JPH0672492A - 酒燗機への酒注入用補助具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 中空部材４に対し容器を固定する容器ホルダ
ーを備え、その中空部材４に、酒燗機の注入口に差し込
まれる注出口４ｂと、中空部材４の内部と外部とを連通
する注入パイプ７とが設けられる。その注入パイプ７を
囲む軸方向移動可能なシールパイプ９を、中空部材４の
外方に向かって付勢する弾性部材１３が設けられる。そ
のシールパイプ９が容器の注出口の周囲部に押し付けら
れると共に中空部材４の内方に向かって移動すること
で、前記注入パイプ７が容器の注出口に向かって相対移
動すると共にシールパイプ９と容器との間がシールされ
る。 【効果】 注出口がフィルム材によりシールされた容器
に入った酒を、人手により容器を保持することなく、そ
のフィルム材を人手により破ることなく、かつ、酒を周
囲にこぼすことなく酒燗機に注入できる。中空部材の形
状を酒瓶の瓶口と同形状とすることで汎用されている酒
燗機に紙容器に入った酒を注入できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、容器に入った酒を酒燗
機に注入するための補助具に関し、特にフィルム材によ
りシールされた注出口を有する紙容器に入った酒を注入
するのに適するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の酒燗機にあっては、その上部の注
入口に倒立した酒瓶の瓶口が差し込まれることで酒が注
入されるものが汎用されていた（特公昭５４‐１７８１
４号公報参照）。しかし、近年にあっては紙容器に入っ
た酒が市場に広く出回るようになっていることから、そ
のような紙容器から酒燗機に酒を注入することが要望さ
れている。

【０００３】一般的な紙容器は箱形であって、その注出
口は容器の一側に形成されている。また、一般的な紙容
器の注出口はフィルム材により覆われ、そのフィルム材
を酒の注出に際して破る必要がある。そのため、例えば
図６〜図８に示すような注出口構造とされている（実公
昭５８‐３７８３８号公報参照）。すなわち、紙容器１
０１の一側に形成された注出口１０２がフィルム材１０
３に覆われ、そのフィルム材１０３を覆うように筒状の
外栓１０４が紙容器１０１にフランジ１０４ａを介し固
定され、その外栓１０４の内部に一端に歯１０７を有す
る筒状の中栓１０５が挿入され、その外栓１０４の外部
にキャップ１０６が嵌合される。その中栓１０５を紙容
器１０１内に押し込むことで、その歯１０７によりフィ
ルム材１０３が破られる。なお、その中栓１０５の内部
は仕切部材により酒の注出口１０５ａと空気口１０５ｂ
とに仕切られている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、汎用されてい
る酒燗機の注入口は酒瓶の瓶口を差し込むのに適した形
状とされているため、上記のような紙容器１０１を差し
込むことはできず、その紙容器１０１内の酒を注入しよ
うとすると人手により紙容器１０１を保持しなければな
らず、注入に際してはフィルム材１０３を人手により破
る手間が必要で、また、酒燗機の注入口と紙容器１０１
の注出口１０２とが離れるため酒が周囲にこぼれ易いと
いう問題がある。

【０００５】本発明は上記従来技術の問題を解決するこ
とのできる酒燗機への酒注入用補助具を提供することを
目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の特徴とするとこ
ろは、容器に入った酒を酒燗機に注入するための補助具
であって、中空部材と、この中空部材に対し容器を固定
する容器ホルダーとを備え、その中空部材に、酒燗機の
注入口に差し込まれる注出口と、中空部材の内部と外部
を連通する注入パイプとが設けられ、その注入パイプを
囲むシールパイプが軸方向移動可能に設けられ、そのシ
ールパイプを中空部材の外方に向かって付勢する弾性部
材が設けられ、そのシールパイプが容器の注出口の周囲
部に押し付けられると共に中空部材の内方に向かって移
動することで、前記注入パイプが容器の注出口に向かっ
て相対移動すると共にシールパイプと容器との間がシー
ルされる点にある。

【０００７】

【作用】本発明の構成によって酒燗機に容器内の酒を注
入するには、中空部材の注出口を酒燗機の注入口に差し
込み、容器ホルダーにより容器を保持することで中空部
材に対し容器を固定し、その容器の注出口の周囲部をシ
ールパイプに押し付け、そのシールパイプを中空部材の
内方に向かって移動させる。これにより、中空部材の内
部と外部を連通する注入パイプが容器の注出口に向かっ
て相対移動するので、容器を人手により保持することな
く容器内の酒を中空部材を介し酒燗機に注入することが
できる。また、容器の注出口内に向かって注入パイプが
相対移動することにより容器の注出口をシールするフィ
ルム材を破ることができ、そのフィルム材を人手により
破る必要がない。また、そのフィルム材はシールパイプ
と容器との間がシールされた後に破られるので、容器か
ら注出される酒がシールパイプの外部に洩れるのを防止
でき、紙容器のような箱形容器に入った酒を酒燗機に注
入するのに適する。また、中空部材の形状は任意形状に
できるので、注出口の形状を酒瓶の瓶口と同形状とする
ことで、汎用されている酒燗機に紙容器に入った酒を注
入できる。

【０００８】

【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。

【０００９】図１〜図５に示す酒燗機の酒注入用補助具
１は、図６〜図８に示した紙容器１０１に入った酒を酒
燗機３に注入するためのものである。その酒燗機３は従
来より汎用されているもので、上部に設けられた注入口
３ａから注ぎ込まれた酒を下部に設けられたヒーター３
ｃにより加熱し、側面に設けられた注出栓３ｄより注出
するもので、その注入口３ａは酒瓶の瓶口を差し込み可
能な形状とされている。

【００１０】その酒注入用補助具１は、中空部材４と、
その中空部材４に対し紙容器１０１を固定する紙容器ホ
ルダー１０とを備える。その中空部材４は、ガラス製の
漏斗状本体４ａと、その漏斗状本体４ａの上部開口にシ
ール部材１１を介し嵌合されるプラスチック製の上蓋５
とから構成されている。その紙容器ホルダー１０はバネ
鋼板製で、紙容器１０１が嵌め込まれる保持部１０ａ
と、前記上蓋５に固定される固定部１０ｂと、その保持
部１０ａと固定部１０ｂを連結する連結部１０ｃとから
構成されている。その保持部１０ａに対する紙容器１０
１の嵌め込みは、紙容器１０１の注出口１０２の周囲の
前記フランジ１０４ａが、後述のシールパイプ９にガス
ケット１２を介し押し付けられるように行なう。

【００１１】その中空部材４の漏斗状本体４ａの下端
は、酒瓶の瓶口と同一形状の注出口４ｂとされ、前記酒
燗機３の注入口３ａに差し込まれる。その中空部材４の
上蓋５に、中空部材４の内部と外部を連通する注入パイ
プ７が設けられている。すなわち、その上蓋５には中央
に開口５ａが設けられ、また、この開口５ａの周縁部か
ら中空部材４の外方に突出する筒状の外方突出部５ｃ
と、中空部材４の内方に突出する筒状の内方突出部５ｄ
とが一体的に設けられている。その内方突出部５ｄの外
周に形成された雄ねじにプラスチック製のナット６がね
じ合わされ、このナット６の中央に形成された雌ねじ孔
に注入パイプ７が挿入されると共にねじ合わされてい
る。なお、そのナット６には通孔６ａが設けられてい
る。その注入パイプ７は、プラスチック製の第１部材７
ａと、この第１部材７ａの先端に嵌合された金属製の第
２部材７ｂとで構成され、その第１部材７ａの外径は第
２部材７ｂの外径より大きくされることで、注入パイプ
７の外周には段部７ｃが形成されている。その第１部材
７ａの端部にはフランジ７ａ′が形成され、前記ナット
６に当接することで注入パイプ７の位置決めがなされ
る。なお、図３に示すように、注入パイプ７の第２部材
７ｂは第１部材７ａ側が円筒部７ｂ′とされ、先端側が
前記中栓１０５の注出口１０５ａに挿入可能なように半
円筒部７ｂ″とされている。

【００１２】その注入パイプ７を囲むシールパイプ９
が、上蓋５の外方突出部５ｃにシールリング１４を介し
軸方向移動可能に挿入されている。そのシールパイプ９
の一端にはフランジ９ａが形成され、そのフランジ９ａ
が外方突出部５ｃの内面に形成された段部に当接するこ
とでシールパイプ９の外方突出部５ｃからの抜けが防止
される。また、そのシールパイプ９の先端には環状ガス
ケット１２が取り付けれている。そのシールパイプ９
を、中空部材４の外方（図１において上方）に向かって
付勢する圧縮コイルバネ１３が、そのシールパイプ９と
前記ナット６の間に設けられている。

【００１３】上記構成によって酒燗機３に紙容器１０１
内の酒を注入するには、図５に示すように中空部材４の
注出口４ｂを酒燗機３の注入口３ａに差し込み、紙容器
ホルダー１０により紙容器１０１を保持することで中空
部材４に対し紙容器１０１を固定し、図４に示すよう
に、その紙容器１０１の注出口１０２の周囲の外栓１０
４のフランジ１０４ａを、シールパイプ９にガスケット
１２を介し押し付け、そのシールパイプ９を中空部材４
の内方に向かって移動させる。すると、前記外栓１０４
が注入パイプ７とシールパイプ９の間に挿入されると共
に、中栓１０５の先端が注入パイプ７の段部７ｃに押さ
れて紙容器１０１の注出口１０２内に進入し、中栓１０
５の歯１０７によりフィルム材１０３が押し破られ、注
入パイプ７は紙容器１０１内に入り込む。これにより、
紙容器１０１を人手により保持することなく紙容器１０
１内の酒を中空部材４を介し酒燗機３に注入することが
できる。また、注入パイプ７が紙容器１０１の注出口１
０２に向かって相対移動することにより、その注出口１
０２をシールするフィルム材１０３を破ることができ、
そのフィルム材１０３を人手により破る必要がない。ま
た、シールパイプ９と紙容器１０１との間がガスケット
１２を介しシールされ、このシールがなされた後に前記
フィルム材１０３が破られるので、紙容器１０１から注
出される酒がシールパイプ９の外部に洩れるのを防止で
きる。なお、注入パイプ７とシールパイプ９との間にこ
ぼれた酒は、ナット６に形成された通孔６ａを通じて中
空部材４の内部へ流れ込む。また、中空部材４の注出口
４ｂの形状を酒瓶の瓶口と同形状とすることで、汎用さ
れている酒燗機３に紙容器１０１に入った酒を注入でき
る。

【００１４】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではない。例えば、容器としては紙容器に限定されず
プラスチック容器であってもよく、また、上記のような
中栓１０５のない容器であってもよい。また、上記実施
例では注入パイプ７とナット６とを別部材とし、注入パ
イプ７をプラスチック製の第１部材７ａと金属部材７ｂ
とで構成したが、図９に示すように、ナット６を設ける
ことなく注入パイプ７に上蓋５の内方突出部５ｄへのね
じ込み部７′と通孔７″を一体的に設けると共に、注入
パイプ７をプラスチック材のみから成形して部品点数を
削減してもよい。また、中空部材は漏斗状とする必要は
なく、その注出口の形状も瓶口形状にする必要はなく、
酒燗機の注入口に応じた形状とすればよい。また、シー
ルパイプの先端のガスケットは必須ではない。また、容
器ホルダーも容器を中空部材に固定できれば形状や材質
は適宜変更することができる。

【００１５】

【発明の効果】本発明の酒燗機への酒注入用補助具によ
れば、注出口がフィルム材によりシールされた容器に入
った酒を、人手により容器を保持することなく、そのフ
ィルム材を人手により破ることなく、かつ、酒を周囲に
こぼすことなく酒燗機に注入でき、また、中空部材の形
状を酒瓶の瓶口と同形状とすることで汎用されている酒
燗機に紙容器から酒を注入するのに最適なものになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の酒注入用補助具の断面図

【図２】本発明の実施例の酒注入用補助具の斜視図

【図３】本発明の実施例の酒注入用補助具の注入パイプ
の部分斜視図

【図４】本発明の実施例の酒注入用補助具の酒注入時の
要部断面図

【図５】本発明の実施例の酒注入補助具の使用時の構成
図

【図６】紙容器の注出口の分解斜視図

【図７】紙容器の注出口の断面図

【図８】紙容器の斜視図

【図９】変形例の要部の断面図

【符号の説明】

３ 酒燗機 ４ 中空部材 ７ 注入パイプ ９ シールパイプ １０ 容器ホルダー １３ バネ １０１ 紙容器

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武本 昌之 東京都台東区台東一丁目５番１号凸版印刷 株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器に入った酒を酒燗機に注入するため
   の補助具であって、中空部材と、この中空部材に対し容
   器を固定する容器ホルダーとを備え、その中空部材に、
   酒燗機の注入口に差し込まれる注出口と、中空部材の内
   部と外部を連通する注入パイプとが設けられ、その注入
   パイプを囲むシールパイプが軸方向移動可能に設けら
   れ、そのシールパイプを中空部材の外方に向かって付勢
   する弾性部材が設けられ、そのシールパイプが容器の注
   出口の周囲部に押し付けられると共に中空部材の内方に
   向かって移動することで、前記注入パイプが容器の注出
   口に向かって相対移動すると共にシールパイプと容器と
   の間がシールされることを特徴とする酒燗機への酒注入
   用補助具。