JP3833499B2 - 複数通路を持つ鋳造部品の製造方法 - Google Patents
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【発明が属する技術分野】
本発明は、鋳造部品に水、油、ガス等を通すための通路を形成する方法に関するもので、特に複数通路を形成する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数通路を持つ鋳造部品の製造方法は、特開平1−162558号公報に記載の技術のごとく、分離可能な金型内に、必要な通路の数と同数のパイプを金型と金型(具体的には、固定ダイスと可動ダイス)の間に挟み取り付けるか、金型がスライドする方向と並行に明けられた孔を金型面に設け、この孔にパイプの端部を取り付けた後、キャビテイ内に溶湯を注湯し通路となるパイプを鋳ぐるむというものである。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このように、従来の方法による複数通路を持つ鋳造部品の製造方法においては、複数のパイプを準備しなければならないため、部品の数が多くなるという問題点ともに、複数のパイプを金型内に取り付けなければならないため、多くの作業時間がかかり、所定時間内の鋳造数量が減少し、生産効率が悪くなるという問題がある。
【0004】
また、金型のスライド方向或いは鋳造品の取り出し方向に沿った面に通路の開口部を持ち、スライド方向或いは鋳造品の取り出し方向に対し直角な通路を形成する鋳造部品の場合は、通路となるパイプの端部を金型と金型(具体的には、固定ダイスと可動ダイス)の間に挟み取り付ける場合をのぞき、金型のスライド方向或いは鋳造品の取り出し方向に対し、直角に明けられた孔を金型面に設け、この孔に通路となるパイプの端部を取り付けなければならなくなるため、金型から鋳造品を取り出せなくなり鋳造ができないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記従来の方法による問題点を解決しようとするもので、通路の開口部を任意な位置に持つことができ、かつ部品の数を少なくし、所定時間内の鋳造数量を減少させることのない、生産効率の良い複数通路を持つ鋳造部品の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、分離可能に構成された金型3、4内に、一本のパイプ2を取り付ける工程と、金型3、4内に金属の溶湯を注湯し鋳造品10を成形する工程と、1つの前記鋳造品10に鋳ぐるみされた前記パイプ2の途中の一部であって前記鋳造品10の表面より突出する部分2bを除去し、この1つの鋳造品10に2以上の通路6、7を形成させる工程とからなる複数通路を持つ鋳造部品の製造方法を特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態による複数通路を持つ鋳造部品の製造方法を、図1乃至図5にもとづき説明する。
【0008】
図1は、本発明の製造方法による複数通路を持つ鋳造部品の正面図である。図2は、図1の鋳造部品の平面図である。図3は、本発明の鋳造部品の通路となる鋳ぐるみ前のパイプの正面図である。図4は、本発明の鋳造部品の通路となるパイプを金型内に取り付けた状態を示す金型の断面図である。図5は、本発明の鋳造部品の鋳造後の状態を示す正面図である。
【0009】
まず始めに、本発明の製造方法による複数通路を持つ鋳造部品の特徴を図1乃至図2にもとづき説明する。
この鋳造部品1は、図1、図2に示すように上部に円筒状の第1凹部1a、第2凹部1bを形成している。この2つの凹部は、切削加工により除去される仕上げ代を付けて鋳造され、鋳造後、その仕上げ代を切削加工により除去して完成した状態となる。更にこれらの図に示すように、この鋳造部品1には、その内部に上記第1凹部1aと第2凹部1bに連絡する第1通路6と、第2凹部1bから下方に連絡している第2通路7からなる2つの通路を形成している。そして、この2つの通路を水、油、ガス等が通ることになる。
【0010】
本発明の実施の形態でのパイプ2は、図3に示すように、正面から見た状態で上下に端部を持ち、途中を略「つ」の字の形状に作られている。また、その上下の端部は、鋳造時は金型に取り付けられる部分であり、鋳造後は切削加工により除去される部分も含めて作られている。その材料は、一般的にはアルミ合金等の溶湯が注入されてもその温度で溶損或いは変形しない材料、例えば鉄等で作られている。
【0011】
本発明の実施の形態での金型は、図4に示すように、金型3と金型4からなり、どちらか一方が上下にスライド可能に構成されている。
【0012】
まず、図4に示すように上記パイプ2を、一本、金型3と金型4のキャビテイ内にあって、その上端部である第1嵌合部2aを金型3に設けられた第1支持孔3aに、正面から見て略「つ」の字の形状に作られた部分の湾曲部からなる第2嵌合部2bを金型3に設けられた支持溝3bに、下端部である第3嵌合部2cを金型4に設けられた第3支持孔4aに取り付ける。
【0013】
次に、通常の方法、条件で、上記金型3、4により形成されたキャビティ5内にアルミ合金等の溶湯を注入し、上記パイプ2を鋳ぐるむ。溶湯が凝固後、金型3、4のどちらか一方をスライドさせ鋳造品10を取り出す。この鋳造品10の鋳造後の状態を示しているのが図5である。この状態では、第1凹部10a、第2凹部10bには切削加工により除去される仕上げ代が付けられ、またパイプ2の第1嵌合部2a、第2嵌合部2b、第3嵌合部2cが鋳造品10上に残されたままである。そして、パイプ2は、一本の通路を形成しているだけである。
【0014】
次に、第1凹部10a、第2凹部10bの仕上げ代を切削加工により除去すると同時に、パイプ2の第1嵌合部2aと正面から見て略「つ」の字の形状に作られた部分の湾曲部からなる第2嵌合部2bとを切削加工により除去する。同様に第3嵌合部2cも切削加工により除去して完成品とする。この完成された鋳造部品1の状態を示しているのが図1である。この図に示すように、本発明の実施の形態による鋳造部品1では、両端に開口部6a、6bを持つ第1通路6と両端に開口部7a、7bを持つ第2通路7の、二本の通路が形成されたことになる。
【0015】
本発明の複数通路を持つ鋳造部品の製造方法によれば、一本のパイプ2を鋳ぐるむだけで二本の通路を形成できるため、部品点数も少なくでき、また金型3、4内にパイプを取り付けるための作業時間も半分ですみ、所定時間内の鋳造数量が増し、生産効率を向上できる。
【0016】
また従来、通路の開口部を金型のスライド方向或いは鋳造品の取り出し方向に沿った面に持つ鋳造部品の製造方法は、限られていたが、本発明の複数通路を持つ鋳造部品の製造方法によれば、図1に示す第2凹部1bに形成された第1通路6の開口部6bのように、鋳造部品の金型のスライド方向或いは鋳造品の取り出し方向に沿った面の任意な位置にも開口部を形成することが可能となる。
【0017】
上記実施の形態では、特定の形状を有する一本のパイプから二本の通路を形成したが、三本以上の通路を必要とする鋳造部品の場合にも本発明は適用可能である。また一本のパイプの形状は必要とされる通路の位置や数に応じて適宣変更されるものである。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の複数通路を持つ鋳造部品の製造方法によれば、分離可能に構成された金型内に、一本のパイプを取り付ける工程と、金型内に金属の溶湯を注湯し鋳造品を成形する工程と、1つの前記鋳造品に鋳ぐるみされたパイプの途中の一部であって鋳造品の表面より突出する部分を除去し、この1つの鋳造品に2以上の通路を形成させる工程とからなるので、通路の開口部を任意な位置に持つことができ、かつ部品の数を少なくし、所定時間内の鋳造数量を減少させることのない、生産効率の良い複数通路を持つ鋳造部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法による複数通路を持つ鋳造部品の正面図である。
【図2】図1の鋳造部品の平面図である。
【図3】本発明の鋳造部品の通路となる鋳ぐるみ前のパイプの正面図である。
【図4】本発明の鋳造部品の通路となるパイプを金型内に取り付けた状態を示す金型の断面図である。
【図5】本発明の鋳造部品の鋳造後の状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1 鋳造部品
2 パイプ
3、4 金型
6 第1通路
7 第2通路
Claims (1)
- 分離可能に構成された金型内に、一本のパイプを取り付ける工程と、
金型内に金属の溶湯を注湯し鋳造品を成形する工程と、
1つの前記鋳造品に鋳ぐるみされた前記パイプの途中の一部であって前記鋳造品の表面より突出する部分を除去し、この1つの鋳造品に2以上の通路を形成させる工程とからなる複数通路を持つ鋳造部品の製造方法。
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JP2001166785A JP3833499B2 (ja) | 2001-06-01 | 2001-06-01 | 複数通路を持つ鋳造部品の製造方法 |
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