JPH0671655B2 - 固定管の円周溶接方法 - Google Patents

固定管の円周溶接方法

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JPH0671655B2
JPH0671655B2 JP61102816A JP10281686A JPH0671655B2 JP H0671655 B2 JPH0671655 B2 JP H0671655B2 JP 61102816 A JP61102816 A JP 61102816A JP 10281686 A JP10281686 A JP 10281686A JP H0671655 B2 JPH0671655 B2 JP H0671655B2
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JP
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welding
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circumferential
weaving
bead
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俊雄 牧野
雅敏 中村
志織 秋谷
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住金溶接工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は固定管の円周溶接方法に関するものである。
(従来の技術及びその問題点) 固定管の円周溶接は、溶接姿勢が刻々と変化し、各姿勢
に応じて溶接条件を設定する必要のあることから、溶接
施工は非常に難しく、多くの場合、TIG溶接や手溶接が
用いられている。この場合、各姿勢に応じた各層毎の溶
接条件、例えば溶接電流、溶接電圧、溶接速度、ねらい
位置、ウィービング幅等は、溶接作業者が継手形状毎に
溶接姿勢に応じて、経験又は実験値に基づいてその都
度、選択をするのが普通である。そのため上記溶接条件
の選択、決定に多大の手数を要していたし、また選択さ
れる溶接条件が作業者の技量によって大幅に異なるた
め、これにより溶接品質の良否が大幅に左右されてしま
うという欠点がある。
この発明は上記した従来の欠点を解決するためになされ
たものであって、その目的は、最適な溶接条件を作業者
の技量に無関係に略一義的に設定でき、そのため品質の
安定した溶接部を得ることのできる固定管の円周溶接方
法を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) そこでこの発明の固定管の円周溶接方法においては、水
平軸心回りに形成された円周溶接継手を消耗式電極を用
いてアーク溶接するための円周溶接方法であって、上記
円周溶接継手を溶接姿勢に応じて複数の溶接線ブロック
に分割し、各溶接線ブロック毎に、溶接継手部の寸法デ
ータと、この溶接層にて形成しようとするビード厚さと
からこの層でのビード幅と単位長当りの必要溶着金属量
とを演算すると共に、これらに基づいてこの層でのウィ
ービング幅と溶接速度とを溶接電流との関連において求
め、これらに従ってウィービング幅と溶接速度とを変え
ながら各溶接線ブロックを順次溶接するようにしてあ
る。
(作用) 上記の結果、各溶接線ブロックに対してこの溶接層にて
形成しようとするビード厚さを設定すれば、これと溶接
継手部の寸法データとからこの層での表面ビード幅と単
位長当りの必要な溶着金属量とを演算することが可能で
ある。そしてこのビード幅に基づいて、次層において必
要なウィービング幅が、またこのウィービング幅と上記
溶着金属量、及び溶接電流とによって溶接速度とがそれ
ぞれ求められ、これによりこの層での溶接条件の設定を
行ない、このような設定手順を順次繰返すことにより各
溶接線ブロックに対する一連の溶接条件を設定し、これ
らに基づいてウィービング幅と溶接速度とを変えながら
各溶接ブロックを順次溶接するのである。
(実施例) 次にこの発明の固定管の円周溶接方法の具体的な実施例
について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
まず溶接すべき円周溶接継手を、第1図に示すように、
A〜Hの8つの溶接線ブロックに分割する。これら各ブ
ロックは、溶接姿勢に従って分割されたものであって、
Aは下向、B、Hは斜め下向、C、Dは立向、D、Fは
斜め上向、Eは上向の溶接姿勢となるものである。
そして上記各ブロック毎に初層、中間層、最終仕上層で
の各溶接条件を演算するが、この場合、まず溶接継手部
の寸法データと溶接電流データとを入力する。
上記溶接継手部の寸法データとしては、第2図に示すよ
うなV型開先の場合には、以下の〜をそれぞれ入力
する。
板厚t 開先角度α ルートギャップG 裏当金の有無 上記溶接電流データとしては、使用する溶接電流及びそ
れに対応した溶接電圧をそれぞれ定めておき、この溶接
電流を適宜選択するようにする。なお以下においては便
宜上、ワイヤ径:0.9mm、シールドガス:Ar+20%CO2、溶
接電流及び電圧:140A-20V、突出し長:15mmと固定した場
合を例に説明する。
まず初層溶接における溶接条件、すなわちウィービング
の有無、ウィービング幅、両端でのウィービング停止時
間、ウィービング速度、溶接速度等を記憶しておく。こ
れらは、裏当金の有無、溶接姿勢、溶接方向(上進、下
進)に応じて、実験等によって経験的に定められる条件
であって、例えば裏当金を使用しない場合、溶接線ブロ
ックBの下進では、ウィービングを行なわず溶接速度24
cm/分での溶接を行ない、一方上進溶接では、ウィービ
ング幅3mm、ウィービング両端での停止時間0.4秒、ウィ
ービング速度40mm/秒、溶接速度12cm/分での溶接を行な
う。前者の場合、第2図に示す初層ビード厚さΔT1は3.
5mm、後者の場合ΔTlは4mmとなるが、これら初層ビード
厚さΔT1も各溶接条件毎に記憶しておくものとする。
そして上記以後の中間層の溶接に関しては、溶接条件と
しては、各中間層において形成しようとするビード厚さ
ΔT、両端でのウィービング停止時間、ウィービング速
度をそれぞれ記憶しておく。この場合、例えば第2層目
の溶接を行なうのであれば、開先形状に基づいて、上記
第1層でのビード厚さΔT1と、この層で形成しようとす
るビード厚さΔTとから、この層で形成される表面ビー
ド幅WBと、この層において必要とされる単位長当りの溶
着金属量を演算し得ることになる。そして上記表面ビー
ド幅WBに基づいて、ウィービング幅Wwを、例えばWw=WB
-1(mm)というように決定する。また上記のように溶接
電流と単位長当りの溶着金属量が定まっており、上記の
ようにウィービング幅Wwが定まる結果、これに基づいて
この層での溶接速度も演算し得ることになる。以上のよ
うにしてこの層でのウィービング幅と溶接速度とを求め
ることが可能であるが、以後の各中間の層に対しては上
記と同様な手順で形成されるビード厚さΔTを順次加算
しながらウィービング幅と溶接速度とを求めておく。な
お上記のようにしてウィービング幅と溶接速度とを求め
る結果、ウィービング幅が大になれば、それに従って溶
接速度は低下していくことになる。
そして上記のような中間層の溶接を行なった後、第4図
のように、残りビード厚さdが上記中間層における1層
当りのビード厚さΔT以下になった場合には、以下のよ
うな手順にてウィービング幅Wwを求めて仕上層溶接を行
なう。この場合、溶接条件としては、ウィービング停止
時間とウィービング速度とを記憶しておくものとする。
仕上層溶接を行なう際のウィービング幅Wwを求める手順
は次の〜の通りである。
残りビード厚さdが2mm以下の場合には、開先先端幅W
fに関連してWw=Wf-1(mm)とした溶接を行なう。
残りビード厚さdが2mmより大で3mm以下の場合には、
最終中間層より1層前の中間層でのビード幅WB-1に関連
して、1パス目はWw=WB-1、2パス目はWw=WB-1+2
(mm)として2パス溶接を行なう。
残りビード厚さdが3mmより大で上記中間層でのビー
ド厚さΔT以下の場合には、最終中間層でのビード幅WB
に関連して、1パス目はWw=WB-1、2パス目はWw=WB+
1とした2パス溶接を行なう。
なお上記各ウィービング幅Wwでの仕上溶接を行なうに際
し、溶接速度は、上記中間層と同様に、ΔTのビード厚
さが得られるように選択するものとする。これはビード
表面に適当な余盛りを形成するためである。またこの仕
上溶接層はビード表面形状を考慮して全て上進溶接とす
るのが好ましい。
以上のようにして初層から最終層に至るまでの積層溶接
条件を、各溶接線ブロックに定めることが可能である。
第5図には各種データの入力から溶接の実行に至る一連
の過程のフローチャートを示すが、図のように、まずス
テップ1において溶接継手部の寸法データを、ステップ
2にて溶接電流データをそれぞれ入力し、次いでステッ
プ3にて上記のように積層溶接条件を算出する。そして
ステップ4においてはロボット側に実際の溶接線を教
示、記憶させ、ステップ5にて上記教示データと各溶接
条件に関するデータとを関連づけると共に、これを溶接
用ロボット側に転送し、ロボット側では、ステップ6に
て上記データに基づいて溶接を行なうのである。すなわ
ちロボット側においては、上記において入力された溶接
電流データ及び上記によって算出された積層条件(ウィ
ービング幅、ビード厚さΔTに相当する上方へのトーチ
シフト量等)に基づいてアーク溶接を行なうのである。
なお上記の溶接を行なうに際しては、例えば溶接線ブロ
ックA→B・・・→H→Aの順に2回連続して溶接を行
ない、その後上記とは反対のA→H・・・→B→Aの順
に4回連続して溶接し、さらにその後上記とは逆に4回
連続して溶接を行なうというように、所定回数毎に溶接
方向を反転させる。この場合、反転時にはアークを切ら
ずに溶接を連続し、またこの反転等のビードの重なりを
1°程度にするものとする。
(発明の効果) この発明の固定管の円周溶接方法によれば、最適な溶接
条件を作業者の技量に無関係に一義的に設定し得ること
となり、そのため溶接条件設定作業の簡素化と、溶接品
質の安定化とを図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は円周溶接線のブロック分割例の説明図、第2図
は開先形状の説明図、第3図は中間層の形成状態を示す
説明図、第4図は仕上層の形成状態を示す説明図、第5
図はデータ入力から溶接実行に至るまでの一連の過程を
示すフローチャート図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水平軸心回りに形成された円周溶接継手を
    消耗式電極を用いてアーク溶接するための円周溶接方法
    であって、上記円周溶接継手を溶接姿勢に応じて複数の
    溶接線ブロックに分割し、各溶接線ブロック毎に、溶接
    継手部の寸法データと、この溶接層にて形成しようとす
    るビード厚さとからこの層でのビード幅と単位長当りの
    必要溶着金属量とを演算すると共に、これらに基づいて
    この層でのウィービング幅と溶接速度とを溶接電流との
    関連において求め、これらに従ってウィービング幅と溶
    接速度とを変えながら各溶接線ブロックを順次溶接する
    ことを特徴とする固定管の円周溶接方法。
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