JPH0672291B2 - 耐熱性、パテンチング処理性および弁ばね成形後の高温窒化処理特性の優れた弁ばね用高強度鋼線 - Google Patents

耐熱性、パテンチング処理性および弁ばね成形後の高温窒化処理特性の優れた弁ばね用高強度鋼線

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JPH0672291B2
JPH0672291B2 JP63003907A JP390788A JPH0672291B2 JP H0672291 B2 JPH0672291 B2 JP H0672291B2 JP 63003907 A JP63003907 A JP 63003907A JP 390788 A JP390788 A JP 390788A JP H0672291 B2 JPH0672291 B2 JP H0672291B2
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Suzuki Metal Industry Co Ltd
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、耐熱性、パテンチング処理性および弁ばね成
形後の高温窒化処理特性の優れた弁ばね用高強度鋼線、
特に高温窒化処理により高応力、高温度あるいは高繰返
し速度といった過酷な使用条件においても、十分な耐疲
労性と耐へたり性を有せしめ得る弁ばね用高強度鋼線に
関するものである。
(従来の技術) 従来、自動車等のエンジンに使用される弁ばね用鋼線と
しては弁ばね用ピアノ線、弁ばね用炭素鋼オイルテンパ
ー線、弁ばね用クロムバナジウム鋼オイルテンパー線お
よび弁ばね用シリコンクロム鋼オイルテンパー線が一般
に用いられている。中でも弁ばね用シリコンクロム鋼オ
イルテンパー線は耐久性と耐熱性にすぐれた弁ばね材料
として近年使用範囲が広がっている。しかし、エンジン
の高性能化に伴いばね使用雰囲気の高温化およびばねの
高速作動による発熱などによりばね材料に加わる温度は
より高温化する傾向であり、従来の弁ばね用鋼線の性能
では必ずしも十分とは言えず、より耐熱性のある鋼線が
必要となってきている。
また、ばねなどの疲労強度を高める方法のひとつに窒化
処理があり、近年はその利用範囲が広がってきている。
この窒化処理方法にはガス雰囲気で行なう方法あるいは
塩浴中で処理する方法など種々の方法があるが、いずれ
の方法においてもより高温度で処理する方が安定した窒
化特性が得られる。弁ばねの分野で窒化処理をする場合
には、従来、弁ばね用鋼線の中で最も耐熱性のある弁ば
ね用シリコンクロム鋼オイルテンパー線に対しばね成形
後、窒化処理を行っているが、この場合、線の内部硬さ
の低下を防ぐため380℃〜420℃の温度で窒化処理を行っ
ており、特に450℃以上の温度で窒化処理をすると線の
内部硬さが低下し、ばねの耐へたり性が劣化するため、
ばねとしての性能が低下してしまう。
従って、ばねとしての使用上の観点からのみならず、ば
ね製造上からも耐熱性のある高強度鋼線の出現が切望さ
れている。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は、エンジン回転数の高速化および弁ばね使用雰
囲気の高温化に伴う弁ばねの疲労強度の低下およびへた
りの増大を伴うことがなく、また疲労強度向上、耐摩耗
性の向上を目的として行われる窒化処理に際しても従来
より高温で安定した窒化処理が可能である耐熱性、パテ
ンチング処理性および弁ばね成形後の高温窒化処理特性
の優れた弁ばね用高強度鋼線を提供することを目的とす
る。
(問題点を解決するための手段) 本発明の前記の目的は、重量比でC:0.60〜0.80%、Si:
1.30〜1.70%、Mn:0.40〜0.70%、Cr:0.40〜1.00%、V:
0.20〜0.60%、Mo:0.10〜0.25%を含み、残部がFeおよ
び不可避的不純物よりなることを特徴とする耐熱性、パ
テンチング処理性および弁ばね成形後の高温窒化処理特
性の優れた弁ばね用高強度鋼線によって達成される。
本発明に従った前記高強度鋼線は、C;0.60〜0.80%、S
i;1.30〜1.70%、Mn;0.40〜0.70%、Cr;0.40〜1.00%、
V;0.20〜0.60%、Mo;0.10〜0.25%を含み残部がFeおよ
び不可避的不純物からなる低合金鋼を線に冷間加工後、
A3変態点以上の温度に加熱してオーステナイト化した
後、焼入れ処理によりマルテンサイトあるいはマルテン
サイトと残留オーステナイトの混合組織を生成させ、そ
の後、適宜な温度で焼もどし処理を施して製造される。
本発明の高強度鋼線は、弁ばねに成形された後、窒化処
理が施されて、耐疲労性、耐摩耗性が向上せしめられ
る。
なお、弁ばねを製造する際に、焼入焼もどしを施した高
強度鋼線では強度な成形加工が困難な場合、焼入焼もど
し前の冷間加工ままの線に成形加工を施し、その後焼入
焼もどし処理及び窒化処理により所定の特性を付与する
こともできる。
以下に本発明鋼線の成分限定理由について説明する。
C;Cは鋼の強度を高めるのに有効な元素であるが、本発
明の狙いとする強度を得るためには0.60%未満では十分
な強度が得られない。また0.80%を超えると強度に寄与
する率が低下し、靭性阻害要因ともなるのでCは0.60〜
0.80%の範囲とした。
Si;Siは弁ばねの耐へたり性を向上させるのに有効な元
素であるが1.30%未満ではその効果が少なく、1.70%を
超える場合には冷間加工における加工性を劣化せしめ、
かつ、熱間圧延及び熱処理における脱炭を助長するので
望ましくない。斯かる観点からと、本発明の目標とする
強度レベルを得るためにSiの範囲は1.30〜1.70%とし
た。
Mn;Mnは鋼の焼入性を向上させるのに有効に元素である
が0.40%未満ではその効果が少なく、0.70%を超えて添
加しても残留オーステナイトが多量に生成し焼入性の向
上は少なく効果が低減するので、其の範囲を0.40〜0.70
%とした。
Cr;Crは鋼中に固溶して焼入性を向上させ、かつ窒化物
を生成させる元素である。0.40%未満ではその効果が少
なく、1.00%を超えると炭化物の固溶を抑制し、逆に強
度低下をまねくので0.40〜1.00%の範囲とした。
V;Vは特に耐へたり性を向上させCrと共に脱炭防止に有
効な元素であり、かつ結晶粒を微細化して靭性を付与
し、耐遅れ破壊性を向上させる。また500℃近辺で析出
効果を示す。0.20%未満では微細化効果が少なく、0.60
%を超えるとCrと同様に炭化物の固溶を抑制する傾向が
強くなるので0.20〜0.60%の範囲とした。
Mo;Moは弁ばねの耐へたり性を改善するのに有効な元素
であると共に焼もどし軟化抵抗を高め耐熱性を与える。
0.10%未満では上記の添加効果が少ない。また添加量が
多い場合は製線上の制約がある。本発明の焼入焼もどし
した鋼線の製造工程中、線を所定の線径まで冷間加工す
るために加工に耐える熱処理をする必要がある。この熱
処理は通常パテンチング処理と呼ばれる恒温変態熱処理
が望ましい。量産性のあるパテンチング処理が可能であ
るMoの添加量は我々の実験によれば0.25%が限界であ
り、これを超えたMoの添加はパテンチング処理時にオー
ステナイトからパーライトへの変態が終了せず部分的に
マルテンサイトが生成し後加工が困難になる。以上の理
由で本発明のMo範囲は0.10〜0.25%とした。
以上のような理由により成分限定範囲を設けられた鋼は
溶製後、熱間圧延により線材とされる。線材からの製線
工程はパテンチング処理などの熱処理を施した後、冷間
伸線加工される。最終線径が細い場合には熱処理と伸線
を繰返す。
(実施例) 電気炉にてC;0.60〜0.80%、Si;1.30〜1.70%、Mn;0.40
〜0.70%、Cr;0.40〜1.00%、V;0.20〜0.60%、Mo;0.10
〜0.25%を含み残部がFeおよび不可避的不純物からなる
第1表のA〜Hの化学成分の鋼塊を溶製した後、熱間圧
延にて直径8.0mmの線材とし、熱処理後、表面研削によ
り線材の表面欠陥を除去し7.4mmにした後、冷間加工に
より直径4.0mmとし最後に焼入焼もどしを行ない第2表
に示すような機械的性質を得た。なお第1表および第2
表における記号I〜Lは本発明鋼線と比較するために選
んだJIS規格の弁ばね用鋼線であり、I,J,Kは溶製が転炉
で行なわれた点を除いては全て本発明鋼線と同じ製造方
法で作成された。Lはピアノ線であるので線材径9.0mm
のものから製線し、最終工程での焼入焼もどしは行なわ
れていない。
第3表に本発明鋼線と比較鋼線の疲労強度を回転曲げ疲
労試験により求めた結果を示す。試験は長さ700mmの供
試材に420℃×20分の熱処理を施した後、ショットピー
ニングと200℃×20分の時効処理を施した30本の試験片
によりステアケース法を用いて統計的疲労強度を求め
た。本発明鋼線は従来のどの弁ばね用鋼線よりも疲労強
度がすぐれている。
第4表に発明鋼線A〜Hと比較鋼線I,J,K,Lによる弁ば
ねを作り、230℃の温度においてばねに70kgf/mm2のねじ
り応力を96時間加えた時のへたり量を残留せん断ひずみ
として示した。本発明鋼線はどの比較鋼線よりも残留せ
ん断ひずみが少なく耐熱性にすぐれている。
本発明鋼線の窒化特性を比較鋼線Iと比較した結果を第
1図に示した。比較鋼線Iには420℃と500℃で本発明鋼
線には500℃の温度において窒化処理を行ない、線表層
部の硬さ分布により窒化特性を評価したところ、本発明
鋼線においては表面硬さも高く、かつ、硬化深さも比較
鋼線より深い。また、本発明鋼線は比較鋼線より高温で
窒化処理をしているにもかかわらず内部硬さは比較鋼線
と同等であり、本発明鋼線の耐熱性がすぐれていること
がわかる。
(発明の効果) 以上詳述したごとく、本発明による高強度鋼線を使用す
ることにより高温度で安定した窒化処理を弁ばねに施す
ことが可能になり耐熱性のある疲労強度のすぐれた弁ば
ねを得ることが可能になった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明鋼線の窒化特性を比較鋼線Iのそれと比
較した結果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本間 達 千葉県習志野市東習志野7丁目5番1号 鈴木金属工業株式会社習志野製造所内 (56)参考文献 特開 昭63−128153(JP,A) 特開 昭62−274051(JP,A) 特開 昭62−107044(JP,A) 特公 昭46−19420(JP,B1) 特公 昭46−15211(JP,B1)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量比でC:0.60〜0.80%、Si:1.30〜1.70
    %、Mn:0.40〜0.70%、Cr:0.40〜1.00%、V:0.20〜0.60
    %、Mo:0.10〜0.25%を含み、残部がFeおよび不可避的
    不純物よりなることを特徴とする耐熱性、パテンチング
    処理性および弁ばね成形後の高温窒化処理特性の優れた
    弁ばね用高強度鋼線。
JP63003907A 1987-01-14 1988-01-13 耐熱性、パテンチング処理性および弁ばね成形後の高温窒化処理特性の優れた弁ばね用高強度鋼線 Expired - Fee Related JPH0672291B2 (ja)

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