JPH0672155A - ドアガラスラン - Google Patents

ドアガラスラン

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Publication number
JPH0672155A
JPH0672155A JP4228919A JP22891992A JPH0672155A JP H0672155 A JPH0672155 A JP H0672155A JP 4228919 A JP4228919 A JP 4228919A JP 22891992 A JP22891992 A JP 22891992A JP H0672155 A JPH0672155 A JP H0672155A
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JP
Japan
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door glass
glass run
essential component
molecular weight
tetrafluoroethylene
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JP4228919A
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Inventor
Kozo Kakehi
幸三 筧
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐摩耗性に優れ、長期にわたってシール材と
しての性能を保持できるドアガラスランを提供する。 【構成】 ドアのウィンドフレーム1に装着され、摺動
可能に設けられるドアガラス2とウィンドフレーム1と
の間に介在するドアガラスラン3において、少なくとも
ドアガラス3と接触する部分が、熱可塑性フルオロ樹
脂、フッ素ゴムおよび低分子量含フッ素重合体を主成分
とする潤滑性ゴム組成物から形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ドアガラスランに関
し、特に、自動車のドアウィンドフレームに装着され、
ドアガラスとドアウィンドフレームとの間をシールする
ため用いられるドアガラスランに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】図1
に示すように、自動車用ドアガラスラン3は、ドアウィ
ンドフレーム1に装着され、ドアガラス2を支えてその
昇降を案内するとともに、自動車室内への風雨の侵入を
防ぐシール材としての役割を有している。
【0003】従来のドアガラスランには、たとえば図2
および図3に示すようなものが用いられている。図2に
示すドアガラスラン13は、ドアウィンドフレーム1に
装着されたゴム材11においてドアガラス2と接触する
部分にナイロンパイル12が静電植毛されたものであ
る。
【0004】図2に示すようなドアガラスランは、その
製造においてナイロンパイルを植毛する装置および工程
が必要であり、しかもドアガラスの昇降によってナイロ
ンパイルに摩耗が生じると、摺動抵抗が大きくなってド
アガラスがスムーズに動かなくなる。さらに、ドアガラ
スランの摩耗が進行すると、シール材としての性能が極
端に低下し、風雨の侵入を防ぐことが困難になる。
【0005】図3に示すドアガラスラン23は、ドアウ
ィンドフレーム1に装着されたゴム材21において少な
くともドアガラス2と接触する部分にウレタン、シリコ
ンまたはフッ素等の塗料を塗布してなるコーティング層
22を設けたものである。しかしながら、このようなド
アガラスランも、耐久性に劣り、コーティング層が剥れ
ると著しく摩耗が進行するという欠点を有している。
【0006】この発明の目的は、上述した従来のドアガ
ラスランにおける問題点を解決し、ドアガラスをスムー
ズに昇降させることができ、しかもシール材としての性
能を長期にわたって維持することができるドアガラスラ
ンを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、ドアのウィ
ンドフレームに装着され、摺動可能に設けられるドアガ
ラスとウィンドフレームとの間に介在するドアガラスラ
ンにおいて、ドアガラスとの接触部を含む一部または全
体が、第1必須成分としての熱可塑性フルオロ樹脂、第
2必須成分としてのフッ素ゴムおよび第3必須成分とし
ての低分子量含フッ素重合体を配合した潤滑性ゴム組成
物から形成されることを特徴とする。
【0008】この発明に従うドアガラスランは、ドアウ
ィンドフレームに装着され、ドアガラスの摺動を案内す
るものであればその用途について限定されないが、特に
自動車用ドアガラスランとして適用することができる。
【0009】この発明において、潤滑性ゴム組成物の第
1必須成分である熱可塑性フルオロ樹脂は、主鎖に炭素
鎖を持ち、側鎖にフッ素の結合を持つポリマーである。
この発明に係る熱可塑性フルオロ樹脂として、たとえ
ば、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビ
ニルエーテル共重合体(以下PFAと略記する)、テト
ラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合
体(以下FEPと略記する)およびテトラフルオロエチ
レン・エチレン共重合体(以下ETFEと略記する)か
らなる群から選択される1種以上の重合体であることが
望ましい。上述したいずれの樹脂も、触媒乳化重合、懸
濁重合、触媒溶液重合、気相重合および電離性放射線照
射重合などの各種重合方式により製造することができ
る。熱可塑性フルオロ樹脂の分子量は、50,000以
下が望ましく、5,000〜20,000が特に望まし
い。
【0010】以上の条件に該当する熱可塑性フルオロ樹
脂の代表例として、PFAである三井・デュポンフロロ
ケミカル社製PFA MP10、FEPである三井・デ
ュポンフロロケミカル社製テフロンFEP100、ET
FEである旭硝子社製アフロンCOPなどを挙げること
ができる。
【0011】この発明において、潤滑性ゴム組成物の第
2必須成分であるフッ素ゴムは、平均して1個以上のフ
ッ素原子を含む単位モノマーの重合体または共重合体で
あって、ガラス転位点が室温以下であり、室温でゴム状
弾性を有するものであれば、特に限定されるものではな
く、広範囲のものを用いることができる。
【0012】フッ素ゴムの重合方式としては、塊状重
合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合、触媒重合、電離性
放射線重合およびレドックス重合などを挙げることがで
きる。また、フッ素ゴムの分子量は、通常50,000
以上が望ましく、可及的に高分子量のものが良好な結果
をもたらすことから、70,000以上がより望まし
く、100,000〜250,000程度が特に望まし
い。
【0013】以上の条件に該当するフッ素ゴムの代表例
として、テトラフルオロエチレン・プロピレン共重合体
である旭硝子社製アフラス、フッ化ビニリデン・ヘキサ
フルオロプロピレン共重合体であるデュポン・昭和電工
社製バイトン、フッ化ビニリデン・ヘキサフルオロプロ
ピレン・テトラフルオロエチレン共重合体であるモンテ
フルオス社製テクノフロン、フルオロシリコーン系エラ
ストマーであるダウコーニング社製シラスティックL
S、パーフルオロ系エラストマーであるダイキン工業社
製ダイエルパーフロなどを挙げることができる。
【0014】上述した熱可塑性フルオロ樹脂およびフッ
素ゴムを混合した組成物は、弾性体としての特性を有す
る。この発明において、第3必須成分である低分子量含
フッ素重合体は、このような弾性体にさらに優れた摺動
特性を付与するため配合される。
【0015】この発明において、低分子量含フッ素重合
体とは、テトラフルオロエチレン(TFE)等のフルオ
ロオレフィン重合体、主要構造単位−Cn 2n−O−
(nは1〜4の整数)を有するフルオロポリエーテル、
主要構造単位
【0016】
【化1】
【0017】などを有するポリフルオロアルキル基含有
化合物(炭素数2〜20)のうち分子量50,000以
下のものをいう。優れた摺動特性を付与するためには、
低分子量含フッ素重合体の分子量が5,000以下であ
ることがとくに望ましい。このような低分子量含フッ素
重合体のうち、次式で示されるテトラフルオロエチレン
重合体の平均粒径5μm以下のものが特に好ましい。
【0018】
【化2】
【0019】このようなものとして、たとえば、デュポ
ン社製バイダックスAR、および旭硝子社製フルオンル
ブリカントL169などを挙げることができる。
【0020】次に、−Cn 2n−O(nは1〜4の整
数)の主要構造単位を有する平均分子量50,000以
下のフルオロポリエーテルとしては、
【0021】
【化3】
【0022】などを例示することができる。このような
重合体は、他の配合材料および添加剤に対する親和性
(密着性)の向上のために、イソシアネート基、水酸
基、カルボキシル基、およびエステル基などの官能基を
含む構造単位を有するものが望ましい。
【0023】このようなフルオロポリエーテルの具体例
としては、以下のようなものが挙げられる。
【0024】
【化4】
【0025】これらのフルオロポリエーテルは、単独で
使用してもよいし、併用してもよい。また、官能基に活
性化水素が含まれているフルオロポリエーテルとポリフ
ルオロポリエーテル基を含有しないイソシアネート化合
物とを併用してもよい。また、イソシアネート基を有す
るフルオロポリエーテルと、各種のフルオロポリエーテ
ル基を含有しないジアミン類、トリアミン類、または各
種のフルオロポリエーテル基を含有しないジオール類、
トリオール類を併用するなどの方法を採用してもよい。
【0026】特に、官能基同士が反応して分子量の増大
が起こるようなフルオロポリエーテルを組合せて使用す
ることが望ましい。このようなものとして、たとえばイ
ソシアネート基を含む単位を有するものと、水酸基を含
む単位を有するものとを組合せることは同様に望ましい
ことである。
【0027】ポリフルオロアルキル基含有化合物として
は、たとえば以下に示すようなポリフルオロアルキル基
を有するものが挙げられる。
【0028】
【化5】
【0029】以上のようなポリフルオロアルキル基(炭
素数2〜20)を有し、平均分子量が50,000以下
のものとしては、
【0030】
【化6】
【0031】など、反応性基およびポリフルオロアルキ
ル基を有する化合物と、その反応性基と反応する基を有
するエチレン性不飽和化合物との反応物(たとえば、フ
ルオロアルキルアクリレートなど)の重合体、ならびに
反応性基およびポリフルオロアルキル基を有する化合物
とその反応性基と反応する基を有する各種重合体との反
応物、または前述の化合物の重縮合物などが挙げられ
る。
【0032】ポリフルオロアルキル基含有化合物は、上
述のフルオロポリエーテルと同様に、他の配合材料およ
び添加剤を親和性(密着性)の向上のために親和性の高
い官能基、たとえばイソシアネート基、水酸基、メルカ
プト基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基または
スルホン基などを含む単位を有する化合物が好ましい。
【0033】これらのポリフルオロアルキル基含有化合
物は、単独での使用または併用のいずれでもよい。ま
た、活性化水素を有する反応基を有するポリフルオロア
ルキル基含有化合物とポリフルオロアルキル基を有しな
いイソシアネート化合物とを併用してもよい。また、イ
ソシアネート基を有するポリフルオロアルキル基含有化
合物と、各種のポリフルオロアルキル基を含有しないジ
アミン類、トリアミン類または各種のポリフルオロアル
キル基を含有しないジオール基、トリオール類を併用す
るなどの方法を採用してもよい。
【0034】官能基同志の組合せは、強度増加の上から
好ましく、具体的には炭素数2〜20のポリフルオロア
ルキル基を有し、かつ、水酸基、メルカプト基、カルボ
キシル基、アミノ基から選ばれる少なくとも1種類を含
むフッ素重合体との組合せ、または炭素数2〜20のポ
リフルオロアルキル基を有し、かつイソシアネート基を
含む単位を有する含フッ素重合体と、炭素数2〜20の
ポリフルオロアルキル基を有し、さらに活性化水素を有
する反応基を含む単位を有する含フッ素重合体との組合
せを挙げることができる。
【0035】これらの低分子量含フッ素重合体のうち、
フルオロオレフィン重合体またはフルオロポリエーテル
を用いると、潤滑性において優れた結果が得られ、特に
平均粒径5μm以下のテトラフルオロエチレン重合体を
用いると最も望ましい結果を得ることが判明している。
【0036】この発明において、フッ素ゴム,熱可塑性
フルオロ樹脂および低分子量含フッ素重合体の配合比
は、フッ素ゴムと熱可塑性フルオロ樹脂の重量比が5
0:50から95:5となることが望ましい。熱可塑性
フルオロ樹脂の配合重量比が50/100を越えると、
目的の組成物に十分な弾性特性が得られず、5/100
未満になると十分な耐摩耗性が得られないからである。
【0037】また、フッ素ゴムと熱可塑性フルオロ樹脂
の合計100重量部に対して、低分子量含フッ素重合体
は5〜50重量部であることが好ましい。低分子量含フ
ッ素重合体の配合比が5重量部未満では、十分な摺動特
性が得られず、50重量部を越えるとゴム状弾性特性が
損なわれるからである。
【0038】また、上記の潤滑性ゴム組成物に対し、3
00℃において不溶融な熱硬化性樹脂の硬化粉末、また
はガラス転移点が300℃以上の耐熱性樹脂粉末を添加
して耐摩耗性を向上させることができる。
【0039】熱硬化性樹脂の粉末としては、フェノール
樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化後の微粉末、ガラス転
移点が300℃以上である耐熱性樹脂としてはポリイミ
ド樹脂、芳香族アラミド樹脂などの微粉末が挙げられ
る。
【0040】市販の樹脂粉末のうち、フェノール樹脂の
硬化粉砕品としては、カネボウ社製:ベルパールH30
0,ポリイミド樹脂の硬化粉砕品としては、三笠産業社
製:PWA20、芳香族アラミド樹脂の粉砕品としては
旭化成社製:MP−P、ガラス転移点Tgが300℃以
上の熱硬化性樹脂粉末としては宇部興産社製:ユーピレ
ックスS(Tg>500)などがある。
【0041】このような熱硬化性樹脂粉末の粒径は、1
〜15μmのものがゴム状弾性の維持と混練工程の容易
性の点で好ましい。熱硬化性樹脂粉末は、第1〜第3の
必須成分に対して、5〜20重量%添加することが好ま
しい。5重量%未満では耐摩耗性向上の効果がなく、2
0重量%を越える多量ではゴム弾性が低下するので好ま
しくない。
【0042】なお、この発明の目的を損なわない範囲
で、上記成分の他に各種添加剤を配合してもよい。たと
えばフッ素ゴムの加硫材としてイソシアヌレート、有機
過酸化物など、ステアリン酸ナトリウム、酸化マグネシ
ウム、および水酸化カルシウムなどの酸化防止剤、また
は受酸剤、カーボンなどの帯電防止剤、シリカおよびア
ルミナなどの充填剤、その他金属酸化物、着色剤、およ
び難燃剤など適宜加えてもよいことはいうまでもない。
【0043】以上の各種原材料を混合する方法は特に限
定されるものではなく、通常広く用いられている方法に
より混合することができる。たとえば、主原料になるエ
ラストマー、その他の原料をそれぞれ個別に順次、また
は同時に、ロール混合機その他の混合機により混合すれ
ばよい。なお、このとき摩擦による発熱を防止する意味
で温調器を設けることが望ましい。
【0044】また、ロール混合機を使用する場合には、
仕上げの混合として、ロール間隔を3mm以下程度に締
めて薄通しを行なうとさらによい。
【0045】また、この発明に従うドアガラスランは、
通常、その成形工程において特別な手段を必要とするも
のではなく、通常のプレス成形方法において一次加硫
(140〜170℃で10〜30分、加圧5〜10kg
f/cm2 )した後、二次加硫(200〜300℃で2
〜20時間、加圧なし)してドアガラスランの形状に成
形することができる。
【0046】一方、この発明に従うドアガラスランは、
その全体が上記潤滑性ゴム組成物で形成されていてもよ
いし、ドアガラスとの接触部を含む一部が上記潤滑性ゴ
ム組成物で形成されていてもよい。ドアガラスランの一
部を潤滑性ゴム組成物で形成する場合、上記潤滑性ゴム
組成物と他の材料とを複合成形することによってドアガ
ラスランを得ることができる。他の材料としては、一般
合成ゴム等のエラストマーまたは金属等を用いることが
できる。一般合成ゴムとしては、ニトリルゴム、クロロ
プレンゴム、ブタジエンゴム、ウレタンゴム、スチレン
ゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、エ
チレンゴム、フッ素ゴムなどの加硫ゴムを用いることが
でき、他のエラストマーとして、ウレタン、ポリエステ
ル、ポリアミド、塩化ビニル、ポリブタジエン、軟質ナ
イロンなどの熱可塑性エラストマー、または液状ウレタ
ン、液状ブタジエンなどの液状エラストマーを用いるこ
とができる。
【0047】
【発明の作用効果】この発明に従うドアガラスランにお
いて、少なくともドアガラスと接触する部分は、十分な
弾性体特性を有し、耐摩耗性および低摩擦特性を兼ね備
えた潤滑性ゴム組成物で形成される。このため、この発
明のドアガラスランは、ドアガラスに対して耐摩耗性、
低摩擦特性、およびシール性に優れており、しかも優れ
た耐候性を有する。上述した潤滑性ゴム組成物をドアガ
ラスランに用いた場合、スティックスリップ現象が発生
せず、スムーズにドアガラスを昇降させることができ
る。
【0048】しかも、上記潤滑性ゴム組成物は、シール
材としての性能にも優れており、風雨などの侵入を阻止
するため効果的に用いることができる。特に、本発明に
従うドアガラスランを自動車のウインドフレームに装着
すれば、水圧の高い自動洗車機を使用した場合でも、シ
ールが十分にされ水が車内に侵入することがない。
【0049】さらに、この発明に従うドアガラスランに
おいて、少なくともドアガラスと接触する部分は、耐摩
耗性および低摩擦特性に優れた潤滑性ゴム組成物で形成
されるため、長期にわたってドアガラスの摺動が繰り返
されたとしても、摩耗が少なく、確実なシールを行なう
ことができる。このように、この発明に従うドアガラス
ランは、長期にわたってシール材としての高い性能を保
持している。
【0050】
【実施例】
実施例 熱可塑性フルオロ樹脂として(1)テトラフルオロエチ
レン・エチレン共重合体(旭硝子社製アフロンCOP)
30重量部、フッ素ゴムとして(2)フッ化ビニリデン
・フルオロプロピレン共重合体(旭モンテ社製テクノフ
ロンFOR420)70重量部、低分子量含フッ素重合
体として(3)低分子量テトラフルオロエチレン(旭硝
子社製ループリカントL169)30重量部が配合さ
れ、さらに(4)カーボン(ファンデルビルト社製MT
カーボン)5重量部、(5)ステアリン酸ナトリウム1
重量部、(6)酸化マグネシウム3重量部および(7)
水酸化カルシウム6重量部が添加された潤滑性ゴム組成
物を調製した。なお、上記(3)〜(7)の原材料につ
いては、(1)および(2)に示す原材料の総重量10
0に対する重量部を示している。
【0051】組成物の調製においては、次に示す工程に
従った。まず、ロール間隔5〜10mm程度に調整した
ロール混合機にフッ素ゴムを巻付け、上述した配合で順
次、ステアリン酸ナトリウム、カーボン、熱可塑性フル
オロ樹脂を加えて混練した。次に、ロール間隔を1mm
に調整し、素練を10回行なった。なお、このときの摩
擦熱を防止する目的で、常時ロール内に冷却水を通し、
ロール温度を60℃以下に保った。
【0052】次に、冷却水を止め、ロール内にスチーム
を通し、ゴム温度が70℃以上90℃以下になるように
調整した。その後、ロール間隔を5〜10mm程度に戻
し、低分子量含フッ素重合体を少量ずつ添加しながら、
さらに他の添加物を配合して混練を行なった。その後、
再びロール間隔を1mmに狭めて素練を10回行なっ
た。
【0053】以上の工程で得られたコンパウンドにおい
て、150×150×2tシートを一次加硫(170
℃、10分間、プレス圧7kgf/cm2 )して得た。
次に、二次加硫(230℃、16時間、フリー)を行な
い、加硫を完了させた。このようにして得られたドアガ
ラスランとしての試験片について、以下に示す方法によ
り摩擦試験および摩耗試験を行なった。
【0054】比較例1および2 ナイロンからなるドアガラスランとしての試験片(比較
例1)とゴム(市販NBR JIS−A70)にフッ素
樹脂のコーティングを施したものからなるドアガラスラ
ンとしての試験片(比較例2)を作製した。得られた試
験片について、以下の方法により摩擦試験および摩耗試
験を行なった。
【0055】試験方法 (1) 摩擦試験 試験片を内径φ17、外径φ21、厚み2mmに加工
し、φ17×φ21×10mmのSPCCリング片へ接
着して試験片とした。相手材としてSUJ2(軸受鋼)
φ6×φ33×6mmの円板状試験片を用い、滑り速度
毎分1m、面圧3kgf/cm2 の条件下でスラスト型
摩擦摩耗試験機を用いて評価を行なった。500時間後
の摩擦係数を表1に示す。
【0056】(2) 摩耗試験 摩擦試験と同様に加工されたリング試験片および相手材
を用い、滑り速度毎分30m、面圧1.7kgf/cm
2 の条件下で、スラスト型摩擦摩耗試験機を用いて評価
を行なった。500時間後の摩耗係数を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】表1から明らかなように、本発明に従うド
アガラスランとしての試験片は、500時間の摩擦・摩
耗試験を経た後においても、低い摩擦係数を有するとと
もに、摩耗係数が比較例に比べて著しく低いことがわか
る。このような特性を示すドアガラスランは、優れた耐
摩耗性、低摩擦特性を有するとともに、長期にわたって
シール材としての性能を保持するものである。
【0059】なお、上記実施例はこの発明を限定するも
のではなく、上述したような種々の材料を配合した潤滑
性ゴム組成物を用いて本発明に従うドアガラスランを作
製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車用ドアガラスランの装着状態を示す斜視
図である。
【図2】従来のドアガラスランの一例を示す断面図であ
る。
【図3】従来のドアガラスランについてもう1つの例を
示す断面図である。
【符号の説明】
1 ドアウィンドフレーム 2 ドアガラス 3、13、23 ドアガラスラン 11、21 ゴム材 12 ナイロンパイル 22 コーティング層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドアのウィンドフレームに装着され、摺
    動可能に設けられるドアガラスと前記ウィンドフレーム
    との間に介在するドアガラスランにおいて、 前記ドアガラスとの接触部を含む一部または全体が、第
    1必須成分としての熱可塑性フルオロ樹脂、第2必須成
    分としてのフッ素ゴム、および第3必須成分としての低
    分子量含フッ素重合体を配合した潤滑性ゴム組成物から
    形成されることを特徴とする、ドアガラスラン。
  2. 【請求項2】 前記潤滑性ゴム組成物に、熱硬化性樹脂
    の硬化粉末およびガラス転位点が300℃以上の耐熱性
    樹脂粉末の少なくともいずれかが添加されている、請求
    項1のドアガラスラン。
  3. 【請求項3】 前記第1必須成分である熱可塑性フルオ
    ロ樹脂が、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合
    体、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビ
    ニルエーテル共重合体およびテトラフルオロエチレン・
    ヘキサフルオロプロピレン共重合体からなる群から選択
    される一種以上の重合体である、請求項1のドアガラス
    ラン。
  4. 【請求項4】 前記第2必須成分が、分子量100,0
    00〜250,000のフッ素ゴムである、請求項1の
    ドアガラスラン。
  5. 【請求項5】 前記第2必須成分であるフッ素ゴムが、
    テトラフルオロエチレン・プロピレン共重合体、フッ化
    ビニリデン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ
    化ビニリデン・ヘキサフルオロプロピレン・テトラフル
    オロエチレン共重合体、フルオロシリコーン共重合体お
    よびパーフルオロ系共重合体からなる群から選択される
    1種以上の重合体である、請求項1のドアガラスラン。
  6. 【請求項6】 前記第3必須成分である低分子量含フッ
    素重合体が、50,000以下の平均分子量を有し、か
    つテトラフルオロエチレン重合体、フルオロポリエーテ
    ルおよびポリフルオロアルキル基含有化合物からなる群
    から選択される1種以上の重合体である、請求項1のド
    アガラスラン。
  7. 【請求項7】 前記第3必須成分である低分子量含フッ
    素重合体が、平均粒径5μm以下のテトラフルオロエチ
    レン重合体である、請求項6のドアガラスラン。
JP4228919A 1992-08-27 1992-08-27 ドアガラスラン Withdrawn JPH0672155A (ja)

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JP4228919A JPH0672155A (ja) 1992-08-27 1992-08-27 ドアガラスラン

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JPH0672155A true JPH0672155A (ja) 1994-03-15

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JP4228919A Withdrawn JPH0672155A (ja) 1992-08-27 1992-08-27 ドアガラスラン

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5716573A (en) * 1995-08-07 1998-02-10 Nishikawa Rubber Co., Ltd. Method for surface treatment of weather strip

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5716573A (en) * 1995-08-07 1998-02-10 Nishikawa Rubber Co., Ltd. Method for surface treatment of weather strip

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