JPH0671539U - 中空ブロック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 建築用並びに造園用資材に係り、更に詳しく
は壁を形成するブロック並びにに土手に傾斜を補強する
型付き中空ブロックを提供する。 【構成】 正面壁１０と、底壁１１と、二つの側壁１
２，１３との組み合わせからなる中空ブロックであっ
て、該正面壁１０が底壁１１から直立する盾形を形成
し、その両側に側壁１２，１３から突出する突出縁１５
を有し、かつまた側壁１２，１３よりも高い高さを有し
ており、それらの側壁１２，１３と底壁１１とは一体と
なって正面壁１０に直角な方向に中空部１６を形成し、
中空ブロックが更に中空部内を正面壁と平行に延びる横
方向の壁１７で分割された二個の仕切り区画を含み、か
つまた側壁１２，１３から外方へ突出する補強壁１８，
１９を含む中空ブロック。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】 本考案は建築用並びに造園用資材に関し、更に詳しくは壁を形成するブロック 並びに土手の傾斜を増強する型付き中空ブロックに関する。モルタルを使わない 乾性の壁をきずいたり、擁壁または護岸をきずいたり、更には傾斜面を浸食や地 滑りから保護して該傾斜面を安定させる型付きブロックが知られている。かかる 型付きブロックは間隔をおいた形で連続して敷設されることが多く、従ってテラ ス状になった内壁中段に似たブロック間に位置するブロックには草を植えたりす ることが出来る。この方面で新しいものにスイス特許出願５８７，３９０になる 土手用ブロックがある。この型付きブロックは開放された後部を有し、前部壁、 二個の側壁並びに底を有した箱形のプレキャスト・コンクリート・ブロックであ る。二個の側壁は僅かではあるが底の下方へと延び、その結果、底面の両側には 溝が形成され、従って連続して敷設されると、これら型付きブロックは相互に湾 曲して接合する。このようにして一種の重し壁が形成され、この重し壁は単位面 積当りの重量としてブロックの自重と中空部に詰められた土壌の重量とを有する 。

【０００２】 上述の型付きブロックの場合、壁をふくらんだ形にあるいはへこんだ形に湾曲 させるのに必要なだけの寸法を溝間に設けなければならないためこれらのブロッ クの重量が約５０キログラムという重さになる欠点があるし、また壁の単位面積 当り多数個の型付きブロックを必要とするという欠点がある。従って、壁の平方 米当りに８個の型付きブロックが必要であり、最大壁面傾斜は３：１で最小湾曲 半径は約２メートルでしかない。多くの場合、特に最大１：２という斜面を補強 しなくてはならぬ一軒家のまわりの土地をテラス状にする場合、これら公知の型 付きブロックが高価すぎてかつまた多くの用途に利用出来るような融通性に欠け ていることは明らかである。また、この種斜面ブロックは水に接したところで土 地の傾斜面を補強するには十分ではない。というのはこれらブロックはいずれに しろ土が分散するのを防いだり、投げ込まれあるいは詰められる土を保護したり するための囲いを形成出来ないからである。

【０００３】 重量をふやすために底を厚くし、ただし側壁と底とをシール状に連結するため のへこみを底面に設けないで各種実験やテストが行われ、更には正面壁に平行な 横壁を設けたり、側壁に外方に延びる翼状の側面連結部を設けたりして各種実験 やテストが行われた。普通の砕石を使用した従来の補強敷設に比べて、この種斜 面ブロックが極めて高価であることは勿論である。ただし、この種斜面ブロック は水線上では簡単な方法で草などを植えることが出来るし、水線下ではへこみ内 に小石の大きなのを詰め込んで該斜面ブロックの重量をふやすようにすることが 出来る。しかしながら、上述したものはすべて湾曲面と直線面とを有する水路に 対して自然な外観を見せるには不十分であることが実験で明らかとなった。何故 なら、これらブロックがある角度で相互に連続して敷設される場合、内部の土が 流れないように適切に囲うことが出来ないからであり、従って土の流出の恐れが ある。

【０００４】 本考案の一つの目的は上述した如き欠点を克服し、かつまた上述した如き諸必 要条件を満たすことである。本考案のもう一つの目的は改良された壁を提供して 斜面を安定させることである。本考案の更にもう一つの目的は改良された建材ブ ロックを提供することである。本考案の更にもう一つの目的は軽量で、従って製 造するのに安価であり、垂直状の壁から、最小傾斜度約２：１で適当な後詰め用 の土を有する壁までをも含むどのような形状の壁をも形成可能な型付きブロック を提供することである。本考案の更にもう一つの目的は土手の斜面の補強という 点であらゆる必要条件を満たすことの出来る型付きブロックを提供することであ る。

【０００５】 本考案の要旨は正面壁と、底壁と、二個の側壁との組み合せからなる型付き中 空ブロックにある。本考案によると、正面壁は底壁に垂直に起立する盾形を形成 し、側壁から突出する縁をその両側に有しかつまた側壁よりも高い高さを有する 。更に本考案によると、側壁と底壁とは一体的になって正面壁とは直角をなす方 向に中空部を形成し、型付きブロックは溝内を正面壁と平行に延びる横方向の壁 によって分割された二個の仕切り区画を含みかつまた側壁から外方へと突出する 補強壁を含む。本考案並びにその各種目的は添付の図面に示す好ましい実施例の 以下の如き詳細な説明から更に明らかになる筈である。

【０００６】 図１、図２に示す本考案になる型付き中空ブロックの二個の実施例はそれぞれ 正面壁１０と、正面壁１０に連結された底壁１１並びに二つの側壁１２、１３と を有する。正面壁１０は好ましくは半円形のプレートとして底壁１１から垂直に 起立する盾形に形成してあり、側壁１２、１３の外側面から突出する突出縁１５ をその両側に有し、側壁１２、１３の上縁の上方に突出する側壁１２、１３より も大きな高さ２０を有する。正面壁１０と直角をなす方向に側壁１２、１３と底 壁１１とが一体となって形成する中空部１６は横方向の壁１７でほぼ等しく二分 されている（図１参照）。従って、型付き中空ブロックは中空部１６内を正面壁 １０と平行に延びる横壁１７により分割された二つの仕切り区画を含む。横壁１ ７の部分では、側壁１２、１３がその外側面で側壁１２、１３から外方へと突出 する二個の補強壁１８、１９を有し、補強壁１８、１９は側壁１２、１３と一体 的に成形されている方が好ましい。補強壁１８、１９は側壁１２、１３から突出 するか、あるいは相互に互い違いに配設されていることが好ましく、そうすれば 複数個の型付き中空ブロックが連続して隣接敷設された場合、隣接する補強壁１ ８、１９はそれぞれの隅角縁で接合または係合されることになる。正面壁１０か ら突出する各突出縁１５は対応する補強壁１８、１９の横方向の長さよりも小さ いことが好ましい。補強壁１８、１９は、側壁１２、１３から外方へと計測した 場合、正面壁１０の突出縁１５の幅よりも大きい。

【０００７】 突出縁１５並びに補強縁１８、１９はいくつかの目的を有する。例えば、傾斜 が後方へと拡がっている場合、型付き中空ブロックはその正面壁を横方向に接触 させてあるいは相互に整列させて敷設し、一方では中空部１６により、他方で側 壁１２、１３並びにその隅角縁で接合または係合する補強壁１８、１９によりチ エンバーを形成する。この場合、水をかけても水はこれらチエンバー内に止まる ことになって、型付き中空ブロックの背後の土壌を洗い流すことがない。へこん だ形に湾曲している場合には、正面壁１０を相互に隣接させ、補強壁１８、１９ は丁度お互い触れ合う位まで引き離せばよい。他方、突出した形に湾曲している 場合には、正面壁１０を引き離し、補強壁１８、１９は相互に係合するようにす ればよい。

【０００８】 更に、突出縁１５は補強縁１８、１９と共にブロックがゆったり敷設されるの を可能にし、従って傾斜を安定させる費用を軽減する。図３、図４、図５はゆっ たりと敷設された型付き中空ブロックの積層法の一例を立面図、平面図、断面図 として示したものである。図１の実施例では、横壁１７は側壁１２、１３と一体 的に成形してある。図２の第二実施例では、横壁２１は側壁１２、１３並びに底 壁１１と一体的には形成してなくて、別個なパーツとして形成され、側壁１２、 １３は別個のパーツとしての横壁を保持するための中空部１６内のその内面に突 出部２２、２３を有する。これらの突出部２２、２３はそれぞれ別個なパーツと しての横壁２１を保持するため底壁１１から垂直に起立して延びる溝２５を形成 する。この実施例の利点は応用性が高いことにある。

【０００９】 中空ブロックは通常の水線の上方にまで一杯に土を詰め込み、植物を植えると 、土が分散させられることがないから土の生物学的な結合が短時間で生じて有利 であるし、どのような氾濫の如き状態になっても、一方では突出縁１５と側壁１ ２、１３よりも大きな高さ２０を有する正面壁１０とにより、他方では補強壁１ ８、１９により流れ落ちる水から保護されて、土の流出の生じることがない。図 面に示す本考案の実施例、つまり型付き中空ブロックは従来の擁壁にもまた適し ている。例えば、補強壁１８、１９を有した中空部１６は、特に地面が弛んでい たり、あるいは底土が極めて湿り気の高い場合、重し壁として使用出来る。かか る点では、底壁１１に側壁１２、１３の厚みと少なくとも等しい厚みを持たせる ようにすればよい。また更に重量を大きなものにして更に強固なものにするため には、底壁１１に側壁の厚みの少なくとも二倍の厚みを持たせるようにすればよ い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第一の実施例である型付き中空ブロッ
クの斜視図である。

【図２】本考案の第二の実施例である型付き中空ブロッ
クの斜視図である。

【図３】本考案の実施例になる型付き中空ブロックで土
手の斜面を補強した際の正面図である。

【図４】本考案の実施例になる型付き中空ブロックで土
手の斜面を補強した際の平面図である。

【図５】本考案の実施例になる型付き中空ブロックで土
手の斜面を補強した際の断面図である。

【符号の説明】

１０ 正面壁 １１ 底壁 １２、１３ 側壁 １５ 突出縁 １６ 中空部 １７ 横壁 １８、１９ 補強壁

Claims (9)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 正面壁と、底壁と、二つの側壁との組み
   合わせからなる中空ブロックであって、正面壁が底壁か
   ら直立する盾形を形成し、その両側に側壁から突出する
   突出縁を有し、かつまた側壁よりも高い高さを有してお
   り、それらの側壁と底壁とは一体となって正面壁に直角
   な方向に中空部を形成し、中空ブロックが更に中空部内
   を正面壁と平行に延びる横方向の壁で分割された二個の
   仕切り区画を含み、かつまた側壁から外方へ突出する補
   強壁を含む中空ブロック。
2. 【請求項２】 底壁が側壁の厚みに少なくとも等しい厚
   みを有する実用新案登録請求の範囲請求項１記載の中空
   ブロック。
3. 【請求項３】 底壁が側壁の厚みの少なくとも二倍の厚
   みを有する実用新案登録請求の範囲請求項１記載の中空
   ブロック。
4. 【請求項４】 正面壁が半円形の形状を有する実用新案
   登録請求の範囲請求項１記載の中空ブロック。
5. 【請求項５】 横方向の壁が側壁と一体的に形成されて
   いる実用新案登録請求の範囲請求項第１記載の中空ブロ
   ック。
6. 【請求項６】 横方向の壁が別個なパーツとして形成さ
   れ、側壁の突出部を有し、突出部がそれぞれ別個なパー
   ツを保持するための底壁から直立して延びる溝を形成す
   る実用新案登録請求の範囲請求項１記載の中空ブロッ
   ク。
7. 【請求項７】 補強壁が横方向の壁の部分にあり、かつ
   また側壁と一体的に成形されている実用新案登録請求の
   範囲請求項１記載の中空ブロック。
8. 【請求項８】 補強壁が側壁から互い違いに突出し、数
   個の中空ブロックが連続して敷設された場合、隣接する
   補強壁が相互にその隅角縁で接合する実用新案登録請求
   の範囲請求項７記載の中空ブロック。
9. 【請求項９】 補強壁が、側壁の外方へ向かって計測し
   た場合、正面壁の突出縁の幅よりも大きい実用新案登録
   請求の範囲請求項８記載の中空ブロック。