JPH0673331A - 塗料用樹脂組成物及び塗料 - Google Patents

塗料用樹脂組成物及び塗料

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JPH0673331A
JPH0673331A JP18224092A JP18224092A JPH0673331A JP H0673331 A JPH0673331 A JP H0673331A JP 18224092 A JP18224092 A JP 18224092A JP 18224092 A JP18224092 A JP 18224092A JP H0673331 A JPH0673331 A JP H0673331A
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JP
Japan
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meth
group
general formula
acrylate
polymerizable unsaturated
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Application number
JP18224092A
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English (en)
Inventor
Kuniaki Sato
邦明 佐藤
Tsutomu Mamiya
勉 間宮
Takashi Amano
高志 天野
Akira Hironaka
朗 弘中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(I)で示される基及び加水分解した
後にカルボキシル基を発生する特定の基を有するビニル
系重合体(A)と、(A)を溶解している溶媒中で重合
性不飽和化合物を重合させて得られる、該溶媒に不溶な
ビニル系重合体粒子(B)を含有してなる塗料用樹脂組
成物、並びに得られる塗料用樹脂組成物を含有してなる
塗料。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗料として用いられる
非水分散型の樹脂組成物及び得られる非水分散型樹脂組
成物を含有してなる塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】建築外装用のモルタル、スレ−ト、コン
クリ−ト等に使用される塗料には、高度の耐久性、即ち
耐候性、耐水性、耐湿性、耐アルカリ性、耐酸性等が要
求される。アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステ
ルを主成分とする共重合体、いわゆる溶剤型アクリル系
樹脂を展色剤として使用する塗料は、塗装作業性に優
れ、耐久性も良好なことから、建築外装用に使用されて
いる。しかし、塗装に際しては、多量のトルエン及びキ
シレンを主成分とするシンナ−を使用するため、人体、
環境への有害性といった問題がある。また、外装塗膜の
補修として当該塗料を使用した場合、トルエン及びキシ
レンは溶解力が強いので、下地の塗膜を侵しリフティン
グ現象等を起こし、補修用としては使いにくい点があ
る。一方、補修性の問題や人体、環境への有害性を改良
した塗料として、水を媒体とするアクリルエマルジョン
樹脂を用いた塗料もあるが、建築外装用としては、耐久
性、特に耐水性、耐湿性に劣るため、実用上問題があ
る。
【0003】上記の溶剤型アクリル系樹脂とアクリルエ
マルジョン樹脂の中間的性質を有する樹脂として非水分
散型アクリル系樹脂がある。非水分散型アクリル系樹脂
は、脂肪族炭化水素の溶媒または脂肪族炭化水素主成分
の溶媒を使用するため、従来の溶剤型アクリル系樹脂に
比べて、人体、環境への有害性が小さく、親水力の強い
乳化剤を含まないため、耐久性も良好である。このよう
な特長を有する非水分散型アクリル系樹脂であるが、耐
候性は溶剤型のアクリルウレタン塗料、フッ素樹脂等に
比べると不足しており、特性の向上が要求されている。
【0004】一方、シリコン樹脂は耐熱性、耐候性等に
優れており、その特長を活かしたシリコン変性アクリル
樹脂を塗料に使用する試みがなされている。特公昭63
−443号公報には、シリル基を有する溶剤型アクリル
系樹脂を酸性触媒及び/又は塩基性触媒のもとに、加水
分解/縮合させる方法が示されている。この方法では、
一般的な溶剤型アクリル系樹脂と同様にトルエン及びキ
シレンを主成分とするシンナ−を使用しているため、補
修性の問題や人体、環境への有害性がある。また、特開
昭62−116605号公報には、アルコキシポリシロ
キサン樹脂の存在下で、アクリル酸エステル及びメタク
リル酸エステルを重合させ、非水分散型アクリル系樹脂
を製造する方法が示されている。この方法では、非水分
散体は得られるものの、分散安定性に乏しく造膜性も不
十分である。さらに、アルコキシシラン基含有重合体の
存在下で非水分散型アクリル樹脂を作り、硬化触媒を配
合する方法が、特開昭64−75502号公報、特開平
1−95116号公報に開示されている。しかし、この
方法は、樹脂の分散安定性が悪く、その他の特性も充分
なものとはいい難い。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の問題を
解決するものであり、分散安定性に優れ、他の特性も充
分な塗料用樹脂組成物及び塗料に関する。本発明は、一
般式(I)で示される基及び、一般式(II)で示される
基、一般式(III)で示される基又は一般式(IV)で示
される基
【0006】
【化2】 (式中、R1及びR2は水素原子、アルキル基、アリ−ル
基またはアラルキル基であり、Xはハロゲン原子、アル
コキシ基、アシロキシ基またはヒドロキシ基であり、R
1、R2又はXは、複数ある場合、各々相違することもあ
り、Yはハロゲン原子、トリハロメチル基またはシアノ
基であり、lは1〜3の整数であり、mは0または1〜
3の整数であり、nは1〜3の整数である)を有するビ
ニル系重合体(A)と、(A)を溶解している溶媒中
で、重合性不飽和化合物を重合させて得られる、該溶媒
に不溶なビニル系重合体粒子(B)を含有してなる塗料
用樹脂組成物並びに得られる塗料用樹脂組成物を含有し
てなる塗料に関する。
【0007】本発明において、一般式(I)で示される
基及び一般式(II)、一般式(III)または一般式(IV)
で示される加水分解した後にカルボキシル基を発生する
基を有するビニル系重合体(A)は、公知の方法により
製造できる。その方法としては、例えば、 1)一般式(I)で示される基と重合性不飽和二重結合
を有する化合物及び一般式(II)、一般式(III)また
は一般式(IV)で示される基と重合性不飽和二重結合を
有する化合物とを共重合させる方法、 2)一般式(II)、一般式(III)または一般式(IV)
で示される基と、反応性官能基を有するビニル系重合体
を製造し、次いで該官能基と反応する官能基を有し、一
般式(I)の基を有するシラン化合物を反応させる方法
等がある。 前者は、一般式(I)で示される基と重合性不飽和二重
結合を有する化合物及び一般式(II)、一般式(III)
または一般式(IV)で示される基と重合性不飽和二重結
合を有する化合物とを、必要に応じてその他の重合性不
飽和化合物と共重合させる方法である。一般式(I)で
示される基と重合性不飽和二重結合を有する化合物とし
ては、例えば、下記一般式(V)、一般式(VI)または
一般式(VII)で示される重合性不飽和化合物が好まし
いものとしてあげられる。
【0008】
【化3】 (式中、R3、R4及びR5は、水素原子、アルキル基、
アリ−ル基またはアラルキル基であり、R6は水素原子
またはメチル基であり、R7は2価の有機基(好ましく
は炭化水素基)であり、Aは−COO−またはフェニレ
ン基であり、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アシロ
キシ基またはヒドロキシ基であり、R3、R4、R5又は
Xは、複数ある場合、各々相違することもあり、aは0
〜20の整数であり、lは1〜3の整数である)
【0009】本発明における一般式(V)で示される重
合性不飽和化合物としては、例えば、トリメトキシビニ
ルシラン、トリエトキシビニルシラン、ジメトキシメチ
ルビニルシラン、ビニルトリクロロシラン、トリス(エ
チルメチルケトキシム)ビニルシラン、トリアセトキシ
ビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、1,1
−ジメチル−3,3,3−トリメトキシ−1−ビニルジ
シロキサン、1,1,3−トリメチル−3,3−ジメト
キシ−1−ビニルジシロキサン、1,1,3,3−テト
ラメチル−3−メトキシ−1−ビニルジシロキサン、
1,1,3,3−テトラメチル−5,5,5−トリエト
キシ−1−ビニルトリシロキサン、1,1,3,3,
5,5−ヘキサメチル−7,7,7−トリメトキシ−1
−ビニルテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,
7,7−オクタメチル−9,9,9−トリメトキシ−1
−ビニルペンタシロキサン等が挙げられる。
【0010】本発明における一般式(VI)で示される重
合性不飽和化合物としては、例えば、アリルトリメトキ
シシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリクロ
ロシラン、アリルメチルジメトキシシラン、アリルメチ
ルジクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、3−
アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、1−アリル
−1,1−ジメチル−3,3,3−トリメトキシジシロ
キサン、1−アリル−1,1,3,3−テトラメチル−
3−メトキシジシロキサン、1−アリル−1,3−ジメ
チル−−1,3−ジフェニル−3−メトキシジシロキサ
ン、1−アリル−1,1,3,3,5,5−ヘキサメチ
ル−7,7,7−トリメトキシジシロキサン等が挙げら
れる。
【0011】本発明における一般式(VII)で示される
重合性不飽和化合物としては、例えば、γ−(メタ)ア
クリロキシエチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)ア
クリロキシエチルトリエトキシシラン、γ−(メタ)ア
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)
アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メ
タ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラ
ン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキ
シシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチル
エトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルト
リクロロシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメ
チルジクロロシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピ
ルジメチルクロロシラン、γ−(メタ)アクリロキシプ
ロピルトリプロピオキシシラン、γ−(メタ)アクリロ
キシプロピルメチルジプロピオキシシラン、γ−(メ
タ)アクリロキシプロピルトリブトキシシラン、γ−
(メタ)アクリロキシブチルトリメトキシシラン、γ−
(メタ)アクリロキシペンチルトリメトキシシラン、γ
−(メタ)アクリロキシヘキシルトリメトキシシラン、
γ−(メタ)アクリロキシヘキシルトリエトキシシラ
ン、γ−(メタ)アクリロキシオクチルトリメトキシシ
ラン、γ−(メタ)アクリロキシデシルトリメトキシシ
ラン、γ−(メタ)アクリロキシドデシルトリメトキシ
シラン、γ−(メタ)アクリロキシオクタデシルトリメ
トキシシラン、
【化4】 1−(メタ)アクリロキシプロピル−1,1,3,3−
テトラメチル−3−メトキシジシロキサン、1−(メ
タ)アクリロキシプロピル−1,1,3,3,5,5−
ヘキサメチル−5−メトキシトリシロキサン、1−(メ
タ)アクリロキシプロピル−1,1−ジメチル−3,
3,3−トリメトキシジシロキサン等が挙げられる。な
お、(メタ)アクリロキシとは、アクロキシ又はメタク
リロキシの意味である(以下、同様)。これらの一般式
(V)、一般式(VI)または一般式(VII)で示される
重合性不飽和化合物は、一種または二種以上が使用でき
る。
【0012】本発明における一般式(II)で示される基
と重合性不飽和二重結合を有する化合物としては、例え
ば、(メタ)アクリロキシトリメチルシラン、(メタ)
アクリロキシトリエチルシラン、(メタ)アクリロキシ
トリブチルシラン、(メタ)アクリロキシトリフェニル
シラン、(メタ)アクリロキシジメチルフェニルシラ
ン、(メタ)アクリロキシジフェニルメチルシラン、
(メタ)アクリロキシトリメトキシシラン、(メタ)ア
クリロキシトリクロロシシラン、(メタ)アクリロキシ
トリエトキシシラン等が挙げられる。
【0013】本発明における一般式(III)で示される
基と重合性不飽和二重結合を有する化合物としては、例
えば、トリメチル錫(メタ)アクリレ−ト、トリエチル
錫(メタ)アクリレ−ト、トリブチル錫(メタ)アクリ
レ−ト、トリフェニル錫(メタ)アクリレ−ト等が挙げ
られる。なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレー
ト又はメタクリレートの意味である(以下、同様)。
【0014】本発明における一般式(IV)で示される基
と重合性不飽和二重結合を有する化合物としては、例え
ば、2,2,2−トリフルオロメチル(メタ)アクリレ
−ト、2−フルオロメチル(メタ)アクリレ−ト、2−
クロロメチル(メタ)アクリレ−ト、2−ブロモメチル
(メタ)アクリレ−ト、2−シアノメチル(メタ)アク
リレ−ト、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)ア
クリレ−ト、2−フルオロエチル(メタ)アクリレ−
ト、2−クロロエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ブロ
モエチル(メタ)アクリレ−ト、2−シアノエチル(メ
タ)アクリレ−ト、2,2,2−トリフルオロプロピル
(メタ)アクリレ−ト、2−フルオロプロピル(メタ)
アクリレ−ト、2−クロロプロピル(メタ)アクリレ−
ト、2−ブロモプロピル(メタ)アクリレ−ト、2−シ
アノプロピル(メタ)アクリレ−ト、2,2,2−トリ
フルオロブチル(メタ)アクリレ−ト、2−フルオロブ
チル(メタ)アクリレ−ト、2−クロロブチル(メタ)
アクリレ−ト、2−ブロモブチル(メタ)アクリレ−
ト、2−シアノブチル(メタ)アクリレ−ト、2−シア
ノヘキシル(メタ)アクリレ−ト、2−シアノオクチル
(メタ)アクリレ−ト等が挙げられる。これらの一般式
(II)で示される基、一般式(III)で示される基また
は一般式(IV)で示される基と重合性不飽和二重結合を
有する化合物は、一種または二種以上が使用できる。
【0015】また、本発明における一般式(I)で示さ
れる基と重合性不飽和二重結合を有する化合物及び一般
式(II)で示される基、一般式(III)で示される基ま
たは一般式(IV)で示される基と重合性不飽和二重結合
を有する化合物は、アクリル酸エステル及び/又はメタ
クリル酸エステルなどの重合性不飽和化合物と共重合さ
せることができる。得られるビニル系重合体(A)は脂
肪族炭化水素の有機溶媒または脂肪族炭化水素を主成分
とする有機溶媒に溶解するように調整される。そのため
には、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルと
して具体的に、n−ブチル(メタ)アクリレ−ト、te
rt−ブチル(メタ)アクリレ−ト、iso−ブチル
(メタ)アクリレ−ト、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレ−ト、ラウリル(メタ)アクリレ−ト、ヘキシル
(メタ)アクリレ−ト、シクロヘキシル(メタ)アクリ
レ−ト、オクチル(メタ)アクリレ−ト、イソボルニル
(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)ア
クリレート等のアルキル基炭素数が4以上のアクリル酸
エステル又はメタクリル酸エステルの1種又は2種以上
を主成分として共重合することが好ましい。
【0016】また、こうして得られるビニル系重合体
(A)が脂肪族炭化水素の有機溶媒または脂肪族炭化水
素を主成分とする有機溶媒に溶解するよう選択されれ
ば、メチル(メタ)アクリレ−ト、エチル(メタ)アク
リレ−ト、n−プロピル(メタ)アクリレ−ト、iso
−プロピル(メタ)アクリレ−ト等のアルキル基炭素数
が3以下のアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレ−ト等の水酸基含有(メタ)アク
リレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレ−ト、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アク
リレ−ト、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)ア
クリレ−ト等のアミノ基含有(メタ)アクリレートを共
重合することもできる。更に、その他の重合性不飽和化
合物として、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルス
チレン等の置換スチレン類、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、アクリロニトリル、アクリルアミド等を併用するこ
ともできる。
【0017】本発明における一般式(I)で示される基
と重合性不飽和二重結合を有する化合物と、一般式(I
I)、一般式(III)または一般式(IV)で示される基と
重合性不飽和二重結合を有する化合物と、その他の重合
性不飽和化合物とを共重合させる割合は、一般式(I)
で示される基と重合性不飽和二重結合を有する化合物2
〜50重量%、一般式(II)、一般式(III)または一
般式(IV)で示される基と重合性不飽和二重結合を有す
る化合物0.5〜10重量%とを、その他の重合性不飽
和化合物との合計で100重量%となるように配合する
のが好ましい。
【0018】一般式(I)で示される基と重合性不飽和
二重結合を有する化合物の割合が、2重量%未満では耐
久性の良好な塗料が得られにくい。また、50重量%を
超えると、ビニル系重合体(A)が脂肪族炭化水素の有
機溶媒または脂肪族炭化水素を主成分とする有機溶媒に
不溶となり、続いて行われる重合における分散剤として
の効果がなくなる傾向にある。一般式(II)、一般式
(III)または一般式(IV)で示される基と重合性不飽
和二重結合を有する化合物の割合が、0.5重量%未満
では、一般式(I)で示される基の縮合反応(硬化反
応)が十分に進まず、耐久性の良好な塗料が得られにく
い、また、10重量%を超えると、ビニル系重合体
(A)が脂肪族炭化水素の有機溶媒または脂肪族炭化水
素を主成分とする有機溶媒に不溶となり、続いて行われ
る重合における分散剤としての効果がなくなる傾向にあ
る。
【0019】ビニル系重合体(A)の重合に使用される
重合開始剤としては、例えば、イソブチルパ−オキサイ
ド、ラウロイルパ−オキサイド、3,5,5−トリメチ
ルヘキサノイルパ−オキサイド、オクタノイルパ−オキ
サイド、t−ブチルクミルパ−オキサイド、ベンゾイル
パ−オキサイド、ジクロルベンゾイルパ−オキサイド、
ジクミルパ−オキサイド、ジ−t−ブチルパ−オキサイ
ド、1,1−ビス(t−ブチルパ−オキシ)−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン、3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキサノンパ−オキサイド、メチルシクロヘキ
サノンパ−オキサイド、ジ−イソブチルパ−オキシジカ
−ボネ−ト、ジ−2−エチルヘキシルパ−オキシジカ−
ボネ−ト、2,5−ジ−メチル−2,5−ビス(2−エ
チルヘキサノイルパ−オキシ)ヘキサン、1,1−ビス
(t−ヘキシルパ−オキシ)−3,3,5−トリメチル
シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパ−オキ
シ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパ−オ
キシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパ−
オキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパ−オキサイド、
クメンハイドロパ−オキサイド、ジ−イソプロピルベン
ゼンハイドロパ−オキサイド、メチルエチルケトンパ−
オキサイド、シクロヘキサノンパ−オキサイド、t−ブ
チルパ−オキシ−2−エチルヘキサノエ−ト、1,1,
3,3−テトラメチルブチルパ−オキシ−2−エチルヘ
キサノエ−ト、t−ヘキシルパ−オキシ−2−エチルヘ
キサノエ−ト、t−ブチルパ−オキシイソブチレ−ト等
の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、ジメチ
ルアゾジイソブチレ−ト、2,2−アゾビス(2,4−
ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス(2−メ
チルブチロニトリル)等のアゾ系化合物があり、1種又
は2種以上が使用できる。この使用量は、ビニル系重合
体(A)の目的とする分子量により決められるものであ
るが、通常、全単量体に対して0.1〜10.0重量%
が好ましい。
【0020】ビニル系重合体(A)の重合は、溶液重
合、懸濁重合、乳化重合、塊状重合等公知の重合法が可
能であるが、次の重合工程にそのまま供することができ
る溶液重合が最も好ましい。この溶液重合は、脂肪族炭
化水素の有機溶媒または脂肪族炭化水素を主成分とする
有機溶媒中で行われる。脂肪族炭化水素としては、例え
ば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン
等の直鎖状脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシ
クロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロヘプタン
等の環状脂肪族炭化水素が挙げられる。また、混合溶媒
であるミネラルスピリット、ミネラルシンナ−、ペトロ
リウムスピリット、ホワイトスピリット、ミネラルタ−
ペンも使用可能である。また、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル
類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン等のケトン類、メタノ−ル、エタノ−ル、プロパ
ノ−ル、ブタノ−ル等のアルコ−ル類を加えることも可
能である。これら脂肪族炭化水素以外の有機溶媒を加え
る範囲は、全有機溶媒に対して30重量%以下とするこ
とが好ましい。
【0021】次に、ビニル系重合体(A)を得る方法と
して、前記2)の一般式(II)、一般式(III)または
一般式(IV)で示される基と反応性官能基を有するビニ
ル系重合体に、該官能基と反応する官能基を有し、かつ
一般式(I)の基を有するシラン化合物を反応させる方
法について説明する。本法は、カルボキシル基、水酸
基、アミド基、エポキシ基等の官能基を有するビニル系
重合体を製造し、次いでこれに一般式(VII)
【化5】 (式中、R8はアルキル基、アリ−ル基またはアラルキ
ル基であり、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アシロ
キシ基またはヒドロキシ基であり、Zはカルボキシル
基、水酸基、アミド基、エポキシ基等の官能基と反応す
る官能基であり、lは1〜3の整数である)で示される
化合物を反応させる方法である。
【0022】カルボキシル基、水酸基、アミド基、エポ
キシ基等の官能基を有するビニル系重合体の出発原料
は、カルボキシル基、水酸基、アミド基、エポキシ基等
の官能基と重合性不飽和二重結合を有する化合物であ
り、これと前記した一般式(II)、一般式(III)、ま
たは一般式(IV)で示される基と重合性不飽和二重結合
を有する化合物と、その他の重合性不飽和化合物とを共
重合させる。これらの官能基と重合性不飽和二重結合を
有する化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレ−ト、(メタ)アクリルアミド、グリシジ
ル(メタ)アクリレ−ト等が挙げられる。カルボキシル
基、水酸基、アミド基、エポキシ基等の官能基と重合性
不飽和二重結合を有する化合物(前者)と一般式(I
I)、一般式(III)、または一般式(IV)で示される
基を有する重合性不飽和化合物(中者)とその他の重合
性不飽和化合物(後者)とを共重合させる割合は、前者
4〜50重量%、中者0.5〜10重量%、残部が後者
であることが好ましい。前者が4重量%未満では、付加
する一般式(I)の基の量が少なくなるために、耐久性
の良好な塗膜が得られにくい。一方、50重量%を超え
ると、脂肪族炭化水素の有機溶媒または脂肪族炭化水素
を主成分とする有機溶媒に不溶となり、分散剤としての
効果が少なくなる。中者の量の理由は、前記1)の方法
の理由と同様である。
【0023】一般式(VIII)で示される化合物とし
ては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメ
トキシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキ
シシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリメトキシシラン等がある。反応法としては、例
えば、上記の官能基を有するビニル系重合体を有機溶媒
に溶かして、次いで一般式(VIII)で示される化合物を
加え、80℃以上に加熱し撹拌する方法がある。一般式
(VIII)で示される化合物と官能基を有するアクリル系
樹脂との割合は、前者の官能基/後者の官能基モル比
で、0.5/1.0〜1.0/1.0が好ましい。0.
5/1.0未満では、付加する一般式(I)の基の量が
少ないために、耐久性の良好な塗膜が得られない。1.
0/1.0を超えると、未反応の有機シラン化合物が樹
脂中に残存するため、塗料の貯蔵安定性が劣る傾向にあ
る。
【0024】上記の各方法により得られる一般式(I)
で示される基及び一般式(II)、一般式(III)または
一般式(IV)で示される基を有するビニル系重合体
(A)を分散剤として用いて、(A)を溶解している溶
媒に、重合性不飽和化合物を溶解し、重合させて、該溶
媒に不溶なビニル系重合体粒子(B)を製造し、非水分
散型塗料用樹脂組成物を得る。仮にビニル系重合体粒子
(B)が、脂肪族炭化水素の有機溶媒または脂肪族炭化
水素を主成分とする溶媒に溶解する場合は、非水分散型
樹脂組成物とはならず、溶液型樹脂となり本発明の優れ
た塗料用樹脂組成物が得られない。
【0025】本発明における脂肪族炭化水素の有機溶媒
または脂肪族炭化水素を主成分とする有機溶媒に不溶と
なるビニル系重合体粒子(B)の出発原料となる重合性
不飽和化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリ
レ−ト、エチル(メタ)アクリレ−ト、iso−プロピ
ル(メタ)アクリレ−ト、iso−プロピル(メタ)ア
クリレ−トのアルキル基炭素数が3以下の(メタ)アク
リル酸エステル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト
等の水酸基含有(メタ)アクリレート、N,N−ジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、N,N−ジエチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、N,N−ジメチ
ルアミノプロピル(メタ)アクリレ−ト等のアミノ基含
有(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの重合
性不飽和化合物は、その1種又は2種以上を全重合性不
飽和化合物中50重量%以上共重合することが好まし
い。また、その他の重合性不飽和化合物として、一般式
(V)、一般式(VI)または一般式(VII)で示される
重合性不飽和化合物、スチレン、ビニルトルエン、α−
メチルスチレン等の置換スチレン類、塩化ビニル、塩化
ビニリデン、アクリロニトリル、アクリルアミド、一般
式(II)で示される基と重合性不飽和二重結合を有する
化合物、一般式(III)で示される基と重合性不飽和二
重結合を有する化合物、一般式(IV)で示される基と重
合性不飽和二重結合を有する化合物等を併用することも
できる。
【0026】更に、非水分散型樹脂になる範囲内で、例
えば、n−ブチル(メタ)アクリレ−ト、2−エチルヘ
キシル(メタ)アクリレ−ト、ラウリル(メタ)アクリ
レ−ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、ter
t−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メ
タ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレー
ト、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートのアルキ
ル基炭素数が4以上の(メタ)アクリル酸エステル類等
の重合性不飽和化合物を併用することもできる。ビニル
系重合体粒子(B)の重合に用いられる重合開始剤は、
前記のビニル系重合体(A)の説明で例示した同様の重
合開始剤が用いられる。この使用量はビニル系重合体粒
子(B)の目的とする分子量により決められるものでる
が、通常全単量体に対して、0.1〜10.0重量%が
好ましい。以上のようにして得られる塗料用樹脂組成物
において、有機溶媒に可溶なビニル系重合体(A)と有
機溶媒に不溶なビニル系重合体粒子(B)との割合は、
前者/後者(重量比)で10/90〜60/40が好ま
しい。10/90未満では、分散安定性が悪くなる傾向
にあり、60/40を超えると、乾燥性が劣り、塗装作
業性が問題となる傾向にある。尚、重合にあたっては、
分散安定剤、レオロジ−コントロ−ル剤の如き添加剤を
併用してもよい。
【0027】かくして得られた非水分散型樹脂組成物中
のビニル系重合体粒子(B)の粒子径は、通常約0.1
〜1.5μmの範囲にある。粒子径が0.1μm未満で
は、ワニスの粘度が高くなり、粒子径が1.5μmを超
えると、貯蔵中に粒子が膨潤または凝集したりするので
好ましくない。本発明において、上記のビニル系重合体
(A)とビニル系重合体粒子(B)とを結合させること
により、貯蔵安定性等を更に向上させることもできる。
結合させる方法としては、例えば、重合性不飽和二重結
合を有するビニル系重合体(A)の存在下、(B)の成
分となる重合性不飽和化合物を重合させることによって
行うことができる。ビニル系重合体(A)への不飽和二
重結合の導入は、例えば、ビニル系重合体(A)の共重
合成分としてカルボキシル基含有重合性不飽和化合物を
用い、このカルボキシル基にグリシジル(メタ)アクリ
レ−ト、アリルグリシジルエ−テル等のエポキシ基含有
重合性不飽和化合物を反応させることによって行うこと
ができる。勿論、エポキシ基を該樹脂中に含有させてお
き、これにカルボキシル基含有重合性不飽和化合物を反
応せしめることによっても行うことができる。
【0028】本発明における塗料用樹脂組成物には、硬
化触媒として、酸性化合物、塩基性化合物もしくは含錫
化合物の単独、または含錫化合物と酸性化合物、もしく
は含錫化合物と塩基性化合物との混合物を配合すること
もできる。これらの化合物としては、酸性化合物とし
て、例えば、p−トルエンスルホン酸、酢酸、(メタ)
アクリル酸等が挙げられ、塩基性化合物として、例え
ば、n−ブチルアミン、t−ブチルアミン、ジブチルア
ミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、トリエチルア
ミン等が挙げられ、含錫化合物として、例えば、ジブチ
ル錫ジラウレ−ト、ジブチル錫ジマレ−ト、ジブチル錫
ジアセテ−ト、ジブチル錫ジオクトエ−ト等が挙げられ
る。また、その他の公知の硬化触媒を配合することもで
きる。
【0029】本発明の塗料用樹脂組成物は、チタン白、
カ−ボンブラック、フタロシアニンブル−等の顔料、炭
酸カルシウム、硫酸バリウム等の体質顔料及び溶剤を加
えて、常法によりエナメル塗料とすることができる。ま
た、前記顔料を加えずに、クリア−塗料とすることも可
能である。エナメル塗料化する方法としては、例えば、
ロ−ル、サンドミル、ディスパ−ザ−等公知の方法をを
使用することができる。また、本発明により得られる非
水分散型塗料用樹脂に相溶性の良好な種ペンを用い、エ
ナメル塗料を作成することもできる。更に、塗料として
の性能向上のため、顔料分散剤、レベリング剤等を塗料
化の際または塗料化後に添加することも可能である。
【0030】実施例 次に本発明の実施例を示す。以下、特に断わりのない限
り、「%」は「重量%」を示す。
【0031】合成例1 (1)樹脂(A−1)の合成 撹拌装置、還流冷却器及び温度計の付いたフラスコにミ
ネラルタ−ペン(昭和シェル石油社製)400gを仕込
んだ。90℃に昇温後、下記の重合性不飽和化合物を2
時間かけて滴下した。 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 120g n−ブチルメタクリレ−ト 320g スチレン 50g メタクリロキシトリメチルシラン 10g アゾビスイソブチロニトリル 2g 滴下終了後、1時間保温し、更に、t−ブチルパ−オキ
シ−2−エチルヘキサノエ−ト2gをミネラルタ−ペン
50gに溶解した液を30分かけて滴下させた。滴下終
了後、100℃に昇温し、1時間保温し、重合反応を完
結させた。冷却後、更にミネラルタ−ペンを加え、加熱
残分が50%になるように調整した。 (2)非水分散型樹脂組成物(N−1)の合成 (1)と同様のフラスコに、(1)で合成した樹脂(A
−1)400gを採取し、ミネラルタ−ペン250gを
加えた。100℃に昇温後、下記の重合性不飽和化合物
を2時間かけて滴下した。 メチルメタクリレ−ト 200g n−ブチルメタクリレ−ト 50g スチレン 50g t−ブチルパ−オキシ−2−エチルヘキサノエ−ト 2g 滴下前は透明だった液が、重合が進むにしたがって白濁
し、非水分散液になった。滴下終了後、1時間保温し、
更に、t−ブチルパ−オキシ−2−エチルヘキサノエ−
ト2gをミネラルタ−ペン50gに溶解した液を追滴下
し、100℃での保温を2時間継続し、重合反応を完結
させた。冷却後、更にミネラルタ−ペンを加え、加熱残
分50%になるように調整した。樹脂粘度7000セン
チポイズ、平均粒子径800nm、酸価1以下の乳白色
の非水分散型樹脂組成物を得た。このものを“N−1”
と命名した。
【0032】合成例2 合成例1と同様のフラスコに、合成例1で合成した樹脂
(A−1)400gを採取し、ミネラルタ−ペン250
gを加えた。100℃に昇温後、下記の重合性不飽和化
合物を2時間かけて滴下した。 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 50g メチルメタクリレ−ト 100g エチルアクリレ−ト 100g スチレン 50g t−ブチルパ−オキシ−2−エチルヘキサノエ−ト 2g 他の操作は合成例1と同様に行い、樹脂粘度5000セ
ンチポイズ、平均粒子径770nm、酸価1以下の乳白
色の非水分散型樹脂組成物を得た。このものを“N−
2”と命名した。
【0033】合成例3 (1)樹脂(A−2)の合成 撹拌装置、還流冷却器及び温度計の付いたフラスコにミ
ネラルタ−ペン400gを仕込んだ。90℃に昇温後、
下記の重合性不飽和化合物を2時間かけて滴下した。 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 120g イソブチルメタクリレ−ト 305g スチレン 60g 2−シアノエチルメタクリレート 15g アゾビスイソブチロニトリル 2.5g 滴下終了後、1時間保温し、更に、t−ブチルパ−オキ
シ−2−エチルヘキサノエ−ト2gをミネラルタ−ペン
50gに溶解した液を30分かけて滴下させた。滴下終
了後、100℃に昇温し、1時間保温し、重合反応を完
結させた。冷却後、更にミネラルタ−ペンを加え、加熱
残分50%になるように調整した。 (2)非水分散型樹脂組成物(N−3)の合成 (1)と同様のフラスコに、(1)で合成した樹脂(A
−2)300gを採取し、ミネラルタ−ペン250gを
加えた。100℃に昇温後、下記の重合性不飽和化合物
を2時間かけて滴下した。 メチルメタクリレ−ト 150g エチルアクリレ−ト 100g n−ブチルメタクリレ−ト 50g スチレン 50g t−ブチルパ−オキシ−2−エチルヘキサノエ−ト 3g 滴下前は透明だった液が、重合が進にしたがって白濁
し、非水分散液になった。滴下終了後、1時間保温し、
更に、t−ブチルパ−オキシ−2−エチルヘキサノエ−
ト2gをミネラルタ−ペン50gに溶解した液を追滴下
し、100℃保温を2時間継続し、重合反応を完結させ
た。冷却後、更にミネラルタ−ペンを加え、加熱残分5
0%になるように調整した。樹脂粘度8500センチポ
イズ、平均粒子径850nm、酸価1以下の乳白色の非
水分散型樹脂組成物を得た。このものを“N−3”と命
名した。
【0034】合成例4 合成例3と同様のフラスコに、合成例3で合成した樹脂
(A−2)360gを採取し、ミネラルタ−ペン300
gを加えた。100℃に昇温後、下記の重合性不飽和化
合物を2時間かけて滴下した。 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 70g メチルメタクリレ−ト 120g エチルアクリレ−ト 150g スチレン 80g t−ブチルパ−オキシ−2−エチルヘキサノエ−ト 2g 他の操作は合成例3と同様に行い、樹脂粘度6500セ
ンチポイズ、平均粒子径730nm、酸価1以下の乳白
色の非水分散型樹脂組成物を得た。このものを“N−
4”と命名した。
【0035】合成例5 (1)樹脂(A−3)の合成 撹拌装置、還流冷却器及び温度計の付いたフラスコにミ
ネラルタ−ペン400gを仕込んだ。90℃に昇温後、
下記の重合性不飽和化合物を2時間かけて滴下した。 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 100g イソブチルメタクリレ−ト 325g スチレン 60g トリブチル錫メタクリレ−ト 15g アゾビスイソブチロニトリル 2.5g 滴下終了後、1時間保温し、更に、t−ブチルパ−オキ
シ−2−エチルヘキサノエ−ト2gをミネラルタ−ペン
50gに溶解した液を30分かけて滴下させた。滴下終
了後、100℃に昇温し、1時間保温し、重合反応を完
結させた。冷却後、更にミネラルタ−ペンを加え、加熱
残分50%になるように調整した。 (2)非水分散型樹脂組成物(N−5)の合成 (1)と同様のフラスコに、(1)で合成した樹脂(A
−3)300gを採取し、ミネラルタ−ペン250gを
加えた。100℃に昇温後、下記の重合性不飽和化合物
を2時間かけて滴下した。 メチルメタクリレ−ト 150g エチルアクリレ−ト 100g n−ブチルメタクリレ−ト 50g スチレン 50g t−ブチルパ−オキシ−2−エチルヘキサノエ−ト 3g 滴下前は透明だった液が、重合が進にしたがって白濁
し、非水分散液になった。滴下終了後、1時間保温し、
更に、t−ブチルパ−オキシ−2−エチルヘキサノエ−
ト2gをミネラルタ−ペン50gに溶解した液を追滴下
し、100℃保温を2時間継続し、重合反応を完結させ
た。冷却後、更にミネラルタ−ペンを加え、加熱残分5
0%になるように調整した。樹脂粘度6800センチポ
イズ、平均粒子径750nm、酸価1以下の乳白色の非
水分散型樹脂組成物を得た。このものを“N−5”と命
名した。
【0036】比較合成例1 (1)樹脂(A−4)の合成 滴下する重合性不飽和化合物を下記組成に変えた以外
は、合成例1の(1)と同様の操作を行い、加熱残分5
0%のアクリル系樹脂(A−4)を得た。 n−ブチルメタクリレ−ト 500g アゾビスイソブチロニトリル 2.5g (2)非水分散型樹脂組成物の合成 仕込みに、(1)で合成したミネラルタ−ペン可溶樹脂
500gを仕込んだ以外は、実施例1の(2)と同様の
操作を行い、加熱残分50%、樹脂粘度7800センチ
ポイズ、平均粒子径710nm、酸価1以下の乳白色の
非水分散型樹脂組成物を得た。このものを“N−6”と
命名した。
【0037】比較合成例2 (1)樹脂(A−5)の合成 滴下する重合性不飽和化合物を下記組成に変えた以外
は、合成例1の(1)と同様の操作を行い、加熱残分5
0%のアクリル系樹脂(A−5)を得た。 n−ブチルメタクリレ−ト 500g γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 130g スチレン 70g アゾビスイソブチロニトリル 2.5g (2)非水分散型樹脂組成物の合成 仕込みに、(1)で合成したミネラルタ−ペン可溶樹脂
500gを仕込んだ以外は、実施例1の(2)と同様の
操作を行い、加熱残分50%、樹脂粘度7800センチ
ポイズ、平均粒子径710nm、酸価1以下の乳白色の
非水分散型樹脂組成物を得た。このものを“N−7”と
命名した。
【0038】実施例1〜9及び比較例1〜3 合成例1〜5及び比較合成例1及び2で作成した非水分
散型樹脂組成物を表1に示す配合で、白色エナメル塗料
化した。但し、表1の白種ペンとは、展色剤として樹脂
(A−4)15.0gを、顔料としてチタン白タイペ−
ク(石原産業(株))45gを使用し、混練、作成した
種ペンを指す。シンナ−としてミネラルタ−ペンを用
い、フォ−ドカップ♯4で12秒(25℃)になるよう
に粘度調整し、塗膜が25〜35μm(乾燥後)になる
ように、スレ−ト板(JIS F5403規定)にスプ
レ−塗装した。JISで定めた養生室で2週間放置し、
評価試験板とした。評価結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】試験評価方法を下記に示す。 (1)顔料分散性:グレー系塗料(添加剤なし)をスプ
レー塗装した後、その上に同塗料を流し塗りした。流し
塗りした部分の一部をラビングした。重ね塗り性及びラ
ビング性は、塗装板の色差を目視判定し、スプレー部と
流し塗り部の差を重ね塗り性、スプレー部とラビング部
の差をラビング性として表わした。色分かれ性は、試験
管にグレー系塗料をいれ、7日間放置して、その色分か
れ状態を目視判定した。 (2)光沢:塗膜の60度鏡面反射率で測定した。 (3)硬化性:温度23±2℃、湿度75±10%の条
件下で上記の時間養生させ、ソクスレー抽出法* により
ゲル分率から求めた。
【数1】 *抽出条件:アセトン/メタノール(1/1重量比)の
混液を使用して8時間抽出した。 (4)耐衝撃性:JIS1421法で定められた方法で
測定した。 (5)耐アルカリ性:飽和消石灰水液に1ヵ月浸漬後、
外観を目視判定した。 (6)耐水性:水道水に1ヵ月浸漬後、外観を目視判定
した。 (7)耐湿性:50℃、相対湿度98%のブリスタリン
グボックス中に1ヵ月置き、外観を目視判定した。 (8)促進耐候性:サンシャイン・ウエザオ・メータ
(スガ試験機製)を使用し、JIS5400の条件で、
光沢を測定し、光沢保持率を求めた。
【数2】 (9)耐汚染性:24時間養生後、カーボンをふりかけ
て12時間放置し、水道水で洗い流して色差を測定し
た。基板はボンデライト#144処理鋼板を用いた。
【0041】
【発明の効果】本発明の塗料用樹脂組成物及び塗料は、
光沢、耐衝撃性、耐アルカリ性、耐水性、耐湿性、耐候
性等の塗膜特性において優れ、分散安定性にも優れるも
のである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年2月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】本発明における一般式(VII)で示される
重合性不飽和化合物としては、例えば、γ−(メタ)ア
クリロキシエチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)ア
クリロキシエチルトリエトキシシラン、γ−(メタ)ア
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)
アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メ
タ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラ
ン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキ
シシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチル
エトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルト
リクロロシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメ
チルジクロロシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピ
ルジメチルクロロシラン、γ−(メタ)アクリロキシプ
ロピルトリプロピオキシシラン、γ−(メタ)アクリロ
キシプロピルメチルジプロピオキシシラン、γ−(メ
タ)アクリロキシプロピルトリブトキシシラン、γ−
(メタ)アクリロキシブチルトリメトキシシラン、γ−
(メタ)アクリロキシペンチルトリメトキシシラン、γ
−(メタ)アクリロキシヘキシルトリメトキシシラン、
γ−(メタ)アクリロキシヘキシルトリエトキシシラ
ン、γ−(メタ)アクリロキシオクチルトリメトキシシ
ラン、γ−(メタ)アクリロキシデシルトリメトキシシ
ラン、γ−(メタ)アクリロキシドデシルトリメトキシ
シラン、γ−(メタ)アクリロキシオクタデシルトリメ
トキシシラン、
【化4】 1−(メタ)アクリロキシプロピル−1,1,3,3−
テトラメチル−3−メトキシジシロキサン、1−(メ
タ)アクリロキシプロピル−1,1,3,3,5,5−
ヘキサメチル−5−メトキシトリシロキサン、1−(メ
タ)アクリロキシプロピル−1,1−ジメチル−3,
3,3−トリメトキシジシロキサン等が挙げられる。な
お、(メタ)アクリロキシとは、アクロキシ又はメタ
クリロキシの意味である(以下、同様)。これらの一般
式(V)、一般式(VI)または一般式(VII)で示され
る重合性不飽和化合物は、一種または二種以上が使用で
きる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】本発明における脂肪族炭化水素の有機溶媒
または脂肪族炭化水素を主成分とする有機溶媒に不溶と
なるビニル系重合体粒子(B)の出発原料となる重合性
不飽和化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリ
レ−ト、エチル(メタ)アクリレ−ト、−プロピル
(メタ)アクリレ−ト、iso−プロピル(メタ)アク
リレ−トのアルキル基炭素数が3以下の(メタ)アクリ
ル酸エステル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト等
の水酸基含有(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリレ−ト、N,N−ジエチル
アミノエチル(メタ)アクリレ−ト、N,N−ジメチル
アミノプロピル(メタ)アクリレ−ト等のアミノ基含有
(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの重合性
不飽和化合物は、その1種又は2種以上を全重合性不飽
和化合物中50重量%以上共重合することが好ましい。
また、その他の重合性不飽和化合物として、一般式
(V)、一般式(VI)または一般式(VII)で示される
重合性不飽和化合物、スチレン、ビニルトルエン、α−
メチルスチレン等の置換スチレン類、塩化ビニル、塩化
ビニリデン、アクリロニトリル、アクリルアミド、一般
式(II)で示される基と重合性不飽和二重結合を有する
化合物、一般式(III)で示される基と重合性不飽和二
重結合を有する化合物、一般式(IV)で示される基と重
合性不飽和二重結合を有する化合物等を併用することも
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 弘中 朗 徳島県徳島市北田宮三丁目8番40号 日立 化成ポリマー株式会社徳島工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)で示される基及び、一般式
    (II)で示される基、一般式(III)で示される基又は一
    般式(IV)で示される基 【化1】 (式中、R1及びR2はアルキル基、アリ−ル基またはア
    ラルキル基であり、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、
    アシロキシ基またはヒドロキシ基であり、R1、R2又は
    Xは、複数ある場合各々相違することもあり、Yはハロ
    ゲン原子、トリハロメチル基またはシアノ基であり、l
    は1〜3の整数であり、mは0または1〜3の整数であ
    り、nは1〜3の整数である)を有するビニル系重合体
    (A)と、(A)を溶解している溶媒中で、重合性不飽
    和化合物を重合させて得られる、該溶媒に不溶なビニル
    系重合体粒子(B)を含有してなる塗料用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 溶媒が、脂肪族炭化水素の有機溶媒又は
    脂肪族炭化水素を主成分とする有機溶媒である請求項1
    記載の塗料用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の塗料用樹脂組成物
    を含有してなる塗料。
JP18224092A 1992-06-30 1992-07-09 塗料用樹脂組成物及び塗料 Pending JPH0673331A (ja)

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JP2012184364A (ja) * 2011-03-07 2012-09-27 Seiko Instruments Inc アクリル樹脂およびその製造方法

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