JPH0797402A - 非水分散型樹脂及び塗料 - Google Patents

非水分散型樹脂及び塗料

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JPH0797402A
JPH0797402A JP24135793A JP24135793A JPH0797402A JP H0797402 A JPH0797402 A JP H0797402A JP 24135793 A JP24135793 A JP 24135793A JP 24135793 A JP24135793 A JP 24135793A JP H0797402 A JPH0797402 A JP H0797402A
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JP
Japan
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vinyl
meth
resin
aqueous dispersion
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JP24135793A
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English (en)
Inventor
Kuniaki Sato
邦明 佐藤
Takashi Amano
高志 天野
Yoshiyuki Mukoyama
吉之 向山
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ヒドロキシル基、アミノ基及びカルボキシル
基より選ばれる1種又は2種以上の官能基を有するビニ
ル系重合体(A)とイソシアナート基又はエポキシ基を
有するビニル系単量体とを反応させて得られる不飽和二
重結合を有するビニル系重合体(B)を分散安定剤とし
て、これが溶解している有機溶媒中で一般式(I) 【化1】 (式中、R1はアルキル基、アリール基又はアラルキル
基であり、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキ
シ基又はヒドロキシル基であり、kは1〜3の整数であ
る)で示される加水分解性のシリル基を有するビニル系
単量体を必須成分とするビニル系単量体を重合させて得
られる該有機溶媒に不溶なビニル系重合体粒子(C)を
含有してなる非水分散型樹脂並びに該樹脂を含有してな
る塗料。 【効果】 耐候性、耐水性、耐薬品性、光沢、密着性、
耐衝撃性及び屈曲性に優れた塗膜が得られ、塗料の貯蔵
安定性も充分である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗料、接着剤、シーリ
ング材等として用いられる非水分散型樹脂及びこれを用
いた塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】建築外装用のモルタル、スレート、コン
クリート等に使用される塗料には、高度の耐久性、即ち
耐候性、耐水性、耐湿性、耐アルカリ性、耐酸性等が要
求される。アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステ
ルを主成分とする共重合体、いわゆる溶剤型アクリル系
樹脂を展色剤として使用する塗料は、塗装作業性に優
れ、耐久性も良好なことから、建築外装用に使用されて
いる。しかし、塗装に際しては、多量のトルエン及びキ
シレンを主成分とするシンナーを使用するため、人体、
環境への有害性といった問題がある。また、外装塗膜の
補修として当該塗料を使用した場合、トルエン及びキシ
レンは溶解力が強いので、下地の塗膜を侵しリフティン
グ現象等を起こし、補修用としては使いにくい点があ
る。一方、補修性の問題や人体、環境への有害性を改良
した塗料として、水を媒体とするアクリルエマルジョン
樹脂を用いた塗料もあるが、建築外装用としては、耐久
性、特に耐水性、耐湿性に劣るため、実用上問題があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の溶剤型アクリル
系樹脂とアクリルエマルジョン樹脂の中間的性質を有す
る樹脂として非水分散型アクリル系樹脂がある。非水分
散型アクリル系樹脂は、脂肪族炭化水素の溶媒または脂
肪族炭化水素主成分の溶媒が使用できるため、従来の溶
剤型アクリル系樹脂に比べて、人体、環境への有害性が
小さく、親水力の強い乳化剤を含まないため、耐久性も
良好である。このような特長を有する非水分散型アクリ
ル系樹脂であるが、耐候性は溶剤型のアクリルウレタン
塗料、フッ素樹脂等に比べると不足しており、特性の向
上が要求されている。
【0004】一方、シリコン樹脂は耐熱性、耐候性等に
優れており、その特長を活かしたシリコン変性アクリル
樹脂を塗料に使用する試みがなされている。特公昭63
−443号公報には、シリル基を有する溶剤型アクリル
系樹脂を硬化触媒のもとに、加水分解、縮合させる方法
が示されている。この方法によって得られる塗膜は、耐
薬品性、耐水性に優れるが、機械的強度が必ずしも充分
ではなく、耐汚染性や塗装作業性に劣るという欠点があ
る。また、特開昭62−116605号公報には、ポリ
シロキサン樹脂の存在下で、アクリル酸エステル及びメ
タクリル酸エステルを重合させ、非水分散型アクリル系
樹脂を製造する方法が示されている。この方法では、非
水分散体は得られるものの、造膜性が不十分である。更
に、特開昭64−75502号公報、特開平1−951
16号公報等には、シリル基を有するアクリル系樹脂を
分散安定剤として用いた非水分散液に、硬化触媒を配合
した組成物が示されている。これらの組成物は、塗膜の
機械的強度、耐薬品性に優れるものの、貯蔵安定性など
が必ずしも充分ではない。さらに、特開平2−6411
0号公報には、分散樹脂粒子に加水分解性シリル基を有
するビニル系重合体を用いた非水分散型組成物が示され
ているが、これは塗膜硬度などが劣るものである。
【0005】特開昭64−75502号公報及び特開平
1−95116号公報には、貯蔵安定性及び塗膜特性を
改良するために、分散安定剤樹脂と重合体粒子とを結合
させる種々の方法が記載されている。具体的には、分散
安定剤樹脂に水酸基、酸基、酸無水物基、エポキシ基、
メチロール基、イソシアネート基、アミド基、アミノ基
等の官能基を有する単量体成分を共重合させておき、重
合体粒子を形成する単量体成分として上記官能基と反応
する官能基を有する単量体を用いる方法、分散安定剤樹
脂に酸基含有単量体又はグリシジル基含有単量体を重合
させ、次いでグリシジル基又は酸基含有単量体を反応さ
せ、分散安定剤へ重合性二重結合を導入した後、重合体
粒子を形成する単量体を重合する方法、分散安定剤樹脂
と重合体粒子とにお互いに反応しない官能基を導入した
非水分散液を製造した後、両者を結合させる結合剤を配
合する方法が記載されている。しかしながら、ここに記
載される方法では、分散安定剤樹脂に加水分解性シリル
基を有するため、非水分散型のビニル系重合体を安定に
製造することは困難であり、ゲル化が生じ、結果として
貯蔵安定性において不充分であり、また得られた樹脂を
用いた塗料も実際には塗膜特性において充分に満足しう
るものではない。本発明は、以上の問題を解決するもの
であり、特定の反応を利用して分散安定剤に不飽和二重
結合をもたせたことにより、塗装作業性及び貯蔵安定性
に優れ、塗膜特性も充分な非水分散型樹脂に関する。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、ヒド
ロキシル基、アミノ基及びカルボキシル基より選ばれる
1種または2種以上の官能基を有するビニル系重合体
(A)とイソシアナート基又はエポキシ基を有するビニ
ル系単量体とを反応させて得られる不飽和二重結合を有
するビニル系重合体(B)を分散安定剤として、これが
溶解している有機溶媒中で一般式(I)
【化2】 (式中、R1はアルキル基、アリール基又はアラルキル
基であり、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキ
シ基又はヒドロキシル基であり、kは1〜3の整数であ
る)で示される加水分解性のシリル基を有するビニル系
単量体を必須成分とするビニル系単量体を重合させて得
られる該有機溶媒に不溶なビニル系重合体粒子(C)を
含有してなる非水分散型樹脂並びに該非水分散型樹脂を
含有してなる塗料に関する。
【0007】本発明において、ヒドロキシル基、アミノ
基及びカルボキシル基より選ばれる1種又は2種以上の
官能基を有するビニル系重合体(A)を製造する方法は
公知である。その方法として、例えば、前記官能基を有
するビニル系単量体及びその他のビニル系単量体を共重
合させる方法がある。
【0008】ヒドロキシル基を有するビニル系単量体と
して、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、グリセロール(メタ)アクリレート、
【化3】 等が挙げられる。なお、(メタ)アクリレートとは、ア
クリレート又はメタクリレートの意味である(以下同
様)。
【0009】アミノ基を有するビニル系重合体(A)を
製造する方法としては、イソシアナート基を有するビニ
ル系単量体とその他のビニル系単量体と共重合させた
後、重合体中のイソシアナート基を加水分解してアミノ
基にする方法がある。イソシアナート基を有するビニル
系単量体としては、例えば、イソシアノエチル(メタ)
アクリレート、イソシアノプロピル(メタ)アクリレー
ト等が挙げられ、また、トリレンジイソシアナート、イ
ソホロンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシア
ナート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアナー
ト、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアナー
ト等のジイソシアナート化合物と、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート等のビニル基含有ヒドロキシ化合物と
の付加物等が挙げられる。このような付加物として、例
えば、
【化4】 等が挙げられる。
【0010】更に、カルボキシル基を有するビニル系単
量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、
(無水)マレイン酸等が挙げられ、また、無水フタル
酸、無水こはく酸等の二塩基酸無水物と2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート等のビニル基含有ヒドロキシ化合
物との付加物等が挙げられる。このような付加物とし
て、例えば、
【化5】 等が挙げられる。
【0011】前記官能基を有するビニル系単量体と共重
合させる、その他のビニル系単量体としては、得られる
ビニル系重合体(A)が脂肪族炭化水素を主成分とする
有機溶媒に溶解しうるように選択されるが、例えば、n
−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)ア
クリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エ
チルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)
アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロ
ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アク
リレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシク
ロペンタニル(メタ)アクリレート等のアルキル基炭素
数が4以上の(メタ)アクリル酸エステルが好ましいも
のとして挙げられ、これらの1種又は2種以上を主成分
として共重合することが好ましい。また、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−
プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)
アクリレートのアルキル基炭素数が3以下の(メタ)ア
クリル酸エステルを共重合することもできる。更に、そ
の他のビニル系単量体として、スチレン、ビニルトルエ
ン、α−メチルスチレン等の置換スチレン類、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリルアミ
ド等を併用することもできる。なお、分散安定剤である
ビニル系重合体(A)に、一般式(I)で示される加水
分解性シリル基を含ませるとゲル化しやすいので実質的
に、好ましくは全く含ませないようにする。
【0012】ヒドロキシル基、アミノ基(又は加水分解
によりアミノ基となるイソシアナート基)、カルボキシ
ル基等の官能基を有するビニル系単量体(前者)とその
他のビニル系単量体(後者)との配合割合は、前者が
0.5〜20重量%、後者が80〜99.5重量%が好
ましく、前者が2〜10重量%、後者が90〜98重量
%が特に好ましい。前者が0.5重量%未満では安定な
分散液が得られにくく、20重量%を超えると増粘する
傾向がある。
【0013】重合に使用される重合開始剤としては、例
えば、イソブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキ
サイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキ
サイド、オクタノイルパーオキサイド、t−ブチルクミ
ルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクロ
ルベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイ
ド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、1,1−ビス(t
−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパ
ーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイ
ド、ジイソブチルパーオキシジカーボネート、2−ジエ
チルヘキシルパーオキシジカーボネート、2,5−ジメ
チル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキ
シ)ヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキ
シ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1
−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサ
ン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t
−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパー
オキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキ
サイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘ
キサノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−
エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチル
ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘ
キシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブ
チルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物、アゾ
ビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾジイソブチレー
ト、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)
等のアゾ系化合物があり、1種又は2種以上が使用でき
る。この使用量は、ビニル系重合体(A)の目的とする
分子量により決められるものであるが、通常、ビニル系
単量体の総量に対して0.1〜10.0重量%が好まし
い。また必要に応じて、n−ドデシルメルカプタン、n
−ブチルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン
等の連鎖移動剤を用い、分子量調節をしてもよい。
【0014】本発明のこれらの官能基を有するビニル系
単量体及びその他のビニル系単量体の共重合は、溶液重
合、懸濁重合、乳化重合等の公知の重合法が可能である
が、次の重合工程にそのまま供することができる溶液重
合が最も好ましい。重合時の反応温度は、60〜160
℃が好ましく、80〜140℃がより好ましい。重合の
際に用いられる有機溶媒としては、例えば、ペンタン、
ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の直鎖状脂肪
族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、
エチルシクロヘキサン、シクロヘプタン等の環状脂肪族
炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素が挙げられる。また、酢酸エチル、酢酸ブチル等
のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール等のアルコール類が挙げ
られる。これらは単独でまたは2種類以上を組み合わせ
て用いることもできる。また、混合溶媒であるミネラル
スピリット、ミネラルシンナー、ペトロリウムスピリッ
ト、ホワイトスピリット、ミネラルターペン等も使用可
能である。これらの有機溶媒のうち、次の非水分散型樹
脂の製造のための溶媒としても用いることができる、脂
肪族炭化水素を主成分とする有機溶媒が好ましい。
【0015】上記の方法により官能基を有するビニル系
重合体(A)を得、次いでその官能基と、イソシアナー
ト基又はエポキシ基を有するビニル系単量体中のイソシ
アナート基とを反応させて不飽和二重結合を有するビニ
ル系重合体(B)を得る。イソシアナート基を有するビ
ニル系重合体としては、前記のものが挙げられ、エポキ
シ基を有するビニル系単量体としては、グリシジル(メ
タ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどが挙
げられる。ビニル系重合体(A)とイソシアナート基又
はエポキシ基を有するビニル系単量体との反応は、有機
溶媒に溶解したビニル系重合体(A)を好ましくは40
〜100℃に加熱し、撹拌しながらイソシアナート基又
はエポキシ基を有するビニル系単量体を加える。ビニル
系重合体(A)とイソシアナート基又はエポキシ基を有
するビニル系単量体との割合は、前者の官能基/後者の
イソシアナート基又はエポキシ基の当量比で、1.0/
5.0〜1.0/0.1となるように配合するのが好ま
しい。1.0/5.0未満ではイソシアナート基又はエ
ポキシ基を有するビニル系単量体が多く残存し、1.0
/0.1を超えるとビニル系重合体(B)の不飽和二重
結合の濃度が小さくなり、ともに安定な分散液が得られ
にくい。また、有機スズ化合物、アミン化合物などの塩
基性化合物を添加することでビニル系重合体(A)とイ
ソシアナート基又はエポキシ基を有するビニル系単量体
との反応を促進することもできる。また、本発明におい
てビニル系重合体(A)とイソシアナート基を有するビ
ニル系単量体との反応中あるいは反応後にエポキシ化合
物を添加することで、得られる分散液の安定性を更に向
上できる。
【0016】本発明においては、上記で得られるビニル
系重合体(B)を分散安定剤として、該ビニル系重合体
が溶解している有機溶媒中で、該有機溶媒に不溶なビニ
ル系重合体粒子(C)(分散樹脂粒子(C))を製造
し、安定な非水分散液を得る。分散樹脂粒子(C)は、
前記一般式(I)で示される加水分解性のシリル基を有
するビニル系単量体を必須成分とするビニル系単量体を
重合して得られる。前記一般式(I)で示される加水分
解性のシリル基含有ビニル系単量体の好ましいものとし
ては、例えば、一般式(II)で示される化合物がある。
【化6】 (式中、R2は水素原子又はメチル基であり、R3、R4
及びR5は、各々独立に水素原子、アルキル基、アリー
ル基又はアラルキル基であり、R6は2価の有機基であ
り、Aは−COO−又はフェニレン基であり、Xはハロ
ゲン原子、アルコキシ基、アシロキシ基又はヒドロキシ
ル基であり、aは0〜20の整数であり、kは1〜3の
整数である)
【0017】本発明における一般式(II)で示される
化合物としては、例えば、γ−(メタ)アクリロキシエ
チルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシエ
チルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシ
プロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキ
シプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アク
リロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−(メ
タ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ
−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラ
ン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリクロロシラ
ン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジクロロ
シラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルク
ロロシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリプ
ロピオキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピル
メチルジプロピオキシシラン、γ−(メタ)アクリロキ
シプロピルトリブトキシシラン、γ−(メタ)アクリロ
キシブチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロ
キシペンチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリ
ロキシヘキシルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アク
リロキシヘキシルトリエトキシシラン、γ−(メタ)ア
クリロキシオクチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)
アクリロキシデシルトリメトキシシラン、γ−(メタ)
アクリロキシドデシルトリメトキシシラン、γ−(メ
タ)アクリロキシオクタデシルトリメトキシシラン、1
−(メタ)アクリロキシプロピル−1,1,3,3−テ
トラメチル−3−メトキシジシロキサン、1−(メタ)
アクリロキシプロピル−1,1,3,3,5,5−ヘキ
サメチル−5−メトキシトリシロキサン、1−(メタ)
アクリロキシプロピル−1,1−ジメチル−3,3,3
−メトキシジシロキサン等が挙げられる。なお、(メ
タ)アクリロキシとはアクリロキシ又はメタクリロキシ
を意味する。さらに、
【化7】 等が挙げられる。また、一般式(II)で示される化合物
以外に、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニ
ルシラン、トリス(エチルメチルケトキシム)ビニルシ
ラン、トリアセトキシビニルシラン等のビニルシラン化
合物又はアリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキ
シシラン、アリルトリクロロシラン等のアリルシラン化
合物も使用できる。これらの化合物は、1種または2種
以上が使用できる。
【0018】一般式(I)で示される加水分解性のシリ
ル基を有するビニル系単量体以外のビニル系単量体とし
ては、特に制限はないが、ビニル系重合体(B)の製造
に用いたビニル系単量体よりアルキル基の炭素数の小さ
いアルキル(メタ)アクリレートを主成分として使用す
ることが、分散樹脂粒子(C)を形成しやすい点から好
ましい。このようなビニル系単量体としては、例えば、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピ
ル(メタ)アクリレートのアルキル基炭素数が3以下の
(メタ)アクリル酸エステル、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エ
ステル、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アク
リレート等のアミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル
等が主に使用される。これらのビニル系単量体は、その
1種又は2種以上を分散樹脂粒子(C)の原料となる全
ビニル系単量体中に50重量%以上共重合することが好
ましい。
【0019】また、(C)成分が有機溶媒に不溶になる
範囲内で、例えば、n−ブチル(メタ)アクリレート、
イソブチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アク
リレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、
ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレー
ト、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等のアル
キル基炭素数が4以上の(メタ)アクリル酸エステル類
等の重合性不飽和化合物を併用することもできる。更
に、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等
の置換スチレン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アク
リロニトリル、アクリルアミド等を併用することもでき
る。
【0020】分散樹脂粒子(C)の重合に用いられる重
合開始剤は、前記の説明で例示したものと同様の重合開
始剤が用いられる。この使用量は、分散樹脂粒子(C)
の目的とする分子量により決められるものであるが、
(C)成分となる全ビニル系単量体に対して、0.1〜
10.0重量%が好ましい。
【0021】以上のようにして非水分散型樹脂が得られ
るが、有機溶媒に可溶な分散安定剤と有機溶媒に不溶な
分散樹脂粒子との割合は、前者/後者(重量比)で10
/90〜60/40が好ましい。10/90未満では、
分散安定性が悪くなる傾向にあり、60/40を超える
と、乾燥性が劣る傾向にあり、塗装作業性が問題とな
る。尚、重合にあたっては、他の分散安定剤、レオロジ
ーコントロール剤の如き添加剤を併用してもよい。
【0022】また、非水分散型樹脂中の分散樹脂粒子
(C)の平均粒子径は、通常約100〜1500nmの範
囲にあるのが好ましい。平均粒子径が100nm未満で
は、ワニスの粘度が高くなる傾向にあり、平均粒子径が
1500nmを超えると、貯蔵中に粒子が膨潤または凝集
したりする傾向にある。
【0023】本発明の非水分散型樹脂には、さらに酸性
化合物、塩基性化合物もしくは含錫化合物の単独または
含錫化合物と酸性化合物、含錫化合物と塩基性化合物と
の混合物などを硬化剤として配合することもできる。こ
れらの化合物としては、酸性化合物として、例えば、p
−トルエンスルホン酸、酢酸、(メタ)アクリル酸、ジ
ブチルリン酸、ジオクチルリン酸等が挙げられ、塩基性
化合物として、例えば、n−ブチルアミン、t−ブチル
アミン、2−エチルヘキシルアミン、γ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、トリオクチルアミン、ジブチル
アミン、ヘキシルアミン、トリエチルアミン等が挙げら
れ、含錫化合物として、例えば、ジブチル錫ジラウレー
ト、ジブチル錫ジマレート、ジブチル錫ジアセテート、
ジブチル錫ジオクトエート等が挙げられる。本発明の非
水分散型樹脂は、チタン白、カーボンブラック、フタロ
シアニンブルー等の顔料、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム等の体質顔料及び溶剤を加えて、常法によりエナメル
塗料とすることができる。また、前記顔料を加えずに、
クリアー塗料とすることも可能である。エナメル塗料化
する方法としては、例えば、ロール、サンドミル、ディ
スパーザー等の公知の方法を使用することができる。ま
た、本発明の非水分散型樹脂に相溶性の良好な種ペンを
用い、エナメル塗料を製造することもできる。更に、塗
料としての性能向上のため、顔料分散剤、レベリング剤
等を塗料化の際または塗料化後に添加することも可能で
ある。
【0024】
【実施例】次に本発明の実施例及び比較例を示す。 実施例1 (1)樹脂(A−1)の合成 撹拌装置、還流冷却器及び温度計の付いたフラスコにミ
ネラルターペン(昭和シェル石油社製)400gを仕込
んだ。100℃に昇温後、表1のビニル系単量体及び重
合開始剤の混合物を2時間かけて滴下した。
【表1】 滴下終了後、1時間保温し、更に、2,2′−アゾビス
(イソブチロニトリル)2gをシクロヘキサノン20g
に溶解した液を30分かけて滴下させた。滴下終了後、
1時間保温し、重合反応を完結させた。次に60℃にし
た後、イソシアノエチルメタクリレート30gを加えて
1時間保温して不飽和二重結合を有するビニル系重合体
を製造し、室温まで冷却後、更にミネラルターペンを加
え、加熱残分50重量%になるように調整した(樹脂
(A−1))。 (2)非水分散型樹脂(N−1)の合成 (1)と同様のフラスコに、(1)で合成した樹脂(A
−1)300gを分散安定剤として採取し、ミネラルタ
ーペン200gを加えた。100℃に昇温後、表2のビ
ニル系単量体と重合開始剤の混合物を2時間かけて滴下
した。
【表2】 滴下前は透明だった液が、重合が進むにしたがって白濁
し、非水分散液になった。滴下終了後、1時間保温し、
更に、2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)2g
をシクロヘキサノン20gに溶解した液を追滴下し、1
00℃での保温を2時間継続し、重合反応を完結させ
た。冷却後、更にミネラルターペンを加え、加熱残分5
0重量%になるように調整した。樹脂粘度4600セン
チポイズ、平均粒子径450nmの乳白色の非水分散型樹
脂(N−1)を得た。
【0025】実施例2 (1)樹脂(A−2)の合成 撹拌装置、還流冷却器及び温度計の付いたフラスコにミ
ネラルターペン400gを仕込んだ。100℃に昇温
後、表3のビニル系単量体及び重合開始剤の混合物を2
時間かけて滴下した。
【表3】 滴下終了後、1時間保温し、更に、2,2′−アゾビス
(イソブチロニトリル)2gをシクロヘキサノン20g
に溶解した液を30分かけて滴下させた。滴下終了後、
1時間保温し、重合反応を完結させた。次に60℃にし
た後、
【化8】 で示される化合物を45g加えて1時間保温して不飽和
二重結合を有するビニル系重合体を製造し、室温まで冷
却後、更にミネラルターペンを加え、加熱残分50重量
%になるように調整した(樹脂(A−2))。 (2)非水分散型樹脂(N−2)の合成 (1)と同様のフラスコに、(1)で合成した樹脂(A
−2)300gを分散安定剤として採取し、ミネラルタ
ーペン200gを加えた。100℃に昇温後、表4のビ
ニル系単量体と重合開始剤の混合物を2時間かけて滴下
した。
【表4】 滴下前は透明だった液が、重合が進むにしたがって白濁
し、非水分散液になった。滴下終了後、1時間保温し、
更に、2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)2g
をシクロヘキサノン20gに溶解した液を追滴下し、1
00℃での保温を2時間継続し、重合反応を完結させ
た。冷却後、更にミネラルターペンを加え、加熱残分5
0重量%になるように調整した。樹脂粘度3900セン
チポイズ、平均粒子径480nmの乳白色の非水分散型樹
脂(N−2)を得た。
【0026】実施例3 (1)樹脂(A−3)の合成 撹拌装置、還流冷却器及び温度計の付いたフラスコにミ
ネラルターペン400gを仕込んだ。100℃に昇温
後、表5のビニル系単量体及び重合開始剤の混合物を2
時間かけて滴下した。
【表5】 滴下終了後、1時間保温し、更に、2,2′−アゾビス
(イソブチロニトリル)2gをシクロヘキサノン20g
に溶解した液を30分かけて滴下させた。滴下終了後、
1時間保温し、重合反応を完結させた。次に60℃にし
た後、イオン交換水2gを加えて2時間保温し、加水分
解してイソシアナート基をアミノ基に変え、更にイソシ
アノエチルメタクリレート30gを加えて1時間保温
し、不飽和二重結合を有するビニル系重合体を製造し
た。その後、室温まで冷却してミネラルターペンを加
え、加熱残分50重量%になるように調整した(樹脂
(A−3))。 (2)非水分散型樹脂(N−3)の合成 (1)と同様のフラスコに、(1)で合成した樹脂(A
−3)300gを分散安定剤として採取し、ミネラルタ
ーペン200gを加えた。100℃に昇温後、表6のビ
ニル系単量体と重合開始剤の混合物を2時間かけて滴下
した。
【表6】 滴下前は透明だった液が、重合が進むにしたがって白濁
し、非水分散液になった。滴下終了後、1時間保温し、
更に、2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)2g
をシクロヘキサノン20gに溶解した液を追滴下し、1
00℃での保温を2時間継続し、重合反応を完結させ
た。冷却後、更にミネラルターペンを加え、加熱残分5
0重量%になるように調整した。樹脂粘度4600セン
チポイズ、平均粒子径480nmの乳白色の非水分散型樹
脂(N−3)を得た。
【0027】実施例4 (1)樹脂(A−4)の合成 撹拌装置、還流冷却器及び温度計の付いたフラスコにミ
ネラルターぺン400gを仕込み、100℃に昇温後、
表7のビニル系単量体及び重合開始剤の混合物を2時間
かけて滴下した。
【表7】 滴下終了後、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサ
ノエート2gをミネラルターペンに溶解した液を追滴下
し、100℃に2時間保温して重合反応を完結させた。
次に溶液を90℃にした後、空気を吹き込みながら、グ
リシジルメタクリレート35gを加えて樹脂の酸価が1
未満になる迄保温し、室温まで冷却後、更にミネラルタ
ーペンを加え、加熱残分50重量%になるように調整し
た(樹脂(A−4))。 (2)非水分散型樹脂(N−4)の合成 (1)と同様のフラスコに、(1)で合成した樹脂(A
−4)300gを採取し、ミネラルターペン200gを
加えた。100℃に昇温後、表8のビニル系単量体と重
合開始剤の混合物を2時間かけて滴下した。
【表8】 滴下前は透明だった液が、重合が進むに従って白濁し、
非水分散液になった。滴下終了後、1時間保温し、更に
2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)2gをシク
ロヘキサノン20gに溶解した液を追滴下し、100℃
で2時間保温し、重合反応を完結させた。冷却後、更に
ミネラルターペンを加え、加熱残分50重量%になるよ
うに調整した。樹脂粘度5100センチポイズ、平均粒
子径460nmの乳白色の非水分散型樹脂(N−4)を得
た。
【0028】比較例1 (1)樹脂(A−5)の合成 撹拌装置、還流冷却器及び温度計の付いたフラスコにミ
ネラルターペン400gを仕込んだ。100℃に昇温
後、表9のビニル系単量体及び重合開始剤の混合物を2
時間かけて滴下した。
【表9】 滴下終了後、1時間保温し、更に、2,2′−アゾビス
(イソブチロニトリル)2gをシクロヘキサノン20g
に溶解した液を30分かけて滴下させた。滴下終了後、
1時間保温し、重合反応を完結させた。その後、室温ま
で冷却してミネラルターペンを加え、加熱残分50重量
%になるように調整した。一晩室温で放置した後、この
ものを用いて非水分散型樹脂を合成しようとしたがゲル
化していた。
【0029】比較例2 樹脂(A−6)の合成 撹拌装置、還流冷却器及び温度計の付いたフラスコにミ
ネラルターペン400gを仕込んだ。100℃に昇温
後、表10のビニル系単量体及び重合開始剤の混合物を
2時間かけて滴下した。
【表10】 滴下終了後、1時間保温し、更に、2,2′−アゾビス
(イソブチロニトリル)2gをシクロヘキサノン20g
に溶解した液を30分かけて滴下させた。滴下終了後、
1時間保温し、重合反応を完結させた。次に60℃にし
た後、メタクリル酸25gを加えて2時間保温中にゲル
化した。
【0030】比較例3 (1)樹脂(A−7)の合成 撹拌装置、還流冷却器及び温度計の付いたフラスコにミ
ネラルターペン400gを仕込んだ。100℃に昇温
後、表11のビニル系単量体及び重合開始剤の混合物を
2時間かけて滴下した。
【表11】 滴下終了後、1時間保温し、更に、2,2′−アゾビス
(イソブチロニトリル)2gをシクロヘキサノン20g
に溶解した液を30分かけて滴下させた。滴下終了後、
1時間保温し、重合反応を完結させた。その後、室温ま
で冷却してミネラルターペンを加え、加熱残分50重量
%になるように調整し、樹脂(A−7)を得た。 (2)樹脂(A−8)の合成 撹拌装置、還流冷却器及び温度計の付いたフラスコにミ
ネラルターペン400gを仕込んだ。100℃に昇温
後、表12のビニル系単量体及び重合開始剤の混合物を
2時間かけて滴下した。
【表12】 滴下終了後、1時間保温し、更に、2,2′−アゾビス
(イソブチロニトリル)2gをシクロヘキサノン20g
に溶解した液を30分かけて滴下させた。滴下終了後、
1時間保温し、重合反応を完結させた。その後、室温ま
で冷却してミネラルターペンを加え、加熱残分50重量
%になるように調整し、樹脂(A−8)を得た。 (3)非水分散型樹脂(N−5)の合成 (1)と同様のフラスコに、(1)で合成した樹脂(A
−7)300g、(2)で合成した樹脂(A−8)25
0gを採取し、トリレンジイソシアネート30gとミネ
ラルターペン150gを加えた。80℃に昇温後、2時
間保温したところ、ゲル化した。
【0031】比較例4 (1)樹脂(A−9)の合成 撹拌装置、還流冷却器及び温度計の付いたフラスコにミ
ネラルターペン400gを仕込んだ。100℃に昇温
後、表13のビニル系単量体及び重合開始剤の混合物を
2時間かけて滴下した。
【表13】 滴下終了後、1時間保温し、更に、2,2′−アゾビス
(イソブチロニトリル)2gをシクロヘキサノン20g
に溶解した液を30分かけて滴下させた。滴下終了後、
1時間保温し、重合反応を完結させた。次に60℃にし
た後、イソシアナートエチルメタクリレート30g加え
て1時間保温した。保温中にやや増粘した。その後、室
温まで冷却してミネラルターペンを加え、加熱残分50
重量%になるように調整し、樹脂(A−9)を得た。 (2)非水分散型樹脂(N−6)の合成 (1)と同様のフラスコに、(1)で合成した樹脂(A
−9)300gを採取し、ミネラルターペン200gを
加えた。100℃に昇温後、表14のビニル系単量体と
重合開始剤の混合物を2時間かけて滴下した。
【表14】 滴下前は透明だった液が、重合が進むにしたがって白濁
し、非水分散液になった。滴下終了後、1時間保温し、
更に、2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)2g
をシクロヘキサノン20gに溶解した液を追滴下し、1
00℃保温2時間継続し、重合反応を完結させた。冷却
後、更にミネラルターペンを加え、加熱残分50重量%
になるように調整した。樹脂粘度8500センチポイ
ズ、平均粒子径2100nmの乳白色の非水分散型樹脂
(N−6)を得た。
【0032】評価例1〜5 上記実施例及び比較例で作成した非水分散型樹脂を表1
5に示す配合で白色エナメル塗料化した。展色剤として
実施例1の樹脂(A−1)を、顔料としてチタン白タイ
ペークCR−95(石原産業製)50部を使用し、混練
して塗料を作成した。シンナーとしてミネラルターペン
を用い、フォードカップ#4で12秒(25℃)になる
ように粘度調整し、塗膜が25〜35μm(乾燥後)に
なるように、処理鋼板(#144 日本テストパネル
社)にスプレー塗装した。JISで定めた養生室で2週
間放置し、評価試験板とした。評価結果を表15に示
す。
【0033】
【表15】
【0034】〈貯蔵安定性〉得られた塗料(但し硬化触
媒を含まず)の初期粘度と3ケ月保管後の粘度を測定
し、その粘度変化(増粘率)を下式により求めた。
【数1】 〈ゲル分率〉得られた塗料をバーコーターで処理鋼板上
に塗布(乾燥後の膜厚:25〜35μm)、2週間養生
室で放置した後ソックスレー抽出してゲル分率を求め
た。 〈塗膜性能〉 耐水性:評価試験板をイオン交換水に23±2℃で、1
ケ月浸漬して塗膜外観を評価した。 耐酸性:評価試験板をH2SO45%水溶液に23±2℃
で、1ケ月浸漬して塗膜外観を評価した。 耐アルカリ性:評価試験板を飽和Ca(OH)2水溶液に
23±2℃で、1ケ月浸漬して塗膜外観を評価した。 耐候性:評価試験板についてサンシャインウエザオメー
タ(スガ試験機)で1000時間試験を行い光沢保持率
(G.R.)を測定した。 初期光沢:評価試験板について光度計(日本電色工業
(株)製)を用い、鏡面光沢度測定法により入射角60
°での鏡面反射率を測定した。 密着性:評価試験板について碁盤目試験(1mm×1mm
角、JIS K5400)で評価した。
【0035】
【発明の効果】本発明の非水分散型樹脂を用いること
で、塗膜の耐候性、耐水性、耐薬品性に優れ、更に、光
沢、密着性、耐衝撃性、屈曲性にも優れた塗料が得られ
る。また、得られる塗料の貯蔵安定性も充分である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年10月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】重合に使用される重合開始剤としては、例
えば、イソブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキ
サイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキ
サイド、オクタノイルパーオキサイド、t−ブチルクミ
ルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクロ
ルベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイ
ド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、1,1−ビス(t
−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパ
ーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイ
ド、ジイソブチルパーオキシジカーボネート、2−ジエ
チルヘキシルパーオキシジカーボネート、2,5−ジメ
チル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキ
シ)ヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキ
シ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1
−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサ
ン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t
−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパー
オキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキ
サイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘ
キサノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−
エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチル
ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘ
キシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブ
チルパーオキシイソブチレート、2,2−ビス(4,4
−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン)プロパン
等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、ジメ
チルアゾジイソブチレート、2,2−アゾビス(2,4
−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス(2−
メチルブチロニトリル)等のアゾ系化合物があり、1種
又は2種以上が使用できる。この使用量は、ビニル系重
合体(A)の目的とする分子量により決められるもので
あるが、通常、ビニル系単量体の総量に対して0.1〜
10.0重量%が好ましい。また必要に応じて、n−ド
デシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、γ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプト
プロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロ
ピルトリエトキシシラン等の連鎖移動剤を用い、分子量
調節をしてもよい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】比較例4 (1)樹脂(A−9)の合成 撹拌装置、還流冷却器及び温度計の付いたフラスコにミ
ネラルターペン400gを仕込んだ。100℃に昇温
後、表13のビニル系単量体及び重合開始剤の混合物を
2時間かけて滴下した。
【表13】 滴下終了後、1時間保温し、更に、2,2′−アゾビス
(イソブチロニトリル)2gをシクロヘキサノン20g
に溶解した液を30分かけて滴下させた。滴下終了後、
1時間保温し、重合反応を完結させた。次に60℃にし
た後、イソシアナートエチルメタクリレート30g加え
て1時間保温した。保温中にやや増粘した。その後、室
温まで冷却してミネラルターペンを加え、加熱残分50
重量%になるように調整し、樹脂(A−9)を得た。 (2)非水分散型樹脂(N−6)の合成 (1)と同様のフラスコに、(1)で合成した樹脂(A
−9)300gを採取し、ミネラルターペン200gを
加えた。100℃に昇温後、表14のビニル系単量体と
重合開始剤の混合物を2時間かけて滴下した。
【表14】 滴下前は透明だった液が、重合が進むにしたがって白濁
し、非水分散液になった。滴下終了後、1時間保温し、
更に、2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)2g
をシクロヘキサノン20gに溶解した液を追滴下し、1
00℃保温2時間継続し、重合反応を完結させた。冷却
後、更にミネラルターペンを加え、加熱残分50重量%
になるように調整した。樹脂粘度8500センチポイ
ズ、平均粒子径2100nmの乳白色の非水分散型樹脂
(N−6)を得た。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドロキシル基、アミノ基及びカルボキ
    シル基より選ばれる1種又は2種以上の官能基を有する
    ビニル系重合体(A)とイソシアナート基又はエポキシ
    基を有するビニル系単量体とを反応させて得られる不飽
    和二重結合を有するビニル系重合体(B)を分散安定剤
    として、これが溶解している有機溶媒中で一般式(I) 【化1】 (式中、R1はアルキル基、アリール基又はアラルキル
    基であり、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキ
    シ基又はヒドロキシル基であり、kは1〜3の整数であ
    る)で示される加水分解性のシリル基を有するビニル系
    単量体を必須成分とするビニル系単量体を重合させて得
    られる該有機溶媒に不溶なビニル系重合体粒子(C)を
    含有してなる非水分散型樹脂。
  2. 【請求項2】 有機溶媒が脂肪族炭化水素を主成分とす
    るものである請求項1記載の非水分散型樹脂。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の非水分散型樹脂を
    含有してなる塗料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001294730A (ja) * 2000-04-13 2001-10-23 Hitachi Chem Co Ltd 非水分散型樹脂組成物、その製造法及び塗料
JP2019048947A (ja) * 2017-09-11 2019-03-28 三菱ケミカル株式会社 防汚塗料用ポリマー、樹脂組成物、防汚塗料、塗膜、防汚塗料用ポリマーの製造方法、及び防汚材料

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