JP3179592B2 - 1−ベンジルヒダントインの製造方法 - Google Patents
1−ベンジルヒダントインの製造方法Info
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Description
に有用な中間体である1−ベンジルヒダントインの製造
方法に関するものである。
法としては、N−ベンジルグリシン塩酸塩水溶液にシア
ン酸カリウム水溶液を滴下した後、濃塩酸で環化させ1
ーベンジルヒダントインを得る方法が知られている。
(Acta Acad.Abo.,Math.Phy
s.27 (6),18pp.(1967)(Ge
r))
あるベンジルグリシン塩酸塩は、ベンジルアミンとグリ
コロニトリルを水性媒質中で反応させて、N−ベンジル
アミノアセトニトリルを得、このN−ベンジルアミノア
セトニトリルをアルカリ金属水酸化物で加水分解し次い
で酸と反応させることにより得られる。このようにベン
ジルグリシン塩酸塩は、これを得るには反応工程数が多
くまた無機塩が多く生成するため容易に入手できる化合
物ではない。したがって従来方法は工業化方法としては
有利な方法ではない。本発明は、工業的に簡便な方法で
得られる化合物を出発物質として用い、しかも高収率
で、1−ベンジルヒダントインを製造する方法を提供す
ることを目的とする。
示されるN−ベンジルアミノアセトニトリル、シアン酸
アルカリ金属塩および酸を反応させ(以下、第1工程と
いう)、次いで得られた反応混合物を酸の存在下で加熱
処理する(以下、第2工程という)ことを特徴とする、
下記の化4で示される1−ベンジルヒダントインの製造
方法を提供する。
ベンジルアミノアセトニトリルよりワンポットで1−ベ
ンジルヒダントインを高収率及び高選択率で得ることが
出来、また設備的にも安価な常圧設備で対応出来るた
め、この方法は工業的に非常に有利な製造法である。
金属塩と等当量の酸との反応よるイソシアン酸の生成、
イソシアン酸とベンジルアミノアセトニトリルとの反
応によるN−ベンジルヒダントイン酸ニトリルの生成、
N−ベンジルヒダントイン酸ニトリルの酸加水分解に
よるN−ベンジルヒダントイン酸アミドの生成および
酸の存在下でのN−ベンジルヒダントイン酸アミドの環
化による目的の1−ベンジルヒダントインの生成からな
るものと推察される。
発明のN−ベンジルアミノアセトニトリルは、ベンジル
アミンとグリコロニトリルを水性媒質中で反応させるこ
とにより容易に合成することが出来る。水性媒質として
は、水単独または水とアルコールとの混合溶媒を用いる
ことが好ましい。アルコールとしては、メタノール、エ
タノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−
ブタノール、2−ブタノール等である。
アセトニトリルを反応液から単離することなく、反応液
をそのまま、また反応液の濃縮液を本発明方法に供する
ことが出来る。水性媒質として水単独で用いた場合は、
反応液を分液してそのオイル層を本発明方法に供するこ
とも出来る。また、ベンジルアミノアセトニトリルは塩
酸塩または硫酸塩等の鉱酸塩として使用することも可能
である。
入手できるシアン酸ナトリウム、シアン酸カリウムなど
が挙げられる。シアン酸アルカリ金属塩は、粉末をその
まま使用することも可能であるが、一般に水溶液で取り
扱う方が工業的に容易である。また、純度の低い工業品
を使用しても問題はない。シアン酸アルカリ金属塩の使
用量としては、N−ベンジルアミノアセトニトリルに対
して0.8〜1.5倍モルが好ましく、1.0〜1.2
倍モルがさらに好ましい。
℃〜100℃程度が好ましく、10℃〜50℃がさらに
好ましい。第2工程については20℃〜120℃程度が
好ましく、50℃〜90℃がさらに好ましい。反応温度
が低いと反応速度が遅くなり、高温で行うと副生物を多
く生成し着色の原因となる。
使用することが好ましい。酸はN−ベンジルアミノアセ
トニトリル1モル当たり第1工程で1当量および第2工
程で1当量必要であるため、酸の使用量は全工程合計
で、N−ベンジルアミノアセトニトリル1モル当たり2
〜5当量が好ましく、2〜3当量がさらに好ましい。
セトニトリルに、シアン酸アルカリ金属塩水溶液を懸濁
させた後、酸を滴下し、次いで昇温して第2工程を行い
目的の1−ベンジルヒダントインを得る方法がある。ま
た、他の反応方法としては、N−ベンジルアミノアセト
ニトリルに鉱酸を滴下してN−ベンジルアミノアセトニ
トリル酸塩とし、その後シアン酸のアルカリ金属塩を滴
下し、次いで昇温して第2工程を行う方法があるが、攪
拌状態及び収率的には、前者の反応方法が勝っている。
の滴下時間としては1時間以上が好ましい。さらに好ま
しくは、第1工程に必要な1当量分については低温下で
1〜3時間かけて滴下し、その後昇温して、残量を滴下
する。第2工程の処理は、酸の滴下終了後好ましくは2
時間以上さらに好ましくは4時間以上、酸滴下時と同温
度で攪拌することにより完結する。
明するが、本発明はそれらの実施例によって限定される
ものではない。 実施例1 容量300ミリリットルのガラス製四つ口フラスコに、
N−ベンジルアミノアセトニトリル29.2グラム
(0.2モル)を入れ、これに室温で10%シアン酸ナ
トリウム水溶液137グラム(0.21モル)を加え
た。次に、同温度で97%硫酸を10.1グラム(0.
1モル)を1時間で滴下し、その後、50℃に昇温し9
7%硫酸を20.2グラム(0.2モル)を1時間で滴
下し、同温度で4時間攪拌した後、得られた反応液を5
℃まで冷却し析出した結晶を瀘取した後、減圧下乾燥す
ることにより、1−ベンジルヒダントイン32.9グラ
ム(収率86.6%)を得た。
N−ベンジルアミノアセトニトリル29.2グラム
(0.2モル)を入れ、室温で36%硫酸を27.2グ
ラム(0.1モル)を1時間で滴下し、N−ベンジルア
ミノアセトニトリル硫酸塩とし、次に、同温度で10%
シアン酸ナトリウム水溶液137グラム(0.21モ
ル)を2時間で滴下した後、室温で1時間攪拌し、50
℃で97%硫酸を20グラム(0.2モル)を1時間で
滴下し、その後同温度で4時間攪拌した。得られた反応
液を5℃まで冷却し析出した結晶を瀘取した後、減圧下
乾燥することにより、1−ベンジルヒダントイン22.
9グラム(収率60.3%)を得た。
N−ベンジルアミノアセトニトリル29.2グラム
(0.2モル)を入れ、これに室温で10%シアン酸ナ
トリウム水溶液137グラム(0.21モル)を加え
た。次に、同温度で36%塩酸を20.3グラム(0.
2モル)2時間で滴下し、そのままの温度で1時間攪拌
した。反応温度を90℃にした後、36%塩酸を40.
6グラムを1時間で滴下し、同温度で4時間攪拌した。
得られた反応液を5℃まで冷却し析出した結晶を瀘取し
た後、減圧下乾燥することにより、1−ベンジルヒダン
トイン28.5グラム(収率75.0%)を得た。
られる化合物を出発物質として用い、しかも高収率で、
1−ベンジルヒダントインを製造することが出来る。
Claims (3)
- 【請求項1】下記の化1で示されるN−ベンジルアミノ
アセトニトリル、シアン酸アルカリ金属塩および酸を反
応させ、次いで得られた反応混合物を酸の存在下で加熱
処理することを特徴とする、下記の化2で示される1−
ベンジルヒダントインの製造方法。 【化1】 【化2】 - 【請求項2】N−ベンジルアミノアセトニトリルとシア
ン酸アルカリ金属塩の混合物に酸を加えながら反応さ
せ、次いで得られた反応混合物を酸の存在下で加熱処理
することを特徴とする請求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】10〜50℃に保たれたN−ベンジルアミ
ノアセトニトリルとシアン酸アルカリ金属塩の混合物に
酸を加えながら反応させ、次いで得られた反応混合物を
酸の存在下で50〜90℃にて加熱処理することを特徴
とする請求項2記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27957192A JP3179592B2 (ja) | 1992-09-22 | 1992-09-22 | 1−ベンジルヒダントインの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27957192A JP3179592B2 (ja) | 1992-09-22 | 1992-09-22 | 1−ベンジルヒダントインの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06100543A JPH06100543A (ja) | 1994-04-12 |
JP3179592B2 true JP3179592B2 (ja) | 2001-06-25 |
Family
ID=17612837
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27957192A Expired - Fee Related JP3179592B2 (ja) | 1992-09-22 | 1992-09-22 | 1−ベンジルヒダントインの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3179592B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1072446A (ja) * | 1996-06-24 | 1998-03-17 | Sumitomo Chem Co Ltd | 1−置換−ヒダントイン類の製造法 |
DE19934231B4 (de) | 1999-07-21 | 2004-02-19 | Bayer Ag | Verfahren zur Herstellung von 1-substituierten 5-Hydroxy-imidazolin-2,4-dionen und 1-substituierten 5-Alkoxy-imidazolin-2,4-dionen |
-
1992
- 1992-09-22 JP JP27957192A patent/JP3179592B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
Chemical Abstracts;68:49512 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06100543A (ja) | 1994-04-12 |
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