JP2015124669A - 内燃機関の構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気ガス再循環装置を組み付ける際に組み付け応力が大きくなる問題を解消する。
【解決手段】排気ガス再循環装置(EGR装置2)が付帯した内燃機関において、排気ガス再循環通路(EGR通路)のうち排気ガス再循環弁(EGR弁23)と吸気マニホルド34との間の部分を、下流に向けて順次分岐し排気ガス(EGRガス)を各気筒に分配する排気分配通路24とし、前記排気分配通路24の前記EGR弁23との接続部である接続フランジ24a1から最上流の分岐箇所までの部位を、該排気分配通路24の他の部位よりも剛性が低い低剛性部24a2とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両に搭載される内燃機関の構造に関する。
従来より、複数の気筒に排気通路からの排気ガス(以下、EGRガスと称する)を均等に分配し、排気ガス再循環を行うことによる効果を好適に得ることを目的とする構成が知られている。例として、排気ガス再循環通路(以下、EGR通路と称する)のうち、排気ガス再循環弁(以下、EGR弁と称する)より下流の部分が、いわゆるトーナメント方式の構成を有する、すなわち下流に向けて順次分岐している排気分配通路であるものが挙げられる(例えば、特許文献1を参照)。
ところで、トーナメント方式の排気分配通路は複数の樹脂部品を溶着して形成していることが多く、各部品にはそれぞれ公差が存在する。加えて、排気ガス再循環装置(以下、EGR装置と称する)を構成する部品には、排気分配通路の他に、EGR弁や、排気通路から排気分配通路までの還流路であるEGRパイプといったものもあり、これらの部品にもそれぞれ公差が存在する。
そのため、EGR装置を内燃機関本体に組み付けるときに部品相互の位置のズレが蓄積され、最終工程において、接続すべき2つの部品の間の位置のズレ、換言すれば締結部の位置公差が大きくなることがある。この際に、接続すべき2つの部品の少なくとも一方を他方に対して全体的に変位させることにより締結部の位置公差を吸収させる必要が生じ、組み付け応力が大きくなるという問題が存在する。
さらに、内燃機関を横置き(クランクシャフトが車両の巾方向に伸びるように配置)かつ前方排気(排気ポートが前方に開口している)の態様でマウントした車両が衝突すると、内燃機関が車体に対して後方に相対移動し、EGR弁及び排気分配通路は内燃機関本体に対して後方に位置しているので、該内燃機関の後方に位置するカウル等の部品とEGR弁及び排気分配通路が干渉する。これに伴い、排気分配通路が前方に押しやられて燃料供給部に接触し、燃料供給部が損傷するおそれがある。
しかし、前段で述べた不都合を防止又は抑制すべく排気分配通路と燃料供給部との間にガード用部品を設けると、部品点数や組み立て工数が増大し、コスト面で不利となる。
特開2012−225170号公報
本発明は、以上に述べたうち、少なくとも、排気ガス再循環装置を組み付ける際に組み付け応力が大きくなる問題を解消することを目的とする。
以上の課題を解決すべく、本発明に係る内燃機関の構造は、以下に述べるような構成を有する。すなわち本発明に係る内燃機関の構造は、排気ガス再循環装置が付帯した内燃機関の構造であって、排気ガス再循環通路のうち排気ガス再循環弁と吸気マニホルドとの間の部分を、下流に向けて順次分岐し排気ガスを各気筒に分配する排気分配通路とし、前記排気分配通路の前記排気ガス再循環弁との接続部から最上流の分岐箇所までの部位を、該排気分配通路の他の部位よりも剛性が低い低剛性部としている。
このようなものであれば、排気ガス再循環装置を組み付ける際に、低剛性部を変形させることによって位置公差、換言すれば寸法誤差を吸収することができる。従って、組付けの際の組み付け応力を低減することができる。
また、内燃機関を横置きかつ前方排気の態様でマウントした車両において、このような車両が衝突すると排気分配通路が燃料供給部に接触し燃料供給部が損傷する問題を、部品点数や組み立て工数の増大を招くことなく解決するには、前記排気分配通路よりも車両における前方側かつ前記排気分配通路の低剛性部よりも下方に燃料供給部を配する構成を採用するとよい。このようなものであれば、燃料供給部よりも上方に位置する低剛性部が屈曲ないし破断することとなるので、排気分配通路が燃料供給部と干渉することを防止できるからである。
なお、本発明において、「燃料供給部」とは、燃料デリバリパイプやインジェクタといった、燃料を燃料タンクから吸気通路又は燃焼室に供給するための部位全般を含む概念である。
本発明によれば、排気ガス再循環装置を組み付ける際に組み付け応力が大きくなる問題を解消することができる。
本発明の一実施形態に係る内燃機関の車両の方向を基準とした左側面図(内燃機関の背面図)。 同実施形態に係る内燃機関を示す車両の方向を基準とした背面図(内燃機関の右側面図)。 図1に係る要部を示す拡大図。 同実施形態に係る内燃機関の要部を示す車両の方向を基準とした右側面図(内燃機関の要部の正面図)。 同実施形態に係る内燃機関の要部を示す拡大斜視図。
本発明の一実施形態を、図1〜図5を参照しつつ以下に示す。なお、本実施形態では、「前方」、「後方」、「左側」及び「右側」は、いずれも車両の方向を基準とする。
本実施形態の内燃機関は、図1〜図2に示すように、車両の前部に配され、内部をピストンが昇降可能なシリンダボアを有するシリンダブロック1aと、シリンダブロック1aの上方を被覆するシリンダヘッド1bと、シリンダヘッド1bの吸気ポート14に連通し吸気を供給する吸気通路3と、シリンダヘッド1bの排気ポート15に連通し排気を排出する排気通路4と、排気通路4から吸気通路3に向けて排気ガス(以下、EGRガスと称する)を還流させる排気ガス再循環装置(以下、EGR装置2と称する)とを備えており、横置き(クランクシャフトが車両の巾方向に伸びるように配置)かつ前方排気(排気ポートが前方に開口している)の態様でマウントされている。
シリンダブロック1aは、複数、例えば4つの図示しないシリンダボアを車両の巾方向、換言すれば左右方向に並べて配置した構成を有する。
シリンダヘッド1bは、図1及び図3に示すように、後方に開口する吸気ポート14と、前方に開口する排気ポート15とを有する。また、吸気ポート14近傍には、燃料を噴射するインジェクタ11を設けている。インジェクタ11には、図示しない燃料タンクから燃料デリバリパイプ16を経て燃料が供給される。インジェクタ11及び燃料デリバリパイプ16は、請求項中の燃料供給部を構成している。
吸気通路3上には、図示しないエアクリーナ、図示しないスロットルバルブ、図示しないサージタンク及びシリンダヘッド1bの吸気ポート14に固定された吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
排気通路4上には、図1に示すように、シリンダヘッド1bの排気ポート15に固定された排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
EGR装置2は、図1、図2及び図5に示すように、排気通路4と吸気通路3とを連通する、より具体的には排気通路4の三元触媒41の下流側と吸気通路3の吸気マニホルド34とを連通する排気ガス再循環通路(以下、EGR通路21と称する)と、EGR通路21中に設けられEGRガスを冷却するための排気ガス冷却装置(以下、EGRクーラ22と称する)と、EGRクーラ22の下流側に接続されてEGR通路21を開閉し当該EGR通路21を流れるEGRガスの流量を制御する排気ガス再循環弁(以下、EGR弁23と称する)とを備える。EGR弁23は、EGRブラケット29を介してシリンダヘッド1bに支持固定させている。
EGR通路21は、図1、図2及び図5に示すように、EGRクーラ22より上流の部分、換言すれば排気通路4とEGRクーラ22との間の部分を構成する金属製のEGRパイプ25と、EGR弁23より下流の部分、換言すればEGR弁23と吸気マニホルド34との間の部分を構成する樹脂製の排気分配通路24とからなる。
排気分配通路24は、図2〜図4に示すように、下流に向けて順次分岐しEGRガスを各気筒に分配する、いわゆるトーナメント方式のものである。具体的には、上部に位置しており最上流端にEGR弁23との接続部である接続フランジ24a1を有するEGRガス導入部24aと、下部に位置しておりEGRガス導入部24aの最下流端からそれぞれ分岐している第1の分岐通路24b及び第2の分岐通路24cとを備えている。また、この排気分配通路24は、内燃機関全体のコンパクト化を図るべく、上方に向かうほど車両の前方に向かう側に傾斜している。
EGRガス導入部24aは、接続フランジ24a1から最上流の分岐箇所までの部位であり、燃料デリバリパイプ16よりも上方に位置している。換言すれば、燃料デリバリパイプ16は、EGRガス導入部24aよりも下方かつ排気分配通路24よりも車両における前方側に配している。
第1の分岐通路24bは、EGRガス導入部24aの最下流端に接続する基部24b1と、基部24b1の最下流端からそれぞれ分岐しておりそれぞれ吸気マニホルド34に接続している第1の先端部24b2及び第2の先端部24b3とを備えている。
第2の分岐通路24cは、EGRガス導入部24aの最下流端に接続する基部24c1と、基部24c1の最下流端からそれぞれ分岐しておりそれぞれ吸気マニホルド34に接続している第3の先端部24c2及び第4の先端部24c3とを備えている。
本実施形態では、EGR弁23との接続部から最上流の分岐箇所までの部位、具体的にはEGRガス導入部24aのうち接続フランジ24a1を除く部分(図面中で網点を付した部位)の剛性を、該排気分配通路24の他の部位すなわち第1及び第2の分岐通路24b、24cよりも低くしている。すなわち、EGRガス導入部24aのうち接続フランジ24a1を除く部分を、低剛性部24a2としている。さらに詳述すると、図2及び図3に示すように、EGRガス導入部24aの長さを分岐通路24b、24cの長さよりも長くしているとともに、EGRガス導入部24aのうち接続フランジ24a1を除く部分を分岐通路24b、24cよりも薄肉に形成することにより、該部分を他の部位すなわち分岐通路24b、24cよりも剛性が低い低剛性部24a2としている。
EGR装置2の組付けは、例えば、以下に述べる手順により行われる。まず、排気通路4の三元触媒41の下流側にEGRパイプ25の最上流端を接続し、EGRパイプ25の最下流端にEGRクーラ22を接続し、EGRクーラ22の下流側に隣接させてEGR弁23を接続し、EGRブラケット29を介してEGR弁23をシリンダヘッド1bに支持固定させる。次いで、吸気マニホルド34に排気分配通路24の第1〜第4の先端部23b、23c、24b、24cの最下流端をそれぞれ接続する。そして、排気分配通路24の低剛性部24a2を弾性変形させて各部品の位置公差を吸収させつつ排気分配通路24の接続フランジ24a1とEGR弁23とを接続する。
なお、EGR装置2の各部品の組付けの順序は任意であるが、最終の工程において排気分配通路24の低剛性部24a2が弾性変形することにより各部品の位置公差が吸収されるのは、前段で述べた順序を採用したときと同様である。
また、本実施形態の内燃機関を搭載した車両が他の車両等の物体に衝突した際には、内燃機関の後方に位置するカウル9等の部品と排気分配通路24の上部、換言すれば低剛性部24a2が干渉し、この低剛性部24a2を含むEGRガス導入部24aが屈曲しつつ前方に押し出される。図3に示すように、排気分配通路24のEGRガス導入部24aは燃料デリバリパイプ16よりも上方に、換言すれば燃料デリバリパイプ16は排気分配通路24のEGRガス導入部24aよりも下方に配されているとともに、燃料デリバリパイプ16は排気分配通路24よりも車両における前方側に配されている。従って、排気分配通路24のEGRガス導入部24aが屈曲しつつ前方に押し出されても、燃料デリバリパイプ16が排気分配通路24と干渉することはない。
以上に述べたように、本実施形態によれば、EGR装置2を組み付ける際に排気分配通路24の低剛性部24a2を変形させることにより各部品の位置公差、換言すれば寸法誤差を吸収できるので、組付けの際の組み付け応力を低減することができる。
加えて、EGRブラケット29を介してEGR弁23をシリンダヘッド1bに支持固定しているので、EGR弁23に接続する排気分配通路24に低剛性部24a2を設けているにも関わらずEGR弁23を安定してシリンダヘッド1bに保持させておくことができる。
さらに、排気分配通路24よりも車両における前方側かつ排気分配通路24のEGRガス導入部24aよりも下方に燃料デリバリパイプ16を配しているので、車両が衝突した際にはEGRガス導入部24aが屈曲ないし破断することにより、排気分配通路24が燃料デリバリパイプ16と接触することを防止できる。従って、車両が衝突した際に排気分配通路24が燃料デリバリパイプ16に接触し燃料デリバリパイプ16が損傷する問題を、部品点数や組み立て工数の増大を招くことなく解決することができる。
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限らない。
例えば、排気ガス再循環通路のうち排気ガス再循環弁と吸気マニホルドとの間の部分を、下流に向けて順次分岐し排気ガスを各気筒に分配する排気分配通路としている構成の内燃機関においては、横置きかつ後方排気の態様でマウントされるものや縦置き態様でマウントされるものであっても、排気ガス再循環弁との接続部から最上流の分岐箇所までの部位を、該排気分配通路の他の部位よりも剛性が低い低剛性部とすることにより、少なくとも部品の大型化や部品点数の増加を招くことなく、組付けの際の組み付け応力を低減することができる。
また、2〜3気筒又は5気筒以上を有する内燃機関においても、排気ガス再循環通路のうち排気ガス再循環弁と吸気マニホルドとの間の部分を、下流に向けて順次分岐し排気ガスを各気筒に分配する排気分配通路とし、排気分配通路の排気ガス再循環弁との接続部から最上流の分岐箇所までの部位を該排気分配通路の他の部位よりも剛性が低い低剛性部とすれば、本発明にかかる効果は得られる。
加えて、排気ガス再循環通路が排気通路の三元触媒の上流側と吸気通路の吸気マニホルドとを連通する構成を備えている内燃機関に本発明を適用してももちろんよい。
そして、低剛性部を形成するための態様としては、排気分配通路の全体の肉厚を均一とした上で排気ガス再循環弁との接続部から最上流の分岐箇所までの部位の長さを最上流の分岐箇所から吸気通路との接続部までの長さより長くするものや、排気ガス再循環弁との接続部から最上流の分岐箇所までの部位の少なくとも一部を排気分配通路の他の部位よりも薄肉にするものも挙げられる。
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変更してよい。
2…排気ガス再循環装置(EGR装置)
21…排気ガス再循環通路(EGR通路)
23…排気ガス再循環弁(EGR弁)
24…排気分配通路
24a2…低剛性部
3…吸気通路
34…吸気マニホルド
4…排気通路

Claims (2)

  1. 排気ガス再循環装置が付帯した内燃機関の構造であって、
    排気ガス再循環通路のうち排気ガス再循環弁と吸気マニホルドとの間の部分を、下流に向けて順次分岐し排気ガスを各気筒に分配する排気分配通路とし、
    前記排気分配通路の前記排気ガス再循環弁との接続部から最上流の分岐箇所までの部位を、該排気分配通路の他の部位よりも剛性が低い低剛性部としていることを特徴とする内燃機関の構造。
  2. 前記排気分配通路よりも車両における前方側かつ前記排気分配通路の低剛性部よりも下方に燃料供給部を配していることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の構造。
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