JP2002037971A - 非水分散型樹脂組成物及びこれを用いた塗料組成物 - Google Patents

非水分散型樹脂組成物及びこれを用いた塗料組成物

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JP2002037971A
JP2002037971A JP2000226319A JP2000226319A JP2002037971A JP 2002037971 A JP2002037971 A JP 2002037971A JP 2000226319 A JP2000226319 A JP 2000226319A JP 2000226319 A JP2000226319 A JP 2000226319A JP 2002037971 A JP2002037971 A JP 2002037971A
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JP2000226319A
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亨 ▲葛▼原
Toru Kuzuhara
Tsutomu Mamiya
宮 勉 間
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐水性、耐候性、基材との密着性に優れ、塗
料に好適な非水分散型樹脂組成物及びこれを用いた塗料
組成物を提供する。 【解決手段】 脂肪族炭化水素を主成分とする有機溶媒
(A)と、シクロアルキル基を有する重合性不飽和単量
体(a)、下記一般式(I)で表されるシリル基を有す
る重合性不飽和単量体(b)及びその他の共重合可能な
重合性不飽和単量体(c)を重合して得られる前記
(A)に可溶な共重合体(B)と、前記(B)の存在下
で、重合性不飽和単量体を重合させて得られる、前記
(A)の有機溶媒に不溶である共重合体粒子(C)を含
有してなる非水分散型樹脂組成物。 【化1】 Xn −Si−Y(3-n) (I) (式中、Xは炭素数1〜10のアルキル基、アリール基
及びアラルキル基から選ばれる1価の炭化水素基、Yは
アルコキシ基、水酸基、アシロキシ基、ハロゲン原子、
フェノキシ基及びチオアルコキシ基より選ばれる基、n
は0〜3の整数であり、X又はYが複数である場合はこ
れらは同一でも異なってもよい。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非水分散型樹脂組成
物及びこれを用いた塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】建築外装、防食の上塗りなどに使用され
る塗料には、高度の耐久性、即ち耐候性、耐水性、耐湿
性、耐酸性、耐アルカリ性等が要求される。このため、
これらの要求を満たすべく、加水分解性シリル基を有す
るアクリル樹脂、いわゆるシリコーン変性アクリル樹脂
を用いた塗料が提案されている。しかしながら、これら
の樹脂組成物は、キシレン、トルエンなどを主成分とす
る溶媒を用いるため、人体、環境に対する有害性が問題
視されており、また、該溶媒は溶解力が強いために下地
の塗膜を侵すリフティング現象を引き起こす等の問題を
有している。
【0003】この問題を解決するために、ミネラルター
ペン等の脂肪族炭化水素を主成分とする溶剤を用いた、
いわゆる弱溶剤可溶型シリコーン変性アクリル樹脂を塗
料用樹脂として用いる試みがなされている。しかし、弱
溶剤可溶型シリコーン変性アクリル樹脂は、一般的に溶
剤の揮発性が低いために乾燥性が劣るという欠点を有し
ている。また、弱溶剤は樹脂の溶解性が低いために、樹
脂をこれに溶解させるには使用可能なアクリル系モノマ
ーの種類が限定されるという欠点もある。これらの欠点
をカバーするために、弱溶剤にポリマー粒子を分散させ
た形態を持つ非水分散型樹脂が提案されている。非水分
散型樹脂は前述の問題が解決できるのみならず、塗料の
タレ性、機械物性などが向上できるとの長所を有し、特
開平1−95116号公報には、シリル基を含有するア
クリル系樹脂を用いた非水分散型アクリル樹脂に硬化触
媒を配合した組成物が記載されている。このものは、ア
クリルウレタン系塗料にくらべ、耐薬品性、耐候性を始
めとした塗膜耐久性に優れるが、塗布基材との密着性が
劣る傾向にあった。このため、本発明者らは、特開平7
−258503公報及び特開平10−25391公報で
基材との密着性、塗膜耐久性に優れた非水分散型シリコ
ーン変性アクリル樹脂を提案した。本発明は、さらなる
塗膜耐久性の向上を達成するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐水性、耐
候性、基材との密着性に優れ、塗料に好適な非水分散型
樹脂組成物を提供するものである。また、本発明は、耐
候性、耐薬品性、塗膜の透明性、密着性に優れた塗料組
成物を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記(1)〜
(4)の発明に関するものである。 (1)脂肪族炭化水素を主成分とする有機溶媒(A)
と、シクロアルキル基を有する重合性不飽和単量体
(a)、下記一般式(I)で表されるシリル基を有する
重合性不飽和単量体(b)及びその他の共重合可能な重
合性不飽和単量体(c)を重合して得られる前記(A)
に可溶な共重合体(B)と、前記(B)の存在下で、重
合性不飽和単量体を重合させて得られる、前記(A)の
有機溶媒に不溶である共重合体粒子(C)を含有してな
る非水分散型樹脂組成物。
【化4】 Xn −Si−Y(3-n) (I) (式中、Xは炭素数1〜10のアルキル基、アリール基
及びアラルキル基から選ばれる1価の炭化水素基、Yは
アルコキシ基、水酸基、アシロキシ基、ハロゲン原子、
フェノキシ基及びチオアルコキシ基より選ばれる基、n
は0〜3の整数であり、X又はYが複数である場合はこ
れらは同一でも異なってもよい。) (2)有機溶媒(A)に可溶な共重合体(B)が、さら
にグリシジル基を有する不飽和単量体を共重合している
ものである、(1)に記載の非水分散型樹脂組成物。 (3)シクロアルキル基を有する重合性不飽和単量体
(a)が、シクロヘキシルメタクリレート、下記一般式
(II)で表されるジシクロペンタニル(メタ)アクリレ
ート及び下記一般式(III)で表されるイソボルニル
(メタ)アクリレートのいずれか1種又は2種以上から
選ばれる化合物を用いる(1)または(2)に記載の非
水分散型樹脂組成物。
【化5】 (式中、R1は水素原子またはメチル基を示す。)
【化6】 (式中、R2は水素原子またはメチル基を示す。) (4)(1)〜(3)のいずれかの非水分散型樹脂組成
物に、硬化剤としてアミノシラン化合物又はアミノシラ
ン化合物とエポキシ化合物との反応物を配合してなる塗
料組成物。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において、脂肪族炭化水素
を主成分とする有機溶媒(A)(以下(A)成分と略
す)の脂肪族炭化水素としては、例えば、直鎖状脂肪族
炭化水素、環状脂肪族炭化水素等が挙げられる。直鎖状
脂肪族炭化水素としては、例えば、ペンタン、ヘキサ
ン、へプタン、オクタン、ノナン、デカン等が挙げら
れ、環状脂肪族炭化水素としては、シクロヘキサン、メ
チルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロへ
プタン等が挙げられる。なお、(A)成分としては、脂
肪族炭化水素の混合溶媒である、ミネラルスピリット、
ミネラルシンナー、ペトロリウムスピリット、ホワイト
スピリット、ミネラルターペン等も使用することができ
る。
【0007】これらの脂肪族炭化水素の配合量は、全有
機溶媒100重量部に対し、50重量部以上含有してい
ることが好ましく、60重量部以上含有していることが
より好ましい。50重量部未満では、人体、環境への安
全性が劣るといった点や補修作業性時にリフティング現
象を生じるなどの点から好ましくない。また、脂肪族炭
化水素の配合量が、上記の範囲内であれば、脂肪族炭化
水素以外の成分を使用することもできる。
【0008】脂肪族炭化水素以外の成分としては、例え
ば、芳香族炭化水素、エステル類、ケトン類、アルコー
ル類等が挙げられ、芳香族炭化水素としては、例えば、
トルエン、キシレン等が挙げられ、エステル類として
は、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられ、ケ
トン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙
げられ、アルコール類としてはメタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブ
チルアルコール、t−ブチルアルコール等が挙げられ
る。これらの脂肪族炭化水素以外の成分は必ずしも用い
る必要はないが、ケトン類あるいはアルコール類を全有
機溶剤100重量部中、0.01〜5重量部用いると、
得られる非水分散型樹脂組成物の貯蔵安定性が向上する
傾向にある。これらの脂肪族炭化水素及び脂肪族炭化水
素以外の成分は、それぞれ、単独で又は2種類以上組み
合わせて使用することができる。
【0009】本発明における、シクロアルキル基を有す
る重合性不飽和単量体(a)、下記一般式(I)で表さ
れるシリル基(以下単にシリル基と表記する)を有する
重合性不飽和単量体(b)及びその他の共重合可能な重
合性不飽和単量体(c)を重合して得られる前記(A)
に可溶な共重合体(B)(以下(B)成分と略す)は、
(A)に不溶な共重合体粒子(C)(以下(C)成分と
略す)の分散安定剤として機能するものである。
【化7】 Xn −Si−Y(3-n) (I) (式中、Xは炭素数1〜10のアルキル基、アリール基
及びアラルキル基から選ばれる1価の炭化水素基、Yは
アルコキシ基、水酸基、アシロキシ基、ハロゲン原子、
フェノキシ基及びチオアルコキシ基より選ばれる基、n
は0〜3の整数であり、X又はYが複数である場合はこ
れらは同一でも異なってもよい。)
【0010】シクロアルキル基を有する重合性不飽和単
量体(a)としては、例えば、シクロヘキシル(メタ)
アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレ
ート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロドデシ
ル(メタ)アクリレート、上記の一般式(II)で表され
るジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、上記の一
般式(III)で示されるイソボルニル(メタ)アクリレ
ート等が挙げられる。このうち、シクロヘキシルメタク
リレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート及
びイソボルニル(メタ)アクリレートが、耐薬品性、密
着性、塗膜の光沢性の点から好ましい。シクロアルキル
基を有する重合性不飽和単量体は、単独で又は2種以上
を組み合わせて使用される。
【0011】シリル基を有する重合体不飽和単量体
(b)としては、例えば、アルコキシシラン類、ハロゲ
ン化シラン類、アシロキシシラン類等が挙げられる。ア
ルコキシシラン類としては、例えば、γ−アクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメ
チルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメ
チルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルジメ
チルメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルジメ
チルメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエ
トキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキ
シシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジエトキシ
シラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシ
シラン、γ−アクリロキシプロピルジメチルエトキシシ
ラン、γ−メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシ
ラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチル
ジエトキシシラン、トリメトキシシリルスチレン、ジメ
トキシメチルシリルスチレン、トリエトキシシリルスチ
レン、ジエトキシメチルシリルスチレン等が挙げられ
る。ハロゲン化シラン類としては、例えば、ビニルメチ
ルジクロロシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリク
ロロシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジクロロ
シラン等が挙げられる。アシロキシシラン類としては、
例えば、ビニルメチルジアセトキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルメチルジアセトキシシラン等が挙げら
れる。これらの化合物の中では、他のビニル系単量体と
の重合性が良く、工業的に入手しやすいアルコキシシラ
ン類が好ましく、γ−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシ
シラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシ
シラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシ
シランがより好ましい。シリル基を有する重合性不飽和
単量体は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用さ
れる。
【0012】その他の共重合可能な重合性不飽和単量体
(c)としては、例えば、n−ブチル(メタ)アクリレ
ート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ヘキシル
(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート
等のアルキル基の炭素数が4以上の(メタ)アクリル酸
アルキルエステル等が、生成する共重合体(B)成分の
有機溶媒(A)に対する溶解性の点から好ましい。
【0013】また、その他の共重合可能な重合性不飽和
単量体(c)として、グリシジル基を有する重合性不飽
和単量体を用いると、得られる塗膜の耐薬品性及び密着
性が向上するので好ましい。このようなグリシジル基含
有重合性不飽和単量体としては、グリシジル(メタ)ア
クリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、
3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート
等のエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルが挙げ
られる。
【0014】また、共重合体(B)が、(A)に溶解す
る範囲内において、また、非水分散型樹脂組成物の合成
時あるいは貯蔵時の安定性を損なわない範囲において、
その他の共重合可能な重合性不飽和単量体として重合性
不飽和単量体を用いることができる。このような重合性
不飽和単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)ア
クリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート等
のアルキル基の炭素数が3以下の(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル、メタクリル酸、アクリル酸、マレイン
酸、無水マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸等のカル
ボキシル基含有重合性不飽和化合物、スチレン、ビニル
トルエン、α−メチルスチレン等の置換スチレン類、ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレート等の(メタ)アクリル酸のヒドロキシアル
キルエステル類、エチレングリコールモノ(メタ)アク
リレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート等の(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)
アクリレート類、ヒドロキシブチロビニルエーテル等の
ヒドロキシアルキルビニルエーテル類、アリルアルコー
ル、メタリルアルコール等のアリルアルコール類、又は
上記のものと、例えば、ε−カプロラクトン、γ−バレ
ロラクトン等のラクトン類との付加物等の水酸基含有不
飽和単量体類、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタク
リレート等の3級アミノ基を有する重合性不飽和単量体
類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、
アクリルアミド、ヒンダードアミノ基含有(メタ)アク
リル酸エステル、ベンゾトリアゾール基含有(メタ)ア
クリル酸エステル等などを併用することもできる。これ
らの重合性不飽和単量体は、単独で又は2種類以上を組
み合わせて使用される。
【0015】共重合体(B)におけるシクロアルキル基
を有する重合性不飽和単量体(a)の配合量は、(B)
に用いられる不飽和単量体の総重量100重量部に対
し、10〜97重量部用いられることが好ましい。
(a)の配合量が10重量部未満では、得られる塗膜の
耐水性、耐候性が劣る傾向にあり、97重量部を超える
と、シリル基を含有する不飽和単量体(b)の配合量が
少なくなるため、本発明における効果が低下する。
【0016】共重合体(B)におけるシリル基を有する
重合性不飽和単量体(b)の配合量は、(B)に用いら
れる重合性不飽和単量体の総重量100重量部に対し、
2〜40重量部であることが好ましく、3〜30重量部
であることがより好ましく、4〜15重量部であること
がさらに好ましい。不飽和単量体(b)の配合量が2重
量部未満では得られる組成物の耐久性、硬化性が乏しく
なる傾向にあり、40重量部を越えると共重合体(B)
及び非水分散型樹脂組成物の貯蔵安定性が低下する傾向
にある。
【0017】その他の重合性不飽和単量体(c)の配合
量は上記(a)、(b)の配合範囲を逸脱しない範囲で
配合されるが、その中でグリシジル基含有重合性不飽和
単量体を(B)成分に用いられる不飽和単量体の総重量
100重量部に対し0.1〜10重量部用いると、塗膜
の耐薬品性及び密着性が向上し好ましい。
【0018】共重合体(B)の成分の合成に用いられる
重合開始剤としては、例えば、有機過酸化物、アゾ系化
合物等が挙げられる。有機過酸化物としては、イソブチ
ルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,
5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オク
タノイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサ
イド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクロルベンゾイル
パーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブ
チルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオ
キシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、3,
3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、
メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、ジイソブチル
パーオキシジカーボネート、2−ジエチルヘキシルパー
オキシジカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビ
ス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、
1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5
−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキ
シルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−
ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t
−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパー
オキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプ
ロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、メチルエチル
ケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイ
ド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−
2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−
2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソ
ブチレート等が挙げられる。また、アゾ系化合物として
は、2,2′−アゾビス−イソブチロニトリル、ジメチ
ルアゾジイソブチレート、2,2−アゾビス(2,4−
ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2−
メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メ
トキシ2,4−ジメチルバレロニトリル)、(1−フェ
ニルエチル)アゾジフェニルメタン、ジメチル−2,
2′−アゾビスイソブチレート、1,1′−アゾビス
(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2′−ア
ゾビス(2,2,4−トリメチルペンタン)、2−フェ
ニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニト
リル、2,2′アゾビス(2−メチルプロパン)等が挙
げられる。これらの重合開始剤は、単独で又は2種類以
上を組み合わせて使用することができる。
【0019】重合開始剤の使用量は、得られる共重合体
(B)の目的とする分子量により決められるものである
が、通常、合成に使用される重合性不飽和単量体の総量
に対し、0.05〜10.0重量%とすることが好まし
い。また、必要に応じて、連鎖移動剤を用いて分子量の
調整をしてもよい。連鎖移動剤としては、例えば、n−
ドデシルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン
等が挙げられる。
【0020】共重合体(B)を合成するためには、公知
の種々の重合法を利用することができるが、簡便であ
り、かつ合成後の次の共重合体粒子(C)の合成工程に
そのまま供することができる点から溶液重合が好まし
い。溶液重合法は、有機溶媒に重合性不飽和化合物及び
重合開始剤を加え、重合反応させる方法である。有機溶
媒としては、前記(A)を利用することができる。共重
合体(B)の合成におけるこの有機溶媒の配合量は、共
重合体(B)に用いられる重合性不飽和単量体の総量1
00重量部に対し、25〜400重量部とすることが好
ましく、40〜250重量部とすることが好ましい。2
5重量部未満であると重合中の粘度が高くなり、合成が
困難になる傾向があり、得られるワニスの粘度も高くな
る傾向がある。また、400重量部を超えると、得られ
るワニスの樹脂分濃度が低いため、塗料化時に所望の固
形分濃度に調節できなくなる可能性がある。また、重合
時の反応温度は、通常、60〜160℃が好ましく、反
応時間は1〜12時間が好ましい。
【0021】本発明における共重合体(B)の重量平均
分子量(ゲルパーミュレーションクロマトグラフィー;
GPCで測定し、標準ポリスチレンを用いて作成した検
量線により換算した値、以下同じ)は10,000〜5
00,000とすることが好ましく、30,000〜2
00,000とするのがより好ましい。この重量平均分
子量が10,000未満では、非水分散液の分散安定性
が低下する傾向があり、500,000を越えると樹脂
が高粘度化し、実用上塗料化が困難となる傾向にある。
【0022】また、共重合体(B)は、この後合成され
る、有機溶媒(A)に不溶である共重合体粒子(C)と
グラフトする成分を有していてもよい。このような成分
として、例えば、共重合体(B)に重合性の二重結合を
含有させ、(C)の共重合時にグラフト化する方法が挙
げられる。
【0023】このようにして得られた有機溶媒(A)に
溶解する共重合体(B)中で、重合性不飽和単量体を重
合することで、有機溶媒(A)に不溶である共重合体粒
子(C)を得ることができる。この(C)の共重合体粒
子の合成において、使用される不飽和化合物としては、
例えば、前述のアルキル基の炭素数が3以下の(メタ)
アクリル酸エステル、シリル基を有する(メタ)アクリ
ル酸エステル、カルボキシル基含有重合性不飽和化合
物、エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル、アミ
ノ基含有(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、置換
スチレン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニ
トリル、アクリルアミド、ヒンダードフミノ基含有(メ
タ)アクリル酸エステル、ベンゾトリアゾール基含有
(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
【0024】この中で、(C)の共重合体として、シリ
ル基を有する重合性不飽和単量体を用いると、耐候性な
どの塗膜特性が向上し好ましい。シリル基を有する不飽
和単量体としては、前述のものが用いられる。この際、
シリル基を有する不飽和単量体の配合量は、(C)に用
いられる重合性不飽和単量体100重量部に対し、0.
5〜30重量部とするのが好ましい。
【0025】また、得られる(C)が(A)に分散され
る限りにおいて、シクロアルキル基を有する重合性不飽
和単量体、アルキル基の炭素数が4以上の(メタ)アク
リル酸アルキルエステル類等の重合性不飽和化合物を共
重合成分として配合することができる。これらの重合性
不飽和化合物は、単独で又は2種類以上を組み合わせて
使用される。
【0026】(C)の重合に用いられる重合開始剤は、
前記(B)の説明で例示したと同様の重合開始剤が用い
られる。この使用量は、得られる非水分散型樹脂の目的
とする分子量により決められるものであり、通常、重合
される重合性不飽和単量体に対して0.05〜10.0
重量%が好ましい。また、重合時の反応温度は、通常、
60〜160℃が好ましく、反応時間は1〜12時間が
好ましい。
【0027】本発明における有機溶媒(A)の配合割合
は、共重合体(B)及び共重合体粒子(C)の100重
量部に対し、30〜400重量部とすることが好まし
い。30重量部未満では得られる樹脂組成物の粘度が高
いため取扱いが困難になり、また、400重量部を越え
ると塗料化時に所望の塗装固形分濃度への調整が困難と
なる可能性がある。本発明における共重合体(B)と共
重合体粒子(C)の配合割合は、(B)と(C)の総量
を100重量部として、(B)の配合量が5〜70重量
部、(C)の配合量が30〜95重量部となることが好
ましく、(B)の配合量が15〜60重量部、(C)の
配合量が40〜85重量部となることがより好ましく、
(B)の配合量が25重量部〜55重量部、(C)の配
合量が45〜75重量部となることがさらに好ましい。
(C)の配合量が30重量部未満では、乾燥性及びタレ
性が劣る傾向があり、95重量部を超えると、(C)の
分散安定性及び得られる塗膜の透明性が劣る傾向にあ
る。
【0028】共重合体粒子(C)の平均粒子径(例え
ば、コールター社製N4サブミクロン粒子分析装置によ
り、温度20℃、INTENSITYモードで測定して
得られる値、以下同様)は、約50nm〜1500nm
にあることが好ましい。平均粒子径が50nm未満であ
ると、ワニスの粘度が高くなる傾向にあり、平均粒子径
が1500nmを越えると、貯蔵中に粒子が膨潤または
凝集し、塗膜の外観が悪くなる傾向にある。
【0029】このようにして得られた共重合体(B)及
び共重合体粒子(C)の重量平均分子量は、10,00
0〜400,000とすることが好ましく、30,00
0〜300,000とすることがより好ましい。この重
量平均分子量が10,000未満では、耐候性が劣る傾
向にあり、500,000を越えると樹脂が高粘度化
し、実用上塗料化が困難となる傾向にある。
【0030】本発明の非水分散型樹脂組成物は、硬化剤
としてアミノシラン化合物又はアミノシラン化合物とエ
ポキシ化合物との反応物を用いることにより、塗料組成
物として利用することができる。アミノシラン化合物と
しては、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロ
ピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これら
のアミノシラン化合物のうち、γ−アミノプロピルトリ
エトキシシランが硬化触媒としての効果が高く好まし
い。
【0031】アミノシラン化合物とエポキシ化合物との
反応物に用いられるアミノシラン化合物としては前述の
アミノシラン化合物を用いることができるが、γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシランが硬化触媒としての効果
が高く好ましい。また、エポキシ化合物としてはビスフ
ェノールA型ジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリ
コールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオー
ルジグリシジルエーテル、o−フタリックアシドジグリ
シジルエーテル等の二官能のエポキシ化合物、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記アミノシラン化合物とエポキシ化合物との反応物
は、上記2種の化合物を好ましくは100℃以下で反応
させて得られる。この反応温度が100℃を越えるとエ
ポキシ基の開環重合が促進されてゲル化に至ることがあ
る。この反応は、無溶媒又は溶媒存在下のいずれでも可
能であるが、エポキシ化合物又はアミノシラン化合物が
固形の場合、溶媒存在下で反応させることが好ましい。
この場合、エポキシ基又はアミノ基と反応しない溶媒で
あれば特に制限はなく、例えば、脂肪族炭化水素、芳香
族炭化水素、エステル類、ケトン類等が使用できる。エ
ポキシ化合物とアミノシラン化合物との反応には、必要
に応じて触媒を用いることもできる。例えば、三級アミ
ン、四級アンモニウム塩等が好ましいものとして挙げら
れる。
【0032】これらの硬化剤として用いられるアミノシ
ラン化合物又はアミノシラン化合物とエポキシ化合物と
の反応物は、共重合体(B)及び共重合体粒子(C)1
00重量部に対し、0.01〜20重量部配合するのが
好ましく、0.05〜10重量部がより好ましく、0.
1〜5重量部がさらに好ましい。配合量が0.01重量
部未満では硬化性が乏しく、また、20重量部を越える
と塗料の可使時間が短くなり、実用上不適である。
【0033】また、硬化促進のため、ジブチル錫ジラウ
レートの如き有機錫化合物、アルミキレート化合物、チ
タンキレート化合物等を併用してもよい。
【0034】本発明になる非水分散型樹脂組成物は、チ
タン白、カーボンブラック、シアニンブルー、弁柄等の
顔料、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の体質顔料及び
溶剤を加えて、常法によりエナメル塗料とすることがで
きる。これらは通常主剤に加えられる。また、前記の顔
料を加えずに、クリアー塗料とすることも可能である。
エナメル塗料化する方法としては、例えば、ロール、サ
ンドミル、ディスパーザー等の公知の方法を使用するこ
とができる。また、非水分散系の樹脂でエナメル塗料化
する際に、高せん断力がかかり、樹脂が凝集化をおこす
ことがあるので本発明により得られる樹脂組成物に相溶
性の良好な種ペンを用い、エナメル塗料を作成すること
もできる。更に、塗料及び得られる塗膜の性能向上のた
め、顔料分散剤、レベリング剤、消泡剤、紫外線吸収
剤、光安定剤、脱水剤、シランカップリング剤、メチル
シリケート或いはエチルシリケートの如きシリケート類
或いはこれらのシリケート類の部分縮合物等を塗料化の
際又は塗料化後に添加することも可能である。
【0035】
【実施例】次に実施例及び比較例によって本発明を説明
する。なお、「部」及び「%」は、特に断りのない限
り、すべて重量部基準であることを示す。
【0036】合成例1〜4 有機溶媒(A)に可溶な共重合体(B)の共重合体溶液
(B−1〜B−4)の製造 撹拌装置、還流冷却器及び温度計の付いたフラスコに、
ミネラルターペン40部を仕込み、窒素気流下で110
℃に昇温し、表1に示す配合で示される混合液を2時間
かけて滴下した。続いて、t−ブチルパーオキシ−2−
エチルヘキサノエート1部、ミネラルターペン20部の
混合溶液を30分かけて滴下し、更に2時間保温した。
その後冷却し、加熱残分が約50%になるようにミネラ
ルターペンを加え、有機溶媒(A)に可溶な共重合体溶
液(B−1〜B−4)を得た。得られた重合体溶液の加
熱残分、重量平均分子量を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】比較合成例1 合成例1における重合性不飽和単量体の配合のうち、シ
クロヘキシルメタクリリレート40.0部を0部とし、
代わりにイソブチルメタクリレート20.0部を60.
0部として、それ以外は合成例1と同様の装置、方法を
用いて重合反応を行った。得られた重合体溶液(CB−
1)の加熱残分は50.0%、重量平均分子量は77,
000であった。
【0039】比較合成例2 合成例1における重合性不飽和単量体の配合のうち、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン10.0
部を0部とし、代わりにシクロヘキシルメタクリレート
40.0部を50.0部として、それ以外は合成例1と
同様の装置、方法を用いて重合反応を行った。得られた
重合体溶液(CB−2)の加熱残分は50.4%、重量
平均分子量は75,000であった。
【0040】合成例5〜8 非水分散型樹脂溶液(N−1〜N−4)の合成 合成例1〜4で用いた合成装置を用い、表2に示す配合
で合成例1〜4で得た(B)を含む樹脂溶液を仕込み、
窒素気流下で120℃に昇温した。その後、120℃に
保持したまま、表3に示す配合の不飽和単量体及び重合
開始剤の混合溶液を、2時間で均一に滴下した。滴下終
了後、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト1部とミネラルターペン20部の混合溶液を30分か
けて滴下し、さらに2時間保温した。その後冷却し、ミ
ネラルターペンを用いて加熱残分が約50%となるよう
に希釈した。いずれの合成例においても、重合が進行す
るにしたがって樹脂溶液がしだいに白濁し、最終的には
乳白色の非水分散型樹脂溶液(N−1〜N−4)が得ら
れた。得られた非水分散型樹脂溶液の加熱残分、重量平
均分子量及び平均粒子径を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】比較合成例3 非水分散型樹脂溶液(CN−1)の作製 合成例5の(B)成分の共重合体を比較合成例1で得ら
れたCB−1に変更した他は、合成例5と同様の装置、
方法で重合を行い、非水分散型樹脂溶液CN−1を得
た。得られた非水分散型樹脂溶液の加熱残分は50.2
%、重量平均分子量89,000、平均粒子径は680
nmであった。
【0043】比較合成例4 非水分散型樹脂溶液(CN−1)の作製 合成例5の(B)成分の共重合体を比較合成例2で得ら
れたCB−2に変更した他は、合成例5と同様の装置、
方法で重合を行い、非水分散型樹脂溶液CN−2を得
た。得られた非水分散型樹脂溶液の加熱残分は49.6
%、重量平均分子量87,000、平均粒子径は680
nmであった。
【0044】合成例9 硬化剤であるアミノシラン化合物とエポキシ化合物との
反応物(D−1)の作成 撹拌装置、還流冷却器及び温度計の付いたフラスコにミ
ネルラルターペン150部、n−ブタノール50部、ネ
オペンチルグリコールジグリシジルエーテル124部及
びγ−アミノプロピルトリエトキシシラン166部を仕
込んだ。これを60℃に昇温し、3時間保温を継続し
た。反応生成物のIRスペクトルを測定し、グリシジル
基の吸収(920cm-1)の消失していることを確認
し、保温を終了し、アミノシラン化合物とエポキシ化合
物との反応物(D−1)を得た。
【0045】実施例1〜4及び比較例1〜2 合成例1で作成した共重合体溶液(B−1)6部(固形
分)、チタン白タイペークCR−95(石原産業(株)
製)40部、ミネラルターペン10部をペイントシェー
カで混練し、白種ペンを作成した。得られた白種ペン
と、合成例5〜8及び比較合成例3〜4により得られた
非水分散型樹脂組成物N−1〜N−4及びCN−1〜C
N−2 54部(固形分)、ミネラルターペン10部及
び合成例9で作成した硬化剤D−1 3部を配合して混
練し、白色エナメル塗料を作成した。得られた白エナメ
ル塗料を用いて以下の塗膜性能試験を行った。得られた
結果を表3及び表4に示す。
【0046】塗膜性能試験 得られた白エナメル塗料を、乾燥膜厚が25〜35μm
になるように、処理鋼板(#144、SPCC−SB、
(株)パルテック社製)、アルミ板及び予め2液型エポ
キシ系塗料を塗布したブリキ板にバーコータで塗装し、
20℃、65%RHの条件下で2週間放置し、塗膜評価
の試験板とした。得られた評価試験板の光沢、耐水性、
促進耐候性、密着性を下記の方法で評価した。
【0047】1.光沢:光沢計(日本電色(株)製)を
用い、60度鏡面反射率を測定した。 2.耐水性:水道水に25℃の条件下で1ヶ月浸漬後、
塗膜外観を目視判定した。中に1ヶ月置き、塗膜外観を
目視判定した。 3.耐酸性:5%硫酸水溶液に40℃の条件下で1ヶ月
浸漬後、塗膜外観を目視判定した。 4.促進耐候性:メタルウエザーメータ(ダイプラウイ
ンテス(株)製)を使用し、促進耐候性試験を行った。
試験条件は、光照射時6時間、照射強度70mW/cm
2 、ブラックパネル温度63℃、湿度40%RH、1時
間ごとに15秒間水をスプレー、暗黒時2時間、雰囲気
温度30℃、湿度98%RH、結露ありを1サイクルと
した。この条件で1000時間経過後の光沢を測定し、
光沢保持率を求めた。 光沢保持率(%)=(所定時間試験後の光沢)/(初期
光沢)×100 5.密着性:40℃の温水に7日間浸漬後、2mm角の
碁盤目試験、セロテープ(登録商標)剥離により評価し
た。なお、光沢、耐水性、耐酸性、促進耐候性の評価に
は処理鋼板に塗装した試験板を用い、密着性評価ではア
ルミ板及びエポキシ塗膜を塗装したブリキ板を用いた。
【0048】実施例5 実施例4における硬化剤D−1 3部の代わりに、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン0.5部を配合して
塗料を作成し、以後は同様に塗膜性能試験を行った。
【0049】比較例3 実施例1における硬化剤D−1 3部の代わりに、ジブ
チル錫ジラウレート0.1部を配合して塗料を作成し、
以後は同様に塗膜性能試験を行った。
【0050】
【表3】
【表4】
【0051】表3によると、実施例1〜5で用いられた
非水分散型樹脂N−1〜N−5と硬化剤との組み合わせ
は、塗膜の光沢、耐水性、耐酸性、耐候性及び密着性に
優れることが示される。これに対し、表4によると、比
較例1で用いられた非水分散型樹脂CN−1((a)成
分の不飽和単量体を使用しない)は光沢が77と低く、
促進耐候性においても光沢保持率が60%、密着性も劣
ることが示される。比較例2に用いられる非水分散型樹
脂CN−2((b)成分の不飽和単量体を使用しない)
は、塗膜の耐水性、耐酸性、耐候性及び密着性が劣るこ
とが示される。比較例3では硬化剤として(D)成分以
外のものを用いているが、密着性が劣ることが示され
る。
【発明の効果】本発明になる非水分散型樹脂組成物は、
耐水性、耐候性、基材との密着性に優れ、塗料に好適で
あり、本発明になる塗料組成物は、耐候性、耐薬品性、
塗膜の透明性及び密着性に優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 133/06 C09D 133/06 143/04 143/04 151/00 151/00 157/00 157/00 163/00 163/00 183/04 183/04 Fターム(参考) 4J002 BG051 BN122 BQ001 EA016 EA026 FD010 FD090 FD140 GH01 HA08 4J038 CC021 CC022 CC071 CC072 CD021 CD022 CD081 CD082 CG141 CG142 CG161 CG162 CG171 CG172 CH031 CH032 CH041 CH042 CH071 CH072 CH151 CH152 CH171 CH172 CH191 CH192 CH201 CH202 CJ131 CJ132 CJ181 CJ182 CL001 CL002 DB412 GA07 GA15 JC35 KA03 KA06 MA02 MA07 MA10 MA14 NA03 NA04 NA11 4J100 AB07Q AL03R AL04R AL08P AL08Q AP16Q BA71Q BA77Q BC04P BC08P BC12P CA04 CA05 CA06 DA01 JA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族炭化水素を主成分とする有機溶媒
    (A)と、シクロアルキル基を有する重合性不飽和単量
    体(a)、下記一般式(I)で表されるシリル基を有す
    る重合性不飽和単量体(b)及びその他の共重合可能な
    重合性不飽和単量体(c)を重合して得られる前記
    (A)に可溶な共重合体(B)と、前記(B)の存在下
    で、重合性不飽和単量体を重合させて得られる、前記
    (A)の有機溶媒に不溶である共重合体粒子(C)を含
    有してなる非水分散型樹脂組成物。 【化1】 Xn −Si−Y(3-n) (I) (式中、Xは炭素数1〜10のアルキル基、アリール基
    及びアラルキル基から選ばれる1価の炭化水素基、Yは
    アルコキシ基、水酸基、アシロキシ基、ハロゲン原子、
    フェノキシ基及びチオアルコキシ基より選ばれる基、n
    は0〜3の整数であり、X又はYが複数である場合はこ
    れらは同一でも異なってもよい。)
  2. 【請求項2】 有機溶媒(A)に可溶な共重合体(B)
    が、グリシジル基を有する不飽和単量体を共重合してい
    るものである、請求項1に記載の非水分散型樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 シクロアルキル基を有する重合性不飽和
    単量体(a)が、シクロヘキシルメタクリレート、下記
    一般式(II)で表されるジシクロペンタニル(メタ)ア
    クリレート及び下記一般式(III)で表されるイソボル
    ニル(メタ)アクリレートのいずれか1種又は2種以上
    から選ばれる化合物である請求項1または2に記載の非
    水分散型樹脂組成物。 【化2】 (式中、R1は水素原子またはメチル基を示す。) 【化3】 (式中、R2は水素原子またはメチル基を示す。)
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の非水分
    散型樹脂組成物に、硬化剤としてアミノシラン化合物又
    はアミノシラン化合物とエポキシ化合物との反応物を配
    合してなる塗料組成物。
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