JPH067235U - 固体電解コンデンサ - Google Patents

固体電解コンデンサ

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JPH067235U
JPH067235U JP5098792U JP5098792U JPH067235U JP H067235 U JPH067235 U JP H067235U JP 5098792 U JP5098792 U JP 5098792U JP 5098792 U JP5098792 U JP 5098792U JP H067235 U JPH067235 U JP H067235U
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信一 金子
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 有機半導体としてのTCNQ錯体液の含浸性
を高め、TCNQ錯体液の這い上がりを抑制して諸特性
良好な固体電解コンデンサの提供。 【構成】 コンデンサ素子10長さの1/2以上の幅で
母材6の一方面を粘着面7とし、他方面を撥水性面8と
した巻止めテープ9を、周囲に前記粘着面7を当接して
少なくとも一回転巻回したコンデンサ素子10に有機半
導体を加熱溶融し、ケース11内に収納してケース11
開口部を充填樹脂14にて密閉する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、コンデンサ素子の巻止め構成を改良した有機半導体を固体電解質と して用いた固体電解コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、乾式箔形電解コンデンサは、例えば高純度アルミニウム箔からなる一 対の陽・陰極箔に同じくアルミニウムからなる一対の引出端子を接続し、前記一 対の陽・陰極箔相互間にスペーサを介して巻回してなるコンデンサ素子に駆動用 電解液を含浸してケースに収納し、このケース開口部を封口体で密閉してなるも のである。
【0003】 しかして、前記駆動用電解液は、例えばエチレングリコールなどの有機溶媒に アジピン酸アンモニウムなどの有機カルボン酸塩を使用しているが、tanδ特 性改善に限度があり、また、低温で比抵抗が上がり低温特性が極度に悪化し広域 温度範囲で使用するには信頼性に欠けるなど市場要求を満足するためには解決す べき課題を抱えていた。
【0004】 そのため、近年駆動用電解液にかえTCNQ錯体からなる有機半導体を用いた ものが種々提案され一部実用化されている。
【0005】 コンデンサ素子にTCNQ錯体を含浸化する方法として一般に溶液含浸法、分 散含浸法、さらには真空蒸着法があるが、TCNQ錯体の特性はいろいろの条件 で変化し極めて扱いにくい物質であるため、使用に当たっては種々の工夫が講じ られている。
【0006】 特に、電解コンデンサの固体電解質条件としては、コンデンサ特性としてのt anδ及び等価直列抵抗に影響するそれ自体としての抵抗値が小さく、かつ温度 、特に高温下でも安定した比抵抗値があることが重要である。
【0007】 以上のことから、コンデンサ素子へのTCNQ錯体の含浸手段として工業的に 素子内部へ満遍なく必要量含浸させるには、従来提案されている特許公報又は技 術文献によって加熱溶融液化処理が有効とされている。
【0008】 なお、加熱溶融液化処理の具体的手段は、外装ケースに入れ加熱溶融させた所 望のTCNQ錯体液に予め加熱してなるコンデンサ素子を収納し、このコンデン サ素子を構成するスペーサとしての絶縁紙の繊維と電極箔の微細なエッチングピ ットによる毛細管現象によりTCNQ錯体液を含浸し、しかる後冷却固化してな るものであるが、含浸時容器の内径とコンデンサ素子の外径間の空隙にも溶融有 機半導体が充満し、その液面が外装ケースの開口部が位置する内壁まで達するこ とがある。
【0009】 すなわち、外装ケース内で封口体としての充填樹脂が位置するはずの壁面に有 機半導体が存在する結果となり、このような状態で封口体としてのエポキシ樹脂 を充填した場合、外装ケース内壁とエポキシ樹脂との密着が不完全となり、この 部分から外気や水分が入り易く静電容量の減少や損失の増大を引き起こす問題を もっていた。
【0010】 また、外装ケースに存在するTCNQ錯体液量のばらつきにより、必要量より 余分な傾向にある場合は、ケース内面及び/又は素子外面間を介してTCNQ錯 体液が引出端子に付着することになり、その結果漏れ電流増大などを引き起こす 問題を抱えていた。
【0011】
【考案が解決しようとする課題】
以上のように上記構成になる固体電解コンデンサは、TCNQ錯体液含浸工程 中、TCNQ錯体液がコンデンサ素子外表面に付着し易いことより、封口体とし ての充填樹脂による密閉性を損ねる要因を抱え、また、コンデンサ素子外表面に 付着したTCNQ錯体液が引出端子に付着する危険性をも有し、結果として諸特 性低下の原因となっていた。
【0012】 本考案は、このような点に鑑みてなされたもので、コンデンサ素子外表面構成 を改良することによって、TCNQ錯体液の含浸性を高め、TCNQ錯体液の這 い上がりを抑制して諸特性劣化要因解消に大きく貢献できる固体電解コンデンサ を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本考案による固体電解コンデンサは、任意な箇所に引出端子を取着した弁作用 金属からなる陽極箔と陰極箔間にスペーサを介在して巻回し巻止めテープで巻止 めしたコンデンサ素子にケースに収納し有機半導体を含浸し、前記ケース開口部 を充填樹脂にて封口してなる固体電解コンデンサにおいて、前記巻止めテープと してコンデンサ素子長さの1/2以上の幅で粘着面と反対面が撥水性面としたも のを用い、少なくともコンデンサ素子周囲に前記粘着面を当接して一回転巻回し たことを特徴とするものである。
【0014】
【作用】
以上の構成によれば、巻回されたコンデンサ素子外周面の1/2以上が撥水性 面で被覆されたものとなっているため、コンデンサ素子外周面へのTCNQ錯体 液の付着はなくなり、ケース内壁と充填樹脂が完全に接触し、コンデンサ素子と 外気との遮断が改善され、また、コンデンサ素子外周面を介してのTCNQ錯体 液の引出端子への付着はなく、密閉性良好で外気との遮断が改善され、特性劣化 要因が解消される。
【0015】
【実施例】
以下、本考案の一実施例につき図面を参照して説明する。すなわち、図2に示 すように、まずアルミニウム箔表面をエッチング液で粗面化し表面積を拡大した 後、陽極酸化皮膜を生成した陽極箔1と、アルミニウム箔表面を前記同様エッチ ング液で粗面化し表面積を拡大した陰極箔2間にクラフト紙又はマニラ紙などか らなるスペーサ3を介在し、途中前記陽極箔1及び陰極箔2の任意な箇所それぞ れに陽極引出端子4及び陰極引出端子5を取着して巻回して巻止めとして、図3 に示すように例えばポリエステル,ポリプロピレン,ポリイミド等からなる母材 6の一方面を熱硬化性又は熱可塑性からなる粘着面7とし、他方面を例えばシリ コーン系樹脂又は油膜からなる撥水性面8とした巻止めテープ9を用い、前記粘 着面7を巻回周面に当接して少なくとも一回転巻回してコンデンサ素子10を形 成する。
【0016】 なお、この場合、前記巻止めテープ9の幅は、コンデンサ素子10長さの1/ 2以上とし、少なくともコンデンサ素子10周囲の半分が撥水性面8となる構造 とする。
【0017】 しかして、次に、図4に示すように、例えばアルミニウムなどからなるケース 11内にTCNQ錯体からなる有機半導体を入れ、この有機半導体を加熱溶融し 有機半導体溶融液12とし、図1に示すように前記コンデンサ素子10を予熱状 態でケース11に収納し、前記有機半導体溶融液12を前記コンデンサ素子10 内に含浸し、しかる後、冷却固化し、含浸されない残余の有機半導体溶融液12 をケース内底面部に固化状態の有機半導体13として、前記ケース11開口部を 例えばエポキシ樹脂からなる充填樹脂14にて密閉してなるものである。
【0018】 以上のような構成になる固体電解コンデンサは、コンデンサ素子10の周囲の 少なくとも1/2が巻止めテープ9を構成する撥水性面8となっているため、有 機半導体溶融液12の含浸時コンデンサ素子10とケース11内壁の間で毛細管 現象の発生が抑制され有機半導体溶融液12の這い上がりはなく、ケース11開 口部をエポキシ樹脂からなる充填樹脂14で密閉する場合のケース11と充填樹 脂14の密着は良好でコンデンサ素子10と外気は遮断され長時間の使用におい ても静電容量変化の減少、損失変化の増大等はなく特性改善に大きく貢献するこ とができる。
【0019】 次に、本考案の実施例Aと従来例Bの比較の一例について述べる。
【0020】 すなわち、幅5mm,長さ25mmの陽極箔と、幅5mm,長さ35mmの陰 極箔を用い、陽極箔,陰極箔の間にスペーサを介在させ巻回し、厚さ60μmの ポリイミドの一方面に熱硬化性粘着面7を設け、他方面にシリコーン系耐熱オイ ルを塗布し撥水性面とした巻止めテープを用い、巻止めしたコンデンサ素子を有 機半導体溶融液が収納された直径6.3mm,高さ9.8mmのアルミニウムケ ースに収納して製作した実施例Aと、巻止めテープとして撥水性面を設けない点 を除いて、その他は実施例Aと同一とした従来例Bの漏れ電流分布、静電容量変 化及び損失変化を調べた結果図5〜図7に示す通りであった。
【0021】 なお、有機半導体は実施例A,従来例BともN−nブチルイソキノリニウムの TCNQ錯体を用い、定格は実施例A,従来例Bとも16V−47μFである。
【0022】 図5〜図7から明らかなように従来例のものは、漏れ電流値の絶対値も高く、 かつばらつきも大きく、また時間に対する静電容量変化率も極端に大きく、更に 時間に対する損失の変動結果も大きいのに対して、実施例Aのものは、漏れ電流 値及びばらつきも小さく、また時間に対する静電容量変化率及び損失の変動劣化 も小さく本考案の優れた効果がわかる。
【0023】 しかして、この差は本考案の場合、巻止めテープ構成として他方面に撥水性面 を設け、この撥水性面をコンデンサ素子周面に位置するようにすることによって 、有機半導体溶融液含浸工程中での有機半導体溶融液の外部への飛び出し及び有 機半導体溶融液のケース開口部内壁への付着を抑制することが可能となり、引出 端子への有機半導体溶融液の付着を防止し、密閉性が向上することによるもので ある。
【0024】 なお、上記実施例では巻止めテープの撥水性面構成として、シリコーン系のも のを例示して説明したが、これに限定することなくテフロン系のものであっても 同様の効果を得ることができることは勿論である。
【0025】
【考案の効果】
本考案によれば、一方表面を撥水性面とした巻止めテープを用い、前記撥水性 面をコンデンサ素子周面に位置させることによって、密閉性良好にして静電容量 、損失及び漏れ電流特性劣化のない有機半導体を固体電解質とした固体電解コン デンサを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例に係る固体電解コンデンサを
示す断面図。
【図2】図1を構成するコンデンサ素子を示す展開斜視
図。
【図3】本考案の一実施例に係る巻止めテープを示す一
部切欠断面図。
【図4】有機半導体の加熱溶融状態を示す断面図。
【図5】漏れ電流特性分布図。
【図6】静電容量変化特性曲線図。
【図7】損失変化特性曲線図。
【符号の説明】
1 陽極箔 2 陰極箔 3 スペーサ 4 陽極引出端子 5 陰極引出端子 6 母材 7 粘着面 8 撥水性面 9 巻止めテープ 10 コンデンサ素子 11 ケース 12 有機半導体溶融液 13 固化状態の有機半導体 14 充填樹脂

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 任意な箇所に引出端子を取着した弁作用
    金属からなる陽極箔と陰極箔間にスペーサを介在して巻
    回し巻止めテープで巻止めしたコンデンサ素子をケース
    に収納し有機半導体を含浸し、前記ケース開口部を充填
    樹脂にて封口してなる固体電解コンデンサにおいて、前
    記巻止めテープとしてコンデンサ素子長さの1/2以上
    の幅で粘着面と反対面に撥水性面としたものを用い、少
    なくともコンデンサ素子周囲に前記粘着面を当接して一
    回転巻回したことを特徴とする固体電解コンデンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10144574A (ja) * 1996-11-07 1998-05-29 Sanyo Electric Co Ltd 電解コンデンサ
JP2015207681A (ja) * 2014-04-22 2015-11-19 日本ケミコン株式会社 コンデンサおよびその製造方法

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JPH10144574A (ja) * 1996-11-07 1998-05-29 Sanyo Electric Co Ltd 電解コンデンサ
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