JP2586914B2 - グアニジノ化合物の製造方法 - Google Patents

グアニジノ化合物の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、医薬品の合成中間体として有用な式、 (式中、Aは、式 で表わされる基であり、nは、1又は2の整数を表わ
す)で表わされるグアニジノ化合物の製造方法に関す
る。
従来、上記式(II)で表わされるグアニジノ化合物の
製造法としては、上記式(I)で表わされるカルボン酸
化合物と、S−メチルイソチオウレア又はその塩を反応
させる方法が知られている〔J.Med.Chem.,15,247(197
2)、USP.4,220,662、特開昭57−1222062など〕。しか
しながら、これらの方法は、悪臭のするメチルメルカプ
タンが生成するという欠点があり、また、工程の煩雑さ
による欠点もあり、工業的な製造法としては適当な方法
ではなかった。
また、G.Wagnerらは、4−アミノメチル安息香酸メチ
ルの塩酸塩をシアナミドと反応させることにより相当す
るグアニジノ体を得ているが〔C.A.79,42116d(197
3)〕。この方法はカルボン酸をメチルエステルとする
必要があり又、グアニジノ化後カルボン酸を得るには加
水分解を行わなければならない点において、工業的な製
法とはなり得ないものである。
本発明者らは、上記式(II)で表わされる化合物の製
法につき、種々研究を重ねた結果、前記式(I)で表わ
される化合物とシアナミドをpH9以上以上の水溶液中で
反応せしめることにより収率よく、上記式(I)で表わ
されるカルボン酸化合物が得られることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づきなされたものである。
本発明者らの実験によれば、トランス−4−アミノメチ
ルシクロヘキサンカルボン酸(1モル)とシアナミド
(2モル)の水溶液(pH約7.4)を20〜25℃で4日間撹
拌、反応を行ったところ、トランス−4−グアニジノメ
チルシクロヘキサンカルボン酸の生成は、ほとんど見ら
れなかったが、上記と同様に調製した液に28%アンモニ
ア水(2モル)を加え、20〜25℃にて2日間反応を行っ
たところ、トランス−4−グアニジノメチルシクロヘキ
サンカルボン酸が収率78%で得られた。
本発明者らは、上記の反応において、アンモニア水に
限らず塩基物質を添加して、pHを9以上として反応を行
わしめると上記グアニジノ化合物が収率よく得られるこ
とを見出した。
本発明者らは、かかる知見に基づき前記式(I)の化
合物とシアナミドとを反応せしめるにあたりこれを水溶
液中でpH9以上で反応を行わしめることにより、極めて
収率良く式(II)で表わされる化合物が得られるという
本発明方法を提供することに成功した。
すなわち、本発明の方法は、式 H2NCH2 A−COOH (I) (式中、Aは、式 で表わされる基であり、nは、1又は2の整数を表わ
す)で表わされる化合物を水溶液中で、pH9以上で、シ
アナミドと反応させることを特徴とするものである。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明方法においては、前記式(I)で表わされる化
合物とシアナミドとを水溶液中で、pH9以上で反応させ
ることを特徴としているが、pHを9以上とするために、
水溶液に添加する塩基物質としては、上記アンモニア
(又はアンモニア水)のほか水酸化リチウム、水酸化ナ
トリウム、炭酸カリウムなどの無機塩基や、トリエチル
アミン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセ
ン(DBU)等の有機塩基を用いることができる。添加す
る塩基物質の量は、上記の水溶液が反応時において、そ
のpHが9〜14となるような量であればよい。
シアナミドは式(I)で示されるカルボン酸化合物に
対し、等モル以上の量で、好ましくは、1.5〜3倍モル
の量で使用するのが良い。
シアナミドは反応開始時に、一度に加えても良く、又
は、1時間ないし数十時間の間に、滴下し続けることに
より又は数回に分けて加えることにより、水溶液中に導
入することができる。
反応温度は10℃以上であればよく、反応温度が低い場
合には、反応時間は長く、反応温度が高い場合には反応
時間は短くなる。
反応終了後、上記の反応生成物を含む反応液のpHを7
〜8に調整した後、又はpHの調整を行うことなく、反応
液を過し目的物質の結晶を得るか、又は反応液をイオ
ン交換樹脂にかけ目的物質を吸着させ、これを酸又はア
ルカリで溶出した後中和することにより目的物質の結晶
を得ることができる。
以下に、本発明の実施例を掲げ、本発明をさらに具体
例をもって説明する。
しかしながら、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
実施例 1 トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン
酸15.7gを水200mlに溶解した後、28%アンモニア水13.5
mlおよび50%シアナミド水溶液16.8gを加え、密栓をし
て48時間、撹拌し反応を行わせた。減圧濃縮(約200gま
で)し、アンモニアを除去した後、結晶生成物を取
し、乾燥することにより、トランス−4−グアニジノメ
チルシクロヘキサンカルボン酸15.6gを得た。
実施例 2 トランス−4−−アミノメチルシクロヘキサンカルボ
ン酸15.7gを水200mlに溶解した後、苛性ソーダ0.8g及び
50%シアナミド水溶液6.7gを加えた。更に、10時間後お
よび20時間後に50%シアナミド水溶液3.4gずつを加え、
20〜25℃にて55時間撹拌した。その後、塩酸で反応液を
pH7.5に調製した後、結晶生成物を取し、乾燥するこ
とにより、トランス−4−グアニジノメチルシクロヘキ
サンカルボン酸10.4gを得た。
実施例 3 トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン
酸78.6gを1N−アンモニア水600mlに溶解した。これに、
50%シアナミド水溶液63gを加え、15〜20℃にて撹拌し
た。さらに、これに、10%シアナミド水溶液210gを20時
間後より24時間かけて滴下し、30時間撹拌した後、結晶
生成物を取し、乾燥することにより、トランス−4−
グアニジノメチルシクロヘキサンカルボン酸87.0gを得
た。
実施例 4 トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン
酸7.86gを水100mlに溶解し、炭酸ソーダ2.65gを加え、4
5〜50℃とした。次いで、10%シアナミド水溶液63gを5
時間かけて滴下した。さらに15時間撹拌した後、反応液
の温度を10℃とした。塩酸にて反応液のpHを7.5に調製
した後、結晶生成物を取し、乾燥することによりトラ
ンス−4−グアニジノメチルシクロヘキサンカルボン酸
4.65gを得た。
実施例 5 トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン
酸7.86gを水100mlに溶解し、トリエチルアミン14mlおよ
び50%シアナミド水溶液8.4mlを加えた。この混合物を2
0〜25℃にて56時間撹拌した後、結晶生成物を取し、
乾燥することによりトランス−4−グアニジルメチルシ
クロヘキサンカルボン酸6.53gを得た。
実施例 6 4−アミノメチル安息香酸15.1gに水200ml、28%アン
モニア水14mlおよび50%シアナミド水溶液10.5mlを加
え、60℃で撹拌し、反応させた。22時間後、反応液に50
%シアナミド水溶液5.3mlを加えさらに24時間撹拌し、
反応させた。結晶生成物を取し、乾燥することによ
り、4−グアニジノメチル安息香酸17.7gを得た。
実施例 7 4−(2−アミノエチル)−安息香酸16.5gを用い、
実施例6と同様に処理を行うことにより4−(2−グア
ニジノエチル)−安息香酸14.5gを得た。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 H2NCH2 A−COOH (I) (式中、Aは、式 で表わされる基であり、nは、1又は2の整数を表わ
    す)で表わされる化合物を水溶液中で、pH9以上で、シ
    アナミドと反応させることを特徴とする式、 (式中、Aおよびnは、それぞれ前述の意義を有する) で表わされるグアニジノ化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】前記の式(I)で表わされる化合物が、
    式、 で表わされるトランス−4−アミノメチルシクロヘキサ
    ンカルボン酸である特許請求の範囲第1項記載の製造方
    法。
  3. 【請求項3】前記の式(I)で表わされる化合物が、
    式、 で表わされる4−アミノメチル安息香酸である特許請求
    の範囲第1項記載の製造方法。
JP62288463A 1986-11-17 1987-11-17 グアニジノ化合物の製造方法 Expired - Fee Related JP2586914B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US4191779A (en) 1978-03-17 1980-03-04 Stanley Drug Products, Inc. Method of treating bacterial infections

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JPS5775921A (en) * 1980-10-29 1982-05-12 Nippon Chemiphar Co Ltd Noval remedy for peptic ulcer

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US4191779A (en) 1978-03-17 1980-03-04 Stanley Drug Products, Inc. Method of treating bacterial infections

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