JPH0672856B2 - 被パターン化酸化スズ薄膜素子の形成方法 - Google Patents

被パターン化酸化スズ薄膜素子の形成方法

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JPH0672856B2
JPH0672856B2 JP63161136A JP16113688A JPH0672856B2 JP H0672856 B2 JPH0672856 B2 JP H0672856B2 JP 63161136 A JP63161136 A JP 63161136A JP 16113688 A JP16113688 A JP 16113688A JP H0672856 B2 JPH0672856 B2 JP H0672856B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、「特許請求の範囲」請求項1において特定さ
れ、また例えばChang等が「シリコン薄膜上の酸化スズ
マイクロセンサー(Tin Oxide Microsensors on Thin S
ilicon Membranes)」と題して、IEEE Solid-State Sen
sors Workshop Technical Digest(1986)に発表した論
文に開示されているようなカルボン酸スズ化合物を熱分
解することによって、選択された表面領域に酸化スズ半
導体薄膜素子を形成することに関するものである。より
詳しくは、本発明は、フォトレジストマスクを用いて素
子を規定する方法に関するものである。
欧州特許出願第0230104号には、酸化スズ半導体からな
る薄膜ガス検知素子を含むガスセンサーが記載されてい
る。この素子はセンサーの全表面より狭い領域を覆って
いる。その酸化スズ膜は、ガス組成に依存して数値が変
化する測定可能な電気抵抗率を有する非化学量論的な酸
素欠乏型組成を特徴としている。酸化スズ半導体薄膜を
形成するための一方法としては酸化スズターゲットを使
用するスパッタリング法がある。より便利な方法として
は、有機金属析出法[metallo-organic deposition (M
OD)]による方法があり、2−エチルヘキサン酸スズ
(II)のような有機スズ化合物を含むインキを塗布し、
焼成して所望の組成とガス感応抵抗率を有する酸化スズ
膜を形成する方法である。従来は、酸化スズを大きな面
に塗布し、フォトレジストマスクを用いてエッチングし
て素子のパターンを形成していた。代表的なマスクは、
フォトレジスト層を塗布し、素子領域以外の領域にある
フォトレジスト層を選択的に光照射することにより形成
される。フォトレジスト物質は塗布時に水性アルカリ溶
液に不溶であるが、光照射により可溶となる。光照射の
あと、非マスク部のフォトレジストをアルカリ溶剤を用
いて表面から除去し、マスク部は残存される。酸化スズ
は水性アルカリ溶液に対する溶解速度が遅いために、不
要の領域の酸化スズは、別のエッチング操作により除去
する。エッチング後に、マスクを除去して素子を露出さ
せる。
本発明は、従来のMOD法において、マスクを塗布する前
にインキを焼成する必要があることを認識すると理解し
易い。有機スズインキは水性アルカリ溶液に容易に溶解
する。未焼成インキにフォトレジストマスクを塗布する
と、アルカリ溶液によって非マスク部のフォトレジスト
が除去されると同時に、マスクの下層部分を含め表面全
部からインキを洗い落すことになる。
マスキングに先だち有機スズ化合物を部分分解処理する
と、スズ化合物のアルカリ溶液に対する溶解度を低下さ
せ、マスキングしたスズ化合物が容易に洗い落せないよ
うになり、一方非マスキング部のスズ化合物はそのまま
洗い落せるようになることを今や見出した。
本発明による表面の選択領域に酸化スズ半導体薄膜を形
成する方法は、「特許請求の範囲」の請求項1に特定し
た概要を特徴とするものである。
本発明によれば、改善されたMOD法によって、酸化スズ
半導体薄膜を所望の表面領域にのみ形成し、それに隣接
する領域には薄膜を形成することなく、かつ酸化スズ薄
膜素子を所望のパターンに容易に形成するものである。
本発明の好ましい実施態様によれば、MOD法は、熱分解
性カルボン酸スズ化合物から形成されたインキをパター
ン領域とその隣接領域の両方に塗布する工程を含んでい
る。スズインキは、カルボン酸スズ化合物を部分分解す
るのに充分な時間、充分な温度において空気中で加熱し
て、非マスク部のフォトレジスト物質を除去するための
溶剤として使用するようなタイプの水性アルカリ溶液へ
の溶解度が低下した中間化合物を生成する。部分分解処
理の時間と温度は、使用するカルボン酸スズ化合物に左
右される。市販されている品位の2−エチルヘキサン酸
スズ(II)からなるインキに対しては、好ましい部分分
解工程は、約110゜と130℃との間の温度において約20乃
至30分間行われる。ネオデカン酸スズ(II)に対して
は、好ましい部分分解範囲は約240℃と245℃との間であ
って約25ないし30分間である。
本発明の目的は、フォトレジスト層の塗布、現像に先立
って、スズ化合物を部分分解する工程を含み、さらに本
発明の好ましい実施態様においては、非マスク部のフォ
トレジストを除去するのに使用するアルカリ溶剤中で、
不要なスズ化合物を溶解除去する工程を含む、有機スズ
化合物の熱分解により酸化スズ半導体薄膜素子を形成す
るための改善されたMOD法を提供することにある。マス
キングされた領域の部分分解スズ化合物は、溶剤の存在
に拘らずほぼ完全に残留する。このため、不要のスズ化
合物は、非マスク部のフォトレジストと同一工程で除去
され、薄膜をパターニングするための別のエッチング工
程が不要となる。
部分分解スズ化合物をパターニングするために、光照射
するまでは水性アルカリ溶剤に不溶なフォトレジスト物
質で膜を被覆する。フォトレジスト層を選択的に光照射
して、所望の素子領域を不溶性のマスクで被覆するよう
にする。ついでフォトレジスト層を水性アルカリ溶剤と
接触させる。非マスク領域においては、溶剤が光により
生成した可溶性フォトレジスト物質を溶解し、つぎに下
層の部分分解スズ化合物を溶解する。これに対してマス
ク部は溶解されず、その下層のスズ化合物が溶出するの
を阻止する。また溶剤は、部分分解処理がない場合は、
マスク下方のスズ化合物を側方部から溶出するが、この
ようなことも起らない。かくしてスズ化合物はパターン
領域に残留し、隣接領域からは除去されることになる。
不要なスズ化合物を除去した後、適当な非水性溶剤を用
いてフォトレジストマスクを除去し、その下にある部分
分解スズ化合物を露出させる。ついでこのスズ化合物を
完全に分解させ、酸化スズ半導体薄膜を形成するために
十分な時間、十分な温度をかけて空気中で加熱する。
かくして、本発明方法は所望の表面領域のみに酸化スズ
半導体薄膜を形成することになるが、これに対し従来方
法は、表面全体に酸化スズ薄膜を形成させて後、不要領
域から酸化スズを除去するようになる。不要のスズ化合
物は、非マスク部のフォトレジスト物質の除去と同一工
程中で同一溶剤を用いて除去できる。これに対し、マス
クしたスズ化合物は、ほとんど溶解されない。従って、
本発明方法は、経費と時間のかかるエッチング工程を省
略し、パターン化された酸化スズ半導体薄膜素子を形成
するに要する工程数を減じ、ガスセンサーのような装置
を製造するための時間と費用を節減することになる。
本発明の好ましい実施態様を下記の実施例にもとづいて
説明する。
実施例1 本実施例においては、第1図ないし第4図を引用して、
2−エチルヘキシル酸スズ(II)化合物の熱分解による
酸化スズ半導体薄膜の形成について説明する。
第1図において好ましいシリコンウエハー基体10は熱成
長二酸化ケイ素表面層12を含んでいる。インキは、米国
モートンチオコール社のアルファ プロダクツ ディビ
ジョン(Alfa Products Division of Morton Thiokol,I
nc.,U.S.A)から市販されている2−エチルヘキシル酸
スズ(II)1gを、超高純度品位のキシレン1mlに溶解し
て調製した。インキ溶液を層12上に塗布し、基体10を約
3,000RPMで、約120秒間回転させてスピンにより均一に
塗布した。キシレン溶剤を環境温度で揮発させると、イ
ンキ残留分は厚さが500nm(5000Å)程度の粘着性膜と
なった。本発明により、インキ膜を空気中で約120℃に
おいて約30分間加熱して、第1図の部分分解膜14を形成
させた。
ポジ形のフォトレジスト材を膜14に塗布し、光照射し
て、第2図に示したように、アルカリ可溶性非マスク部
16と、アルカリ不溶性マスク部18を含む層を形成させ
た。好ましい市販のフォトレジスト材は、米国シップレ
イ社(Shipley Co.)から商標名AZ−1350Jとして入手で
き、このものは揮発性有機溶剤中に溶解してあるオルト
ジアゾケトン化合物を含む。この市販の液体を層14に塗
布し約5,000RPMで基体10を回転して均一にした。乾燥
後、約85℃で約10分間フォトレジスト材をプリベーキン
グした。フォトレジスト層を非マスク部16に選択的に選
択的に紫外線照射して、フォトレジスト材を水性アルカ
リ溶液に可溶のカルボン酸形に転換させ、一方マスク部
18には紫外線照射せず、アルカリ不溶形のままに残し
た。
光照射フォトレジスト層を有する基体10を、米国シップ
レイ社からマイクロポジットデベロッパー(Microposit
Developer)(希釈せずに使用)なる商標名で入手した
0.6N水性アルカリ溶剤に30分間浸漬した。フォトレジス
トの非マスク部16はアルカリ溶液に溶解したが、マスク
部18は溶解しなかった。本発明のこの好ましい実施態様
によれば、フォトレジストの非マスク部16の下方に当る
スズ化合物14も同時にアルカリ溶液に溶解した。しかし
マスク部18の下方にある部分分解スズ化合物20は第3図
に示すように、溶剤によりほとんど侵食されなかった。
マスク部18を、アセトンに約5分間浸漬して除去し、膜
20を露出させた。膜20を有する表面を空気中で約500℃
において約1時間加熱して、スズ化合物を完全に分解
し、第4図に示すように酸化スズ薄膜素子22を形成させ
た。形成した薄膜素子22は厚さが約100と200nmの間(約
1,000乃至2,000Å)であり、ガス検知素子として使用す
るのに適している。
比較例1A 比較のため、本発明の予備パターニング部分分解処理を
行わない以外は、実施例1と同様の方法を行った。キシ
レン溶液の2−エチルヘキサン酸スズ(II)を塗布し乾
燥した。実施例1と同様に、ポジ形フォトレジスト層を
塗布し、光照射してマスク部を形成した。実施例1と同
様、フォトレジスト層を有する基体をアルカリ溶剤に浸
漬したが、溶剤はマスク部の下方を含め表面全体にある
インキを溶解した。得られた表面にはスズ化合物はほと
んどなく、従って酸化物膜素子は形成できなかった。
比較例1B 比較のために、フォトレジスト層を塗布する前に有機ス
ズ化合物を完全に分解した以外は実施例1の方法を行っ
た。キシレン溶液の2−エチルヘキサン酸スズ(II)を
塗布し、乾燥し、空気中で約450℃で1時間焼成して基
体表面全体を被覆する酸化スズ薄膜を形成させた。フォ
トレジスト層を塗布し、実施例1と同様に光照射した。
光照射したフォトレジスト層を実施例1で使用したアル
カリ溶剤に浸漬した。フォトレジストの非マスク部は溶
剤で溶解したが、酸化スズ膜はほとんど除去されなかっ
た。従って、基体の非マスク部から酸化スズ膜をエッチ
ングし、希望する素子の形状を形成するには追加工程が
必要となった。
実施例2 本実施例では、ネオデカン酸スズ(II)化合物を含むイ
ンキを用いた以外は、実施例1と同様の方法を行った。
ネオデカン酸スズ(II)は、ネオデカン酸とスズエトキ
シドとを反応させて調製した。ネオデカン酸スズ(II)
1gをキシレン1mlに溶解してインキを調製した。インキ
をスピンコーティングし乾燥した。乾燥したインキ膜を
空気中で、約240℃と245℃との間の温度で約30分間加熱
して部分分解した。フォトレジスト層を塗布し、紫外線
に選択的に露光させマスクを形成し、以下は実施例1の
工程に従った。非マスク部のフォトレジストは、水性ア
ルカリ溶剤を用いて溶解除去した。本発明の好ましい実
施態様によれば、露光したフォトレジスト物質の下方に
ある部分分解スズ化合物は溶剤に溶解し、一方マスク部
の下方の部分分解スズ化合物はほとんど影響をうけなか
った。マスク部を除去後、パターン化したスズ化合物膜
を空気中で約450℃の温度において約60分間焼成した。
得られた酸化スズ薄膜素子は満足すべき半導体特性とガ
ス検知性を示した。
従って、本発明の改善されたMOD法は、カルボン酸スズ
(II)化合物を熱分解することにより、表面の選択領域
上に酸化スズ半導体薄膜を形成し、かつ表面の隣接領域
上には酸化スズ膜を形成しない方法である。スズ(II)
化合物として適しているものは、有機母体部分のカルボ
キシル基の酸素に結合したスズを含む分子式によって特
徴づけられるものであり、スズ−炭素結合を含むオルガ
ノスズ化合物とは逆の構造を有するものである。スズ
(II)は、+2の酸化状態を表わすものである。従って
スズは代表的には2個のガルボキシル基部分と結合す
る。すなわち、実施例1の2−エチルヘキサン酸スズ
(II)は、2個の2−エチルヘキサエート基を含み、分
子式Sn(C8H15O2で表わされる。実施例2における
ネオデカン酸スズ(II)は、分子式Sn(C10H19O2
表わされる。一般にハロゲン化物を含むスズ(IV)化合
物は熱分解して本発明方法のアルカリ溶液を用いてパタ
ーニングするのに好適な溶解性を有する中間体とはなら
ないと信じられる。
カルボン酸スズ(II)化合物は加熱によって分解し、揮
発性有機副生物と酸化スズを生成する。分解は空気中で
行うのが好ましいが、比較的低温のため分解には雰囲気
中の酸素との反応は伴なわないと信じられる。カルボン
酸スズ(II)は一般にアルカリ溶液、とくに非マスク部
のポジ形フォトレジスト物質を除去するのに使用するタ
イプのアルカリ溶液に対して高度の溶解度を有している
ため、比較例1Aで示したようにマスク部の下方にあって
もカルボン酸スズ(II)化合物は洗い落されることにな
る。これに対し、有機化合物から誘導された酸化スズは
アルカリ溶液に対しほぼ不溶で、比較例1Bに示したよう
に一旦形成した酸化スズ膜をパターニングするにはエッ
チング工程が必要となる。
本発明によれば、カルボン酸スズは、パターニング前に
部分分解処理されて、非マスク部の膜はフォトレジスト
現像溶剤に溶解する一方、マスク部の化合物は溶解され
ないように溶解性が低下せしめられる。このパターニン
グ前の処理の時間と温度はインキ化合物の種類に依存す
る。実施態様に記載した好ましい市販品位の2−エチル
ヘキサン酸スズ(II)化合物については、適当な処理は
110℃乃至130℃で20乃至30分間である。約110℃以下の
温度で加熱した場合は、マスク部の膜の溶解抑制が十分
でないことが判明している。また処理温度が約130℃よ
り高い場合は、溶解を顕著に遅らせ、不要なスズ化合物
をフォトレジスト溶剤で除去するのに要する時間が延び
て望ましくないことが判明している。
実施例1で使用した市販品位の2−エチルヘキサン酸ス
ズ(II)化合物の分解挙動は第5図の熱重量分析で示さ
れる。このデータは、デュポン社製9900型熱重量分析計
を使用して得たものである。市販の化合物で溶剤を含有
しない試料を、空気中で室温から毎分10℃の昇温速度で
加熱したがら試料重量を連続的に秤量した。第5図は測
定した試料重量を温度の関数として示している。102℃
以下の温度での重量損失は、主に2−エチルヘキサン酸
スズ(II)化合物の揮発によるものである。それより高
い温度では、2−エチルヘキサン酸スズ(II)化合物が
分解して揮発性の有機副生物を生じ、重量損失が起る。
この分解は2段で進むものと考えられる。第一段分解は
260℃以下の温度で起り、2−エチルヘキサン酸スズ(I
I)は部分酸化物と称しているスズ中間体化合物に分解
するものと考えられる。300℃を越える温度での重量損
失は、中間体化合物がさらに分解して所望の酸化スズを
生成するためのものである。約389℃を越える温度では
それ以上の重量損失は僅かとなり酸化スズが安定なこと
を示している。好ましいプリパターニングの温度範囲は
A点とB点との間にあることが示されている。
実施例2におけるネガデカン酸スズ化合物の熱重量分析
結果は、第5図に似ているが、比較的温度は高くなる。
約228℃までの温度ではその重量損失は主として揮発に
よるものである。約228℃以上では、熱分解により急速
に重量が減少する。中間体化合物の生成は主として約30
2℃まで起る。約302℃以上では中間体はさらに分解し
て、所望の酸化スズを生成する。約420℃では明確な重
量変化がなく安定した酸化物が生成したことを示してい
る。好ましいプリパターニングの部分分解温度範囲は、
240℃乃至245℃である。
このようにカルボン酸スズ(II)化合物が分解する温度
範囲は特定の化合物に左右される。また分解の温度範囲
はインキ中に不純物にも左右される。実施例1におい
て、約102℃で分解を始める市販品位の化合物はナトリ
ウムを含有しており、この量は生成した酸化膜の酸化ナ
トリウム含有量が4重量%に相当するものである。高純
度の2−エチルヘキサン酸スズ(II)化合物を熱重量分
析した結果では、分解は約200℃で開始する。市販品の
分解温度が可成り低いのはナトリウム不純物が存在して
いるためである。酸化スズ膜のガス検知特性を調整する
ためにインキに混合する白金化合物のような有機金属添
加物もまたインキの分解温度に影響を及ぼす。同じく、
本発明によるカルボン酸スズ化合物を部分分解するため
の有効温度も特定の化合物によって左右される。一般に
は、適当なプリパターニングの部分分解温度は、化合物
が分解を始めるのには充分であるが、酸化物を生成する
程ではない範囲内である。すなわち溶解度が低下した中
間体を生成するには充分であるが、中間体を分解しない
温度範囲である。
実施例においては、部分分解膜は、非マスク領域に光照
射して可溶性物質を生成させるポジ形フォトレジストを
使用してパターニングした。しかし本発明では、マスク
領域を光照射するネガ形フォトレジスト物質を用いても
適切に実施することができる。非マスク領域のネガ形フ
ォトレジストは通常非水性溶剤で除去するため、不要な
スズ化合物を除去するためには、追加のアルカリ処理が
必要となる場合がある。
また各実施例を通して、不要なスズ化合物は市販のフォ
トレジスト現像液を用いて溶解させたが、他の水性アル
カリ溶液、例えば水酸化カリウムを使用することもでき
る。
本発明によって形成させる酸化スズ半導体薄膜は、とく
にガス検知に有用であるが、本発明は集積回路用の抵抗
素子のような他の目的の半導体素子の形成に利用するの
にも適している。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第4図は、本発明による酸化スズ半導体薄膜
素子を製造するための一連の工程を説明するものであ
り、 第5図は、熱重量分析グラフで、横軸は温度、縦軸は重
量を示すものである。 10……シリコンウエハー基体 12……二酸化ケイ素表面層 14……部分分解インキ膜 16……非マスク部 18……マスク部 22……酸化スズ薄膜素子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化スズ半導体薄膜(22)を、表面の所望
    のパターンに形成させるべく、表面に塗布した熱分解性
    カルボン酸スズ(II)化合物を含むインキ膜を加熱し
    て、酸化スズ膜(22)を生成させることからなる前記表
    面の選択した領域上に前記酸化スズ半導体薄膜(22)を
    形成する方法において、 該方法が、熱分解性カルボン酸スズ(II)化合物を含む
    インキ膜を前記選択領域とそれに隣接する領域の双方に
    均一に塗布し、該カルボン酸スズ化合物を部分分解させ
    るのに充分な時間、充分な温度において前記インキ膜を
    加熱して水性アルカリ溶液に対する溶解度を低下させた
    膜(14)を形成し、前記選択領域が水性アルカリ溶液に
    対して不溶のフォトレジストマスク(18)を保持するよ
    うに、前記の部分分解膜(14)上にフォトレジスト層
    (16、18)を被覆し、前記隣接領域からフォトレジスト
    物質を除去して、その下方にある部分分解スズ化合物を
    露出せしめ、その際前記部分分解スズ化合物を前記選択
    領域内において前記のマスク(18)で保護しておき、露
    出した部分分解スズ化合物を水性アルカリ溶液で溶解除
    去し、その際フォトレジストマスク(18)で選択領域内
    の部分分解スズ化合物(20)の溶解を防止しておき、選
    択領域からフォトレジスト物質を除去して部分分解スズ
    化合物(20)を露出させ、さらにこの部分分解スズ化合
    物を充分な温度において充分な時間加熱して、該化合物
    をさらに分解して、隣接領域上を除く選択領域上に前記
    酸化スズ半導体薄膜(22)を形成することを特徴とする
    酸化スズ半導体薄膜の形成方法。
  2. 【請求項2】前記部分分解スズ化合物上に塗布するフォ
    トレジスト層が水性アルカリ溶液に実質的に不溶であ
    り、隣接領域を被覆しているフォトレジスト層(16)を
    選択的に光照射して、水性アルカリ溶剤に可溶な物質を
    生成し、選択領域を被覆している光非照射のアルカリ不
    溶性フォトレジスト物質が前記のマスク(18)を形成
    し、光照射フォトレジスト層(16)を有する表面を水性
    アルカリ溶剤に曝して、隣接領域から前記の可溶性フォ
    トレジスト物質を除去すると共に、その下方にある部分
    分解スズ化合物を溶解する請求項1記載の表面選択領域
    への酸化スズ半導体薄膜(22)の形成方法。
  3. 【請求項3】インク膜が主として2−エチルヘキサン酸
    スズ(II)からなり、110℃と130℃との間の温度におい
    て、20乃至30分間加熱することによって部分的に分解す
    る請求項1または2記載の表面選択領域への酸化スズ半
    導体薄膜(22)の形成方法。
  4. 【請求項4】カルボン酸スズ(II)化合物が実質的にネ
    オデカン酸スズ(II)からなり、240℃と245℃との間の
    温度において25乃至30分間加熱することによって部分的
    に分解する請求項1または2記載の表面選択領域への酸
    化スズ半導体薄膜(22)の形成方法。
JP63161136A 1987-07-01 1988-06-30 被パターン化酸化スズ薄膜素子の形成方法 Expired - Lifetime JPH0672856B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US07/068,545 US4752501A (en) 1987-07-01 1987-07-01 Method for forming patterned tin oxide thin film element
US68,545 1987-07-01

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6429752A JPS6429752A (en) 1989-01-31
JPH0672856B2 true JPH0672856B2 (ja) 1994-09-14

Family

ID=22083247

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