JPH0342994B2 - - Google Patents

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JPH0342994B2
JPH0342994B2 JP18014186A JP18014186A JPH0342994B2 JP H0342994 B2 JPH0342994 B2 JP H0342994B2 JP 18014186 A JP18014186 A JP 18014186A JP 18014186 A JP18014186 A JP 18014186A JP H0342994 B2 JPH0342994 B2 JP H0342994B2
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Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は、厚肉ベンデイング鋼管の高能率溶接
方法に関し、詳しくは、厚さが25〜60mmにもなる
厚肉のベンデイング(板巻)鋼管を溶接欠陥を生
じさせること無く高能率で溶接するための溶接技
術に関するものである。 (従来の技術) 大径鋼管の製造方法としては、UOE方式、ス
パイラル方式、ベンデイングロール方式、あるい
はプレスベンデイング方式などがある。 これらのうちプレスベンデイング方式は、ベン
デイング後真円度を良くするために鋼板の両端を
まず油圧プレス等で端曲げを行い、その後プレス
により通常は20〜30回の転圧成形して所要の管径
にしてから溶接を行う方式で、比較的厚肉鋼管の
製造に適している。 この技術は、(1)内面開先どり(ガス切断)、(2)
端曲げ、(3)プレスベンデイング成形、(4)外面側部
分仮付け、(5)内面側多層溶接、(6)外面ガウジン
グ、(7)外面多層溶接、(8)寸法修正、の工程で製管
する方法である。 前記工程で採用する溶接法としては、一般にサ
ブマージアーク溶接方法が用いられるが、これは
同方法は溶け込みが深く、溶着速度が大で、かつ
外観の良好なビードを得るのに適しているからで
ある。しかしながら、内外面とも多層溶接しなけ
ればならないため、溶接に要する時間が非常に長
く、生産性はこれによつて律速されている。この
点、UOEパイプやスパイラルパイプの場合には、
多電極サブマージアーク溶接法による両面一層溶
接が普通であり、溶接速度も速いため、多層溶接
を必要とするものに比較すると、溶接の効率は非
常に高い。このような両面一層溶接法が可能とな
るためには、UOEパイプのように開先精度が良
好でなければならず、前記プレスベンデイング鋼
管では開先突合わせ精度が良好とはいい難く、肉
厚も大きいため必然的に多層溶接とならざるを得
ない。 第7図は、従来プレスベンデイング鋼管用素鋼
板の端部形状を示したもので、通常はこの素鋼板
1に角度αの内面側2に当る部分に開先4を設け
て曲成するが、成形後の形状は第8図に示すよう
に開先の一点でしかあわなくなり、外面側3の突
合せ部に角度θ1のすきまが生じる。このすきまは
プレスのかけ方により多少の変動はあるものの第
7図のような内面開先4をとる限り不可避に生
じ、このすきま(角度θ1)のために内面側の初層
溶接条件は大きく制限を受ける。すなわち、この
ような開先において内面側2から溶接を行うと溶
け落ちしやすい。従つて内面側の初層溶接条件
は、溶け落ち防止上、低電流、低入熱にしなけれ
ばならず、通常は1電極法を用い、低電流で行わ
れる。このようにして行われた内面初層ビードで
は溶着金属量が少なく、第2層目で入熱量を上げ
すぎると初層溶接金属をアークが貫通してしま
い、第2層目においても溶け落ちが生じるという
問題があるため、第2層目も1電極による低電流
溶接を行い、入熱量を大きくした溶接は第3層目
以降とならざるを得ず、溶接能率が極めて悪いと
いう問題点があつた。 (発明が解決しようとする問題点) そこで、本発明者らは、厚肉プレスベンデイン
グ鋼管製造時の溶接能率の向上を目指して溶接速
度アツプと溶接パス数の低減をはかるべく、多電
極サブマージアーク溶接条件と、開先精度の関係
について詳細に検討した。 その結果、溶接の能率の向上策としては、大入
熱溶接でパス数を低減し、しかも溶接を高速で行
うことがもつとも効果的であるが、そのためには
解決すべき以下のような問題点がある。 まず、上述のように溶け落ち防止のためルート
部にすきまが生じないように成形製管する必要が
ある。これによつて内面大入熱溶接が可能となる
が、実際のプレスベンド製管工程において全くす
きまの無いような形成をするためには高度の技術
と細心の注意が必要であまり実用的でなく、多少
のルート部すきまは許容しなければならないのが
普通である。 また、この溶接の高能率化については、内面は
外面に比べるとスラグ除去などの溶接作業がやり
にくいこと、ならい装置の存在をうまく処理しな
ければならないことなどから大入熱1パス溶接を
することが不可欠であり、しかも好適な開先を採
用して溶け落ちや溶接欠陥の発生しない溶接をし
なければならない。 次に、その他の問題点として、従来、内面多層
溶接終了後に外面側から内面ビードまでガウジン
グしていたが、ガウジングであつても非常に時間
を要する。したがつて、内面1パス溶接を前提と
すると工程のバランス上ガウジングも能率化する
必要がある。しかも、ガウジングに伴う騒音、ヒ
ユーム等もあわせて考えると、このガウジング工
程の能率化、省略化は必須である。 (問題点を解決するための手段) 要するに、高能率溶接方法を達成するために
は、溶接速度の向上、溶接パス数の低減、
ガウジングの能率化を図らなければならない。 これに対し、上記に関しては多電極大入熱
溶接法の採用によつて、対処でき、また上記に
関しては、従来の内面Y開先では既に述べたよう
にガウジング工程に多大の時間を要するので、外
面側についても開先どりをしてX開先化を採用す
ることで対処できる。 ただし、このX開先化については、はじめに外
面開先内を継続的に仮付けしたのち内面溶接を行
い、その後仮付けビードのみをガウジング除去す
るのが普通である。 ところが、前記外面開先内の部分仮付けビード
の総長さは、スプリングバツクによる力を抑える
ためにシーム長の約1/2程度としてガウジングを
要する長さを抑え、その部分だけをグラインダ仕
上げするようにしても、思いの他ガウジング時間
の短縮につながらないということが判つた。 しかも、仮付けビードの無い部分で起こる溶落
ちを防止する必要も考え、外面開先内を連続(全
長)仮付溶接しガウジングを省略する方が全体と
して能率面でメリツトのあることがわかつた。 なお、かかる仮付け溶接は炭酸ガス溶接法によ
り行うが、この溶接法の場合溶接入熱量が少ない
ため、後記する開先角度では溶込み深さは2〜4
mm程度と考えれば良く、開先精度が悪くてもこの
方法で溶落ちすることは無い。しかも、この炭酸
ガス溶接法によれば、ルートフエース長さが6mm
以上10mm未満になるようにし後記する内面溶接条
件を採用すれば外面側仮付けビードと内面ビード
を十分にラツプさせ、ルート溶け残しによるブロ
ーホールの発生が防止できる。 次に、内面多電極溶接および外面初層多電極溶
接において、先行極の電流を900A以上として入
熱量が75KJ/cm以上となるように設定し、6mm
以上10mm未満のルートフエース長さにすれば、全
面仮付けビードがあつても内外面ビードをラツプ
させ得ることを知見した。この際、開先角度が小
さすぎると溶込みの確保が困難となつてくるた
め、内外面開先角度はある程度広くすることが必
要である。開先内での溶接ではいわゆる梨の実型
のビードとなり、高温割れが発生しやすいが、こ
れも開先幅をある程度広くすることで防止可能で
ある。 さて、厚肉の溶接では、スラグ巻込みが発生す
るとその後の手入れに多大の時間を要し、せつか
く高能率化しても効果が無くなるという問題点も
あるが、スラグの巻込みは深溶込みで、ビード底
部の曲率が小さいときに発生しやすく、とくに開
先内溶接となる外面初層溶接が問題となりやす
い。この点についても検討したところ、多電極溶
接において第1電極電流を900A以上、第2電極
以降の電流をその直前の電極電流の90%〜100%
とすることにより、ビード底部の曲率を大きくす
ればスラグの巻込みが防止できることが判明し
た。外面開先内の仮付ビードの存在は外面初層ビ
ード底部の曲率をより大きくする上でも有効であ
る。 なお、本発明は、上述のような知見にもとずい
てなされたものであるが、被溶接材がもともと薄
物では溶接パス数もさほど多くならないため溶接
能率が問題となることは少ない。また逆に60mmを
越えるような極厚の物ではもともと全体のパス数
が多くなるため、かかる対策がとくに効果を発揮
できるのは25〜60mmのときである。 以上要するに上述した点についてまとめると、
本発明は; 開先加工を施した厚肉鋼管用素鋼板を管状に成
形し、得られた管の開先内面および外面を溶接す
る方法において、 上記素鋼板に、製管時にルートフエースとなる
部分の長さを6mm以上10mm未満とすると共にルー
トフエース角度を2〜7゜とする開先加工を施すと
ともに内・外面開先相当部分に25〜40゜の開先加
工を施し、 その素鋼管をプレスベンデイング方式にて成形
して未溶接鋼管とし、この未溶接鋼管の外面側開
先内を炭酸ガス溶接法により連続仮付けし、 次いで行う内面溶接については、先行極の電流
を900A以上とし、入熱量が75〜150KJ/cmの多
電極1パス仕上げサブマージアーク溶接を行い、
次に外面溶接については、外面開先内の前記仮付
けビードの上面を第1電極電流を900A以上、第
2電極以降の電流をその直前の電極電流の90%〜
100%として75KJ/cm以上の入熱量で多電極サブ
マージアーク溶接を行うことを特徴とする厚肉ベ
ンデイング鋼管の溶接方法、 を課題解決手段として採用する。 このような溶接方法を採用すれば、溶接やガウ
ジングに多大の時間を要していた従来の厚肉ベン
デイング鋼管の溶接能率を飛躍的に向上させるこ
とができ、しかもスラグ巻込みの無い溶接部が得
られるようになるのである。 (作用) 本発明における鋼管用素鋼板に施す開先加工に
関しては、該素鋼板に対し、成形製管したときに
開先断面積のルートフエースとなる部分の長さが
6mm以上10mm未満で、2〜7゜の開先加工(面取
り)を行う。これは内面の大入熱1パス溶接を実
現するのに不可欠である。次いで、こうして得ら
れた開先付鋼板をプレスベンデイング方式にて曲
成した鋼管を得るのである。 まず、上記内・外面開先形状(X開先)を得る
ために素鋼板に施す開先加工について説明する。 第7図に示した従来法で用いる素鋼板の開先
は、外面側の突合せ部に第8図の如く角度θ1のす
きまが生じ、これが後述する大入熱溶接の実施を
困難にしている。この本発明では、このすきまを
無くす所定のルートフエースを得るために、第2
図に示すように、該当部分に角度α2の加工を施す
こととした。しかも、ガウジング工程を省略する
ために、外面開先用角度α3の加工が必要であり、
これを成形すると理想的には第1図に示すように
ルート部にすきまの無い継手用開先ができる。 このとき(素材の端面6に施す)ルートフエー
ス部角度α2は2°〜7゜が適当であり、これ以外はつ
ぎのような問題点がある。すなわち、α2が2゜より
小さい場合には第8図に示すθ1と同様、外面側ル
ート部にすきまが生じ、仮付けビードが流れ込
み、その部分に炭酸ガス溶接による脱酸生成物が
残留したりして、次工程の内面サブマージアーク
溶接時に溶接欠陥となりやすい。即ち仮付け溶接
といえども良好なビードを得る必要があるわけで
あり、ルート部にすきまが生じないようにするこ
とが重要である。いつぽう7゜より大きい場合には
第3図に示すように逆に内面側ルート部に角度θ2
のすきまが生じる。この場合も内面ビードにブロ
ーホールなどの溶接欠陥が生じやすく、できるだ
けこのようなルート部の開きが出ないようにする
ため、素材ルートフエース部の角度α2は2°〜7゜に
すれば良い。 ところで突合せ後の内・外面開先角度は、ルー
トフエース部角度α2との関係で第1図の場合には β=2(α1−α2) (1) γ=2(α3+α2) (2) となるため、ルートフエース部角度α2が大きすぎ
ると内面側は狭開先溶接に近くなり、十分な溶込
み量の確保が困難となる。一方、外面側は角度が
大きくなるため開先面積の増大を招き、結果的に
溶着量を増加させなければならないという不都合
が生じる。 次に、上述のような開先の素鋼板を、プレスベ
ンド成形製管して外面側を仮付けする。このと
き、ルートフエース長さl4を大きくして全長につ
いて仮付けを行うと、その後に行う内面サブマー
ジアーク溶接において、仮付けビードと内面ビー
ドがラツプせずにルートフエースがそのまま残つ
てしまい、第4図に示すようにその部分を起点と
するブローホールが内面サブマージアーク溶接金
属中に発生する。したがつて、ルートフエース長
さl4は10mm未満とする必要がある。一方その長さ
l4が6mm未満の場合には、外面側の開先面積が増
加し、厚肉になるほど増加量が多いために溶接パ
スの増加を招き、目的とする溶接の高能率化に反
する結果となる。 次に、素鋼板に施す開先加工については、内面
側角度α1、外面側角度α3に関しては、成形突合わ
せ時の角度変化(1)、(2)式を考慮すると25゜〜40゜に
する必要がある。その角度が25゜よりも小さい場
合は狭開先になりすぎて十分な溶込みの確保が困
難になるし、一方、角度が40゜より大きい場合は
開先面積が広くなるため溶着量をふやさなければ
ならないという問題がある。 外面の仮付け後に行う内面溶接であるが、これ
にサブマージアーク溶接による多層盛で行うと、
パイプ内面でのスラグ除去の問題やシームならい
の困難さなどがあり、極めて作業しにくくなるこ
とから1パス溶接で仕上げる必要がある。その
際、十分な溶込み深さと溶着量を確保するために
は、多電極で先行極電流を900A以上、しかも入
熱量を75〜150KJ/cmの大入熱にすることが必要
である。75KJ/cm未満では溶込み量が少なく炭
酸ガス仮付けビードとラツプしなくなりブローホ
ールが発生する。一方、150KJ/cmを越える場合
にはビード外観が不良となりやすい。 このように内面溶接を大入熱を投入して1パス
で仕上げると、当然この工程のつぎに実施される
外面開先部のガウジングの高能率化もはかれない
とライン全体としての高能率化は期待できない。
そこで、本発明では外面開先について仮付けビー
ドを残したまま、即ちガウジングをせずに外面サ
ブマージを行うことにした。このような方法で
は、ルートフエース長さl4を適正化して仮付けビ
ードを全て溶融し、外面初層ビードを内面ビード
にラツプさせなければ、継手性能には不完全なも
のとなり、また仮付けビード内にはしばしばブロ
ーホールなどの欠陥が存在するが、それらが除去
できなくなるおそれがある。 なお、この外面溶接に当つては、開先内の初層
ビードでのスラグ巻込みが問題である。ただし、
外面に多電極溶接を採用し、初層溶接条件として
第1電極電流を900A以上、第2電極以降の電流
をその直前の電極電流の90%〜100%として、少
なくとも75KJ/cm以上の入熱量となる条件を用
いれば、外面初層ビードのスラグ巻込みを防止で
きる。 すなわち、内面ビードは1パス仕上げであるた
めビード幅が十分広くなるのに対し、厚物の外面
溶接では、多層溶接にならざるを得ない。しか
も、初層ビード幅は開先形状によつて制約を受け
るため、結果的にビード幅に対して溶込みの深い
ビードになりやすく、第5図に示したようにビー
ド断面底部の曲率も小さくなりスラグ巻込みが発
生しやすい。これを防止するためには第1電極電
流を900A以上として、まず溶込み量を確保する。
そして、第6図に示すように、ビード断面底部の
曲率を大きくするという要請に応えられるビード
を得るためには、第2電極以降の電流をその直前
の電極電流の90〜100%にするとよい。 また、仮付けビードがあつても、前記外面ビー
ドが内面ビードと十分にラツプするようになるた
めには入熱量を少くとも75KJ/cm以上投入する
ことが必要である、すなわち、外面開先内に仮付
けビードがあつても、ビードの表面がフラツトで
あれば、ルート部がV形状(第5図参照)の場合
に比較して元のルート先端から溶け込み深さの減
少は極めて少ないので、既に述べたようにルート
フエース長ささえ適正化すれば内面ビードと十分
にラツプさせることができる。また、仮付けビー
ドの存在によりビード底部の曲率はさらに大きく
なり、スラグ巻込みは一層発生しにくくなるとい
うメリツトもある。 さて、外面側の初層を溶接し、その後、つまり
第2層以降の溶接が必要な場合には、板厚に応じ
て入熱量を上述のように設定して溶接する。要す
るに、本発明の外面多電極溶接法の採用は、従来
能率の悪かつた厚肉ベンデイング鋼管の溶接をガ
ウジングなしで高能率に行うことができるように
なる。 (実施例) つぎに本発明の実施例によりさらに詳しく説明
する。 実施例 1 API規格、X−60級、板厚44mm、長さ3m、外
径760mm用パイプの素鋼板に、第1表に示すよう
な開先加工を施してプレスベンデイング成形し、
第2表に示す条件で溶接した。サブマージアーク
溶接では直径4.0mmのSi−Mn系ワイヤとSiO2
TiO2−Al2O3系溶融型フラツクスを用いて3電極
溶接を行い、外面1層目の溶接終了後X線検査に
よる内部欠陥や溶込み具合等を調べた。 第3表にその溶接結果を示したが、本発明法の
場合開先形状、および溶接条件がすべて必要な条
件を満たしているため、いずれの場合も良好なビ
ードが得られ、かつ内外面ビードのラツプも十分
であつた。 これに対し比較例として示したB1〜B4はいず
れの場合も問題点があつた。すなわち、B1では
α2=0であるため成形したときにルート部に第8
図のθ1の如きすきまが生じたため、外面開先内仮
付け時にルート部すきまに仮付けビードが流入凝
固し、炭酸ガス仮付けビード内にも溶接欠陥が発
生し、これが原因で内面ビード内にスラグ巻込み
が発生した。B2、B3は、ルートフエースのl2
長すぎて炭酸ガス仮付けビードと内面サブマージ
アーク溶接金属がラツプせず、結果的にルートフ
エースl4が残り、かつ内面ビードにこれに起因す
るブローホールが生じたのである。さらに、B4
ではα2,l2とも本発明の条件内であつたが、α1
20゜と小さいため内面ビード外観は良好になつた
ものの外面1層目溶接後の切断マクロ試験結果は
内面側ビードの溶込み量が小さく、内外面ビード
がラツプしていなかつた。しかも外面側のα3
45゜と大きく成形後の突合わせ角度が100゜にも達
し、開先幅、面積とも大きくなりすぎて外面1層
目ビードにアンダカツトが発生した。
【表】 * 形状は第2図の要領
【表】
【表】
【表】
【表】 実施例 2 実施例1で用いた鋼板と同様の鋼板および溶接
材料を用い、第1表のA2と同様の加工を施して
これを成型し、外面側開先内を連続的に全長仮付
けした後、内面に3電極サブマージアーク1層溶
接を行つた。つぎにガウジングなしで外面側の初
層溶接を行い、X線透過検査により欠陥を調査
し、さらに断面マクロを調べた。 溶接条件と溶接結果を一括して第4表に示した
が、本発明法の場合(C−1〜C−4)は、開先
形状、溶接条件などが全て必要な条件を満たして
いるため、外観が良好でX線検査や断面マクロ組
織観察によつてもスラグ巻込み、溶込み不足など
の欠陥は発生していない。 これに対し比較例(D−1〜D−4)では、本
発明で限定した条件を満足していないため、ビー
ド外観は良好でも溶接欠陥が発生している。すな
わちD1では、外面初層溶接条件のうち各電極電
流比が小さすぎるため、溶込みは十分であるにも
かかわらずスラグ巻込みが発生している。D2で
は、外面側初層溶接の電流比は本発明の条件を満
足しているものの、入熱量が72.9KJ/cmと小さ
いため、仮付けビードが内・外面ビードの中央に
サンドイツチされた形で溶け残つており、継手と
しては不十分であつた。この場合、X線観察では
欠陥は認められなかつた。D3では、外面初層溶
接時の第1電極の電流値が850Aと小さいため、
電極電流比や入熱量は本発明条件を満足している
にもかかわらずD2と同様仮付けビードの溶残し
が生じた。D4では、内外面の溶接における入熱
量が不足しているため溶込み不足が生じ、かつ外
面初層溶接での電流比も本発明条件を満足してい
ないため、スラグ巻込みも発生している。
【表】 実施例 3 実施例1で使用した鋼管および溶接材料と同一
の材料を用い、溶接を最終パスまで実施しパス数
および溶接を終了するまでの時間を測定し、従来
法と比較した。第5表に成形後の仮付け溶接以降
の条件を示した。 本発明の場合、内面は3電極1パス仕上げで、
ガウジングせず、しかも外面も2パス溶接で終了
しているのに対し、従来法では内面溶接の1パス
目、2パス目で溶落ちやメタル流出を防止するた
め、1電極小入熱低速溶接を行つており、内面に
6パスの溶接が必要であつた。 またガウジングにより、外面開先を作るためこ
こでも多大の時間を要し、さらに外面のパス数も
本発明法より多いため、能率が悪い。 第6表は溶接結果を示したものであるが、本発
明法の場合は、開先ルート部にすきまが生じない
ために、最初から大入熱溶接が可能でガウジング
もないことから極めて能率が良く、パス間温度
150℃では40分で全てを終了した。これに対し、
従来法では、235分と本発明法の6倍の時間を要
した。
【表】
【表】 (発明の効果) 以上説明したように本発明によれば、ベンデイ
ングロール成形した厚肉鋼管を、溶接作業トラブ
ルを引起すことなくかつ溶接欠陥のない溶接を能
率良く行うことができる上、溶接に要する時間を
大幅に短縮し得る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明にかかる溶接継手部につきベ
ンデイングロール成形したときの開先突合わせ状
況を示す略線図、第2図は、本発明法で用いるベ
ンデイングロール鋼管用素材の側面図、第3図
は、ルート部内面側のすきまを示す説明図、第4
図は、ルート部溶残しに起因する内面ビードのブ
ローホール発生の説明図、第5図および第6図
は、いずれも溶接条件を変化させたときの外面初
層ビード断面形状の説明図、第7図は、従来のベ
ンデイングロール鋼管用素材の側面図、第8図
は、従来素鋼板をベンデイングロール成形したと
きの開先突合わせ状況を示す溶接継手部の略線
図、第9図のイ,ロは、実施例3の継手部開先形
状の略線図である。 1……鋼管用素鋼板、2……内面側表面、3…
…外面側表面、4……内面側開先、5……外面側
開先、6……ルートフエース、7……外面側仮付
けビード、8……ブローホール、α1……素鋼板内
面開先角度、α2……素鋼板ルート面角度、α3……
素鋼板外面開先角度、l1……素鋼板内面開先深
さ、l2……素鋼板ルート長さ、l3……素鋼板外面
開先深さ、l4……突合わせ時ルートフエース長
さ、β……突合わせ時内面開先角度、γ……突合
わせ時外面開先角度、θ1……突合わせ時外面すき
ま角度、θ2……突合わせ時内面すきま角度。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 開先加工を施した厚肉鋼管用素鋼板を管状に
    成形し、得られた管の開先内面および外面を溶接
    する方法において、 上記素鋼板に、製管時にルートフエースとなる
    部分の長さを6mm以上10mm未満とすると共にルー
    トフエース角度を2〜7゜とする開先加工を施すと
    ともに内・外面開先相当部分に25〜40゜の開先加
    工を施し、 かかる鋼板をプレスベンデイング方式にて成形
    して未溶接鋼管とし、 この未溶接鋼管の外面側開先内を炭酸ガス溶接
    法により連続仮付け溶接し、 次いで行う内面溶接については先行極の電流を
    900A以上とし入熱量が75〜150KJ/cmの多電極
    1パス仕上げサブマージアーク溶接を行い、 次に外面溶接については、外面開先内の仮付け
    ビードの上面を第1電極電流を900A以上、第2
    電極以降の電流をその直前の電極電流の90%〜
    100%として75KJ/cm以上の入熱量で多電極サブ
    マージアーク溶接を行うことを特徴とする厚肉ベ
    ンデイング鋼管の溶接方法。
JP18014186A 1986-08-01 1986-08-01 厚肉ベンデイング鋼管の溶接方法 Granted JPS6336973A (ja)

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