JPH0673372U - Ｖ型エンジンの燃料通路構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃料供給路における燃料の温度上昇を防止し
得るような燃料通路レイアウトとすることにより、温間
再起動時におけるエンジンの始動性の向上を図る。 【構成】 Ｖ字状に配置された一対のバンク２a,２bか
らなるＶバンク２を備え、一方側のバンク２bに接続さ
れる排気管９がＶバンク２の谷部２c側方を横切るよう
に通り、一方のバンク２aの気筒群に燃料を分配供給す
る第１燃料供給路１０から他方のバンク２bの気筒群へ
燃料を分配供給する第２燃料供給路１１へ燃料が循環す
るように構成されたＶ型エンジンの燃料通路構造におい
て、前記第１燃料供給路１０の入口側１０aおよび第２
燃料供給路１１の出口側１１bを前記排気管９の配設方
向に位置せしめるとともに、前記第１燃料供給路１０に
接続された燃料供給パイプ１３は前記Ｖバンク２の谷部
２cを横切らず、前記第２燃料供給路１１に接続された
燃料還流パイプ１４が前記Ｖバンク２の谷部２cを横切
るように構成している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本願考案は、Ｖ型エンジンの燃料通路構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

Ｖ型エンジンの場合、Ｖ字状に配置された一対のバンクからなるＶバンクを備 えているため、各バンクには、それぞれの気筒群に燃料を分配供給するための燃 料供給路が形成されており、これらの燃料供給路に対して燃料の供給・還流を行 うための燃料供給パイプおよび燃料還流パイプが接続されることとなっている( 例えば、実公平３ー２１５６２号公報参照)。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、一般に、Ｖ型エンジンの場合、両バンクに接続される排気管を何処 かで合流させて車体後方へ延設する必要がある。この場合、一方側のバンクに接 続される排気管がＶバンクの谷部側方を横切るレイアウトとならざるを得ないが 、特に縦置Ｖ型エンジンの場合、エンジン後部にトランスミッションが結合され る関係から、Ｖバンクの谷部を横切る排気管はトランスミッションの上方を通る こととなる。

【０００４】 ところが、前記公知例におけるように、燃料供給パイプおよび燃料還流パイプ を一方のバンク側の燃料供給路に集中させて接続するようにした場合、両バンク の燃料供給路を接続する接続部の一つが排気管と隣接するレイアウトとなる。す ると、排気管の熱の影響をうけて該接続部より下流側の燃料供給路における燃料 温度が上昇することとなり、温間再起動時におけるエンジンの始動性が悪化する おそれがある。

【０００５】 本願考案は、上記の点に鑑みてなされたもので、燃料供給路における燃料の温 度上昇を防止し得るような燃料通路レイアウトとすることにより、温間再起動時 におけるエンジンの始動性の向上を図ることを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本願考案では、上記課題を解決するための手段として、Ｖ字状に配置された一 対のバンクからなるＶバンクを備え、一方側のバンクに接続される排気管がＶバ ンクの谷部側方を横切るように通り、一方のバンクの気筒群に燃料を分配供給す る第１燃料供給路から他方のバンクの気筒群へ燃料を分配供給する第２燃料供給 路へ燃料が循環するように構成されたＶ型エンジンの燃料通路構造において、前 記第１燃料供給路の入口側および第２燃料供給路の出口側を前記排気管の配設方 向に位置せしめるとともに、前記第１燃料供給路に接続された燃料供給パイプは 前記Ｖバンクの谷部を横切らず、前記第２燃料供給路に接続された燃料還流パイ プが前記Ｖバンクの谷部を横切るように構成している。

【０００７】

【作用】

本願考案では、上記手段によって次のような作用が得られる。

【０００８】 即ち、燃料タンクから燃料供給パイプを介して第１燃料供給路の入口側に供給 された燃料は、第１燃料供給路において一方のバンクの気筒群に分配供給された 後、第２燃料供給路において他方のバンクの気筒群に分配供給され、その後第２ 燃料供給路の出口側から燃料還流パイプを介して燃料タンクへ還流せしめられる が、Ｖバンクの谷部を横切る排気管の熱影響は、燃料還流パイプにおいてのみ作 用することとなり、第１および第２燃料供給路には作用しないこととなる。従っ て、両バンクの気筒群に分配供給される燃料の温度上昇が防止できるのである。

【０００９】

【考案の効果】

本願考案によれば、Ｖ字状に配置された一対のバンクからなるＶバンクを備え 、一方側のバンクに接続される排気管がＶバンクの谷部側方を横切るように通り 、一方のバンクの気筒群に燃料を分配供給する第１燃料供給路から他方のバンク の気筒群へ燃料を分配供給する第２燃料供給路へ燃料が循環するように構成され たＶ型エンジンの燃料通路構造において、前記第１燃料供給路の入口側および第 ２燃料供給路の出口側を前記排気管の配設方向に位置せしめるとともに、前記第 １燃料供給路に接続された燃料供給パイプは前記Ｖバンクの谷部を横切らず、前 記第２燃料供給路に接続された燃料還流パイプが前記Ｖバンクの谷部を横切るよ うに構成して、Ｖバンクの谷部を横切る排気管の熱影響が、燃料還流パイプにお いてのみ作用し、第１および第２燃料供給路には作用しないようにしたので、両 バンクの気筒群に分配供給される燃料の温度上昇が防止できることとなり、温間 再起動時におけるエンジンの始動性が大幅に向上するという実用的な効果がある 。

【００１０】

【実施例】

以下、添付の図面を参照して、本願考案の好適な実施例を説明する。

【００１１】 本実施例のエンジン１は、Ｖ字状に配置された一対のバンク２a,２bからなる Ｖバンク２を備えたＶ型縦置エンジンとされており、それぞれのバンク２a,２b には３個の気筒が設けられている。符号３は吸気管で、バンク２a,２bにおける 各気筒に吸気を供給すべく接続されている。符号４はバンク２a,２bにおける各 気筒に燃料を噴射するためのインジェクターである。

【００１２】 前記エンジン１の後部には、変速機等を備えたトランスミッション５が一体的 に付設されている。

【００１３】 前記両バンク２a,２bには、各気筒からの排気を集合させる排気マニホールド ６,７が設けられており、これらの排気マニホールド６,７に接続される排気管８ ,９は一方側のバンク２a後方において合流され、後方に延設されることとなって いる。従って、他方側のバンク２bの排気マニホールド７に接続される排気管９ は、前記Ｖバンク２の谷部２c側方であって前記トランスミッション５の上方を 横切るように通ることとなっている。

【００１４】 一方、Ｖバンク２における谷部２cの両壁(即ち、バンク２a,２bの上壁)には、 それぞれの気筒群へ燃料を分配供給する第１および第２燃料供給路１０,１１が 設けられており、第１燃料供給路１０から第２燃料供給路１１へ接続部１２を介 して燃料が循環するように構成されている。

【００１５】 そして、前記第１燃料供給路１０の入口側１０aおよび第２燃料供給路１１の 出口側１１bは前記排気管９の配設方向(換言すれば、Ｖバンク２の後方側)に位 置せしめられており、前記第１燃料供給路１０の入口側１０aに接続された燃料 供給パイプ１３は前記Ｖバンク２の谷部２cを横切らず、前記第２燃料供給路１ １の出口側１１bに接続された燃料還流パイプ１４は前記Ｖバンク２の谷部２cを 横切るように構成されている。つまり、燃料還流パイプ１４は排気管９に隣接し た状態で配管されることとなっているのである。符号１０bは第１燃料供給路１ ０の出口側、１１aは第２燃料供給路１１の入口側である。

【００１６】 上記のように構成されたエンジンの燃料供給通路においては次のような作用が 得られる。

【００１７】 燃料タンク(図示省略)から燃料供給パイプ１３を介して第１燃料供給路１０の 入口側１０aに供給された燃料は、第１燃料供給路１０において一方のバンク２a の気筒群(図示省略)に分配供給された後、第２燃料供給路１１において他方のバ ンク２bの気筒群(図示省略)に分配供給され、その後第２燃料供給路１１の出口 側１１bから燃料還流パイプ１４を介して燃料タンクへ還流せしめられるが、Ｖ バンク２の谷部２cを横切る排気管９の熱影響は、燃料還流パイプ１４において のみ作用することとなり、第１および第２燃料供給路１０,１１には作用しない こととなっている。従って、両バンク２a,２bの気筒群に分配供給される燃料の 温度上昇が防止できることとなり、温間再起動時におけるエンジンの始動性が大 幅に向上する。なお、燃料還流パイプ１４に対して排気管９の熱影響があり、還 流燃料の温度上昇が懸念されるが、燃料タンクへ還流燃料が到達するまでの間に 冷却できるため問題とならない。

【００１８】 本願考案は、上記実施例の構成に限定されるものではなく、考案の要旨を逸脱 しない範囲において適宜設計変更可能なことは勿論である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願考案の実施例にかかる燃料通路構造を備え
た自動車用エンジンの平面図である。

【図２】本願考案の実施例にかかる燃料通路構造を備え
た自動車用エンジンの背面図である。

【符号の説明】

１はエンジン、２はＶバンク、２a,２bはバンク、５は
トランスミッション、６,７は排気マニホールド、８,９
は排気管、１０は第１燃料供給路、１０aは入口側、１
０bは出口側、１１は第２燃料供給路、１１aは入口側、
１１bは出口側、１３は燃料供給パイプ、１４は燃料還
流パイプ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｆ０２Ｍ 37/00 ３３１ Ｚ 7049−3Ｇ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 Ｖ字状に配置された一対のバンクからな
   るＶバンクを備え、一方側のバンクに接続される排気管
   がＶバンクの谷部側方を横切るように通り、一方のバン
   クの気筒群に燃料を分配供給する第１燃料供給路から他
   方のバンクの気筒群へ燃料を分配供給する第２燃料供給
   路へ燃料が循環するように構成されたＶ型エンジンの燃
   料通路構造であって、前記第１燃料供給路の入口側およ
   び第２燃料供給路の出口側が前記排気管の配設方向に位
   置せしめられており、前記第１燃料供給路に接続された
   燃料供給パイプは前記Ｖバンクの谷部を横切らず、前記
   第２燃料供給路に接続された燃料還流パイプが前記Ｖバ
   ンクの谷部を横切ることとされていることを特徴とする
   Ｖ型エンジンの燃料通路構造。