JPH0673479B2 - 胆汁酸の高感度定量法および定量用組成物 - Google Patents
胆汁酸の高感度定量法および定量用組成物Info
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- JPH0673479B2 JPH0673479B2 JP2309412A JP30941290A JPH0673479B2 JP H0673479 B2 JPH0673479 B2 JP H0673479B2 JP 2309412 A JP2309412 A JP 2309412A JP 30941290 A JP30941290 A JP 30941290A JP H0673479 B2 JPH0673479 B2 JP H0673479B2
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Description
汁酸の高感度定量法及び3α−ヒドロキシ胆汁酸定量用
組成物に関する。
検査として、あるいは黄疸、胆石症の成立機序の解明な
どのため重要である。
ル酸などを含む3α−ヒドロキシ胆汁酸、7α−ヒドロ
キシ胆汁酸や12α−ヒドロキシ胆汁酸などの胆汁酸の測
定法としては種々の方法が報告されているが、近年臨床
検査には、一般に、3α−ヒドロキシステロイドデヒド
ロゲナーゼ及び1つの補酵素としてニコチンアミドアデ
ニンジヌクレオチド類(以下NAD類という)またはニコ
チンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート類(以
下NADP類という)を反応させて、3α−ヒドロキシ胆汁
酸量に比例して生成する還元型NAD類(以下NADH類とい
う)又は還元型NADP類(以下NADPH類という)を測定す
る方法(特公昭59−13197号)が使用されている。しか
しながら、この方法はビリルビンの影響を受け易いため
に予め胆汁酸の分離が必要である、多量の検体が必要で
ある、また感度が低いという欠点があった。そのため高
感度発色剤を使用する工夫もなされているが〔第33回日
本臨床病理学会総会抄録、123頁(1986)及び第34回同
抄録、124頁(1987)〕、これも本質的な解決とはなっ
ていない。
を更に3−オキソ−△4−ステロイドデヒドロゲナーゼ
の作用により3−△4−ステロイドとし、ホルマザン色
素を従来の2倍量生成させるキットも市販されている
が、これも感度がたかだか2倍になったにすぎない。
DPHを酵素サイクリング反応を利用して高感度に測定す
る方法が報告されている(特公昭63−36758号)。しか
し、この方法も、NADH又はNADPHを酵素サイクリング反
応によって増幅させるためには、残存している過剰のNA
D又はNADPをアルカリ加温処理によって分解除去しなけ
ればならないため操作が煩雑であり、臨床検査のような
多検体を処理する場合には不利なるを免れなかった。
良症候群があるが、このような正常値以下の濃度を正確
に測定することは現在の酵素法では困難である。
胆汁酸の種類により、3α位のほかに7α位、12α位に
水酸基を有するため、3α−ヒドロキシ胆汁酸の測定に
は3α−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(3α
−HSD)を用いるものであるが、7α−ヒドロキシ胆汁
酸や12α−ヒドロキシ胆汁酸の測定には7α−HSD、12
α−HSDを用いてそれぞれ検体中の胆汁酸を測定すれ
ば、ガスクロマトグラフィーなどの機器を用いなくて
も、個々の胆汁酸レベルを測定することが理論上可能で
ある。実際、3α−HSDによる胆汁酸の測定に加え、12
α−ヒドロキシ胆汁酸を同時に測定することは、肝実質
障害の程度、推移の把握に利用しうる可能性がある、と
の報告もあり(医学のあゆみ、vo1.143,No.10,775−776
(1987))、このような面からも胆汁酸定量の高感度化
が望まれている。
汁酸を生成する可逆反応において、特定の微生物由来の
ステロイドデヒドロゲナーゼを使用し、NAD類(又はNAD
P類)を補酵素として胆汁酸からオキソ胆汁酸を生成さ
せる反応系となし、かつ当該補酵素と異なる少量のNADP
H類(又はNADH類)を共存させて、胆汁酸とオキシ胆汁
酸の間の可逆的サイクリング反応を行えば、NADH類(又
はNADPH類)の生成量が時間経過と共に直線的に増加
し、しかもその増加速度が胆汁酸の量と比例することを
見出し、先に出願した(特願平1−98443号)。
吸収波長がどちらも340nmと同じであるため、胆汁酸の
量と比例して生成した還元型のみを測定する際に誤差を
生じるという問題があった。
ドアデニンジヌクレオチド(以下チオNADという)及び
チオニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェー
ト(以下チオNADPという)は還元型の極大吸収波長が40
0nm付近にあり、NAD及びNADPの還元型の極大吸収波長と
は異なることが知られている。
果、3α−HSDを用いて先の酵素サイクリング反応を実
施するに当り、2種類の補酵素の1つにチオNADP類又は
チオNAD類を使用して、どちらか一方の補酵素の変化量
のみを定量すれば、特に3α−ヒドロキシステロイド又
はオキソステロイドを高感度に定量できることを見出
し、更にこの方法によれば3α−ヒドロキシ胆汁酸定量
を正確に行うことができることを見出し、本発明を完成
した。
つと、NADP類及びNAD類からなる群より選ばれる1つと
を補酵素とし、少なくとも3α−ヒドロキシ胆汁酸を基
質として3−オキソ胆汁酸を生成する可逆反応をなす3
α−ヒドロキシステロイドヒドロゲナーゼ、 A1、 B1、 を含有する試薬を作用せしめて、次の反応式(I) (式中、A1はチオNADP類、チオNA類、NADP類又はNAD類
を示し、A2はA1の還元型生成物を示し、B1はA1がチオNA
DP類又はチオNAD類のときは還元型NADP類又は還元型NAD
類を、A1がNADP類又はNAD類のときは還元型チオNADP類
又は還元型チオNAD類を示し、B2はB1の酸化型生成物を
示す) で表されるサイクリング反応を形成せしめ、該反応によ
って変化するA2又はB1の量を測定することを特徴とする
3α−ヒドロキシ胆汁酸の高感度定量法、並びに上記
、及びを含有することを特徴とする3α−ヒドロ
キシ胆汁酸定量用組成物を提供するものである。
ゲナーゼとしては上記要件を具備するものであれば何れ
のものでも使用できるが、その具体例は、NAD類及びチ
オNAD類を補酵素とするものとしては、シュードモナス
テストステロニ(Pseudomonas testosteroni、J.B.
C.,227,37−52(1957))、バシルス スファエリカス
(Bacillus sphaericus;特開昭54−157894号公報)由来
の3α−ヒドロキシステロイドヒドロゲナーゼ(3α−
HSD)(EC 1.1.1.50)等が挙げられる。また、NAD類、N
ADP類、チオNAD類及びチオNADP類を共に補酵素するもの
としては、ラット肝、前立腺(J.Steroid Biochem.,8,4
1−46(1977))、シュードモナス sp.B−0831(Pseud
omonas sp.B−0831、東洋醸造カタログNO.T−27)由来
の3α−HSDが挙げられる。
AD類を示すが、このうちNADP類又はNAD類としては例え
ば、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェー
ト(NADP)、アセチルピリジンアデニンジヌクレオチド
ホスフェート(アセチルNADP)及びニコチンアミドヒポ
キサンチンジヌクレオチドホスフェート(デアミノNAD
P);及びニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NA
D)、アセチルピリジンアデニンジヌクレオチド(アセ
チルNAD)及びニコチンアミドヒポキサンチンジヌクレ
オチド(デアミノNAD)が挙げられる。
又はチオNADP類であることが必要である。
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート
(チオNADP)、チオニコチンアミドヒポキサンチンジヌ
クレオチドホスフェート及びチオニコチンアミドアデニ
ンジヌクレオチド(チオNAD)、チオニコチンアミドヒ
ポキサンチンジヌクレオチドが挙げられる。
ロゲナーゼがNAD類のみを補酵素とする場合は、チオNAD
類と上述のNAD類より、また用いる3α−ヒドロキシス
テロイドデヒドロゲナーゼがNAD類及びNADP類を共に補
酵素とする場合は、チオNAD類及びチオNADP類と上述のN
AD類及びNADP類より適宜選択して用いればよい。
であり、また3α−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナ
ーゼのA1及びB1それぞれに対するKm値に比較しても過剰
量であることが必要であり、特に3α−ヒドロキシ胆汁
酸量の20〜10000倍モルが好ましい。
は、A1及びB1の濃度は0.02〜100mM、特に0.05〜30mMが
好ましく、3α−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナー
ゼの濃度は0.05〜100U/ml、特に1〜50U/mlが好ましい
が、その量は被検体の種類等により適宜決定することが
でき、これ以上の量を用いることもできる。
ドロゲナーゼがNAD類及びNADP類を共に補酵素とする場
合において、2つの補酵素にチオNAD類とNAD類もしくは
NADP類との組み合わせ、またはチオNADP類とNAD類もし
くはNADP類との組み合わせを選んだときは、更に被検体
に成分の3α−ヒドロキシ胆汁酸及びA1に作用せず、
B2→B1の反応を形成する第2のデヒドロゲナーゼ及び該
第2のデヒドロゲナーゼの基質を作用せしめることによ
り、後記反応式(II)の如く、B1とB2との間にB1の再生
のための反応系を付与せしめることにより3α−ヒドロ
キシ胆汁酸のサイクリング反応も形成し得る。この場
合、定量の際には反応により生成したA2の量を測定す
る。
を示し、A2はA1還元型生成物を示し、B1はA1がチオNADP
類又はチオNAD類のときは還元型NADP類又は還元型NAD類
を、A1がNADP類又はNAD類のときは還元型チオNADP類又
は還元型チオNAD類を示し、B2はB1の酸化型生成物を示
し、B2→B1はB2を補酵素としてB1を生成する酵素反応を
示す) すなわち、第2のデヒドロゲナーゼはB1の再生の為に補
助的に添加するものであり、これによってB1の使用量を
少なくすることが可能となり、特にB1が高価な場合には
有効である。また、B1の代わりにB2あるいはB1とB2の混
合物を用いて反応を行ってもよい。この場合、B1又は/
及びB2の使用量は特に限定されるものではないが、一般
的にはA1の1/10モル以下が好ましい。
物において、A1の濃度は0.02〜100mM、特に0.05〜30mM
が好ましく、B2又は/及びB1の濃度は0.05〜5000μM、
特に5〜500μMが好ましく、3α−ヒドロキシステロ
イドデヒドロゲナーゼの濃度は0.05〜100U/ml、特に1
〜50U/mlが好ましく、第2のデヒドロゲナーゼはB2に対
するKm値(mM単位)の20倍量(U/ml単位)以上になるよ
うに調整すればよく、例えば1〜100U/mlが好ましく、
また第2のデヒドロゲナーゼの基質は過剰量、例えば0.
05〜20mMが好ましい。これらの量は被検体の種類等によ
り適宜決定することができ、これ以上の量を用いること
もできる。
ば、B2がNAD類またはチオNAD類のときは、アルコールデ
ヒドロゲナーゼ(EC 1.1.1.1)とエタノール、グリセロ
ールデヒドロゲナーゼ(EC 1.1.1.6)(E.Coli由来)と
グリセロール、グリセロール−3−リン酸デヒドロゲナ
ーゼ(EC 1.1.1.8)(ウサギ筋肉由来)とL−グリセロ
ール−3−リン酸、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ(EC 1.
1.1.37)(ブタ心筋、ウシ心筋由来)とL−リンゴ酸、
グリセロアルデヒドリン酸デヒドロゲナーゼ(EC 1.1.
1.12)(ウサギ骨格筋、肝、酵母、E.Coli由来)とD−
グリセロアルデヒドリン酸とリン酸、B2がNADP類または
チオNADP類のときは、グルコース−6−リン酸デヒドロ
ゲナーゼ(EC 1.1.1.49)(酵母由来)とグルコース−
6−リン酸、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(EC 1.1.
1.42)(酵母、ブタ心筋由来)とイソクエン酸、グリオ
キシル酸デヒドロゲナーゼ(EC 1.2.1.17)(Pseudomon
as oxalaticus由来)とCoAとグリオキシル酸、ホスホグ
ルコン酸デヒドロゲナーゼ(EC 1.1.1.44)(ラット
肝、ビール酵母、E.Coli由来)と6−ホスホ−D−グル
コン酸、グルセロアルデヒドリン酸デヒドロゲナーゼ
(EC 1.2.1.13)(植物葉緑体由来)とD−グリセロア
ルデヒド−3−リン酸とリン酸、ベンズアルデヒドデヒ
ドロゲナーゼ(EC 1.2.1.7)(Pseudomonas fluorescen
s由来)とベンズアルデヒド等が挙げられる。
デヒドロゲナーゼがNAD類及びNADP類を共に補酵素とす
る場合において、2つの補酵素にチオNAD類とNAD類もし
くはNADP類との組み合わせ、またはチオNADP類とNAD類
もしくはNADP類との組み合わせを選んだときは、更に被
検体に成分の3α−ヒドロキシ胆汁酸及びB1に作用せ
ず、A2→A1の反応を形成する第3のデヒドロゲナーゼ及
び該第3のデヒドロゲナーゼの基質を作用せしめること
により、後記反応式(III)の如く、A1とA2との間にA1
の再生のための反応系を付与せしめることにより3α−
ヒドロキシ胆汁酸のサイクリング反応を形成し得る。こ
の場合、定量の際にはB1の消費量を測定する。
を示し、A2はA1の還元型生成物を示し、B1はA1がチオNA
DP類又はチオNAD類のときは還元型NADP類又は還元型NAD
類を、A1がNADP類又はNAD類のときは還元型チオNADP類
又は還元型チオNAD類を示し、B2はB1の酸化型生成物を
示し、A2→A1はA2を補酵素としてA1を生成する酵素反応
を示す) すなわち、第3のデヒドロゲナーゼはA1の再生の為に補
助的に添加するものであり、これによってA1の使用量を
少なくすることが可能となり、特にA1が高価な場合には
有効である。また、A1の代わりにA2あるいはA1とA2の混
合物を用いて反応を行ってもよい。この場合、A1又は/
及びA2の使用量は特に限定されるものではないが、一般
的にはB1の1/10以下が好ましい。
物において、B1の濃度は0.02〜100mM、特に0.05〜30mM
が好ましく、A2又は/及びA1の濃度は0.05〜5000μM、
特に5〜500μMが好ましく、3α−ヒドロキシステロ
イドデヒドロゲナーゼの濃度は0.05〜100U/ml、特に1
〜50U/mlが好ましく、第3のデヒロゲナーゼはA2に対す
るKm値(mM単位)の20倍量(U/ml単位)以上になるよう
に調整すればよく、例えば1〜100U/mlが好ましく、ま
た第3のデヒドロゲナーゼの基質は過剰量、例えば0.05
〜20mMが好ましい。これらの量は被検体の種類等により
適宜決定することができ、これ以上の量を用いることも
できる。
ば、A1がNAD類又はチオNAD類のときは、アルコールデヒ
ドロゲナーゼ(EC 1.1.1.1)とアセトアルデヒド、グイ
セロールデヒドロゲナーゼ(EC 1.1.1.6)(E.Coli由
来)とジヒドロキシアセトン、グリセロール−3−リン
酸デヒドロゲナーゼ(ED 1.1.1.8)(ウサギ筋肉由来)
とジヒドロキシアセトンリン酸、リンゴ酸デイドロゲナ
ーゼ(EC 1.1.1.37)(ブタ心筋、ウシ心筋由来)とオ
キザロ酢酸、グリセロアルデヒドリン酸デヒドロゲナー
ゼ(EC1.1.1.12)(ウサギ骨格筋、肝、酵母E.Coli由
来)と1,3−ジホスホ−D−グリセリン酸、A1がNADP類
またはチオNADP類のときは、グルコース−6−リン酸デ
ヒドロゲナーゼ(EC 1.1.1.49)(酵母由来)とグリコ
ノラクトン−6−リン酸、グリセロアルデヒドリン酸デ
ヒドロゲナーゼ(EC 1.2.1.13)(植物葉緑体由来)
と、1,3−ジホスホ−D−グリセリン酸等が挙げられ
る。
あたって、使用できる3α−ヒドロキシステロイドデヒ
ドロゲナーゼに関しては、例えば補酵素としてNAD類
(好ましくはNAD)、チオNAD類(好ましくはチオNA
D)、あるいはNADP類(好ましくはNADP)、チオNADP類
(好ましくはチオNADP)を用いて、基質となるコール酸
等の3α−ヒドロキシ胆汁酸に対する反応性を有するも
のであればよく、これら補酵素と基質を用いることによ
り確認できるものである。
ロイドデヒドロゲナーゼの各補酵素間の相対活性等を考
慮して2種の補酵素を適宜選択し、その後正反応/逆反
応の至適pHの間のpH条件を適宜調整して、正反応/逆反
応の反応速度比が1に近づくようにpH条件を設定すれば
よい。例えば、3α−HSD(Pseudomonas sp.B−0831,東
洋醸造カタログNo.T−27)についてみれば、コール酸を
基質にし、補酵素にチトNADを用いた場合のNADを用いた
場合に対する相対活性は40%程度であり、また、正反応
の至適pHは9.5付近で、逆反応の至適pHは5.5付近であ
る。また、これらの酵素は単独でも、適宜2種以上を組
合せて用いてもよい。
定量用組成物によって被検体中の3α−ヒドロキシ胆汁
酸量を測定するには、上記成分〜、〜、あるい
は〜及びを含有する組成物に被検体0.001〜0.5ml
を加え、約37℃の温度にて反応させ、反応開始一定時間
後の2点間の数分ないし数十分間、例えば3分後と4分
後の1分間又は3分後と8分後の5分間における生成さ
れたA2の量又は消費されたB1の量を、それぞれの吸収波
長に基づく吸光度の変化によって測定すればよい。例え
ばA2がチオNADH、B1かNADHの場合、A2の生成を400nmの
吸光度の増加により測定するか、あるいはB1の消費を34
0nmの吸光度の減少により測定し、既知濃度の3α−ヒ
ドロキシ胆汁酸を用いて測定したときの値と比較すれ
ば、被検液中の3α−ヒドロキシ胆汁酸量をリアルタイ
ムで算出することができる。
汁酸そのものを酵素サイクリング反応に導くものであ
り、被検液中の共存物質の影響を受けにくいため、被検
液のブランク測定を省略することができ、レイトアッセ
イによる簡便な測定を成し得る。更にまた、3α−ヒド
ロキシ胆汁酸測定用酵素を用いる本発明の高感度定量法
は、その3α−HSDの代りに、7α−HSDを用いて7a−ヒ
ドロキシ胆汁酸、12α−HSDを用いて12α−ヒドロキシ
胆汁酸を定量する場合に比較して、単位酵素量当たりの
感度がより良好に定量し得るものである。
定の代りに他の公知酵素測定法を使用して定量を行うこ
ともできる。
を用いるため測定誤差が生じず、また、酵素的サイクリ
ング反応を組合せることによって感度を増大させること
ができるため、少量の検体で迅速かつ正確に被検体中の
3α−ヒドロキシ胆汁酸を特に高感度にて定量すること
ができる。
明はこれによって何ら限定されるものではない。
示す式により計算した。
分・u/ml) A:吸光度(mAbs) V:反応全液量(ml) e:反応液中での酵素濃度(u/ml) x:被検体量(nmol) tj反応時間(分) ε:分子吸光係数(cm2/μmol)(チオNADの場合11.9) 実施例1 <試薬> 40mM リン酸バッファー(pH8.0) 1mM チオNAD 0.2mM NADH 0.1% トリトンX−100 5U/ml 3α−HSD(Pseudomonas testosteroni由来 シグ
マ社製) <操作> 上記試薬1mlをキュベットにとり、0、10、20、40、6
0、80、100μMのコール酸溶液をそれぞれ10μl添加
し、37℃にて反応を開始させた。反応開始後2分目と3
分目の400nmにおける吸光度を読み取り、その差を求め
た。その結果を図1に示す。図1から明らかなように、
コール酸量に対する吸光度変化量は良好な直線性を示し
た。
高感度測定をなし得たものと判断し得た。
T−27由来) <操作> 上記試薬1mlをキュベットにとり、0、10、20、30、4
0、50μMのコール酸溶液をそれぞれ50μl添加し、37
℃にて反応を開始させた。反応開始後3分目と4分目の
400nmにおける吸光度を読み取り、その差を求めた。そ
の結果を図3に示す。図3から明らかなように、コール
酸量に対する吸光度変化量は良好な直線性を示した。
好な高感度測定を示すものであった。
o.T−27由来) <操作> 上記試薬1mlを石英キュベットにとり、5段階に希釈し
た血清それぞれ100μlを添加し、37℃にて反応を開始
させた。反応開始後3分目と4分目の400nmにおける吸
光度を読み取り、その差を求めた。その結果を図4に示
す。
o.T−27由来) <操作> 上記試薬1mlをキュベットにとり、プール血清に10、2
0、50μMになるようにコール酸を加えた被検体50μl
を添加し、実施例3と同様の操作を行った。結果は表1
の如くであり、回収率は97.8〜104.0%であった。
した。試薬1を260μlに5、10、15、20、25、30、3
5、40、45、50μmol/のコール酸溶液各々3μlを混
合し37℃、5分間加温する。その後試薬2を130μl添
加し、添加後の1分目と3分目の405nmにおける吸光度
を読み取り、1分間当たりの吸光度変化量に換算した。
結果を図5に示した。図5から明らかなように、コール
酸量に対する吸光度変化量は良好な直線性を示し、Kc=
1.69(サイクル/分・u/ml)となった。
母社製) 10U/ml 3α−HSD(Pseudomonas sp.B−0831東洋醸造カ
タログNo.T−27由来) 0.2% トリトンX−100 <操作> 上記試薬1mlを石英キュベットにとり、0、0.1、0.2、
0.3、0.4、0.5mMのコール酸溶液をそれぞれ10μl添加
し、37℃にて反応を開始させた。反応開始後3分目と4
分目の340nmにおける吸光度を読み取り、その差を求め
た。その結果を図6に示す。図6から明らかなように、
コール酸量に対する吸光度変化量は良好な直線性を示し
た。
(ベーリンガー社製;ウサギ筋肉由来) 20U/ml 3α−HSD(Pseudomonas sp.B−0831東洋醸造カ
タログNo.T−27由来) 0.2% トリトンX−100 <操作> 上記試薬1mlを石英キュベットにとり、0、10、20、3
0、40、50μMのコール酸溶液をそれぞれ50μl添加
し、37℃にて反応を開始させた。反応開始後3分目と4
分目の340nmにおける吸光度を読み取り、その差を求め
た。その結果を図7に示す。図7から明らかなように、
コール酸量に対する吸光度変化量は良好な直線性を示し
た。
o.T−28由来) <操作> 上記試薬1mlをキュベットにとり、0、100、200、300、
400、500μMのケノデオキシコール酸溶液をそれぞれ10
μl添加し、37℃にて反応を開始させた。反応開始後2
分目と3分目の400nmにおける吸光度を読み取り、その
差を求めた。その結果を図2に示す。図2から明らかな
ように、ケノデオキシコール酸量に対する吸光度変化量
は良好な直線性を示した。この図2からKc=0.15(サイ
クル/分・u/ml)であると判断し得た。
おける吸光度変化量の結果を示す図面である。 図2は参考例1における、ケノデオキシコール酸量に対
する400nmにおける吸光度変化量の結果を示す図面であ
る。 図3は実施例2における、コール酸量に対する400nmに
おける吸光度変化量の結果を示す図面である。 図4は実施例3における、血清量に対する400nmにおけ
る吸光度変化量の結果を示す図面である。 図5は実施例5における、コール酸量に対する400nmに
おける吸光度変化量の結果を示す図面である。 図6は実施例6における、コール酸量に対する340nmに
おける吸光度変化量の結果を示す図面である。 図7は実施例7における、コール酸量に対する340nmに
おける吸光度変化量の結果を示す図面である。
Claims (8)
- 【請求項1】被検体に、 チオニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェ
ート類(以下チオNADP類という)及びチオニコチンアミ
ドアデニンジヌクレオチド類(以下チオNAD類という)
からなる群より選ばれる1つと、ニコチンアミドアデニ
ンジヌクレオチドホスフェート類(以下NADP類という)
及びニコチンアミドアデニンジヌクレオチド類(以下NA
D類という)からなる群より選ばれる1つとを補酵素と
し、少なくとも3α−ヒドロキシ胆汁酸を基質として3
−オキソ胆汁酸を生成する可逆反応をなす3α−ヒドロ
キシステロイドデヒドロゲナーゼ、 A1、 B1、 を含有する試薬を作用せしめて、次の反応式 (式中、A1はチオNADP類、チオNAD類、NADP類又はNAD類
を示し、A2はA1の還元型生成物を示し、B1はA1がチオNA
DP類又はチオNAD類のときは還元型NADP類又は還元型NAD
類を、A1がNADP類又はNAD類のときは還元型チオNADP類
又は還元型チオNAD類を示し、B2はB1の酸化型生成物を
示す) で表されるサイクリング反応を形成せしめ、該反応によ
って変化するA2又はB1の量を測定することを特徴とする
3α−ヒドロキシ胆汁酸の高感度定量法。 - 【請求項2】被検体に、 チオNADP類及びチオNAD類からなる群より選ばれる1
つと、NADP類及びNAD類からなる群より選ばれる1つと
を補酵素とし、少なくとも3α−ヒドロキシ胆汁酸を基
質として3−オキソ胆汁酸を生成する可逆反応をなす3
α−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、 A1、 B1又は/及びB2、 3α−ヒドロキシ胆汁酸及びA1に作用せず、B2→B1の
反応を形成する第2のデヒドロゲナーゼ及び該第2のデ
ヒドロゲナーゼの基質、 を含有する試薬を作用せしめて、次の反応式 (式中、A1はチオNADP類、チオNAD類、NADP類又はNAD類
を示し、A2はA1の還元型生成物を示し、B1はA1がチオNA
DP類又はチオNAD類のときは還元型NADP類又は還元型NAD
類を、A1がNADP類又はNAD類のときは還元型チオNADP類
又は還元型チオNAD類を示し、B2はB1の酸化型生成物を
示し、B2→B1はB2を補酵素としてB1を生成する酵素反応
を示す)で表されるサイクリング反応を形成せしめ、該
反応によって生成されるA2の量を測定することを特徴と
する3α−ヒドロキシ胆汁酸の高感度定量法。 - 【請求項3】被検体に、 チオNADP類及びチオNAD類からなる群より選ばれる1
つと、NADP類及びNAD類からなる群より選ばれる1つと
を補酵素とし、少なくとも3α−ヒドロキシ胆汁酸を基
質として3−オキソ胆汁酸を生成する可逆反応をなす3
α−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、 A1又は/及びA2、 B1、 3α−ヒドロキシ胆汁酸及びB1に作用せず、A2→A1の
反応を形成す る第3のデヒドロゲナーゼ及び該第3のデヒドロゲナー
ゼの基質、 を含有する試薬を作用せしめて、次の反応式 (式中、A1はチオNADP類、チオNAD類、NADP類又はNAD類
を示し、A2はA1の還元型生成物を示し、B1はA1がチオNA
DP類又はチオNAD類のときは還元型NADP類又は還元型NAD
類を、A1がNADP類又はNAD類のときは還元型チオNADP類
又は還元型チオNAD類を示し、B2はB1の酸化型生成物を
示し、A2→A1はA2を補酵素としてA1を生成する酵素反応
を示す)で表されるサイクリング反応を形成せしめ、該
反応によって消費されるB1の量を測定することを特徴と
する3α−ヒドロキシ胆汁酸の高感度定量法。 - 【請求項4】NAD(P)類が、ニコチンアミドアデニン
ジヌクレオチドホスフェート(NADP)、アセチルピリジ
ンアデニンジヌクレオチドホスフェート(アセチルNAD
P)およびニコチンアミドヒポキサンチンジヌクレオチ
ドホスフェート(デアミノNADP)からなる群より選ばれ
るNADP類、又はニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
(NAD)、アセチルピリジンアデニンジヌクレオチド
(アセチルNAD)およびニコチンアミドヒポキサンチン
ジヌクレオチド(デアミノNAD)からなる群より選ばれ
るNAD類である請求項1〜3のいずれかの項記載の3α
−ヒドロキシ胆汁酸の高感度定量法。 - 【請求項5】チオNAD(P)類が、チオNAD、チオニコチ
ンアミドヒポキサンチンジヌクレオチドからなる群より
選ばれるチオNAD類、又はチオNADP、チオニコチンアミ
ドヒポキサンチンジヌクレオチドホスフェートからなる
群より選ばれるチオNADP類である請求項1〜3のいずれ
かの項記載の3α−ヒドロキシ胆汁酸の高感度定量法。 - 【請求項6】次の成分〜 チオNADP類及びチオNAD類からなる群より選ばれる1
つと、NADP類及びNAD類からなる群より選ばれる1つと
を補酵素とし、少なくとも3α−ヒドロキシ胆汁酸を基
質として3−オキソ胆汁酸を生成する可逆反応をなす3
α−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、 A1、 B1、 を含有することを特徴とする3α−ヒドロキシ胆汁酸定
量用組成物。 - 【請求項7】次の成分〜 チオNADP類及びチオNAD類からなる群より選ばれる1
つと、NADP類及びNAD類からなる群より選ばれる1つと
を補酵素とし、少なくとも3α−ヒドロキシ胆汁酸を基
質として3−オキソ胆汁酸を生成する可逆反応をなす3
α−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、 A1、 B1又は/及びB2 3α−ヒドロキシ胆汁酸及びA1に作用せず、B2→B1の
反応を形成する第2のデヒドロゲナーゼ及び該第2のデ
ヒドロゲナーゼの基質、 を含有することを特徴とする3α−ヒドロキシ胆汁酸定
量用組成物。 - 【請求項8】次の成分〜及び チオNADP類及びチオNAD類からなる群より選ばれる1
つと、NADP類及びNAD類からなる群より選ばれる1つと
を補酵素とし、少なくとも3α−ヒドロキシ胆汁酸を基
質として3−オキソ胆汁酸を生成する可逆反応をなす3
α−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、 A1又は/及びA2、 B1、 3α−ヒドロキシ胆汁酸及びB1に作用せず、A2→A1の
反応を形成する第3のデヒドロゲナーゼ及び該第3のデ
ヒドロゲナーゼの基質、 を含有することを特徴とする3α−ヒドロキシ胆汁酸定
量用組成物。
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JP31320289 | 1989-12-01 | ||
JP2309412A JPH0673479B2 (ja) | 1989-12-01 | 1990-11-15 | 胆汁酸の高感度定量法および定量用組成物 |
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JPH03224498A JPH03224498A (ja) | 1991-10-03 |
JPH0673479B2 true JPH0673479B2 (ja) | 1994-09-21 |
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2309412A Expired - Fee Related JPH0673479B2 (ja) | 1989-12-01 | 1990-11-15 | 胆汁酸の高感度定量法および定量用組成物 |
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-
1990
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