JPH0673326U - 排気系の遮蔽板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 遮熱及び防音効果を有するパンチングプレー
トと両面の板を一体的に成形することによって生産性の
向上とコスト低減を可能にする。 【構成】 所定の大きさと間隔で穿孔された多数の小孔
を有するパンチングプレートと該パンチングプレートの
両面に２枚の板を重畳して構成することによって三層構
造を持つ遮蔽板である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車用エンジンの排気系に於ける熱遮蔽及び防音の遮蔽板に関す るものである。

【０００２】

【従来の技術】

自動車用エンジンの排気通路においてエンジンの燃焼に伴う放射熱による熱害 及び、エンジンの運転中の振動や排気管の共振による騒音を防止するために排気 パイプ等の外周に遮蔽板を敷設するが、騒音の原因となる振動エネルギー吸収部 材としてメッシュの細かいステンレス製の金網やグラスウール等を備えてなる遮 蔽板が考案されている。また、遮蔽板に多数の小孔を有する多孔部を形成した発 明が例えば特公昭６２─２１３４号公報に開示されている。

【０００３】 前記技術によれば触媒コンバータの外周を被う遮蔽板に特定の小孔を多数形成 することによって遮蔽板の振動騒音を吸収すると共に、触媒コンバータから発生 する騒音を小孔が吸収するため音波の放射効率が小さくなり、その結果、触媒コ ンバータ付近から発生する車外騒音が大幅に低減できる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、振動エネルギー吸収部材としてメッシュの細かいステンレス製 の金網やグラスウールを遮蔽板に備えたものは高価であるし、遮蔽板に振動エネ ルギー吸収部材を装着するための装着治具が複雑となり、前記装着作業が煩雑で あるため作業性が低下しコスト高になる。また、多孔板を用いた上記技術に於け る遮蔽板は多数の小孔を有する多孔板と遮蔽板本体とが別々に形成されるため、 両者の接合作業が面倒で作業性が低下する。更に、多孔板と遮蔽板本体とは略同 一面上にあるため熱遮蔽が十分でなかった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するために、本考案に係る遮蔽板は、所定の大きさと間隔で穿 孔された多数の小孔を有するパンチングプレートと該パンチングプレートの両面 に２枚の板を重畳して構成することによって三層構造を持つことを特徴とする遮 蔽板である。

【０００６】

【作用】

上記遮蔽板は多数の小孔を有するパンチングプレートと該パンチングプレート の両面に２枚の板を重畳的に重ねて三層構造にすることによって、３枚を一体的 に成形することを可能とし生産性の向上とコスト低減が可能となる。更に、装着 作業も容易であるため作業性も向上する。

【０００７】 また、三層の構造を有しているので各層の接合面に断熱効果を有する空気が介 在するため熱伝導率が低減し遮熱板の遮熱効果が向上する。

【０００８】

【実施例】

以下、上記排気系の遮蔽板の一実施例について図を用いて説明する。図１は排 気パイプ等の外側に配置した遮蔽板の一部切断図である。また、図２は排気パイ プ等の外側に配置した遮蔽板の断面図である。

【０００９】 パンチングプレート１は所定の大きさと間隔で穿孔された多数の小孔を有する 板であって、該多数の小孔は振動騒音を吸収して音波の放射効率を低減させると 共に断熱効果を有する空気層を形成しているために熱伝導効率を低減させ、防音 と併せて熱遮蔽を可能とする。

【００１０】 内板２及び外板３はパンチングプレート１の両面に重畳的に重ねて３層を成し 、板金プレス等による方法で、該パンチングプレート１と一体的に形成され遮蔽 板Ａを構成する。該遮蔽板Ａの端部４は内板２及び外板３を折り返して組み合わ せたハゼ組接合になっている。更に、該遮蔽板Ａは排気パイプ等の外周の形状に 容易に成形することが可能であり、排気パイプなどの外周に取り付けられる。

【００１１】 本実施例では、パンチングプレートを１枚とし両面に重ねる板を１枚ずつとし たが、パンチングプレートと両面に重ねる板は夫々複数枚で成形されても良い。 また、多数の小孔を有するパンチングプレートの代わりに空気層を形成して成る 部材であれば例えば、網状に形成したメッシュプレートを中央に挟んで一体的に 形成しても良い。

【００１２】 また、本実施例では遮蔽板Ａの端部４を内板２と外板３によるハゼ組接合にし たが、一体的に形成する方法であれば、他の方法による接合方法でもよい。また 、遮蔽板Ａを構成する構成部品の材質或いは形状等はこの考案の範囲を上記実施 例のみに限定するものではない。

【００１３】 また、本考案の使用目的は自動車の排気系の遮蔽板のみに限定する必要はなく 、原動機一般の排気系の遮蔽板であっても何ら差し支えない。

【００１４】

【考案の効果】

以上詳細に説明したように、従来技術では多数の小孔を有する多孔板と遮蔽板 本体とが別々に形成され接合されていたが、本考案では多数の小孔を有するパン チングプレートと該パンチングプレートの両面に２枚の板を重ねて三層構造にす ることによって、３枚を一体的に成形することを可能とし生産性の向上とコスト 低減が可能となる。

【００１５】 また、従来技術のような多数の小孔を有する多孔板と遮蔽板本体とが略同一面 上に構成されて一層の構造からなる遮蔽板の遮熱効果に対して、上記考案は三層 の構造を有しているので各層の接合面に断熱効果を有する空気が介在するため熱 伝導率が低減し遮熱板の遮熱効果が向上する。併せて、パンチングプレートが有 する多数の小孔が振動騒音を吸収して音波の放射効率を低減させ防音効果を高め る。

【００１６】 更に、振動エネルギー吸収部材としてメッシュの細かいステンレス製の金網や グラスウールを遮蔽板に備えたものより安価で軽量であり、装着作業も容易であ るため作業性も向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】排気パイプなどの外側に配置した遮蔽板の一部
断面図である。

【図２】排気パイプなどの外側に配置した遮蔽板の断面
図である。

【符号の説明】

１…パンチングプレート ２…内板 ３…外板 ４…端部 Ａ…遮蔽板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車の排気系に於ける熱遮蔽及び防音
   の遮蔽板に於いて、所定の大きさと間隔で穿孔された多
   数の小孔を有するパンチングプレートの両面に２枚の板
   を重ねて三層に構成したことを特徴とする排気系の遮蔽
   板。