハの字に対するV字状を
なす。またスカート部14は、右側気筒列13Aと左側気筒
列13Bとに平行に延びる一対の壁部14A、14Bを有してい
る。また、複数の右側気筒列13Aと、複数の左側気筒列1
3Bを形成するためには、第1図、第3図から明らかなよ
うに、水平に延びる複数のライナーセット用中子3は垂
直方向に配列された列を構成する。よって、それぞれ1
対のライナーセット用中子3で構成された水平方向のハ
の字が、垂直方向に重なって配列される。
第3図から明らかなように湯口12は左右両サイドの気筒
形成部13からほぼ等距離にあり、かつ両サイドの湯口12
から溶湯を充填していくこととなる。一方の湯口12はス
カート部14の一方の壁部14Aに、他方の湯口12は他方の
壁部14Bに接続され、壁部14Aと右側気筒列13Aとの位置
関係と、壁部14Bと左側気筒列13Bとの位置関係は第3図
から明らかなように同様だからである。
次に、本実施例の金型を使用してのダイカスト工程につ
いて説明する。
まず、型開きした状態で油圧シリンダ4の動作によりラ
イナーセット用中子3を前記キャビティ方向所定位置ま
で前進させる(第1図)。
次に、可動金型1、中子2、ライナセット用中子3、固
定金型(不図示)の内面に離型剤を塗布し、エアーブロ
ーした後、鋳鉄製のライナー9をライナーセット用中子
3のシリンダボア形成部3aに挿着する。このときライナ
ーセット用中子3は第1図の本実施例の金型の横断面図
に示すように軸方向に於て水平状態に維持されている。
次に、中子2を前記キャビティ方向所定位置まで前進さ
せ型締めを行う。この結果、不図示の固定金型、可動金
型1、中子2、ライナーセット用中子3、によって本実
施例の金型内にはシリンダブロック用のキャビティが形
成されることとなる。
その後、不図示の溶湯射出部より溶湯を湯口12、12から
上記キャビティに加圧充填する。
一定時間が経過し、溶湯が凝固した後可動金型1を不図
示のシリンダユニットにより移動させ型開きし、更に中
子2を不図示のシリンダユニットによって前記キャビテ
ィから離反する方向に後退させる。更に、油圧シリンダ
ユニット4の作動によってライナセット用中子3を第2
図に示すように前記キャビティから離反する方向に後退
させ、ダイカスト製品部からライナセット用中子3を引
き抜く。
最後に、不図示の取り出し装置によりダイカスト品(V
型6気筒エンジン用シリンダブロック)を金型からはず
しダイカスト工程を終了する。
上記実施例は本発明をV型6気筒エンジン用のシリンダ
ーブロックをダイカストする際使用する金型に適用した
ものについて述べているが、本発明はこれに限定される
ものではない。例えば、V型8気筒、V型10気筒エンジ
ン等をダイカストする際に使用する金型にも適用しうる
ものである。
[発明の効果] 上述のように本発明の金型内において各気筒のライナー
はほぼ水平に支持されているため抜け落ちることはな
く、従来の金型においては必要であった落下防止ピン等
の抜け止めストッパは不要となる。この結果、金型の構
成が単純なものとなり、作動トラブルが生じにくくま
た、製造コストが低くなり製品のコストダウンが可能と
なる。さらには、上記落下防止ピンの操作が不要となり
ダイカスト作業の工程が簡略化され、ダイカストのショ
ットサイクルが短縮でき製品の生産性が向上する。
また、ライナーセット用中子は水平方向の動作をなし、
サブマリンコアの凹部は水平方向に開口されるため、従
来の金型に比しバリ残りや離型剤、冷却水等の浸入によ
る中子動作不良、湯廻り不良といった問題が生じにく
い。
そして、シリンダーボア形成部がその長手方向に於てほ
ぼ水平に配設されるため低速充填時に溶湯がこの気筒形
成部に流れ落ちる傾向が小さく、この結果デッキ面の端
部の湯廻りが良好となり、さらには、シリンダーボア形
成部において溶湯が均一に流れるためキャビテイ全体の
湯廻りが良好となり製品の品質が向上する。
更に、両サイドの気筒形成部が各湯口からほぼ均等な距
離にあり、かつ両方の湯口から溶湯を充填するため左右
の気筒形成部間における湯廻りの差に起因する製品の寸
法精度の差、内部欠陥の差が生じにくい。
加えて、左右の気筒形成部における型温の差がなくなる
ため、凝固収縮量(縮み代)の差がなくなり、左右スカ
ート部におけるオイルパン取付ピッチ寸法L、スタット
ボルトピッチ寸法の左右不一致が生じない。
【図面の簡単な説明】
第1図はランナーセット用中子をキャビティ方向に前進
させライナーを挿着した状態を示す本発明の一実施例に
かかる金型の横断面図、 第2図はランナーセット用中子を後退させた状態を示す
本発明の一実施例にかかる金型の横断面図、 第3図は第1図、第2図の金型を用いて鋳造したシリン
ダーブロックの鋳放し状態を示す側面図、 第4図は従来例の金型を使用して鋳造したシリンダーブ
ロックの鋳放し状態を示す縦断面図、 第5図は従来例の金型を型締めした状態を示す部分縦断
面図である。 図中1……可動金型、2……中子、 3……ライナーセット用中子、 9……ライナー

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の気筒が直線状に並設配置された第1
    気筒列と、複数の気筒が直線状に併設配置された第2気
    筒列との組合せがV字状をなし、該V字状により規定さ
    れたVバンク部の反対側に延び該第1第2気筒列と略平
    行に延びる1対の壁部を有したクランクケースを画成す
    るためのスカート部を設けたV型シリンダーブロックを
    横型鋳造機を用いてダイカストするため、該V字状に対
    応する略ハの字に配列された複数のライナーセット用中
    子を有するV型シリンダーブロックのダイカスト金型に
    おいて、 ライナーを水平方向に支持するために該ライナーセット
    用中子のそれぞれの軸心が水平方向に延びて該略ハの字
    は水平面に沿って構成されるとともに、それぞれの該気
    筒列をダイカストするために該複数のライナーセット用
    中子は該ハの字が互いに垂直方向に配列して設けられ、 湯口を該スカート部の該1対の壁部にそれぞれ形成し
    て、該第1、第2気筒列に対して均等に溶湯を充填する
    ことを特徴とするV型シリンダーブロックのダイカスト
    金型。
JP22885490A 1990-08-30 1990-08-30 V型シリンダーブロックのダイカスト金型 Expired - Lifetime JPH0673736B2 (ja)

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