JPH0671903A - 被記録媒体及びこれを用いたインクジェット記録方法 - Google Patents

被記録媒体及びこれを用いたインクジェット記録方法

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JPH0671903A
JPH0671903A JP4227270A JP22727092A JPH0671903A JP H0671903 A JPH0671903 A JP H0671903A JP 4227270 A JP4227270 A JP 4227270A JP 22727092 A JP22727092 A JP 22727092A JP H0671903 A JPH0671903 A JP H0671903A
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美由紀 松原
Tomomi Kaneko
智美 金子
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正博 千葉
Noriya Ota
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクの吸収性が高く、ドット形状がシャー
プで耐ブロッキング性に優れ、温度湿度の環境変化に対
して安定で保存性に優れ、カールしにくく指紋がつきに
くい、インクジェット用被記録媒体を提供すること、及
び該被記録媒体に記録信号に従って記録ヘッドのオリフ
ィスからインクを吐出させて記録を行うことを特徴とす
るインクジェット記録方法を提供すること。 【構成】 一般式 【外1】 (但しここで 【外2】 はフラクトース環を示す)で表される環状化合物及びそ
のメチル化体を、基材の表面に付与または内部に含有し
てなる被記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録に好
適に用いられる被記録媒体及びこれを用いたインクジェ
ット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来インクジェット記録に用いられる被
記録媒体としては、特公平3−26665号公報に記載
されている様に、基紙上に微粉シリカとポリビニルアル
コールのような水溶性バインダーを含む塗工層を設けた
記録紙や、特公平3−25352に記載されている様
に、キャストコート紙にけん化度50〜90モル%のポ
リビニルアルコールと架橋剤を含有する皮膜を形成した
光沢紙、さらには特公平3−13993号公報に記載さ
れている様に、ポリエステルフィルム上に水溶性ポリビ
ニルアルコールと水不溶性ポリビニルアルコール及び水
分散型ポリエステルとの混合物からなる親水性皮膜を設
けたオーバーヘッド用記録シート等が用いられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】近年、記録の高速
化、多色化などインクジェット記録装置の性能の向上に
伴い、インクジェット用被記録媒体に対しても、より高
度で広範な特性が要求されている。すなわち、 (1)インクの吸収能力が高いこと(吸収容量が大き
く、吸収時間が早い) (2)ドットの光学濃度が高く、ドット周辺がぼけない
こと (3)ドット形状が真円に近く、その周辺が滑らかであ
ること (4)温度、湿度の変化で特性の変化が小さく、カール
をおこさないこと (5)ブロッキングをおこさないこと (6)画像が長期保存に安定で変質しないこと などの特性を同時に満足させることが要求される。
【0004】これらの諸特性はしばしばトレードオフの
関係にあり、従来公知の技術では、これらを同時に満足
させることは不可能であった。例えば、例示した従来技
術の被記録媒体は、いずれもドット形状と耐ブロッキン
グ性はそこそこの性能を有するものであるが、インクの
吸収能力が不十分であるため、画像濃度の高い部分、即
ち、インク打ち込み量の多い部分でインクのあふれ出し
による画像汚れや濃度ムラを起こし、また特にカラープ
リントの場合、異なった色の境界部の混色による色汚れ
を起こす。
【0005】記録の高速化、画像の高密度化、カラー化
が進むにつれて、インク定着不良による画像品位の低下
が深刻な問題となっている。
【0006】特公平3−29596号公報に記載されて
いるポリビニルピロリドンを主体に組成されたインク受
容層を有する記録シートは、インクの吸収能力は常温常
湿で比較的良好であるが、高温高湿下でインクの乾きが
極めて遅くブロッキングを起こしやすい。また記録面の
機械的強度が弱くキズがつきやすいという欠点を有す
る。
【0007】そこで、本発明の目的は、上記した諸特性
をバランス良く同時に満足する被記録媒体及びこれを用
いたインクジェット記録方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的は以下の本発
明によって達成される。
【0009】即ち本発明は、一般式
【0010】
【外9】 (但しここで
【0011】
【外10】 はフラクトース環を示す)で表される環状化合物及びそ
のメチル化体を含有する塗工液を基材の表面に付与され
ている被記録媒体である。
【0012】また、本発明は、一般式
【0013】
【外11】 (但しここで
【0014】
【外12】 はフラクトース環を示す)で表される環状化合物及びそ
のメチル化体を、基材中に含有してなる被記録媒体であ
る。
【0015】更に、本発明は、上述したような記録媒体
に、記録信号に従って記録ヘッドのオリフィスからイン
クを吐出させて記録を行うことを特徴とするインクジェ
ット記録方法である。
【0016】
【作用】本発明者等は、インクジェット記録に適した記
録紙及び、オーバーヘッドプロジェクター用のトランス
ペアレンシーフィルム等の開発を行うなかで、前記組成
物を被覆もしくは内部に含有してなる被記録媒体が、イ
ンクの吸収能力が極めて高く、ドットが鮮明でシャープ
であり、耐ブロッキング性に優れ、温湿度の環境条件の
変化に対しても性能の変化が小さく、長期保存に安定な
被記録媒体であることを見いだし、本発明に至ったもの
である。
【0017】即ち、前記組成物中の効果により、高い実
用性能を実現したものである。
【0018】前記組成物、より具体的にはフラクトース
分子6〜8個がβ2−1フラクシド結合した環状オリゴ
糖(以下CFRと呼ぶ)であり、その代表的な化合物で
あるフラクトース6個よりなる環状化合物(CFR−
6)の構造と分子式を以下に示す。
【0019】
【外13】
【0020】CFR及びそのメチル化体は、CFRに類
似の化合物であるシクロデキストリンやクラウンエーテ
ルと同様に物質の包接や金属の捕捉、分離などの機能を
有する白色結晶性の化合物として知られている。本発明
に使用するフラクトース分子6〜8個からなる環状化合
物(CFR)及びそのメチル化体の特徴は、溶媒に対す
る溶解性が極めて高いことである。例えばシクロデキス
トリンの水に対する溶解性は一般に低い(α型で14
%、β型はほとんど不溶)のに対し、CFRは120%
(22℃)の溶解度を有する。またCFRのメチル化体
はアルコール、ケトン、エステル類やトルエン、キシレ
ンなどの有機溶媒によく溶解する。
【0021】本発明者らは、インクを液滴として吐出さ
せて記録を行う記録方法において、インクを受容する被
記録媒体の開発研究を行う中から、上記のフラクトース
分子6〜8個よりなる環状化合物を、基材の表面に付与
または内部に含有してなる被記録媒体がインクの吸収性
能、画像性能に極めて優れ、環境条件や長期保存で変化
しないという、従来両立不可能とされた性質を有するこ
とを見いだした。何故このような効果があるのか明らか
ではないが、構造的にシクロデキストリンがバケツ型の
立体構造を有しているのに対し、CFRは平面型である
のでシクロデキストリンに比べ分子内部の空間が大きい
ことが推定される。またCFRは多くの水酸基を有し、
他分子にまとわりつくトラッピング効果があると推定さ
れる。CFRのこのような性質が、インク中の不揮発性
成分(溶媒や染料)の固定に何らかの有用な働きをする
のではないかと推定される。
【0022】(好ましい実施態様)次に、好ましい実施
態様を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
【0023】本発明で使用し、主として本発明を特徴づ
ける化合物は、前述したフラクトース(果糖)分子6〜
8個からなる環状化合物である。
【0024】CFRは野菜チコリやキクイモ、ダリアの
根などに多く含まれているイヌリンを原料としてバチル
ス・サーキュランス菌から生成する酵素サイクロイヌロ
オリゴフラクタノトランスフェラーゼによりバイオリア
クターで効率よく生産される。現在の方法ではフラクト
ース6個のものが75%、7個のものが20%、8個の
ものが5%の割合で生成する。これらは混合物のままで
も使用できるし、必要により分離精製して使用すること
もできる。またCFRのメチル化体は、CFR分子中の
水酸基を公知のメチル化剤を反応させることによって容
易に得られる。
【0025】本発明において、上記のCFRは、基材の
表面を被覆する塗工液として必要により他の材料と共に
用いるか或は紙のような基材中に内添して用いることが
できる。
【0026】上記CFRを塗工液中に含有して、基材の
表面を被覆する方法が利用される際、本発明の上記環状
化合物の含有量は塗工液全重量に対して0.1〜30重
量%、さらに好ましくは0.5〜10重量%である。
【0027】また前記環状化合物が、パルプ、フィラ
ー、サイズ剤などと共に混合して抄紙する、いわゆる内
添剤として、あるいはサイズプレス剤として利用される
場合、本発明の環状化合物の添加量は、パルプ全重量に
対して5〜50重量%、更に10〜30重量%の範囲が
最も好適に用いられるがこの範囲に限定されない。
【0028】本発明では、本発明の目的達成を妨げない
範囲において各種バインダー、フィラー添加剤を併用す
ることができる。バインダーの一例としては従来公知の
デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、アクリル樹
脂、無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、セルロース、
SBRラテックス、アルギン酸ソーダ、ポリビニルピロ
リドン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルなどが
挙げられるがこれらに限定されない。フィラーの一例と
してはシリカ、アルミナ、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸
マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、タルク、クレ
イ、ハオドロタルサイト、炭酸カルシウム、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、及びポリエチレン、ポリスチレン、ポリ
アクリレート、などのプラスチックピグメントなどが挙
げられるがこれらに限定されない。添加剤の具体的な一
例としては各種界面活性剤、染料固着剤(耐水化剤)、
消泡剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、分散
剤、粘度調整剤、PH調整剤、防カビ剤、可塑剤が挙げ
られる。これらの添加剤については従来公知の化合物か
ら目的に応じて任意に選択すればよい。
【0029】本発明の被記録媒体を構成する基材として
は、上質紙、中質紙、アート紙、ボンド紙、再生紙、バ
ライタ紙、キャストコート紙、ダンボール紙などの紙
や、ポリエチレンテレフタレート、ジアセテート、トリ
アセテート、セロハン、セルロイド、ポリカーボネー
ト、ポリイミド、ポリビニルクロライド、ポリビニリデ
ンクロライド、ポリアクリレートなどのプラスチックか
らなるフィルムもしくは板、ガラス板、あるいは木綿、
レーヨン、アクリル、ナイロン、絹、ポリエステルなど
の布帛を使用することができる。被記録媒体の記録目
的、記録画像の用途、あるいはその上部に被覆あるいは
内添される組成物との密着性などの諸条件に応じて上記
基材の中から適宜選択される。
【0030】本発明の被記録媒体を作成する方法の一例
として、前記環状化合物を塗工液中に含有させ、基材の
表面を被覆する方法について以下に述べるが、前述した
ように、本発明は以下に限定されない。
【0031】例えばまず前記環状化合物を、必要により
他の添加剤と共に、水あるいはアルコール、または他の
適当な有機溶媒に溶解、分散し、塗工液を調製し、得ら
れた塗工液を、例えば、ロールコーター法、ブレードコ
ーター法、エアナイフコーター法、ゲートロールコータ
ー法、バーコーター法、サイズプレス法、スプレーコー
ト法、グラビアコーター法、カーテンコーター法などに
より基材表面に塗工する。その後、例えば熱風乾燥炉、
熱ドラムなどを用いて乾燥する。さらに必要に応じて塗
工液層の平滑化或は表面強度を上げるためにスーパーカ
レンダー処理などを施してもよい。
【0032】塗工液の塗工量としては総量として0.2
〜50g/m2 、より好ましくは0.2〜20g/m2
の範囲内である。塗工量が少ない場合には基材の一部が
表面に露出していてもよい。又、塗工量が0.2g/m
2 に満たない場合には、塗工しなかった場合に比べて染
料の発色性の点で効果がなく、一方、50g/m2 を越
えて塗工した場合には塗工層の粉落ちが発生し好ましく
ない。塗工量を厚さで表した場合の塗工量は0.5〜1
00μmの厚みになる範囲が好適である。
【0033】以上説明した被記録媒体にインクジェット
記録を行う場合のインクそれ自体は、公知のものが何等
問題なく使用可能である。又、記録剤としては直接染
料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素に代
表される水溶性染料が使用可能であり、通常のインクジ
ェット記録用のものであれば特に制限なく使用すること
が出来る。この様な水溶性染料は、従来のインク中にお
いて一般には約0.1〜20重量%を占める割合で使用
されており、本発明においてもこの割合と同様でよい。
【0034】本発明に用いる水系インクに使用する溶媒
は、水又は水と水溶性有機溶剤との混合溶媒であり、特
に好適なものは水と水溶性有機溶剤と混合溶媒であっ
て、水溶性有機溶剤としてインクの乾燥防止効果を有す
る多価アルコールを含有するものである。
【0035】前記の被記録媒体に上記のインクを付与し
て記録を行う為の方法は、好ましくはインクジェット記
録方法であり、該方法は、インクをノズルより効果的に
離脱させて、射程体である記録媒体にインクを付与し得
る方式であればいかなる方式でもよい。
【0036】特に、特開昭54−59936号公報に記
載されている方法で、熱エネルギーの作用を受けたイン
クが急激な体積変化を生じ、この状態変化による作用力
によって、インクをノズルから吐出させるインクジェッ
ト方式は有効に使用することが出来る。
【0037】本発明の被記録媒体を用いて記録を行うの
に好適な一例のインクジェット記録装置を以下に説明す
る。その装置の主要部であるヘッド構成例を図1、図2
及び図3に示す。
【0038】ヘッド13はインクを通す溝14を有する
ガラス、セラミックス又はプラスチック板等と、感熱記
録に用いられる発熱ヘッド15(図ではヘッドが示され
ているが、これに限定されるものではない)とを接着し
て得られる。発熱ヘッド15は酸化シリコン等で形成さ
れる保護膜16、アルミニウム電極17−1、17−
2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層18、蓄熱層
19、アルミナ等の放熱性の良い基板20よりなってい
る。
【0039】インク21は吐出オリフィス(微細孔)2
2まで来ており、圧力Pによりメニスカス23を形成し
ている。
【0040】今、電極17−1、17−2に電気信号公
報が加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急
激に発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生
し、その圧力でメニスカス23が突出し、インク21が
吐出し、オリフィス22より記録小滴24となり、被記
録媒体25に向かって飛翔する。図3には図1に示すヘ
ッドを多数並べたマルチヘッドの外観図を示す。該マル
チヘッドはマルチ溝26を有するガラス板27と、図1
に説明したものと同様な発熱ヘッド28を密着して製作
されている。
【0041】尚、図1は、インク流路に沿ったヘッド1
3の断面図であり、図2は図1のA−B線での切断面で
ある。
【0042】図4に、かかるヘッドを組み込んだインク
ジェット記録装置の一例を示す。
【0043】図4において、61はワイピング部材とし
てのブレードであり、その一端はブレード保持部材によ
って保持されて固定端となり、カンチレバーの形態をな
す。ブレード61は記録ヘッドによる記録領域に隣接し
た位置に配設され、又、本例の場合、記録ヘッドの移動
経路中に突出した形態で保持される。62はキャップで
あり、ブレード61に隣接するホームポジションに配設
され、記録ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して吐
出口面と当接し、キャッピングを行う構成を備える。更
に63はブレード61に隣接して設けられるインク吸収
体であり、ブレード61と同様、記録ヘッドの移動経路
中に突出した形態で保持される。上記ブレード61、キ
ャップ62、吸収体63によって吐出回復部64が構成
され、ブレード61及び吸収体63によってインク吐出
口面に水分、塵埃等の除去が行われる。
【0044】65は吐出エネルギー発生手段を有し、吐
出口を配した吐出口面に対向する記録媒体にインクを吐
出して記録を行う記録ヘッド、66は記録ヘッド65を
搭載して記録ヘッド65の移動を行う為のキャリッジで
ある。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に係合
し、キャリッジ66の一部はモータ68によって駆動さ
れるベルト69と接続(不図示)している。これにより
キャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能とな
り、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した領
域の移動が可能となる。
【0045】51は被記録媒体を挿入する為の給紙部、
52は不図示のモータにより駆動される紙送りローラで
ある。これらの構成によって記録ヘッドの吐出口面と対
向する位置へ被記録媒体が給紙され、記録が進行するに
つれて排紙ローラ53を配した排紙部へ排紙される。
【0046】上記構成において記録ヘッド65が記録終
了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部64の
キャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避して
いるが、ブレード61は移動経路中に突出している。こ
の結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされ
る。尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接
してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッ
ドの移動経路中に突出する様に移動する。
【0047】記録ヘッド65がホームポジションから記
録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード
61は上述したワイピング時の位置と同一の位置にあ
る。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐
出口面はワイピングされる。
【0048】上述の記録ヘッドのホームポジションへの
移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘ
ッドが記録の為に記録領域を移動する間に所定の感覚で
記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移
動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0049】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。尚、文中、部または%とあるのは、特に断りのな
い限り重量基準である。
【0050】実施例1及び比較例1 フラクトース6個の環状化合物4部(以下すべて重量
部)を水96部中に攪拌混合しながら添加し溶解した。
得られた塗工液をワイヤーバーを用いて、上質紙(銀
環、山陽国策パルプ製)に塗布したのち、70℃にて1
0分間乾燥しスーパーカレンダーで処理して本発明の被
記録媒体をえた。上記被記録媒体に、下記組成のインク
を用いて、熱エネルギーによりインクを発泡させてイン
クを吐出させるインクジェット記録装置により下記条件
でカラー記録をおこなった。
【0051】比較例として、塗工液を塗布してない上質
紙(銀環)を用いた。
【0052】インク組成(A処方) 染料 3部 ジエチレングリコール 15部 水 82部
【0053】染料 Y:C.I.ダイレクトイエロー#86 M:C.I.アシッドレッド#35 C:C.I.ダイレクトブルー#199 Bk:C.I.フードブラック#2
【0054】記録条件 吐出周波数:3KHz 吐出液滴の容量:30pl 記録密度:400DPI 最大単色インク付与量:7.4nl/mm2 最大色重ね数:3色 得られたカラープリントサンプルについて以下の項目に
ついて評価を行った。
【0055】評価項目 *1 インク吸収性 イエロー、シアン、マゼンタの3色をフルドットに記録
してから室温下(20℃、65%RH)に30秒間放置
した後、記録画像に指触した時に、インクがインク受容
層内部に取り込まれて指に付着しなくなるか否かで判断
した。付着しない場合を○、付着する場合を×、その中
間を△とした。
【0056】*2 耐ブロッキング性 イエロー、シアン、マゼンタの3色をフルドットに記録
してから記録面に温風(100℃、風速1m/秒)を1
0秒間あてた後、記録画像に40g/cm2 の圧力でク
リアポケット(ライオン製、ポリプロピレンフィルム)
を積層した時に、このフィルムが容易に剥離できるか否
かで判断した。容易に剥離できる場合を○、剥離にかな
りの力を要する場合を×、その中間を△とした。
【0057】*3 画像濃度 上記のプリンターを用いてベタ印字した印画物のブラッ
ク(Bk)の画像濃度を、マクベス濃度計RD−918
を用いて評価した。
【0058】*4 記録媒体の保存性は、夫々の記録媒
体を35℃90%RHの環境下に7日間保管した後に、
23℃55%RHの環境下に1日間保管し、その後に、
23℃55%RHの環境下で上記のプリンターを用いて
評価した。
【0059】保存前の記録媒体に比べ、インクの溢れ、
滲み出し、文字太りを発生し、画質が著しく劣っている
ものを×、変化の認められないものを○、その中位のも
のを△とし、インク吸収性の低下以外に画像濃度の低下
を発生しているものを××とした。
【0060】*5 画像ムラは、上記のプリンターを用
いてベタ印字をした印字物において、前記濃淡ムラが認
められないものを○、印字物と眼とを50cm離した距
離からの目視でも確認出来るものを×、その中位のもの
を△とした。
【0061】*6 解像性 記録画像をOHPによりスクリーンに投影し、コントラ
ストの高い鮮明で見易い画像が得られるものを○、ブリ
ーディング等を起こして、異なる2色の境界がにじんだ
り、あるいはピッチ幅1mm、太さ0.3mmの線が明
瞭に判別出来ないものを×、その中間を△とした。
【0062】
【外14】
【0063】実施例2及び比較例2 原料パルプとしてLBKP80部、NBKP20部を混
合解離し、濾水度350mlに叩解し、重質炭酸カルシ
ウム(ホワイトンSSB:石原産業製)7部、アルキル
ケテンダイマー系サイズ剤(ハーコン40:ディック
製)0.2部、紙力増強剤(ポリストロン#602:荒
川化学製)0.3部を加え、これにフラクトース6個の
環状化合物75%、7個の環状化合物20%、8個の環
状化合物5%からなる混合物0.5部を水10mlに溶
解した水溶液を加えてよく混合し、小型の長網式抄紙機
を用いて坪料75g/m2 の紙を作成した。比較例とし
て上記組成からフラクトース6〜8個の環状化合物の混
合物を除いて同様に紙を作成した。それぞれ60℃の乾
燥機で乾燥して被記録媒体とした。上記被記録媒体に、
実施例1と同様な記録装置を用いて記録を行い、同様な
評価を行った。
【0064】
【外15】
【0065】実施例3及び比較例3 原料パルプとしてフリーネス(C.F.S.)500m
lのLBKPを使用し、タルク10部、ロジン(コロパ
ールS−78L:星光化学製)、硫酸バンド2部、カチ
オン樹脂(PAS−A120:日東紡製)0.5部に、
フラクトース6個からなる環状化合物1部を水10部に
溶かした溶液を加え実施例2と同様に坪量85g/m2
の紙を作成した。比較例として上記組成からフラクトー
ス6個からなる環状化合物を除いて同様に紙を作成し、
実施例2と同様に記録物を作成し、評価を行った。
【0066】
【外16】
【0067】実施例4及び比較例4 フラクトース6個の環状化合物のメチル化体1部、変性
ポリ酢酸ビニル(SMR−10H:信越化学製)5部、
微粉シリカ(ファインシールX37徳山曹達製)1部、
界面活性剤(セラモP−16第一工業製薬製)0.1部
と水24部、イソプロピルアルコール70部をボールミ
ルを用いてよく分散し、塗工液を調製した。この塗工液
を厚さ100ミクロンのポリエステルフィルム(東レ
製)に、厚さ10ミクロンになるように塗布した。60
℃で30分乾燥し被記録媒体とした。上記被記録媒体に
ついて実施例1と同様の記録装置を用いて記録を行っ
た。得られた記録物について下記の項目について評価を
行った。比較例としてフラクトース6個の環状化合物を
除いた塗工液で同様な被記録媒体を作成した。
【0068】インク組成(B処方) 染料 3部 ジエチレングリコールモノメチルエーテル 25部 尿素 3部 N−メチルピロリドン 10部 水 59部
【0069】染料 実施例1と同じ
【0070】評価項目 実施例1で行った評価項目の他に耐カール性と耐指紋性
のテストを行った。
【0071】*7 耐カール性 印字したフィルムを住友スリーエム社製オーバーヘッド
プロジェクター(モデル4000)に乗せ3分後のコー
ナー部の浮き上がりをJIS 1級メタルスケールで測
定し5mm以下を○、5mm〜10mmを△、10mm
以上を×とした。
【0072】*8 耐指紋性 印字したフィルムに右手親指を強く押しつけ、OHPに
て投影したとき、指紋がほとんど見えないものを○、う
っすらとみえるものを△、鮮明にみえるものを×とし
た。
【0073】
【外17】
【0074】実施例5〜14、比較例5〜7 実施例1〜2と同様の方法で、各種の被記録媒体を作成
し、カラー記録を行った。また比較例として、市販の記
録紙及びインクジェット用トランスペアレンシーフィル
ムなどについて同様な記録を行った。被記録媒体の内容
と評価結果を以下に示す。尚、塗工液の調製にあたって
は、必要に応じてボールミルを使用した。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】
【表3】
【0078】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明により、従来
両立させることは不可能であった、インクの吸収性が高
く、ドットが鮮明で耐ブロッキング性に優れ、温度湿度
の環境変化に対して安定で保存性に優れ、カールしにく
く指紋のつきにくいという、インクジェット記録にとっ
て、理想的な実用性能を持った被記録媒体を供給するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法で使用するインクジェット記録装置
のヘッド部の縦断面図。
【図2】本発明方法で使用するインクジェット記録装置
のヘッド部の横断面図。
【図3】図1及び図2に示したヘッドをマルチ化したヘ
ッドの外観斜視図。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図。
【符号の説明】
61 ワイピング部材 62 キャップ 63 インク吸収体 64 吐出回復部 65 記録ヘッド 66 キャリッジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 徳也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【外1】 (但しここで 【外2】 はフラクトース環を示す)で表される環状化合物及びそ
    のメチル化体を含有する塗工液を基材の表面に付与され
    ている被記録媒体。
  2. 【請求項2】 一般式 【外3】 (但しここで 【外4】 はフラクトース環を示す)で表される環状化合物及びそ
    のメチル化体を、基材中に含有してなる被記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記基材が紙である請求項1または2に
    記載の被記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記基材がプラスチックフィルムである
    請求項1または2に記載の被記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記基材が布帛である請求項1または2
    に記載の被記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記基材が紙であり、一般式 【外5】 (但しここで 【外6】 はフラクトース環を示す)で表される環状化合物及びそ
    のメチル化体が紙の主原料であるパルプ全重量に対して
    5〜50重量%含有されている請求項2記載の被記録媒
    体。
  7. 【請求項7】 前記塗工液中に、一般式 【外7】 (但しここで 【外8】 はフラクトース環を示す)で表される環状化合物及びそ
    のメチル化体を、塗工液全重量に対して0.1〜30重
    量%含有されている請求項1記載の被記録媒体。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7何れかに記載の被記録媒体
    に、記録信号に従って記録ヘッドのオリフィスからイン
    クを吐出させて記録を行うことを特徴とするインクジェ
    ット記録方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のインクの液媒体成分
    が、水及び水混和性グリコール類またはグリコールエー
    テル類を主体に組成されたものであることを特徴とする
    インクジェット記録方法。
  10. 【請求項10】 請求項8に記載のインクがシアン、マ
    ゼンタ、イエロー及びブラックインクであるカラーイン
    クジェット記録方法。
  11. 【請求項11】 インクの吐出を熱エネルギーによって
    行う請求項8に記載のインクジェット記録方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6705717B1 (en) 1993-09-30 2004-03-16 Canon Kabushiki Kaisha Ink-jet printer and printing system capable of printing on clothes and papers, ink to be used in the system and production method for producing article with employing the system
US9175006B2 (en) 2009-06-17 2015-11-03 Board Of Regents, The University Of Texas System Compositions and methods for cyclofructans as separation agents

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