JPH0672015B2 - チオシアン酸カルシウムの製造方法 - Google Patents
チオシアン酸カルシウムの製造方法Info
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- JPH0672015B2 JPH0672015B2 JP3609086A JP3609086A JPH0672015B2 JP H0672015 B2 JPH0672015 B2 JP H0672015B2 JP 3609086 A JP3609086 A JP 3609086A JP 3609086 A JP3609086 A JP 3609086A JP H0672015 B2 JPH0672015 B2 JP H0672015B2
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- ammonium thiocyanate
- calcium thiocyanate
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、チオシアン酸カルシウムの製造方法に関す
る。チオシアン酸カルシウムは、セメント、モルタル、
コンクリート等の硬化促進剤として、また、アクリロニ
トリル系繊維の紡糸用溶剤としても用いられる。
る。チオシアン酸カルシウムは、セメント、モルタル、
コンクリート等の硬化促進剤として、また、アクリロニ
トリル系繊維の紡糸用溶剤としても用いられる。
チオシアン酸カルシウムの製造法としては、チオシアン
酸アンモニウムと消石灰とを水溶媒中で反応させる方法
が知られている。この反応は下式(I) 2NH4SCN+Ca(OH)2→Ca(SCN)2+2H2O+2NH3↑ …(I) に示される如くアンモニアガスの発生を伴なうので、廃
ガスを無害化するための処理工程を要し、また、水酸化
カルシウムの水溶解度は低いために長い反応時間を要
し、更に未反応水酸化カルシウムを別するための工程
も要し、しかもその際チオシアン酸カルシウムと水酸化
カルシウムの複塩が過ケークに付着して除かれるため
に生成チオシアン酸カルシウムの一部は損失となる等、
この反応による製造方法は効率的でない。
酸アンモニウムと消石灰とを水溶媒中で反応させる方法
が知られている。この反応は下式(I) 2NH4SCN+Ca(OH)2→Ca(SCN)2+2H2O+2NH3↑ …(I) に示される如くアンモニアガスの発生を伴なうので、廃
ガスを無害化するための処理工程を要し、また、水酸化
カルシウムの水溶解度は低いために長い反応時間を要
し、更に未反応水酸化カルシウムを別するための工程
も要し、しかもその際チオシアン酸カルシウムと水酸化
カルシウムの複塩が過ケークに付着して除かれるため
に生成チオシアン酸カルシウムの一部は損失となる等、
この反応による製造方法は効率的でない。
本発明は、原料チオシアン酸アンモニウムから効率よく
かつ高収率にチオシアン酸カルシウムを製造する方法の
提供を目的とする。
かつ高収率にチオシアン酸カルシウムを製造する方法の
提供を目的とする。
本発明のチオシアン酸カルシウムの製造方法は、亜硝酸
カルシウムとチオシアン酸アンモニウムを水溶媒中で、
好ましくは50℃〜沸点の温度でチオシアン酸アンモニウ
ムが消失するまで反応させることを特徴とする。
カルシウムとチオシアン酸アンモニウムを水溶媒中で、
好ましくは50℃〜沸点の温度でチオシアン酸アンモニウ
ムが消失するまで反応させることを特徴とする。
本発明に用いられる亜硝酸カルシウム及びチオシアン酸
アンモニウムは、いずれも充分な純度を有する市販工業
製品でよい。亜硝酸カルシウム及びチオシアン酸アンモ
ニウムは共に水によく溶ける物質であるから、水溶媒中
では水溶液を形成し、また、チオシアン酸カルシウムも
水によく溶ける物質であるから、水溶媒中で亜硝酸カル
シウムとチオシアン酸アンモニウムの反応によつてチオ
シアン酸カルシウムの水溶液が得られる。チオシアン酸
カルシウムは、この水溶液から通常の単離方法によつ
て、例えば、晶析、水の蒸発或いは乾燥等の方法によつ
て容易に回収される。
アンモニウムは、いずれも充分な純度を有する市販工業
製品でよい。亜硝酸カルシウム及びチオシアン酸アンモ
ニウムは共に水によく溶ける物質であるから、水溶媒中
では水溶液を形成し、また、チオシアン酸カルシウムも
水によく溶ける物質であるから、水溶媒中で亜硝酸カル
シウムとチオシアン酸アンモニウムの反応によつてチオ
シアン酸カルシウムの水溶液が得られる。チオシアン酸
カルシウムは、この水溶液から通常の単離方法によつ
て、例えば、晶析、水の蒸発或いは乾燥等の方法によつ
て容易に回収される。
亜硝酸カルシウムとチオシアン酸アンモニウムは、水溶
媒中で、下式(II) Ca(NO2)2+2NH4SCN→Ca(SCN)2+4H2O+2N2↑ …(II) に示す如く窒素ガスを放出しながら反応して、チオシア
ン酸カルシウムが生成する。この反応には副反応が伴わ
ずほとんど定量的に進行するので、この反応を完結せし
めるとチオシアン酸カルシウムの水溶液が得られる。こ
の反応において、加熱によつて反応温度を約50℃以上に
高めると、反応速度が著しく増大する。しかし特別の場
合を除いては、加圧を施して反応混合物の沸点以上もの
高温で反応させることは要しない。従つて常圧下沸点以
下の温度で充分であり、窒素ガスの激しい発生を避けて
逐次昇温する方法が好ましい。上記加熱による反応を行
わせると、短時間にほゞ100%に近い収率でチオシアン
酸カルシウムが生成する。
媒中で、下式(II) Ca(NO2)2+2NH4SCN→Ca(SCN)2+4H2O+2N2↑ …(II) に示す如く窒素ガスを放出しながら反応して、チオシア
ン酸カルシウムが生成する。この反応には副反応が伴わ
ずほとんど定量的に進行するので、この反応を完結せし
めるとチオシアン酸カルシウムの水溶液が得られる。こ
の反応において、加熱によつて反応温度を約50℃以上に
高めると、反応速度が著しく増大する。しかし特別の場
合を除いては、加圧を施して反応混合物の沸点以上もの
高温で反応させることは要しない。従つて常圧下沸点以
下の温度で充分であり、窒素ガスの激しい発生を避けて
逐次昇温する方法が好ましい。上記加熱による反応を行
わせると、短時間にほゞ100%に近い収率でチオシアン
酸カルシウムが生成する。
実施例1 攪拌機、温度計、ジムロートコンデンサーを備えた500m
lの三口フラスコに34.0重量%の亜硝酸カルシウム水溶
液194gを投入し、攪拌下これにチオシアン酸カルシウム
粉末76gを加え50〜70℃に2時間保持したところ、反応
が進行し窒素ガスの放出が認められた。次いで反応温度
を100℃まで昇温し、更に1時間反応させたところ、反
応液中にはチオシアン酸アンモニウムが殆ど検出されな
かつた。得られた液は、32重量%のチオシアン酸カルシ
ウムの水溶液であり、反応率は99%以上であつた。
lの三口フラスコに34.0重量%の亜硝酸カルシウム水溶
液194gを投入し、攪拌下これにチオシアン酸カルシウム
粉末76gを加え50〜70℃に2時間保持したところ、反応
が進行し窒素ガスの放出が認められた。次いで反応温度
を100℃まで昇温し、更に1時間反応させたところ、反
応液中にはチオシアン酸アンモニウムが殆ど検出されな
かつた。得られた液は、32重量%のチオシアン酸カルシ
ウムの水溶液であり、反応率は99%以上であつた。
上記実施例に示す如く、亜硝酸カルシウムとチオシアン
酸アンモニウムは水溶液中水溶液の形態で殆ど定量的に
反応が進行し、得られた液には副生物が含まれず、短時
間に高収率にチオシアン酸カルシウム水溶液が得られ
る。
酸アンモニウムは水溶液中水溶液の形態で殆ど定量的に
反応が進行し、得られた液には副生物が含まれず、短時
間に高収率にチオシアン酸カルシウム水溶液が得られ
る。
反応の際に原料として亜硝酸カルシウム1モルに対しチ
オシアン酸アンモニウムを1.3〜2モルの比率に選定し
て反応を完結させると、得られた液は、残存亜硝酸カル
シウムを含まないか或いはこれと生成チオシアン酸カル
シウムの共水溶液であるが、その亜硝酸カルシウムに対
しチオシアン酸カルシウムは219重量%以上の比率とな
り、セメント硬化促進剤の水溶液として有用である。
オシアン酸アンモニウムを1.3〜2モルの比率に選定し
て反応を完結させると、得られた液は、残存亜硝酸カル
シウムを含まないか或いはこれと生成チオシアン酸カル
シウムの共水溶液であるが、その亜硝酸カルシウムに対
しチオシアン酸カルシウムは219重量%以上の比率とな
り、セメント硬化促進剤の水溶液として有用である。
Claims (3)
- 【請求項1】亜硝酸カルシウムとチオシアン酸アンモニ
ウムを水溶媒中でチオシアン酸アンモニウムが消失する
まで反応させることを特徴とするチオシアン酸カルシウ
ムの製造方法。 - 【請求項2】反応させる亜硝酸カルシウムとチオシアン
酸アンモニウムの割合が、亜硝酸カルシウム1モルに対
しチオシアン酸アンモニウム2〜1.3モルである特許請
求の範囲第(1)項に記載のチオシアン酸カルシウムの
製造方法。 - 【請求項3】反応を50℃〜沸点の温度で行なう特許請求
の範囲第(1)項又は第(2)項に記載のチオシアン酸
カルシウムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3609086A JPH0672015B2 (ja) | 1986-02-20 | 1986-02-20 | チオシアン酸カルシウムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3609086A JPH0672015B2 (ja) | 1986-02-20 | 1986-02-20 | チオシアン酸カルシウムの製造方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP59253295 Division |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61270212A JPS61270212A (ja) | 1986-11-29 |
JPH0672015B2 true JPH0672015B2 (ja) | 1994-09-14 |
Family
ID=12460053
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3609086A Expired - Lifetime JPH0672015B2 (ja) | 1986-02-20 | 1986-02-20 | チオシアン酸カルシウムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0672015B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114162835B (zh) * | 2021-11-11 | 2023-12-01 | 格林智慧环保科技(山西)有限公司 | 一种硫脲联产高纯硫氰酸钠和纳米硫酸钙的生产工艺 |
-
1986
- 1986-02-20 JP JP3609086A patent/JPH0672015B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61270212A (ja) | 1986-11-29 |
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